第四話 店長の過去 尋問官の今 中編
第四話 店長の過去 尋問官の今 中編
キャプション注意書きは、読まれたでしょうか。
今回は本当に殺人、暴力、流血の表現があります。
人外設定を出した描写があります。
グロは控えめなつもりです。
前後編のつもりが、中編になりました。すみません。楽しんでいただければ、幸いです。
夕刻 サイド
「……ベルモンドとオリバーだけでも足らないで、まさか神田君まで駆けつけてやっとなんてね。悪魔の暴走とは怖いもんだ」
遠くから聞こえてきた音声を、ロベルはまず感知した。次にまぶたが勝手に、体が起きて意識が覚醒しだした時の反応として、開く。視界に入ってきた光景は、ドア前に立つオーナーと自分の方へと近寄ってきた店長だった。
働かないロベルの頭は、ただ目と耳から入ってくる情報を処理するだけだ。思考にはノイズがかかってまとまらない。
「ロベちゃん、起きた?自分がなにやっていたか思い出せる?」
優しく聞いてくる夢追の声を質問と理解するのに、まず数秒かかった。
「起きた……。あれ、なんで寝てた?なんで地下室に」
答えを思考しだして、やっと脳は動きだす。最初に自分の置かれた状況の理解と把握をしようと辺りを見回した。
かすれた視界でも分かる、ここは地下室だ。VIPルームとしても商談室としても使う、防音設備の整った部屋。とても、誰かを休ませるために使うとは思えない部屋。
周りの認識をすると同時に、頭が痛みを訴えてきた。患部へ無意識に手を当てようとして、やっと彼は異変に気付く。
腕が固定されて、ほんの少しも動かせないのだ。
驚いて振り向きながらも体を揺する。見れば後ろ手に拘束されていた。椅子に固定されていて、二の腕と手首のあたりに締め付けと固い感触が伝わってくる。胴体も足も椅子に縛られていて、自由に動かせるのは首から上だけだった。
「はっ?!え、ええ?え?」
いくら裏社会の住人といえども、普通に生活していたら陥らない非常事態のさなかにいると自覚して、信じられない、かつ予想できない状況に置かれていて、ロベルは驚いた。
「そんな驚かないで。あんまり動いて倒れても知らないよ」
さも日常の一コマのように注意をしながら、夢追は目の前のゲーミングチェアに座る。長い脚を組んでゆったりと構える。普段通りだ。少なくとも、今はまだ。
「なになになに、なんで俺は今縛られてる?!」
一方のロベルは動揺し驚きながらも周囲を改めて確認する。
地下室にあったはずの豪奢な装飾品はすべて取り外してあり、代わりに無骨なローテーブルが一つだけ。置いてあった高級家具は跡形もない。椅子は自分を固定する分と、目の前にある座り心地の良いゲーミングチェアのみ。床は、一面に敷いてあったカーペットがなくなっていて、無機質なコンクリートの顔を向けてくる。中央と四隅に排水溝があるのは、一体どのような理由だろうか。ただ、嫌な予感が寒気を伴って背筋を駆けていった。
理由も経緯も分からないが、明らかに異常で、自分が危機的な状況にいるとだけはよりハッキリした。
完全に覚醒した頭はフル回転し、ロベルはこうした状況でできるただ一つの行動を取る。
「夢追さん、犬山さん。これは一体どういうことですか」
言葉を交わしわずかでも情報を得るのだ。相手は知り合い、いや、ここで働かないかと誘ってくれた恩人であり雇用者でもあり、組織のボスである犬山と、親友であり組織と職場の先輩でもある夢追だ。敵対組織もしくは正体不明の何者かに攫われたのとは違う。
明確な敵意や害意を目の前の彼らは向けていない。それでも、気丈に尋ねるロベルの声は震えていた。
真正面に座る男は、弧を描いた真っ赤な瞳でロベルを貫く。
片方の肘掛けに体重をかけて、首をかしげて笑っている。
例え縛られていなくても、ロベルは寒気がしただろう。
嫌なことに、殺風景になった部屋は恐怖を倍増させる。
「なんで夢ちゃんは普段の笑顔以外の笑った顔はそんな怖いんや」
冗談と本気を半々に混ぜて、ロベルはどうにか場を和ませようと、そして自分の状況を好転させる糸口にしようと言葉を発する。
「ロベちゃん、お声が震えていてよ」
表情はそのままで夢追は答える。声は、しゃべり方は、顔は、姿は、たしかに夢追翔なのに。なのにどうしてか分からないが、ロベルは体の震えが止まらない。目の前にいる人物が、自分の知る友達の『夢ちゃん』とも、『店長』とも一致しない。
「怖がらないでもいいんだよ。ね、まだなんにもしてないでしょ?縛っちゃってるけどさ。拘束しているのはロベルが暴れたからだし、僕らが君を傷つけたくないからなんだよ?」
言いながら、夢追は椅子から立ち上がってロベルに近寄る。
「ロベちゃん、覚えてないの?お店で何があったのか。自分がなにをしたのか」
彼は眉をひそめて心配する声を出して、割れ物にでも触るようにそっとロベルの頭に手を当てる。心配そうに顔を覗き込む。
全ての動作が、声音が、表情が、雰囲気が、ロベルが働いてきた三か月間で見て聞いて触れて、コミュニケーションを取って、話してきた『夢追翔』と合致しない。
知っているはずの知らない誰かからの質問は、ロベルの頭をすり抜ける。
「ロベさん、混乱しちゃっているじゃん。夢追君さ、尋問官しないで。昔の仕事の顔が出てるよ」
雰囲気変え過ぎ。ほどほどにしてよね。と、遠くからの声がする。
犬山がたしなめたのだ。
むすっとした口に、眉尻を吊り上げて、腰に手を当てて、ちょっと怒っていますよ、不機嫌ですよとアピールするその仕草。
「ああ、つい癖でちゃったか。ごめんごめん。ロベちゃん驚かせちゃったね。もう大丈夫、大丈夫だよ」
ロベルへ優しく落ち着かせるように言い聞かせる。頬を自分で軽くたたいて、いつものにこやかな笑顔に表情筋を動かす夢追。
この一幕で、ロベルは少しだけだが、自分の居た場所へ戻ったような気がした。
注文の多い厄介な太客風でもあり、なんやかやで有能なツッコミ役である犬山と、感情と表情の順序が逆で、ボイスの種類豊富ですぐに演技を見せてくる夢追。
二人のやり取りは、傍観していられる分には面白く、ロベルはこの一幕を眺めていられる瞬間が好きだ。
「今の、夢追の悪い癖が出ちゃったね。ごめんね。尋問するときはああやってつい圧かけちゃうの。ロベルが『ロベル』なら、尋問する必要ないと思うから、もう出さないと思うよ。……で、本題に戻らせてもらいたいんだけど、ロベルはお店で自分が何をしたか、全然思い出せない感じ?」
だから、縛られてはいるが少しだけ平常心を取り戻し、やっと問題と向き合う。
「待ってや。なんで寝ていたか全然思い出せない。えーーーと、思い出せるのは……」
今の状況に至る前、店で何があったのか、ロベルは記憶をさかのぼっていく。
彼は自分の現状の問題に集中していて、気づかなかった。
夢追の言葉に含まれている不穏さにも、夢追がまだ尋問官の目をしていたことにも。
夢追 サイド
開店時間の五分前。久しぶりの全力を出せるパーティーにも、仲間が自分の誘いに乗ってくれていることにも、夢追は喜びを覚え興奮を隠しきれないでいた。
緊張した顔のロベルと、楽しみでしょうがないオリバーの顔を交互に見比べていたら、階段を降りる足音が聞こえてきた。全員そろって裏口へ視線をやり、次の瞬間にはドアを開けた神田と全員の目が合った。
「お待たせしました。これで準備万端です、いつ始まっても対応できます」
紅い手袋をはめながらいつもはしない悪い顔をして、神田は歯を見せて笑いながら言う。彼もまたロベルへの『お披露目』に全力を出す準備を整えていると、言葉の外で伝えてきた。
息せき切って神田が出勤したのは大体二十分前だ。大学から直に来た彼に、「まだ時間はあるから着替えてきたら?」と、夢追は『合図』を送った。正しく信号を受け取って彼は本気を出すべく、黒のスーツに赤いネクタイ、紅い手袋をはめた本気の正装へ着替えてくれたのだ。
「うん、じゃあ、もう早いけど鍵を開けてopenの看板を出すよ。最終確認だけど、ロベちゃんはカウンター裏に控えていること、最低限の自己防衛は忘れないことね。オリバーは調子に乗って店の備品壊すほどの力を出さない、犬山も見張りよろしく。あとは、『指令塔や情報持っていそうな奴は生け捕り』ね。他は好きに食べていいよ。
ああ、そうそう、かんちゃんは外に行く?それとも中?」
確認をしている途中で、神田にはまだ店の外の狙撃手たちを狙うか、敵主戦力が来る店内に残るか聞いていなかったと思い出した店長は聞く。どちらに行ってもらっても構わないが、何かあった時の連携のためにも、立ち位置を把握する必要があるからだ。
「もちろん、外ですよ。私の『食事』の作法は夢追さんも分かっているでしょう?」
聞き慣れた穏やかな声の中に潜む不穏さが、夢追には心地よい。
「神田くんならそう言うと思ってた。尋問は僕の楽しみだから、ちゃんと捕まえてきてね」
「分かってますよ。私は別に殺す必要ないですし」
一応釘を刺しただけだよ、と手を振りつつ、夢追は立ち上がる。軽快な足取りでドアの前に立つ。
「さあ、お客さんは待ちきれないみたいだ」
ドアの向こう側にいる人の音を聞いて。
内側にいる仲間へ宣言をして。
店長はわざと派手な音を立てて鍵を開ける。
夢追が鍵を開けると同時に、ドアノブが勝手に動いた。
外へ向かって開くドアから覗くのは、一つの銃口と複数の敵意。
「こんばんわ。開店を待っていましたよ。店長さんかオーナーさんはいらっしゃいますか?我々は大人しく穏やかな話しあいをしたいのです」
銃口を向ける人物は、優男という言葉がよく似合う。紳士ぶった物言いをして、薄っぺらな穏やかな表情を向けている。裏にある感情をまったく隠せていない、ただの大根役者だ。
優男の背後には、三人のガタイのいい男。全員そろって濃いサングラスとガスマスクをして、人相も表情も隠している。
ただ、わざとらしく血のシミを付けた服を着ていては、見た目倒しの三下ですと言っているようなものだ。
見た目だけの脅しなど、本当に強い者は使わない。
「いらっしゃいませ。店長は私です。オーナーもいますよ。まずはそちらのボックス席へどうぞ」
営業スマイルをより深くして、落ち着き払って店長は対応する。三つあるうち、扉に一番近いボックス席へ客人を誘導する。
「店長、オーナーさんも交えてお話ししたいのですが、どなたでしょうか?」
案内されながら優男が聞いてくるが、肝心のオーナーはその場から全く動かない。名乗る気がないのだ。
「オーナーは少し席を外しておりまして。そのうち戻ってくるでしょうから、先に私がお伺いいたします」
外向きの声になった店長は、適当にごまかしつつ自分も席に着く。客を奥に、上座へ座らせたから、向かい合う夢追は店のカウンターに立つ神田やロベル、裏口の近くに控える犬山やオリバーも視界に入れる形になった。
従業員たちに背を向ける客へ、考えが甘すぎると店長は冷静に分析する。客からすれば、店長を窓から狙撃しやすい側の席へ座らせたいのだろう。しかし、その代わりに自分が背後を取られる危険を倍増させている。
店側の者たちは全員、表に浮かべるのは緊張した面持ちでいる。
内面では、鴨がネギを背負ってきたとにやけが止まらないことだろう。
「さてはて、今宵はどういったご用件でしょうか」
わざと背筋を伸ばしたまま、余所行きの仮面を被って訊ねてみる。
「決まっているでしょう、落とし前を付けてもらいに来ました。二日前ここへ来た客の一人と、十日前に追い返された客からの依頼でしてねえ、心当たりがあるんじゃないですか」
銃を軽く動かして、店長へ回答を促す。
丁寧な言葉の裏にある、相手の力量を図れないで見下す態度。
あっさりと依頼主を晒してくる頭の悪さ。
「ああ、そうですかよくわかりました」
晴れやかな声で言ってやると、どうやら意外だったらしい、相手は驚いて眉を動かした。
「あなた方と茶番をしてもつまらない。差し向けてきた頭の悪い方々の察しは付きましたし、念のため、あなたとは後で詳しいお話をさせてもらいましょう。もっと骨のある刺客が外にいるといいな。お前程度、ちょっと体を壊すだけですぐ悲鳴をあげそうだ」
馬鹿でもバカにされたと分かるように、言葉だけでなく表情と声色と仕草も合わせて示してやれば、優男は顔を真っ赤にしてテーブルを拳で叩いた。
「なんだと、勝機があるとなんて思っているのか。力の差を分からせてやる必要があるな」
自分の煽る顔と声、仕草の効果に満足しつつ、店長は、時間にしたらほんの三秒ほど、待ってやる。優男がハンドサインを送りつつ自分へ標準を定めるのを面白おかしく眺める。
同時に、店の後方で茶番劇を眺めていた仲間へ合図を送る。
黒いスーツと紅い手袋の彼は、意気揚々と一切の音を立てないで、裏へ回る。
優男が銃の標準を定めて、控えていた連れが各々の懐から獲物を取り出す頃には、迎え入れた側は準備を終えていた。
「おい、いますぐ言葉を撤回して謝れ。でないとそのきれいなスーツに風穴を開けるぞ」
言葉を取り繕うのもやめた男は、銃のトリガーに指をかけている。
「あなたこそ、指の一本でも動かせるとお思いですか」
だが優男は、自分のすぐ後ろからかかった低い声に驚かされる。同時に彼が感じるのは、首元に当てられた冷たいナイフの切れ味だ。
「な……え……」
目を白黒させて言葉も出せない格下へ、店長は現実を教えてやる。
「オリバーがいつ後ろに来たか、分からなかったでしょう。憐れだねえ、ええ?今どうしてナイフを当てられているか分かるか?お前が愚かだからだよ。力の差を分からせてやるとか、ねぇ」
優男のお供たちも、アタマを押さえられて、否、店長とキャストの殺気に当てられて固まった。
しかし、一瞬の沈黙もドアを蹴破る轟音に上塗りされる。
「動くな、死になくなければ言うことを聞け、床に伏せろ全員だ」
早口で聞き取りやすい大声を上げながら、さらに三人の傭兵が店内に乱入する。室内を見渡しマシンガンの標準を定めるまでが早い。仲間一人が人質に取られていてもまったく気にしない姿勢に、こちらが本隊だとマフィア達は理解する。
ここからが、パーティーの始まりだ。
勝手に口角が上がる。周りに怖がられる満面の笑みを店長は見せる。
「じゃ、オリバー、犬山、こっちはよろしく。そのうちベルモンドも来ると思うから」
「はい、外は任せましたよ店長」
ナイフの柄で喉を潰し、せき込む隙に後頭部を殴りつけ気絶させながら、オリバーは店長を見送った。
傭兵たちが制止するより早く、黒い影は外へ飛び出した。
神田 サイド
夢追からの合図を受け取って、神田は音を立てずに外へ出た。自身の能力を、魔力を使って影伝いに移動し、店周辺のビルの屋上に潜んでいる狙撃手へ襲い掛かる。
銃のスコープから店を覗いていたら、突然背後に人の気配がするのだ。狙撃手はさぞかし驚いただろう。
振り向いたら、アタマにヤギの角を生やし、耳の先は鋭く尖った金髪の男が立っていれば、なおさらだ。
「あ……悪魔!!」
「珍しくもないでしょう、こんなマフィアの街に住んでいたら。私と同じように手を血で染めているくせに」
驚いているうちに素早く相手の両手首を掴んで、骨の折れない程度の力を加える。痛みにうめき、狙撃手はサブウェポンを掴み損ねる。
「あなたはハズレですね。その程度の反応しかできないなんて、下っ端だ」
――でも、生命力は強い。
獲物の耳元でささやいてやれば、人間は命の危機を本能で感じ取り震えあがる。
恐怖に染まった感情に満足しながら、神田は獲物へ鋭い爪を突き立てた。
そうして一人目を始末すると、か細くて喉を潰された短い悲鳴が聞こえた。音源である三つ先のビルへ、悪魔は影を伝って移動する。
「神田君、どうだった?」
右手で線の細い人間の首を掴み、左足で捻じれた角の生えた頭を踏みつけた人物が、血まみれの現場に似つかわしくない上機嫌な声で神田に話しかける。
「あっちにいたのはただの若造で、味はよかったですね。情報は持っていなかったから食べきりましたよ。夢追さんは、ずいぶんと楽しまれたようですね」
黒いシルエットでも分かる、頭に生えた三角形の獣の耳。腰についているしなやかな尻尾。
振り向いた男は、きれいな顔にべったりと血を付けていた。
「うん、とても楽しい。ちゃんと不意打ちにも対応して、反撃してくれたの。生きようとあがく姿っていいね楽しいねえ」
容赦のない殺気のあふれる言葉を聞くのは久しぶりだ。最近は一人でこなす依頼ばかりで、仲間と組む機会がなかった。
神田は胸いっぱいに空気を吸い込む。襲撃した相手の恐怖と新鮮な血の匂いは、いつでも悪魔の心に安らぎをくれる。
反対に、首を掴まれた人間はさらに顔をこわばらせている。
「お前は一度寝てな。あの優男と合わせて尋問してやるよ」
温度の無い声で残酷な宣言され、喉を締められているのか人間は苦しそうな顔をする。だが神田にとっては当たり前の光景だ。
「あっという間ですね。事前に聞いていた通り、大した相手じゃない」
神田が事前に察知した狙撃手は三人だったし、この索敵が得意な戦闘種族である夢追がゆっくりとしているということは、もう外に敵はいない証左である。
「ま、今回こんなに本気を出したのはロベちゃんにこの姿を見せるためだから。さくっと始末して、帰ろうか」
一仕事を無事に終え、互いに雑談をしながら現場の掃除を始めようとした時だった。
人間なら聞き取れない音域の笛の音が、夜空を切り裂いた。
二人は顔を見合わせると、一目散に店へと戻る。影の中を移動すればほんの数秒なのだが、神田はその数秒ですら長く感じた。
笛の音は緊急事態の合図、急いで戻れと言うボスからの命令なのだ。数年に一度も鳴らさない、本当の危ない事態にならないと聞かない音。
店の入り口をくぐると、神田の考えていたどの状況とも違うが、どれよりも驚かされる光景が広がっていた。
「っ!!どうしたんですか一体!!」
「とにかく落ち着け、お前、言葉が分からないのか!?」
切羽詰まった仲間の声。投げ飛ばされたテーブルが壁に叩きつけられて、派手に破片をまき散らす。
荒れた店内に敵影はない。床にいくつかの肉塊と、大きな血だまりがあるだけだ。
オリバーとベルモンドが必死になって抑え込もうとしているのは、二人がかりでも動きを止められないで暴れているのは。
夕刻ロベルだった。
飛ばしても平気な あとがき
お読みいただきありがとうございます。
読むだけでなく、いいねやブックマーク、絵文字などの反応まで、本当にありがとうございます。めちゃめちゃ励みになっています。うれしくってたまらない、飛び跳ねそうになる、そんな作者でございます。
前後編のつもりが、中編までできました。すみません。見通し甘々です。
理由は、長すぎることと、区切りが非常にしっくりきたから、です。
あとがきなので、少しだけ語らせてください。
オリバーさんとベルモンドさんの活躍を読みたいのに全然足りないじゃんもっと読みたいのに、たまき君さんのいいところも欲しいのに、神田さんの見せ場短すぎるし、夢追さんもっとパスおって感じ出したり闇をにじませたり、ロベルさんのロベルさんらしいところ発揮してほしいのに、なんでこうなるんだ。
もっとイケボホストクラブっぽいところも出したいのに、いつまでここで時間をかけているんだ。
はい、作者は自分で自分にそんなことを言っております。
作者は、「悪で魅力的な姿」「厄介客を帰したり返した、治安の悪い姿」を読みたくて書いています。要は自給自足の小説です。
少しでもお楽しみいただければ、幸いです。