第7話
第7話
「……あの、今って、20××年ですよね?」「はぁ?」大磯守様が怪訝そうに眉を寄せる。「今が何年かと聞いておるのか?」「はい」「何を言っておる。今は天正十九年だろう」「…………え?」僕は言葉を失った。天正十九年。その言葉を頭の中で何度も繰り返す。天正。学校の授業で聞いたことがある。でも、まさか。そんなはずはない。「すみません。それ、西暦だと、何年ですか?」「西暦、それは何だ?」「えっ、……」西暦が通じない。僕は、とても嫌な予感がした。もしかして、僕、タイムスリップしたの!?「殿、この者の荷ですが、見たことのない、得体の知れないものばかりです」「ほう。どれ、見せてみよ」「はっ」先程僕をここまで連れてきた男たちが、僕の荷物を持ってきて、僕の隣に並べていく。万が一を考え、一泊二日を想定していたから、ザックの中身はそれなりに多い。大磯守様は、それらが並べられていくのを興味津々といった様子で見ていた。中身が全て出揃った時、その人は僕の描いた植物のスケッチや持ってきていたミニサイズの植物図鑑を手にとり、じっと見ていた。