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ここに守護神がいる限り

Fate Grand Order インドラ&女夢主 — www.pixiv.net · All chapters

ここに守護神がいる限り

※注意喚起※

とある界隈で有名(かもしれない)な怪談をざっくりと書いています。

具体的に言うと『◯◯にならない怖い話』です。

大分端折って脚色して淡々と書いたので怖さは薄れていると思いますが念のため…ホラーが苦手な方はご注意ください。

この怪談を聞いて、神様であるインドラ様が何を思うのか?という内容になりますので、ほのぼの落ちにはしていますが…。

4ページ目は怪談✕ギャグです。

OKな方のみ、お進みください。

「何を見ている?」

端末でとあるものを読んでいた私は、隣にいるインドラ様に話しかけられた。

「所謂…怪談ってやつなんですが…」

私は怪談が好きで、よくその手のものを読んでいるのだ。

たとえ創作でも実話でも、考察をしてみるとかなり面白く感じるから…。

「怪談…今目の前に魔性殺しの神がいる状況でよく楽しめるものだな」

「それはそれ、これはこれです」

まあ確かに、インドラ様がいると怖さはかなり薄れるだろうな。

「で?何を見ている?」

「高校生…主に15〜18歳の少年少女たちが通う学校の学生たちが登場人物なんですが、興味本位で『神を降ろす儀式』に手を出してしまったことで、恐ろしい事態に巻き込まれてしまうお話です」

「『神を降ろす儀式』か…」

本当にざっくりとまとめると、こんな感じだ。

平凡な学生生活に嫌気が差していたひとりの男子生徒が、三人の生徒を巻き込んで、あることをしてみようと言った。

それは『神を降ろす儀式』。

『こっくりさん』のような降霊術だ。

だが降ろすのは神様…しかも代償と引き換えに願いを叶えてくれる神様らしい。

儀式に使う蝋燭、酒、『こっくりさん』で使うような五十音表を用意し、放課後の教室に集まる四人。

蝋燭に火をつけて酒を供え、詩を唱えながら神様を呼び出す。

姿こそ見えないが、願い事と代償に何を支払うのかを伝え、蝋燭の火が消えると、受諾してもらえたことになるらしい。

その時言い出しっぺの男子生徒が願ったのは『退屈しない刺激的な学校生活』。

そして代償に差し出したのは…何と一緒にいたひとりの男子生徒の『魂』だった。

もちろん四人とも、悪ふざけのつもりで誰も信じていなかった。

だからこそ、軽弾みでそんなことを口にしてしまったのだ。

しかしその時、火のついた蝋燭が風も吹いていない室内で勝手に消えた…。

願いは…託された…?

四人は半信半疑だったが、偶然だろうと考えてその日はそれぞれ帰路についた。

数日後…ひとりの男子生徒が自ら命を絶ったと学校中に知らせが入った…。

それはあの儀式で『魂を捧げる』ことを代償としてしまった男子生徒だった。

そしてその数日後…二人の男子生徒が崖から転落して亡くなった。

あの儀式に参加した二人だった。

そしてさらに数日後…クラスの担任教師が自ら命を絶った…。

願い事を伝えた元凶の男子生徒は罪悪感でいたたまれなくなり、クラス全員に儀式について話した。

自分が『退屈しない刺激的な学校生活』を願ってしまったがために、次々と人が死んでいき、まわりの人間が死ぬことで『刺激的な学校生活』になってしまっているのだ、と。

男子生徒が望んだ『退屈しない刺激的な学校生活』というのは『明るく学校行事を楽しめるような希望に満ちた学校生活』という意味であったのに…。

それを聞いたクラスの全員は一斉に男子生徒を非難した。

中には擁護の声もあったが、これから先どうしていくかをクラス全員で話し合うことにした。

そして何度も話し合い出した結果は『もう一度儀式を行い、願い事を取り下げてもらう』ことだった。

その代償に、元凶の男子生徒から十年、他の生徒からは三年ずつ寿命を差し出し、計百年分の寿命と引き換えに儀式を実行することになったのだ。

『責任をとる形として、元凶の男子生徒の魂を捧げるべきでは?』という意見もあった。

だが、等価として死ぬことが必ずしも償いになるとは限らない、むしろ軽弾みな思いつきで四人の命を奪ってしまったのなら、その四人の分まで責任を背負って生きていく必要があるのではないか…といった意見もあり、話し合った結果元凶の男子生徒のみ捧げる寿命を多めにし、残りはクラス全員の寿命を少しずつ捧げるという結論に落ち着いた。

家で酒屋を営む生徒からはとびきりの酒を用意してもらい、蝋燭とあのとき使った五十音表を用意して再度儀式に挑むことになった。

そして詩を唱え『平和で平凡な学校生活』を願うとともに『クラス全員の百年分の寿命』を差し出すことを代償として伝えた…。

その時、突如火のついたままの蝋燭がポッキリと折れてしまった。

パニックになる教室内だったが、よく見ると…。

教室の真ん中に…女がいた…。

明らかに生気のない真っ白な顔にボサボサの髪…どう見ても生きている人間ではない。

だがその女は目を真っ赤に充血させ、何かもがき苦しむようにうめき声を上げている。

その様子にさらにパニックになり泣き出す生徒も出てきた。

そしてその女はまるで急に足元がなくなったかのように、苦しみながら、床をすり抜けて真下へと落ちて行った…。

女が消えた瞬間、折れていた蝋燭の火が消えた…。

願いは…託された?

どうやら儀式は終わったようだった。

後日地元の神主さんの元を訪れ、事の顛末を話す生徒たち。

神主さんから返ってきた言葉は以下のものだった。

「最初の儀式で呼び出したのは神ではなく、そこそこ強い力を持った悪霊だ。神になりたい悪霊が、魂と引き換えに願い事を叶えようとしていたんだ。だが所詮は悪霊…神のような力はない。刺激的な学校生活を求める願い事を、まわりの人間を死に追いやることでしか叶えることができなかったらしい。二回目の儀式で女が苦しんでいたのは、儀式によって呼び出された『本物の神様』によって制裁を受け、地獄へ引きずり込まれたからだったんだ。蝋燭が折れたのは、悪霊が抵抗していたから…。クラス全員で儀式に挑んだことと、お供えしたお酒を神様がお気に召したのがよかったんだろう」

そして学校には平和が訪れた。

元凶の男子生徒は、クラス中から冷たい目で見られていたが「もしここでいじめが起こったら、自分たちが望んだ『平和で平凡な学校生活』を送れなくなってしまうかもしれない」という意見もあり、これ以上の騒ぎもなく、残った生徒たちは無事に卒業を迎えることができたのだった…。

「杜撰だな」

早速バッサリと切り捨てるインドラ様。

「まあ私がざっくりまとめて話しましたし…創作か実話かはっきりしない話もありますからね」

「話ではなく、儀式だ」

「儀式?」

「本来神を降ろすには、供物とともに神に仕える者の執り行いがあって成立するというもの。このような杜撰な儀式に応じる者がいるのなら、それは悪しきものに決まっておろう」

「確かに…」

「二度目の儀式に善なる神が応じたのは、人の子たちが捧げた寿命と良い酒を対価として、神を騙る不届き者を成敗した…神主とやらの言葉通りだ。神の見立てで、対価としては十分だと判断したのであろうよ。神からすれば、安易に己の寿命を差し出す愚行には納得いかんが」

「…神になりたい悪霊なんているんですね」

「当然だ…何しろ信仰され神と崇められれば、どんな穢れた者であろうと力を持てる。その悪霊は、元は人の霊魂が現世を彷徨い続け、年月を経て悪霊へと変貌を遂げたものであろうな。あのまま放っておいた暁には、魂を次々と喰らい続ける魔物と化していたやもしれん。そうなればもはや人ではない…神が消し飛ばす魔性と何ら変わりない」

「魔物…」

「只人とて魔物になり得る。死して尚彷徨い続けておったのは、現世に残した遺恨であろう。恨み辛みは現世へと繋ぎ止める枷となる。ひと度魔物と化せば浄化や除霊なぞ効きはせん。そうなればもはや成す術はない。魂ごと消し去るのみだ」

「それはつまり輪廻転生が…」

「不可能だ。言葉通り…魂の消滅だ」

この説明をしているのが、お坊さんでも神主さんでも霊能者でもなく、本物の神様なのが尚の事説得力が増している。

悪霊や魔物…もしそんな存在になればインドラ様からは『敵』と見なされるのか…。

「…私が『魔物』になってしまったら、インドラ様は私を消してくださいますか?」

「…ッ!」

その瞬間、両肩を物凄い力で掴まれる。

「神に何を背負わせる気だ」

「!」

ぎらついた目で私を睨むインドラ様。

が、すぐにいつもの表情に戻り、肩を掴む手が離された。

「案ずるな。そもそもお前には、魔物に成り果てるほどの資質はない」

「何ですか資質って…」

「成れの果てというものは、己の目で希望を見いだせなくなった者…そうなればもはや何も感じなくなる。たまたま見た神の過去の夢ごときで泣きじゃくっているような者は、魔物に成り果てる前に、自力で立ち上がる強さを秘めている」

「それは…」

「それにだ…魔性の一切合切を消し飛ばす…そのような善なる神がすぐそばにいるというのに、お前は一体何を言い出す?」

「…そう…ですね」

「だが、神は先程の話の神ほど甘くはない。神を呼び付けるからには…極上の酒を献上しろよ?」

「…はい」

呼び付けなくても、気づいたらそばにいることの方が多い気がするんですけど…。

って思ったけど言わないでおく。

こんな神様に守ってもらえてるのに、魔物なんかになれないよな…。

〜おまけ〜

「ん?」

アルジュナが食堂に足を踏み入れると、奥の席にカルナが座っていた。

食事をしているだけなら、特に気に留める必要もないのだが、何かを飲食しているのではなく、タブレットで何かを見ている様子だった。

食堂でわざわざ何を?

わざわざ自分からあの男に絡みに行くのも…とは思ったのだが、声をかけてみることにした。

「…ん?」

近づいてきたアルジュナに気づいて、こちらを見るカルナ。

「食堂に来てまで、何を見ている?」

「マスターから送られたデータだ」

「マスターから?何かの特異点のデータか?」

「お前は昨年の夏の特異点に『因習村』なるエリアがあったことを覚えているか?」

「?ああ…私は足を踏み入れてはいないが、聞いてはいる」

「所謂怪談といったものではあるが、その因習村の因習に関する話をまとめたものだ」

「…まさか貴様がオカルトに興味を持つとは」

「神を父に持つオレたちには、あまり否定できる話ではないだろう」

「…それは、まあそうだが…」

「因習というものは、元々は人の業から生まれたものだ。それが怪異を生み、閉鎖された空間において因習を脈々と受け継ぐ…生贄や人柱、人身供養や口減らし…忌み嫌われる悪習ばかりではあるが、実際に行われていたものでもある。マスターは民俗学という観点で、これらの怪談を集めているようなのでな…オレも見てみることにした」

「人の業か…」

確かに、自分たちにはまったく縁がない…と胸を張って言えるものではない。

生前もそうだし、今まで訪れた特異点も人の業により人理が乱れる事態になっていたことばかりだ。

しかし…この男からしたら、そうした怪異の意味がなくなるのでは?

〜以下、アルジュナの想像〜

呪物を手に取ったカルナ。

「店主、この箱は何だ?」

「立体型のパズル?なるほど、パーツを動かして箱が開く仕組みか」

「それにしても先程から…何やらうめき声のようなものが聞こえる気がするな」

「…む?そろそろ箱が開くか?」

パカッ

「!?」

カッ(目からビーム)

「…地獄が閉じ込められた箱か。そのようなものが店に売られているとはな」

リ◯フォ◯とそれを売っていた店は消し炭に…。

〜想像終了〜

「貴様も呪物の処分くらいできるだろう」

「お前も似たようなものだぞ」

〜以下、カルナの想像〜

とある田舎に訪れたアルジュナ。

「ん?何だ?」

ぽ、ぽ…

「髪の長い…女性?随分背が高いな」

ぽ、ぽ、ぽ、ぽ…

「…ッ…滾れ!ガーンd…」

「神の雷…ッ!!」

ドガアアァァアン!!

「…ッ!?」

八◯様…神雷により撃沈…。

〜想像終了〜

「おい待て!何故インドラ神が出てくる!?」

「実際来ると思うのだが」

「わざわざインドラ神の手を煩わせなくとも、私の宝具やガーンディーヴァで消し飛ばせる!」

「お前ならば可能だろうな」

「ならば何故そんな想像をした!?」

「ふむ…ならば…」

〜以下、カルナの想像2〜

姿見を使った、とある儀式を知ったアルジュナ。

「確か…この向きで姿見を見れば…」

…

「ん?今何か…」

「神の雷…ッ!!」

ドォォォン!!

「…ッ!?」

姿見が部屋ごと消し飛んだ…。

〜想像終了〜

「だから何故インドラ神が出てくる!?これでは話が進まないだろう!?」

「この時点でお前は本来詰んでいるのだが」

「それを私が解決するのだろう!?」

「ならば…」

〜以下、カルナの想像3〜

海辺の街にリゾートバイトをしに来たアルジュナ。

「もうタイトル言っちゃってますね…」

表現にも限界はある…。

「まあ気を取り直して!さて、これからお世話になる宿は…あそこk…」

「神の雷…ッ!!」

ドガアアァァアン!!

「………」

宿兼バイト先が目の前で消し飛んだ…。

〜想像終了〜

「だから!何故!!私に解決させない!?」

「もはやオレの脳内がハッキングされている気がするのだが」

「インドラ神にそんな能力は……ないと言い切れない自分が悔しい」

「神だからな」

「だが、私の力だけで解決できる怪異は必ずあるはずだ!」

気がつくとカルナの隣に座りながら、タブレットで怪談を読み漁っているアルジュナ。

カルナも特に気にせず、気になった怪談を読みながらアルジュナと討論しているのだが、それを見かけた英霊たちは…

「今日は槍が降るのか?」

「微笑ましい兄弟ですねぇ…」

等とそれぞれの感想を抱くのだった…。

END