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第936話 SP振って試し撃ち! もう相手にもならない!

ゲーム世界転生〈ダン活〉~ゲーマーは【ダンジョン就活のススメ】を 〈はじめから〉プレイする~ — kakuyomu.jp · All chapters

第936話 SP振って試し撃ち! もう相手にもならない!

〈上下ダン〉で2陣、3陣パーティが〈嵐ダン〉に潜っていく様子を見送り別れた後、俺たちは60層へと転移する。

「じゃあ行くぞ。〈転移水晶〉発動!」

俺が〈転移水晶〉を掲げて発動するとパーティメンバー全員が光に包まれ、気がつけば俺たちは見慣れた〈嵐ダン〉の最奥に転移していたのだった。

「いやぁ〈転移水晶〉の登録地、変えないでよかったぁ」

「〈転移水晶〉って本当に便利ね!」

ラナが見慣れた60層の光景に満面の笑みを浮かべてそういった。

実はこの〈転移水晶〉、まだ〈嵐ダン〉の60層に転移ポイントが設定されていたままだったりする。

前回の〈岩ダン〉ではボス周回が予想以上に捗りすぎて2日で目標のLV数値に到達したためそのまま奥の転移陣を使って帰還した。

初日も35層のショートカット転移陣を使っているため〈転移水晶〉は使わなかったのだ。

その前に使った〈火山の入口ダンジョン〉ではメンバーが違ったしな。あの時はエステルと交代でアイギスがメンバーだった。

故に、このメンバーだと〈嵐ダン〉の60層の転移陣は上書きされていなかったのである。

いや、マジで上書きしなくてよかったぜ。一昨日35層のショートカット転移陣を使うかもう少し進むか迷ったとき、ショートカット転移陣を選んでおいたのは英断だった。

これで少しだが周回時間を得ることが出来た。

しかし、その前にやるべき事がある。

「みんな注目! 早速レアボスに挑みたい気持ちは分かる。しかし、俺たちにはまずやるべき事があるんだ。それはSPを振ること。そして試し撃ちだ!」

「「おおー」」

俺の宣言にラナとカルアが元気よく手を挙げて答えてくれた。

シエラとエステルも声を上げていないだけでやる気は十分伝わってきた。

「みんな、ちゃんとSP振るのを我慢してきたか?」

「もう我慢するのが大変だったわ! 王女を我慢させるなんて、とんでもないことよ!」

「ん。1日我慢。ちょっと辛かった」

おお!

ちょっと我慢できるか怪しかったラナとカルアも、何とか我慢できたらしかった。

分かる、分かるよ。ゲームでもさ、先が気になるって良い時にもう寝ないと、電源切らないといけない時間になると憂鬱になるもんな。

俺はコンディションをしっかり整えるタイプだったので睡眠時間の確保は絶対に外さなかった。もうちょっと、あとちょっとってなるといつまでも終わらなくなるのを知っていたとも言う。

故にいつも決まった時間に寝ていたんだ。誘惑を断ち切ってコンディションを整えるために。今回も辛かった。

「みんなよく我慢してくれた。俺も心苦しかった。しかし、それもここまでだ! 楽しい楽しいステ振りの時間がやって来たのだ!」

「「おおー!」」

「ということで、まずみんなに振ってほしい〈スキル〉〈魔法〉を書いてきた!」

「なんで未知の五段階目ツリーをあなたが知っているのよ」

「勇者だからな!」

シエラが再びジト目で見てきます! ありがとうございます!

しかしだ、こればっかりは押し通さなければならない。だってこれに振ってもらえないと最強へ至れないからな!

特に上級職のスキルツリーなんて強いものばっかりだからさ、あれも強い、これも強いで多くにSPを振ることなんて目に見えているんだ。厳選はしないとな。

特に〈四ツリ〉なんて誘惑が多いんだ。これから〈五ツリ〉〈六ツリ〉が控えているというのに魅力的な〈スキル〉〈魔法〉が多すぎる。

その〈スキル〉〈魔法〉の上位互換が〈六ツリ〉にあるから、最終的に〈四ツリ〉のそれを使わなくなる、というものも多くあったりする。

故にしっかりと厳選して取捨選択しないと弱いスキルばっかり取得してSPが足りなくなる事態に陥るんだ。

出来ればステータスの〈スキル〉〈魔法〉は、強力な〈五ツリ〉や〈六ツリ〉を揃えたいところ。〈四ツリ〉に惑わせられるとその分〈五ツリ〉や〈六ツリ〉が取得できなくなってしまう。そのため〈五ツリ〉〈六ツリ〉が優秀な場合、〈四ツリ〉は控えめにするのが俺の方針だった。

エステルやカルアの〈四ツリ〉攻撃スキルなんて一つずつしか取らせていないからな。

〈五ツリ〉以上になるととんでもないスキルが増えるので、それを取得するために我慢していた。長かった、長かったなぁ。

しかしそれもここまでだ。

これからはとんでもなく強力なスキルを取れるようになるからな!

俺は昨日のうちに書いておいたメモを4人に配る。

「いいか。慎重にステを振るんだぞ? 間違えたら大変なことになるからな」

「このメモも、本当は貴重なもののはずなのだけど……」

「こんなに気軽に渡されてしまうと困りますね」

なにやらシエラとエステルが苦笑気味に意気投合している。どうしたのだろう?

「終わったわ!」

「ん。こっちも」

「よし、俺の方も終わったぜ!」

「こちらも終わりました」

「本当にメモの通りのスキルがあるのはどういうことなのかしらね?」

ふう。なんとか緊張のステ振りも無事終わったようで何より。

全員メモを再三確認しながら慎重にステ振りしてもらい、ちゃんとステが振れた様子だ。

「でもゼフィルス、これには振らなくていいのかしら?」

「ん、ゼフィルス、これはいいの?」

「おっと、すまん。ステータスは〈水晶のドラゴン像〉を使わないと見えないから名前で言ってくれ」

「なんで見えない〈魔法〉や〈スキル〉の名前を知っているのかしらね?」

おお!? 後ろからシエラのジト目を感じる!!

なぜかはよく分からないが、俺は嬉しい気持ちになった。

それから振らなかった〈スキル〉〈魔法〉をなぜ取得しなかったのかという説明や、スキルや魔法の使い方。スキル回しの方法などを伝授して、59層で練習、試し撃ちを解禁した。

「ふわー! これが、新しい攻撃魔法なのね! すっごく気分が良いわ!」

「それは何よりだ」

エフェクトに還って行くモンスターを見てラナがキラキラした目をしていた。

ラナも〈四ツリ〉の時、攻撃魔法は一つしか取得させていなかったからな。

今回新たに取得させた攻撃魔法は二つ。プラス一つ。

その魔法にラナのテンションは天上知らずだ。

「ん! 速、すご。でも相手が弱すぎて全部当たらない……」

カルアは新たに取得した攻撃スキルは三つ。プラスα。

デバフ系攻撃スキルもあって非常に有用なのだが、一番の高威力連続攻撃はモンスターの方が耐えられず、スキル回しからの連続攻撃の途中で光に還ってしまうのだ。

まあ、ここは練習場じゃないからな。

そしてシエラだが。

「こればっかりは本番で試してみないと分からないわね」

もう完全にただのモンスターではスキルが生かしきれないようで、ボス戦を望んでいるようだった。

まあ、シエラの自在盾、〈四ツリ〉の防御スキルは一つしか覚えさせなかったが、〈五ツリ〉ではパッシブ、カウンターも合わせれば六つも覚えているからな。しかもどれも強力でただのモンスター程度じゃその真価を発揮できないんだ。

そして最後にエステルだが、今回エステルが一番化ける。

「…………あの、ゼフィルス殿。本当にこれは現実なのでしょうか?」

「もちろんだエステル。最初【姫騎士】の時に最高峰の騎士にするって言っただろ? これがその姿だ。まあ、昔言ったとおり全然騎士っぽくないけどな」

「いえ……。まさかこれほどとは思いませんでした。確かにこれはゼフィルス殿が頂と言うのもわかります……」

未だエステルは現実離れした自分の力に唖然としていた。

今回、エステルはとんでもないスキルを身につけたからな、それがものすごいんだ。

ふっふっふ、さて、そろそろ練習はいいな?

そろそろレアボス周回に突入するとしよう。

あ、もちろん俺も練習しましたとも。