5 家族会議
5 家族会議
その日、かすみは東風と、結婚式を挙げる神社へ最終打ち合わせに出かけていた。
その間、早雲は家族全員を居間に集めた。
「なによ、家族会議って。私忙しいのよね」
なびきは不満そうに座卓に頬杖をついている。
あかねと乱馬もいつもの席に腰を下ろして、深刻な早雲の顔を不思議そうに見つめた。
ぱふぉーん。
玄馬もパンダの姿で、早雲の横にちょこんと腰を下ろしている。
「さて、皆に一堂に会してもらったのは、かすみが嫁ぎし後の我が家の家事分担についての話だ」
早雲が語り始めると、すぐに反応したのはなびきだった。
「私は無理。もうすぐ受験生になるんだから。そんな暇はないから」
なびきが言うと、早雲はあっさりと頷いた。
「そうだね、なびきは大事な時期に入るから免除ということで…」
しんと沈黙が流れる。
パンダ姿の玄馬は、
『私は修行で忙しい』
と書かれた看板をさっと掲げる。
「親父。いつも暇そうに昼寝してるくせに」
乱馬は呆れた顔で玄馬を見る。
「わかったわ。じゃあ、家の中のことはあたしが全部やります」
あかねが手を挙げると、他の全員が一斉に顔色を変えた。
「あかね、あんたも学校あるのよ。家のこと全部なんて無理に決まってるでしょ」
「そうだね、あかねにばかり負担をかけてしまうわけには…」
早雲もなびきに同意する。
「でも、他にいないじゃない。大丈夫よ。あたしは」
あかねはそう言って、決意を固めるかのように頷いた。
他の解決策もないまま、時間だけが経過する。
「仕方ないわね。なら、乱馬くん!あんたもあかねの補助として一緒に家事をしてもらうわよ?」
なびきは乱馬を指差した。
「は?なんでオレが…」
「あんた居候でしょ?ただ飯食ってんだから、それくらいしなさいよ」
ぐぬぬ。
乱馬は何も言い返せなかった。
「あたしは一人でも大丈夫なのに」
あかねは不満そうに呟く。
「いや、ここはあかねと乱馬くんの二人に家のことを任せることにしよう」
早雲が言うと、あかねはふっとため息を漏らして乱馬を見る。
「お父さんが決めたことなら仕方ないけど。あたしの邪魔しないでよね?乱馬」
「しねえよ。おまえこそ、家事なんかできんのか?」
乱馬が尋ねると、
「かすみお姉ちゃんが家にいる間に、みっちり仕込んでもらわなきゃ」
あかねは瞳を輝かせて答えた。
そんなあかねを、家族たちは不安げに見つめていた。