第3話
第3話
朝、僕は鳥の声で目を覚ました。「ん……」雨音がしない。昨夜まで、あれほど激しくテントを叩いていた雨が、嘘みたいに止んでいた。時計を見ると、午前六時過ぎだった。「晴れたのかな」そう呟いて、テントの入口を開けた。そして、固まった。「……え?」昨日まであったはずの登山道が、ない。代わりに、見渡す限り木々が広がっている。「……何、これ」道を間違えた?いや、そんなはずはない。何度も来ている山だ。それに……人の声がする。しかも、近づいてきた人たちの姿を見て、僕は目を疑った。聞いたことのない言葉遣い。ちょんまげのような髪型に、着物、腰には刀まで差している。時代劇の撮影でもしてるのかな。そう思ったが、僕を見た瞬間、向こうの男が怪訝そうな顔をしながら僕に言った。