LNCrawler

だって貴方は……だから

Fate Grand Order インドラ&女夢主 — www.pixiv.net · All chapters

だって貴方は……だから

※注意喚起※

「これは…百合?いや百合じゃない…?」な香りがするお話となっています。

念のため、苦手な方はご注意…またはブラウザバックを推奨します。

OKな方のみお進みください。

「ん…」

若干の息苦しさで、私は目を覚ました。

またいるのかな?

瞬きによって、目の前の景色が徐々に鮮やかになっていく…。

「えっ?」

そして完全に視界がクリアになったところで、完全に目が覚めた。

何故なら、私の目の前には…

「……誰?」

知らない女性が眠っていた。

息苦しさの原因は、この女性に正面から抱きしめられているからなのだが、まずこの人は一体…。

知らないうちに、召喚サークルから英霊が召喚されたのだろうか?

「…ん」

と、目の前の女性が僅かに声を漏らした。

少し低めの、色っぽい声だ。

そして、揃った長いまつ毛で縁取られた瞼が、ゆっくりと開かれた。

「ん…目を覚ましたか」

「…ッ」

私の姿を確認した女性は、まだ少し眠そうにしながらも、口元を緩めてそっと微笑んだ。

その綺麗な顔に思わずドキッとしてしまう私。

「何だ?何をそんなに見つめている?」

どちら様ですか…と返そうとしたのだが、私はあることに気づく。

この女性…どこかで見たような…。

それに、この声にも聞き覚えがある…。

黒くて長い髪に、陶器のように白い肌。

目は澄んだ青色で、私をすっぽり包み込めるくらいに大柄な体をしている。

「何だ?もしや神のこの姿を忘れたか?まあ、一度きりではあったからな…致し方なしか」

「え…」

声が女性であろうと、この口調…覚えがあるどころじゃない。

この女性が誰なのか…はっきりと思い出す。

「インドラ様…何でその姿…」

「気まぐれ…というやつだ」

そう。このプロポーション抜群な黒髪の美女の正体は、インドラ様。

以前私の目を欺くために、女性の姿に化けたことがあり、それがまさにこの姿だったのだ。

まさか、この姿をまた見る日が来ようとは…。

「朝、お前の隣に女の姿をした神が寝ていたらどのような反応をするか、試したまでだ。神のこの姿を覚えてはいたようだな」

「…」

神様も寝起きドッキリ仕掛けること、あるんだな…。

いや、まあ…あるか。神様だし。

「早々に看破されはしたが、この姿について…お前がどう思ったのかを、確認していなかったことを思い出したものでな」

「どう…とは?」

ダメだ…。

完全に女性のガワと声なのに、口調だけがインドラ様だから脳がバグってくる…。

抱きしめたままの至近距離なのが、余計に…。

「お前は…女の神を見て何を思った?」

「…ッ」

額をコツンッとくっつけ、超至近距離で私の目をじっと見つめるインドラ様。

何を思ったって…そりゃあ…

「…綺麗な女性だなって」

「…それだけか?」

「え?」

若干不満そうに呟くインドラ様。

それだけ…って何?

他に何を感じろと?

「男はもちろん、女も欲情するであろう姿をとってやったのだぞ?美しい女だと思った…それはよい。だが、神を讃える言葉はいくつあってもよかろう」

「えぇ…」

この神様…めんどくさい…。

じゃあ何だ?私が女性に化けたインドラ様に『抱かれたい』か『抱きたい』って感情になるのを期待してたってこと?

…

…

自分がどっちもいけるからって、私にもそれを求めないで欲しいんですが…。

「まったく…」

不満そうに目を細め、どこか不貞腐れた様子のインドラ様。

本来ならそれ、こっちのセリフです…。

でも…。

「…少し失礼します」

「?」

私は包み込まれた状態で何とか腕を動かし、インドラ様の頬にそっと手を添える。

不思議そうに見つめるインドラ様に顔を寄せ…

チュッ

「…ッ!?」

インドラ様の唇に、自分の唇を重ねる。

触れるだけの、軽いキス。

「…ッ!!」

が、唇を離そうとした瞬間に齧りつかれるように唇が塞がれ、そのまま舌をねじ込まれる。

口内で激しく舌が蠢き、呆けたまま動けない私の舌が犯されていく…。

「…ッ…はぁ…ッ…」

そして、艶めかしい糸を紡ぎながら唇が離れる。

「ほう…お前にも女色の嗜好があるではないか」

妖しげな笑みを浮かべて、私の目を見つめる。

「…私は恋愛対象は男性ですよ」

「?では何故今口づけた?」

「それは貴方が……」

「……い………きろ」

「ん…」

「おい、いい加減起きろ」

「……ん…っ…?」

「ようやく起きたか…」

聞き覚えのある声。

そして気がつくと、目の前にはベッドに寝そべるインドラ様。

その姿は、いつものインドラ様だ。

「起きるまで寝かせてやろうとも思ったが、流石にこれでは神が身動きがとれん」

「………え?」

ふと自分の胸元に、何かが当たっていることに気づいて下を向く。

「…!?」

そこには、まるで抱き枕のように私の腕で抱きしめられた、インドラ様の腕があった。

そのせいで身動きがとれないらしい…。

「す、すみません…!」

慌てて腕を離す私。

「寝ているお前に触れようと、腕を伸ばした途端にこれだ。まあ、多少の不自由はしたが…そこまで悪い気はせん」

「いや…もう本当に…すみませんでした」

わりとまんざらでもなさそうなインドラ様だが、私は体を起こしてひたすら謝罪する。

さっきの、夢だったんだな…。

あの夢を見たから、そばに来たインドラ様の腕を…。

ああああ…恥ずかしい…。

「悪い気はせんと言った。始めは何事かと思いはしたが、あのようなことをされては許す気にもなるであろう」

「え?」

あのような…こと?

私…寝ている間に…何を?

「あの…私は一体…」

「ん?やはり寝ぼけて記憶にないか?」

「…すみません、記憶にありません…。私は…一体インドラ様に何をしたのでしょうか?」

何だか怖くなってきたが、いくら寝ぼけていたとしても、失礼なことをしていたのならば流石に謝罪しなければ…。

「神の腕にしがみついたかと思えば、手に口づけまでしてきた」

「え…」

「ま、その程度で気を害しはせん」

「〜〜〜ッ!!」

嘘でしょ…。

まさか夢でしたことを現実でもやってたなんて…。

あまりの恥ずかしさに、布団を被って丸まってしまう私。

「気分は害さん…とは言ったが」

と、それまで至って普通だったインドラ様の声のトーンが、僅かに下がる。

「あそこまでの行動をしたということは、それなりの夢を見ていたということであろう?」

「!?」

「人の夢など、好きに見れるものでもないと理解はしている。だが、一体お前は…夢の中で誰と戯れていた?」

布団を剥がし、妖艶な笑みを浮かべながら私を見つめるインドラ様。

だがよく見ると、目の奥は笑っていない…。

私が夢の中で誰と何をしていたのか…すべて聞き出すまで逃がす気はないのだろう。

話せない内容では…ない…けど…。

よりによって夢の中の相手が…なぁ…。

「えっと…凄く言いづらいんですが…」

目を見て話すのがあまりにも気まず過ぎるので、下を向きながらポツポツと夢の内容を話していく…。

「はははは…ッ!何だそのおかしな夢は」

「…ッ!前にインドラ様が女性に化けたからじゃないんですか!?」

私が見た夢を笑い飛ばすインドラ様。

恥ずかしくて半ギレ状態の私は、以前インドラ様が女性に化けた話を持ち出して対抗する。

うるさいな…もう…。

笑われると思ったよ…。

「即座に見破られた変装ではあったが、まさかそのような形でお前に爪痕を残していたとはな…」

よほどツボにきたのか、まだ笑っている。

無性にムカついた私は、さっき剥がされた布団をまた被る。

「おい、布団を被るな。顔を見せよ」

が、すぐに取り上げられてしまう。

「もうずっと笑ってれば…」

いいじゃないですか…と言いかけた私の唇は、インドラ様の唇によって塞がれた。

軽く口づけると、すぐに離れていく…。

「…相手が神ならば言うことはない」

今度は満足そうな笑みを浮かべているインドラ様。

夢の内容を知って、安心したのだろう。

そして少し離れた私の体を抱き寄せ、そのままベッドに沈める。

「まさか、お前に女色の嗜好があったとはな」

「…ありませんよ」

「ん?ないのか?ガワだけを女に変えてやろうと思ったのだが」

「いや、私…恋愛対象は男性ですよ?」

「…それでよく、夢の中で女の姿の神と戯れられたものだな」

「だって…」

あ、何かこれ…夢と似てるような気がする。

でも夢から覚めて、ここから先はちゃんと言ってなかったよな…。

夢じゃないなら…今度こそ伝えられる。

「だって貴方はインドラ様だから」

「!」

男の姿でも、女の姿でも…。

貴方がインドラ様なら、ガワなんて関係ない。

「…フッ…なるほどな」

私の言葉を聞いたインドラ様は、それはそれは満足そうに目を細める。

「それで…どちらの姿にする?」

「…インドラ様の、お好きな方で」

「…そうか」

私の唇を指でなぞった後、再び口づける。

さっき見た夢と同じような、体の奥から痺れるようなキス。

そして唇を離し、呟いた…。

「…ま、このままでよいか。霊基をいじるのも手間だからな」

END