第28話
第28話
翌朝も、僕が目覚めた時には、すでに大磯守様の姿はなかった。庭先から木刀を振るう音が聞こえ、そちらに目を向けると、大磯守様が素振りをされていらした。ここに来て、三日目。昨日とは違う大磯守様の着物をお借りして身支度を整え、盛継様たちとの気まずい朝食を終えた僕は、昨日、大磯守様に命じられた仕事に取りかかることになった。「真雪、悪いが、わしは盛継との政務があって付き添うことはできぬ。弥三郎をお主の供につけるゆえ、困ったことがあれば、あやつに申せ」「は、はぁ……」大磯守様がいないなんて。僕はとても怖くなったし、不安にもなった。でも、大磯守様が僕を信じて任せて下さった仕事だからと、何とか気持ちを奮い立たせた。「弥三郎、真雪を頼むぞ」「承知仕りました」盛継さんの側仕えをしている人。ということは、盛継さんと……。僕はまた、良くないことを考えてしまっていた。