LNCrawler

48話 勇者は嗤う

腹下したせいで1人異世界転移に遅れてしまったんですが — novelba.com · All chapters

48話 勇者は嗤う

ギイィン!

互いの剣が衝突し、凄まじいエネルギーがこの空間を満たす。

「くっ…つぅ!やるな…!小宮陸…!」

「っ…レイ…持ってくれよ…!うおおおおぉ!」

迫り合う度に、衝撃波が飛び散る。

「はあぁぁ!」

「うおおおおぉ!」

拮抗し、斬撃となり上空に打ち上がった。

「はぁ…はぁ…」

「ふふ…ふはははっ!末恐ろしいな…!小宮陸!最高の勇者と謳われた私の剣を受け止めるか!」

「…レイ、大丈夫か?」

──ああ…何とか…な…。

「そうか…。」

──それにしてもあのゼノと言う魔剣…恐ろしい力だ…あのまま陸が斬撃を打ち上げてくれなければ負けていたかもしれん。

「っ…そうか…。」

「気を抜くな…!小宮陸!勝負は…ここからだぁ!」

レイラは魔剣を振り回し、何発もの禍々しい斬撃を繰り出す。

「っ…レイ!」

──ああ!

レイの能力により陸の身体が分身する。

「カオスホーリーソード!」

「ふ…聖剣術か…面白い!カオスエビルマッシャー!」

「っ…魔剣術…うおおおおぉ!」

またしても力は互角だった。

「よく耐えるな…小宮陸、エクスカリバーよ。」

「何度も言わせるな…エクスカリバーじゃない…レイだ。」

「そうだったな…。」

「ピルーク王国流剣術… 枝垂桜 しだれざくら !」

陸は斬撃を空に飛ばす。

その斬撃は上空で弾け、レイラに襲いかかる。

「ふ…中々のスキルだ…。ふんっ!」

それら全てを弾くレイラ。

「天馬一閃!」

「っ…色魔法…赤。」

灼熱の塊がレイラを襲う。

「焔魔!」

「…白!」

「おっと危ない…その技を忘れていたよ…。エレメンタルジャベリン!」

陸の周りに各属性を纏った槍が現れる。

「色魔法…緑。」

そう言って地面に剣を突き立てると、陸の周りを木々が包み込む。

「それで防いだつもりか!焔魔ぁ!」

「色魔法…青!」

さらに巨大な波が包み込み2層の壁となり攻撃を防ぐ。

「そう来なくてはつまらん!剣の舞!」

「ピルーク王国流剣術… 桜吹雪 さくらふぶき 。」

斬撃で出来た花弁がレイラの斬撃を受け流した。

「いい…いいぞ…これ程のものと戦ったのは久しぶりだ!私の中の勇者の血が騒ぐぞ!魔剣術…ダークネスフローズンライト!」

凍てつく闇の波動が魔剣から放たれる。

「ピルーク王国流剣術… 鍔弾き つばはじき !」

陸はレイを逆手に持ち替え、鍔で闇の波動を受け流した。

「そうか…その技は初代ピルーク王国国王が作り出した技だな?どこかで見たことがあると思った…。どこで覚えた?」

「僕は読書が趣味でね。王国の禁書庫を特別に見せてもらった時に初代国王の日記に書いてあったのさ。せっかくの優秀な剣技…盗まない訳には行かないだろう?」

「それらの高等な技術を盗むとは…やはり貴様は強いな…小宮陸!」

「それを初代勇者に褒められてもらえるのはありがたいな…。」

「さあ…まだまだ行くぞ…小宮陸!」

────

「驚いたな…一線を退いた君が何の用だい?勇者レイラ。」

???年前。

私…レイラは愛剣エクスカリバーを置いて姿をくらました。皆には死んだと伝えた。

「万物神エーテリアよ…どうやら私は…地底王の悪魔神を倒したことにより神格化したらしい。」

「そうだね…。僕がそうした。」

「なんのために?」

「君を僕の手元に置いておきたかったって言えばいいかな?」

「貴方の手元に?」

「うん。まあなんというか気に入ったんだよ。僕の暇つぶしになってくれたらいいと思ってね…。」

「私にはまだ倒さなければ行けない相手がいる。魔神サラ…私の最終目標は魔神サラなのだ…。」

「残念だけど君ではサラには勝てないよ。それに勝てたとしてもサラとは僕が戦わせない。そんな高レベルな争いをしたら世界が滅んでしまうからね。」

「そうか…。ならば私はどうしたらいい?」

「僕が君に与えた神格は勇神。勇者レイラ改め勇神レイラよ。君をここ神界は歓迎する。君にはここでこれから現れるであろう新たな勇者の器を確かめてもらいたいんだ。」

「新たな…勇者の…?」

「それが君の役目だ。」

「勇神レイラ…か。悪くない響きだな…。エーテリアよ。私をここに呼んでくれたことを感謝する。」

「ふふ…どういたしまして…。」

それから私はこの神界で勇者の誕生を何回も見届けた。

しかしこれと言って手応えのありそうな勇者は見つからなかった。

魔神は封印され私はそろそろ退屈し始めていた。

そんな時だ。エーテリアが暇つぶし目的で異世界から勇者召喚を行った。

その時私は初めて2人の勇者に興味を持った。

1人はエーテリア自らが力を与えた勇者藤山優。

そしてもう1人はこれと言って突出した強さはなかった小宮陸。だが彼は何故か私の目を引いたのだ。

そして彼は今私の目の前に立っている。

「ふはははっ!やはり私の目は狂っていなかった!小宮陸!心から敬意を表する!貴様は我を超える勇者に成りうるだろう!だが私は負けない!貴様を倒して私は…伝説となる!」

互いの剣が交錯する。

最後の一騎打ちが始まった。

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