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第15話

いつもの登山に行っただけなのに — fujossy.jp · All chapters

第15話

「この包み紙を外して食べるのだ。ちょこれいとという甘い菓子だ」「ちょこ……れいと?怪しい名でございますな」「若殿様、ここは私が先に毒味を」「うむ」大磯守様からチョコレートを受け取ったふたりは、しばらく不思議そうに包みを眺めていた。やがて、弥三郎さんが包み紙を開け、中身を口に入れた。「む、これは……甘い。とても……美味しいです」 「な……っ、なんだって!?」盛継さんは信じられないといった顔で、弥三郎さんの手元を覗き込んだ。「若殿様、これは実に美味しい菓子でございます」「……そうなのか……」弥三郎さんの言葉に、盛継さんは少し迷った後、チョコレートを口に運んだ。「……!」その顔が、みるみるうちに変わっていく。「どうだ、盛継。いつもお主が美味くないと言っておる菓子よりも美味いか?」大磯守様が、楽しそうに尋ねると、「……っ、父上!」盛継さんは悔しそうに眉を寄せた。「これで分かったであろう。真雪は決して我らの敵ではない」「はい、ですが、私はこのような、碌に鍛錬もしていないように見える、女のような男は好きにはなれません」そう言って、盛継さんは席を立ってしまった。「……申し訳ございません、大磯守様」「良い。あれはお主のような男が好きだからな、仕方あるまい」「…………」お主のような男が、好き???盛継さんに続いていなくなってしまった弥三郎さんに、大磯守様が掛けた言葉の意味が、僕にはよく分からなかった。