第2話
第2話
山の空気を吸い、高山植物のスケッチや写真撮影を楽しんだ後、僕は下山を始めた。ところが、その途中で、予報よりも早く雨が降り出した。ぽつ、ぽつ、と落ちていた雨粒は、あっという間に勢いを増していく。風も強くなり、霧まで出てきた。……これは、まずい。視界が悪くなり、このまま下山するのは危険だと判断した。一晩、様子を見たほうがいい。僕は雨風を凌げそうな場所を探し、少し開けた場所を見つけると、そこにテントを張った。今夜はここで過ごすしかない。幸い、食料も水もある。明日の朝、天候が回復してから下山すればいい。そのときの僕は、そうするのが一番だと思っていた。テントを叩く雨音を聞きながら、僕は眠りについた。明日の朝には、きっと晴れている。そう思いながら……。