第五話 店長の過去 尋問官の今 後編
第五話 店長の過去 尋問官の今 後編
キャプション注意書き、読んでいただけましたか。
暴力、流血表現が出てきます。人外表現もあります。
憑依や二重人格といった表現を嫌われる方は、向いていません。
解釈違いが起こる可能性があります。
以上の点を見て、『なんでも大丈夫』と思われる方は、どうぞお読みください。
お楽しみいだたければ、幸いです。
夢追 サイド
無機質で、ぬくもりも希望も飲み干してしまうコンクリートの床。
尋問に使う道具を置くためにあるテーブル。
装飾も家具も一切なく、ただ相手と自分だけになるための部屋。
まるで昔の職場のような店の地下室に、夢追はいた。ドアの前にはボス犬山が控え、目の前にはロベルが、青い顔をして椅子に座っている。
正しくは座っている、ではなく、椅子に縛られて固定されているのだが、店長にとってはどちらであっても変わりはなかった。
そもそも、目の前にいる彼は親友でありこの三か月間ともに組織の仲間として活動してきた夕刻ロベルなのか。まだ夢追は彼が『夕刻ロベル』である確証を持っていない。
どちらにしろとも、相手が店の中でやらかしたことを覚えているのかを、最初に夢追は確かめたかった。 なぜ縛られているのかを相手が分かってくれないと、尋問を始めようにも始まらない。前提から食い違って、相手は尋問官の質問に答えないからだ。
人が嘘を吐く、だまそうとするのはなぜか。同じ方向を向いてくれていないからだ。
ならば、相手を説得すればいい。自分と同じ方向を向くように。思考を統一してしまえば、相手は素直に情報を吐きだしてくれる。
それが、夢追尋問官の考えでありやり方。ならば当然、夢追店長も同じように従業員に接する。
従業員ならば、当時よりも優しく、言葉だけで説得できるのだが。
目の前のロベルは、目を伏せてゆっくりと記憶をたどっているらしい。
「俺……。店の中に乱入されてから、オリバー君が一人で楽しそうに相手しているのをずっと見てたんよ。すぐにベルさんも来てくれて、二対六で戦ってた。二人とも、相手は銃もナイフも警棒も使って襲い掛かるのに、素手でたやすく相手しとった」
普段なら宝石のようにきらめくオレンジと紫の瞳は、今は暗い陰りを見せる。その目が映しているのは、少し前の店の中だろう。
夕刻 サイド
返り血が空中を舞う。凶器で肌を裂かれた襲撃者が短い悲鳴を上げる。
「ほら、君が最後の一人ですよ。最初の威勢の良さはどうしました」
敵の相手をするのは、ガタイのいい大学教授だ。普段は穏やかでたまにガラが悪くなって、……いつもは柔らかい若葉色の瞳の、オリバーだ。
今、ロベルの目の前で、一方的に相手をいたぶって楽しんでいる彼を、ロベルは普段のオリバー・エバンスと結び付けられないでいた。
体中に、顔にまで返り血をつけ、余裕のある笑みをたたえた口元からは牙がのぞく。敵を、観察する自分までもを怯えさせる目は、いつもと違う色に、華やかな赤に変化して、何度となく敵の皮膚を切り裂いてきた爪は、長く鋭く尖っている。
「ちきしょう、こんなの聞いてないぜ。裏路地の酒場の奴らだと聞いてたってのによ。強ぇじゃねえか」
運動量のせいか緊張のせいか、息を荒げた敵は悪態をつく。
「やっぱりおつむが足りないですね君たちは。もっとしっかり下準備しないと、生き残れないのが裏社会ですよ」
言葉を発しながら、オリバーは敵との距離を一気に詰める。相手が対応するよりも早く、筋肉のガードも意味をなさないくらい強烈な一撃を胴体に何発も叩き込む。
「ガハッ……!!っうう!」
男は呻きその場へ崩れ落ちる。戦闘不能になった敵の胸倉を、オリバーは片手で掴んで持ち上げた。
男の足は、地についていない。弱弱しく自分を拘束する手に抗う様は憐れで、絵にかいたような雑魚の仕草にしか見えなかった。
「あなたは大した情報も持っていないようですし、店長のために取っておく必要もなさそうだ。でも、生命力はとてもいい。とても強い」
――味は期待できるな。
そう誰ともなしに呟いた彼は、もう敵を敵として認識していない。
赤く光る瞳が映しているのは、捕まえた獲物なのだろう。
吊り上げられてまともに声を出せない男は、生き物の第六感で生命の危機を感じたのか、それとも捕食者への恐怖からか、潰れた悲鳴を漏らした。
「オリバー、ここで食事を始めるなよ。まだあいつらが戻ってきてない。まだ仕事中だ。……お前さんら吸血鬼は、神田や夢追みたいに食事が一瞬で済まない種族だからな」
オリバー同様に血まみれになったベルモンドが声をかける。彼は先ほどからずっと、カウンター裏に腰かけて事態を静観していたが、さすがに後輩を止めに入った。
「分かっていますよ。これは後で楽しませてもらいます」
オリバーは答えると、獲物を一度強く睨みつけた。何をしたのか、それ以上ロベルには分からない。ただ、睨まれた途端に男は意識を失って、オリバーが手を離して床へ落とされても、なんの反応も示さなかった。
「オリバーきゅん、相変わらず戦闘モード入ると怖いね。かっこいい」
「血まみれになった吸血鬼を見て、かっこいいとか言うの、たまきさんが初めてですよ」
そんな軽口をオーナーと交わすオリバーは、目の色が普段の若葉色に戻っている。
ご満悦な犬山、牙も隠し目の色も戻ったオリバー、ゆったりと構えるベルモンド。
戦闘は終わったと思った瞬間、ロベルが緊張の糸を緩めたその時だった。
チガホシイ、イノチヲタベタイ、マリョク、魔力ヲタベタイ
ロベルの中、頭の中で声がした。
いや、声ではなく、言語化した身体からの要求だ。
一気に冷や汗が出てきて、体の中が熱くなる。『アレ』が起きたとロベルは悟った。なんとか押さえつけようとして、体を抱きかかえるように腕を回す。
オ前モ、タベタイダロウ。オ前モ、ホシイハズダ。ナゼ、ミトメナイ
「ちゃう、違うわ。そんなことはない。俺は人間や。魔力を食べたいなんて」
内側から響く声に逆らう。体からの合図を、自分が感じる喉の渇きを、空腹感を拒絶する。
イラナイ、本能ニサカラウ理性ノ意見など、不要ダ。体ヲ使わせロ
抗い否定しても、声は――本能は一切言うことを聞かない。
頭痛がして、体中の力が抜ける。立っていられなくなって、ロベルは座り込む。遠くから仲間が自分を呼ぶ声がするが、ちゃんと聞き取れなかった。
体ハ使ウぞ。理性、オ前は眠ッていろ。
体が重くて自由が利かず、視界はかすむ。駆け寄ってきた犬山が肩を掴んできたが、ロベルは反応を返せない。声は、音は聞こえてくるのだが、もはや脳は言語を理解できなかった。
瞼が自分の意志と関係なく落ちてくる。
ロベルの意識はそのまま暗闇に沈んでいった。
犬山 サイド
「覚えているのは、そこまで。俺……」
「うん。すごい暴れようだった。オリバーとベルモンドと犬山の魔力、食べようとしてきたからね。抑えるのは一苦労だったよ。誇張も比喩もなく、本当に大変だった。だから、今、ロベルを椅子に拘束しているの。
だって、起きてまた暴れられたら大変だからね。ケガさせたくないし、乱暴したくないよ」
長い語りの後、ロベルはゆっくりと顔を上げて、話を聞く店長と目を合わせる。横顔でも分かる、不安で一杯になって怯えた顔。犬山は、もし自分が彼の真正面にいたら、きっと落ち着かせるか、安心させる言葉をかけるだろうと思った。しかし、現在ロベルの真正面に座る夢追はいつも通りの表情を一切崩さないで、質問を続ける。
この部屋は、犬山がドア前に立った時、尋問する側とされる側の表情が見えるように椅子を配置している。理由は二つ。一つは、もしロベルが目を覚ましても暴れてきた場合に備えるため。拘束すらも強引に引きちぎって襲ってきた場合、一対一で対応するのは危ない。もう一つが、夢追が尋問官として興に乗ってしまわないため、その場合は止めに入るためだ。
暴れているときのロベルは、確実にロベルでない誰か、だった。現場に居合わせた全員が確信した。
だから、まずは大人しくさせるべく気絶させた。起きた時正気に戻っている保証はないからだ。
ため息を吐き出してから、ロベルは諦めとも悲しみともつかない顔をして語り出した。
「発作、って俺は呼んでいるよ。魔力を持たされてから起きるようになった。詳しい人から聞いた話、魔力を持っているのに全く使わないでいると、偶に起こるらしい。刺激を受けて暴れ出そうとするらしい。
……俺、意識を失う前に声を聞いた。自分とまったく同じ声で、お前は、理性の意見はいらないから寝てろ。体を使うって言ってた」
ここまで言葉を絞り出すと、ロベルは歯を食いしばり泣きそうな顔をした。
「なあ店長、俺はどうしたらいいんだろう」
犬山は日頃の快活なロベルを知っている分、なおさら胸が締め付けられた。元気によくしゃべりよく笑いよく動き、周りまで明るくするロベルなのに、今は見る影もない。気弱に落ち込みしおれてしまっている。
抱きしめて、大丈夫だよと言葉をかけ行動でも表して励ましたい。ここは君の仲間がいるから、一人じゃない、みんなで解決策を探そうと元気づけたい。
思わず、犬山は足を一歩踏み出した。
「犬山、動かないで。言葉以外を出さないって約束したでしょ」
そんな犬山の足を、動きを制止したのは、尋問官の温度の無い警告だった。
彼は犬山に見向きもせず、ひたすらにロベルを見つめている。いつからか表情は冷え切っていて、目の前に座るロベルの縋る視線も、不安も、まるで自分には無関係だと言わんばかりの態度であった。
常ならざる様子に、犬山は反論もできずただただ立ち尽くす。
「店長、なんで俺を冷たい目で見るの。怒ってる?ずっと黙っていたから」
身を縮めながらロベルは聞く。傍から見ても、誰がどう見ても、彼は怯えている。
「怒ったりしないよ。非効率的だからね。黙っていた件についてはもっと詳しく聞きたいところだけど、先にはっきりさせなきゃならないね」
一区切りつけて、夢追は椅子から立ち上がりロベルに近づき目の高さを合わせた。より近くでロベルを観察する様は、怖かった。
美人の無表情は怖い。
尋問官が相手を観察するのは、さらに怖い。
時間に直せば数秒だろうが、犬山には一時間にも感じられる沈黙の時間だった。あまりにも静かで、自分の鼓動や呼吸の音すらうるさく感じるほどに。
「ね、いいんだよ。ロベルのフリをしなくても。お前は僕らの知っているロベルじゃなくて、意識を持った魔力と本能だろ」
「何を言ってるの店長、俺は」
「だから、隠さなくていいって。大方、縄を解いてから俺らを襲って魔力を食べようって算段だろ。魔力なら分けてやるから、その演技をやめな。そしてロベルを出せ」
――ロベルのしゃべり方じゃなくなってるって、分かるんだよ。
最後の一言で、まだ反論しようとしていたロベルは口を閉ざした。
尋問官は、冷たい表情のまま背筋を伸ばした。相手を見据えて語り出す。
「君が発作って呼んでいるのは、別におかしなことはない。僕らは暴走って表現するよ。分かりやすく説明してあげよっか。
生き物は生きるためにエネルギーが足りなくなったら、空腹感を体が意識へ訴えて、食事をしろと要求する。魔力っていうのも一種の生きるためのエネルギーだ。魔力を補給するためのエネルギーを体が求めてくる。
草食動物なら植物、肉食動物なら他の動物の肉を食べなきゃ生きていけないみたいに、魔力を持った生き物は、魔力を補えるモノを食べなきゃ生きていけない。当たり前の話だよね。
で、ここからが魔力特有の話になるんだけど、もしも、生命維持に必要なエネルギーを摂取できなかったらどうなるか。他の動物ならただエサを探すだけだ。でも、魔力を持った生き物はそれだけじゃない。
魔力そのものが暴走する。生存本能と結びついて、理性、簡単に言うと、そうだな、自然動物だったら、縄張り意識だとか仲間意識だとかも壊して、ただ己が生き残ろうと周りにいる動物を見境なく襲うんだ。
もちろん、最終手段だし、自然界じゃまず見られない現象ではある。
でも、それが僕らみたいに本能だけでなく理性を強く持った生き物だと、どうなるか。
しかも、魔力が枯渇してきて早く食べたいのに、理性が食事を拒否したりしたら。
今のロベルみたいにね、意識を奪って魔力が体を乗っ取ったみたいになるの。君ほどに巧妙に立ち回るのは初めて見た。魔力を『持たされた』って言っていたのと関係あるのかな。分かんないけど。
だから、魔力は食わせてやる。代わりに本人を出しな」
最後に凄みを効かせて言い放つ。対するロベルは、先ほどまでの弱弱しさから一転して、力強く尋問官をにらみ返す。
「先に魔力を食わせな。他の食べ物でも構わない」
夕刻ロベルに魔力を回復させるための『特製ワイン』を飲ませると、彼は一気に深い眠りに落ちた。糸の切れた人形のように体の力が抜けていった。
そんなロベルを縛っている縄を、夢追は無言で外しだす。犬山は急な動作に驚いて声をかけた。
「もう外しても平気なの?」
「うん、もう大丈夫。演技じゃない。本当に疲れが出て寝ちゃったみたいだから、ベッドに寝かせてあげよう。犬山、まずドア開けて。みんな張り付いて聞き耳立ててる」
黙々と縄を解く夢追は、作業の手を止めずにボスに指示を飛ばす。犬山は「ドアを開けて」のところだけ聞いて、即座に振り返って戸を引いた。
ドアノブを回した途端に、男三人が雪崩となって自分へのしかかってくれば、誰だってみっともない悲鳴をあげるだろうから、犬山が組織のボスらしくない甲高い悲鳴を上げたとしても、誰も文句は言わないだろう。
ただ、ちゃんと人の話は最後まで聞くべきだった。
「あーあ。何やってんのあんたたち。ケガしないでよ。ほら、大丈夫?」
ロベルの拘束をすべて外してから、夢追はドアの方へ向く。ちょうど団子が解消されて、下敷きになった犬山が立ち上がったところだった。
「あいったぁ……。もう、みんなしてロベさん心配だからって、ここまで張り付いてなくてもいいでしょ。ていうかドア開けてって言われた時点でもう下がっててよ」
軽く文句を叩きながら、犬山は三人の顔を順に確かめる。
「悪かったよ。でもな、開けてって言葉を聞いてから動作に移すまでが早すぎるんだよお前さんは。ゆめおは注意してただろ。最後まで聞け」
真っ先に体勢を戻していたベルモンドが、苦笑いともいたずらっ子みたいとも取れる笑みで犬山に言う。そんなゆとりを持てているのも、ひとまずは事態が収束する見込みが立ったからだ。
「だって、早く君たちに知らせたかったんだよ」
最初こそ緊張して不安だったが、もう原因は分かった。対策も取れる。そう思えば犬山も心が軽くなり、早く部屋の外で待っている彼らに終始を伝えたかった。だから、夢追が開けてもいいと言った途端に行動したのだ。
やっと緊張から解放されて気が緩んだ、という理由もある。だが、緊張の訳を部下達に教えたくはないので、犬山は言及しなかった。
「ベルモンド、ロベちゃんをベッドに運んであげて。素の筋肉でいけるでしょ」
「ああ、分かった。ドア開けるのだけ頼むわ」
ガタイも良くて180センチある大の男を運ぶのは厳しいらしい夢追が声をかけて、店一番の体格をしているベルモンドが応じる。彼は軽々とロベルを抱えると、先を行く夢追に続いて地下室から出ていった。
足音が遠のき一階に上がったタイミングで、神田が口を開いた。
「プロの尋問って、されている当人でなくても聞いているだけで緊張したでしょう」
完全に虚をつかれたプロフェッサーは目を丸くして、図星を指された犬山は狼狽えた。何を考えやりたいのか分からないが、神田は二人の様子を見て、出入口の前に立ちつつ言葉を続ける。
まるで、地下室から出したくないような動きだった。
「あれが、暗部の日常ですよ。いや、夢追さんの本気を出した時はもっと怖かった。……あなた方は、でも、例え本気を見せられたとしても。店長の過去、尋問官の今を知っても、何も変わらないで、見る目を変えたりしないで……いてくれますよね」
喉に小骨でも引っかかったように、饒舌な神田らしからぬたどたどしいしゃべり方だった。
彼の過去に引っかかる何かがあるのだろうか、と犬山は検討を付ける。しかし、ボスよりも教授の対応の方が早かった。
「当たり前ですよ。昼間に大学でも言った通りです。過去に何をしていたとしても、それで君らへの見方を変えたりしない。僕らはマフィアだ。血も涙もない冷酷な、仲間には命も預けられるマフィアなんだから」
夢追 サイド
小さな、元は物置として使っていた部屋で、現在はロベルの仮住まいとなっている部屋のベッドに、事の当事者を寝かせる。夢追はロベルに布団をかけてやると、そっと乱れた前髪を整えた。
「ゆめお、お前ずいぶんと仲間には優しくするな。あの尋問だって、手加減してたじゃないか」
「あれ、ベルモンドには分かるんだ。優しくしてたって」
隠すつもりもないが、まさか分かるとは思わなくて、苦笑いしながらベルモンドの方を見る。大柄な仲間は腕組みをして、いかつい顔に柔和な表情を浮かべていた。
「まあな。お前が暗部にいた頃からの付き合いだ。……正直に言うとな、ちょっと心配だったんだ。本気出したら怖いから。相手によっちゃ壊れるし。杞憂で済んでよかったよ」
「心配されないでも、本気なんて出すわけないでしょ。念のために犬山にも見張ってもらってたし、まあ、ロベちゃんかどうか確かめるまでは集中しちゃって、ちょっと怖がらせちゃったけど」
「あれな、最初からドアに張り付いて聞いてたが、迫力あったぞ。」
迫力か、と呟いて、夢追は過去に思いを馳せる。尋問官として暗部にいた頃、仕事を見た者たちは一様に自分を恐れて避けてきた。
ロベルは、どうだろうか。最初は本人だったのに怖がらせてしまった。始めから聞いていたオリバーは、見張ってくれていた犬山は、どうだろうか。
「ねえベルちゃん、店長の過去、尋問官の今を見て、みんなは態度を変えたりしないかな。あの頃みたいに、避けられたりなんて、ないかな」
平常通りに聞くつもりが、声色には感情が乗ってしまう。質問しておきながら、答えを聞くのが不安で仕方ない。
だが、長い付き合いのある仲間は即答してくれた。普段と何ら変わりなく答えてくれた。
「バカ言うんじゃないよ。当時から、俺も神田君も変わったりしなかっただろう。こいつらも同じだ。
もうちょっとお前は自信を持てよ。俺らはマフィアだろ。……敵には情け容赦はなく、仲間にはいつでも背中を預けられるマフィアだ。そして、同じ地獄の釜の飯を食べた仲でもある。拒絶なんかするわけがない」
夢追は後ろを振り返り仲間の顔を正面から見た。いつにも増して優しい琥珀色の瞳が、そこにはあった。
飛ばしても平気な あとがき
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純粋に感想をいただけることが、作者としては本当にありがたいです。同好の方を見つけたり、意見が欲しくて、投稿している節もあります。
この小説は、「悪で魅力的な姿」「厄介客を帰したり返した後の治安の悪い姿」を読みたくて書いています。自給自足の物語です。今回は、好きなシュチュエーション出したり話が広がったりで、あまり出し切れていませんが、ここから出せたらな、と思っております。
少しでも楽しんでいただければ、幸いです。