LNCrawler

2 *

Chihiro. — fujossy.jp · All chapters

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「……ん……」 どのくらい経ったんだろう。延々と泣き続けた目は真っ赤に腫れてしまった。こんな事で泣くなんて、我ながら女々しすぎると思う。全部上手く出来なかった自分のせいなのに。(ごめんなさい、) 今日の事、きっと佐伯さんにも報告行くんだろうな。失望される。当たり前か。仕事の連絡は佐伯さん通せって言われてるのに、相談もしないで勝手に引き受けて、勝手に失敗して、大勢の人に迷惑かけた。 また熱くなってきた目頭を押さえて俯いていると、何だか廊下が騒がしい。「……?」 何だろ、アヤ来たのかな……? 逃げ込むようにして入ったこの部屋は、さっきの撮影部屋のすぐ近く。なんとなく気になって廊下を覗いてみると、近くを通りかかったスタッフさんと目が合った。「あっ! 男優さん見つけましたー!!」「……?」「ほら、早く来てっ」「えっ、ちょっと……」 訳も解らないままぐいぐいと連れて来られたのは、またこの現場。「時間押してるから早く」「でも俺、さっき……」「他に居ないんだよ。アヤも連絡つかないし、急だから他の子も調達出来ない」 切羽詰まったスタッフさん達の声に押され、おずおずとベッドに座る。 と、奥のシャワールームから結城さんの姿。「っ、あ、あのっ……さっきは本当にすみま……」「は? 何その顔。泣いた訳? 撮れねぇじゃん」「あ……」「あー本当だ。目が腫れちゃってるね……」 うつむいた俺の顔を覗き込み、濡らしたタオルを差し出してきたメイクさん。それを見ていた監督が、ある提案を出す。「じゃあさ、無理矢理にしちゃう?」「あー……うん。いいっすね」「結城くんのレイプ物ってハズレ無いですし」「またかよ。まあいいけどさ」「じゃあ決定で。衣装お願い」「了解でーす。結城くんこっち来てーっ」 無理矢理? レイプ? 状況が飲み込めないまま話は進み、俺も制服に着替えさせられる。「準備出来たね? 始めるよ」「あのっ、俺、何すれば…」「ああ、君新人なんだっけ。とりあえず結城くんに任せてればいいよ。大丈夫。彼は人気ある子だからさ、流されちゃいなよ」「わ、解りました……」 どうしよう。どんなのだろう。台本も無い。何も解らない。怖い。でもやらないと。もう失敗は許されない。頑張らなきゃ。「はあ? お前新人なわけ? なんで俺がこんな奴の相手しなきゃいけねぇんだよ……」「っ、す、すみません……」「さっさと終わらせて帰るわ」 冷たい目。冷たい言葉。また泣きそうになるのを何とか耐えていると、急に前髪を掴まれ引き上げられる。「痛っ……!」「なんだ、顔はイイじゃん」 にやにやと舐め回すように見られ、反射的に顔を背けるが、その耳元で一言。「顔は殴んないでやるよ」「え……? っ、あ……!」 鳩尾にくらった拳。突然の痛みによろけた身体をベッドに押し倒され、着たばかりの制服を無理やり剥ぎ取られる。「っ、げほっ! げほっ、やっ、やめっ……!」 演技でも何でもなく、ただ素で抵抗してしまい。視界に映った大きなカメラとマイクに、撮影のことを思い出して慌てて思考を持ち直す。 が、その一瞬の抵抗も結城さんを苛つかせるには十分だったようで。――バキッ「ッ!」「あーあ、顔殴っちゃったじゃん」「っ、う、あ……」「あははっ! イイ顔するじゃんお前」 痛い。痛い。なんでなぐるの。怖い。 胸がザワザワする。怖い。頭がついていかない。「んっ! んぐっ!」「ほら、しゃぶれよ」 口内に突っ込まれたソレは既に固く勃ち上がっていて、舌を伸ばす間もなくぐちゅぐちゅと口内で律動を始めた。「んんっ! んッ! げほっ、ンっ、んんんっ!」「あー気持ちいい」「んぐっ、んんーっ!」 ただでさえまだ慣れておらず苦手なフェラなのに、そんなのお構いなしに喉の奥まで激しく打ちつけられる。 殴られた頬と腹が痛い。掴まれた前髪も痛い。苦しい。苦しい。こんな一方的で乱暴なフェラ初めてで。 本当は、とっくに逃げ出したくてたまらなかった。 結城さんも怖い。本当に怖くて。でも、一度失敗したから、今度こそなんとか成功させなきゃって。だってこれが俺の仕事だから。「んぐっ、んっ! げほっ……げほっげほっ」「勝手に止めてんじゃねぇよ」「んんうっ、んぐう、んっ!」 仕事だから。俺の仕事だから。 だけど、ふと脳裏に浮かんだ佐伯さんの姿。下手くそな俺にいつも合わせてくれて、いい子だね、上手く出来たね、って優しく頭を撫でてくれる佐伯さんの姿。 比べるなんて、意味無い事だけど。でもあの優しい笑顔を思い出して、とうとう涙が溢れた。「んぐっ! っ、げほっ……んっ、げほっ」乱暴に口から引き抜かれたモノに安堵しながら、必死で呼吸を整える。だがそのままぐちゅりと後孔にあてがわれ。「え……」 待って。待って。まだ慣らしてない。ローションもない。そっち触ってすらいない……の、に……「……いッッ! っ、あああぁぁアあッッ!」 最奥まで無理矢理突っ込まれたそこが、ぎちりと嫌な音をたてる。 痛い、痛い、痛い、何これ、痛いこんなに痛かったっけ? 違う。違う。痛い。 こんなの違う。こんなの知らない。「……あ……ああぁ、ア、」 噛み合わずに震える歯がガチガチと音をたて、目から勝手に流れ落ちる涙で視界がぼやける。 何とか痛みをやり過ごそうと耐えていると、無情にも始まった容赦ない打ちつけ。「休んでんじゃねぇよ」「ひぐ、っううぅ! いっ、あアあっ!」 痛みで視界が歪む。頭の中が耳鳴りの音でいっぱいになる。かすかにぐちゅぐちゅと水音がした。なんで、ローション使ってないのに。無意識に下に向けた視線が、脚を伝う赤を捉えて、またボロボロと涙がこぼれる。 血、出てる。痛い。こんなに痛いのに、なんで、なんで止めてくれないの、「い、たいっ、ッ……やッ、うぅッ、」 力の入らない上半身はガタガタと震え、腰だけ高く上げられたまま、ただただ泣きながら耐える。ぼやけた視界の中、目に入った大勢のスタッフに手を伸ばすが、ギリ、と叱るように爪をたてられ。「ひっ、アぁ……ッ!」 激しく抜き差しされるその入り口。ふいに爪で裂けた後孔の傷口を無理やり広げられ、声にならない悲鳴をマイクが拾う。 もう止めて。無理だよ。もう無理、痛い、痛い痛い痛い痛い、怖い、こわい、こわいの、「ひううっ、あああっ! もお、やだ……っ! 抜い、て……いた、うぅッ……っ!」「あー、最高……」「いやああアっ、痛いッ……、やだあっ、ひあアあっ! もおやだ……ッ!」 お願い助けて、 誰か助けて、 佐伯さん、佐伯さん、佐伯さん、 佐伯さん、助けて…… 頭の中を埋め尽くす大きな耳鳴り。そこに混ざり次第に掠れていく自分の叫び声。 それを聴きながらただただ泣く事しか出来なかった――……