第16話
第16話
その後、僕は大磯守様とお風呂に入ることになった。湯が沸くまでの間、大磯守様は僕に、この家のお風呂は湯殿というらしく、その使い方などを教えてくださった。どうやらこの時代は、湯船に湯を張って浸かるということはしないらしい。「ほお、お主の時代では勝手にお湯が出て、湯を溜めてその中に入るのが風呂なのか」僕の時代のお風呂について説明すると、大磯守様は興味深そうに耳を傾けてくださった。お湯の準備ができると、僕は大磯守様に案内され、湯帷子という着物をお城で働いているらしい男に着せてもらって湯殿に入った。そこはふたりで入ってもまだ余裕があって、サウナみたいな場所だった。「どうだ?この時代の風呂も、悪くはないだろう?」「は、はい……」僕もサウナは嫌いじゃない。寧ろ、登山の後にスーパー銭湯に行って、サウナも利用するくらいだ。でも……大磯守様がまた、僕の太腿の上に手を載せておられる。しかも今度は、僕の腰に手を回しておられる。時折、撫でるように手が動くたび、身体がびくりと反応してしまう。ただでさえ暑いのに、心臓までうるさくなって、ますます暑くなってきた。「あ、あの……」「?どうした?」「その、こちらの時代では、一緒にお風呂に入る際はこうするものなのでしょうか……?」「……ふふ、そうか、やはりお主は何も知らぬのだな……」僕の問い掛けに、大磯守様は笑った。その笑みがどことなく色っぽくて、でも、なんだか少し怖かった。「お主にはわしの側仕えを務めるということは、どのようなことをする者なのか、身をもって教えねばならないな」「へ……っ、!?!?」瞬間、大磯守様の顔が目の前に迫り、僕の唇に柔らかなものが触れた。