11話 真実と開戦
11話 真実と開戦
タイアリア帝国
「待っておったぞ…よく来たのぉ…魔神の妹ミーシェ…。」
タイアリア帝国皇帝クレイサンダーがミーシェに挨拶する。
周りには槍を持った竜人の兵士が囲んでいた。
「…ここに連れてきて私をどうするつもり?牢屋にでも入れるの?」
「武器を下げろ。」
そう言うと竜人達は槍を下ろす。
「…牢屋?そんな所に入れる訳には行かん。魔神の妹ミーシェ…いや、ミーシェ殿。あなたは我が国の客人じゃ。」
「え?」
「藤山優との約束によりあなたの身柄は我が国で預かる。ここからは藤山優には内緒じゃが…我々はあなたを客人として…歓迎する。」
「え?ちょ…何言って…」
クレイサンダーは指を鳴らす。
するとミーシェの前に1人のメイドが現れた。
そして深く頭を下げる。
「タイアリア帝国にようこそいらっしゃいましたミーシェ様。この度貴方様の世話係に命じられましたタイアリア帝国メイド長、ローザと申します。」
「…へ?」
「もっと楽にせんか、ミーシェ殿。わしらはあなたを歓迎こそすれ牢屋にいれるなどということはせん。捕虜というのは他の国を味方につけるための形にすぎん。この国から出ないというのならば好きにしてもらって構わん。ああそれと…連れて来い。」
「は!」
そう言うと1人の兵士が奥から1匹のブラッドウルフを連れてきた。
「!、マシュマロ?」
「わん!…へっへっへっ…」
兵士がマシュマロを離すとマシュマロは一目散にミーシェの元に駆け寄る。
「わっと…」
ミーシェはマシュマロを抱き上げる。
「藤山優から託された。ミーシェは寂しがり屋だから一緒にさせてやってくれとな。」
「…ユウ…。あの…ユウはどうして私を捕虜に?」
「他国に信用してもらうためじゃ。…それから…あなたを傷つけないためじゃよ。」
「!」
「今回の戦争は恐らく今までにないほど大きなものとなる。敵は邪神じゃ。藤山優の気持ちも分かってやってくれんか?」
「…あなたは…どうしてそこまでしてくれるんですか?」
「至極簡単じゃ。儂は藤山優が気に入った。」
「信じて…いいんですか?」
「口約束では信じられんか?」
「いえ…ユウがそういったのなら…」
「分かった。ローザよ、部屋に案内してくれ。」
「かしこまりました。ミーシェ様、こちらです。」
「あ、はい。」
案内された部屋のベッドに座るミーシェ。
「何が…どうなって…」
ミーシェは部屋を見回す。
ミーシェを考慮してか、キッチン付きの豪華な部屋である。
「わん!」
マシュマロがミーシェの顔を舐める。
「ふふ…くすぐったいよ…。」
ミーシェはマシュマロをあやす。
「…ねえ…マシュマロ…。」
「くうん?」
「私はユウにとって…邪魔だったのかなぁ?私…ユウと一緒にいない方が良かったのかなぁ?」
「わん!」
「マシュマロ?」
マシュマロは首を振る。
「マシュマロ…その首についてるのは?」
マシュマロの首には緑色の宝石が輝いていた。
「これは…アーティファクト?」
ミーシェは宝石を取る。
ザ…ザザ…
「?…何これ…」
―――あーあー…ミーシェ…聞こえるかー?
「!、ユウ?!ユウなの?!」
―――まあ録音だけどな…。ミーシェ…まずはお前に謝る。勝手なことして悪かった。お前の覚悟を…踏みにじっちまった。でもこれだけは信じてくれ。俺は今までお前を邪魔だなんて思ったことは一瞬だってない。ミーシェ、この戦争は今までにないほど大きな戦いになる。常に死と隣り合わせだ。お前には…死んで欲しくない。お前がいない世界なんてなんの意味もない。タイアリアのジジイは信用してもいい。少し頭が固いが…信頼出来るやつだ。
最後に…今回は本当に悪かった。その…許してくれ…。お前に嫌われたら俺…自殺しちゃう…。全てが終わったら迎えに行く。だから…待っててくれ。いつだってお前のことを…愛してる。あ、それと暇があったら料理とかでも手伝ってやってくれ。じゃあな。
録音はそれで終わった。
「…っ…うっ…やっぱり…馬鹿だよ…!ユウ…!」
ミーシェは蹲り涙を流す。
「そんなこと言って…ユウが死んだら…私だってこの世界にいる意味ないのに…!あなたはいつもそう…私のこと分かっているようで…何も分かってないんだから…!」
「わん!」
「マシュマロ…っ…!」
ミーシェはマシュマロに抱きつく。
「…ユウ…!本当に…本当に
…バカ…!」
魔神領
「ユウ、行くわよ?」
「ああ。」
優はピルーク王国に向かう。
大きな戦争に向けて。
―――ヒュベリオンの配置はできたか?
「は!」
―――ならば仕掛けるぞ…対象は…ピルーク王国。
「はい!」
…古代兵器ヒュベリオン…起動。
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