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第994話 お祭りの途中でバッタリ遭遇。〈採集課〉のモナ

ゲーム世界転生〈ダン活〉~ゲーマーは【ダンジョン就活のススメ】を 〈はじめから〉プレイする~ — kakuyomu.jp · All chapters

第994話 お祭りの途中でバッタリ遭遇。〈採集課〉のモナ

5人の〈 上級転職 ( ランクアップ ) 〉完了! 今回も完璧だ!

これでメンバーのうち下級職はラウとルキアだけになったな。

「これからダンジョンに行こうと思う」

「私も一緒に行くよ!」

「待て待て、今日はお祭りだぞ? ダンジョンも良いけど今日くらいは祭りを楽しんだ方がいいって」

ギルドハウスに帰還するとラウとルキアが焦ってダンジョンに行きたいと言い出してきたが、それは明日でも良いだろう。

今日はお祭りだしな。

安心してほしい。2人の分の〈上級転職チケット〉は確保してあるからな。

新しく〈 上級転職 ( ランクアップ ) 〉した子たちも上級職の練習がしたくてうずうずしている様子だが、それも明日にしてもらう。今日〈 上級転職 ( ランクアップ ) 〉したのは失敗だったか? いや、明日には帰省組が学園を出ることになっている。今日やるのが正解だ。

ということでお祭りに繰り出した。

今日はお祭りではしゃぐのだ!

トモヨ、カタリナ、ロゼッタ、フィナと一緒にお祭りへと参戦する。セレスタンは別の用があるということでギルドハウスで別れた。

代わりにフラーミナとエリサが合流して外へと繰り出した。

「みんな上級職になれたんだ! おめでとう~なんの 職業 ( ジョブ ) になったの!?」

「フィナちゃんすっごく機嫌良さそうだけど何かあった? 何かあったでしょ? 分かるわよ! お姉ちゃんに教えなさい!」

その言葉にカタリナとトモヨがやんわりと、「明日のお楽しみ」と言って躱し、フィナはこそっとしながら何かをエリサに言って追いかけられていた。

フィナは何を言ったんだ?

そんな微笑ましい光景を見ていると屋台から何かを買ってきたトモヨからとんでもない発言が飛び出した。

「そういえば聞いたよゼフィルス君。なんでも、屋台で買った物をあーんしてくれるんだって!?」

「「「え!」」」

その言葉にカタリナ、エリサ、フィナが反応。

トモヨが持っていたのは昨日確かにハンナとあーんした〈上ミノ串〉だった。

情報が早い。

あれは相手が付き合いの長いハンナたちだったからついやってしまったのだが、どうもそんなことを言い出せる雰囲気じゃなさそうなのでトモヨから串を受け取ってあーんしてあげる。もちろん俺の分もあるようだ。それは嬉しいな。

任せろ!

「じゃあ、トモヨ。あーん」

「あーん。ん~~~幸せ~」

ご要望通り食べさせてあげるとトモヨは片手を頬に添えて蕩けた表情になった。

とても美味しいようだ。分かる、分かるぞ。俺も昨日ほっぺが落ちそうになったのだ。

そういえば〈エデン〉は〈食ダン〉へ2度突入したが、その時トモヨはまだ参加していなかったっけ。どうやら最奥のミノタウロスの肉は初めてのようだ。美味しかろう。何せ、レアボスの肉だ。分かるぜ。

とその時周囲からもの凄い視線を浴びた気がした。しかも1箇所では無く数え切れないほど複数の箇所から。

「ふぉっ!? ??」

キョロキョロと周りを見渡すが、こっちを見ている怪しい人物は居ない。気のせい?

「ゼフィルス君、あーん!」

「お、おう。あーん。……??」

「美味し~ありがとうゼフィルス君。ギルドメンバーの特権だよ~」

トモヨにそれからあーんを続けること2回。凄まじい視線を感じる気がするのに姿が見えない不思議体験をしていると、次はカタリナが戻ってきて何やら差し出してきた。

「おまたせしましたわゼフィルスさん。私にもこちらをお願いしますわ。もちろんゼフィルスさんも食べて構いませんから」

クレープだ。クリームたっぷり、カスタードたっぷり。アイスと苺を載せてチョコソースが掛かっためちゃ美味そうなクレープを持ってきた。

一つだけ。

そういえばカタリナは夏休みに俺がリーナにクレープをあーんさせていたのを見ていた気がする。うむ、なるほど? いつの間にかあーんはギルドメンバーの特権になったのか??

クレープを受け取り、カタリナへと向ける。

「あーん」

「あーんですわ」

パクッと小さく一口。そして上品に美味しさを堪能するカタリナ。

清楚で和のお嬢様らしいあーんである。とても良き!

あまり難しいことは考えない方が良さそうだ。

と、ここでエリサとフィナも何かを持って戻ってきた。

「くっ、出遅れたわ! フィナちゃん私たちも行くのよ!」

「では姉さまはここで待機を。私がまずアタックしてきます」

「分かったわ。とでも言うと思った!? 私も行くに決まってるでしょ!」

「今度はエリサとフィナか~。いいぞいいぞ次はなんだ?」

彼女たちが持っていたのはカットフルーツだった。

エリサがスイカっぽいものに爪楊枝を突き刺し、フィナはメロンのようなものを差し出してくる。

あ、今度は俺が食べる側か!

まあ、串とクレープで両手が塞がってるからな。

だがあーんしたいのはやまやまだが同時には食えないぞ? 食えないからな?

「ご主人様」

「教官」

「「あーん」」

あーん。

食べた。人間、やればできるものだよ。

そんな感じでお祭りを楽しんだ。

フラーミナとロゼッタが参加してこなかったのが少し助かる。

「2人は楽しんでるか?」

「うん! 見ているだけで楽しいよ~」

「私たちのことは気にしないでください。一緒にお祭りを回れるだけで満足ですから」

そう言ってもらえると助かるが、カタリナは俺だけじゃなくフラーミナやロゼッタとはあーんはしないのか?

と思ったがいろんな出店を回って少しずつ食べ物を交換などはしているようだ。

「むむむ、自分の小さいお腹が恨めしいわね」

「お腹いっぱいになってしまいました」

エリサとフィナが最初にギブアップした。体が小さいからな。

2人を寮に送り届けると解散になった。

とはいえ俺はもうちょっとお祭りを楽しみたいので、そのままUターン。

今度は学生店じゃない、商人などがやっている臨時のお店などが立ち並ぶところに向かってみた。すると、

「あれ? もしかしてモナじゃないか?」

「ゼフィルスさん? お久しぶりです!」

「久しぶり、やっぱりモナか。こんなところで会うなんて奇遇だな。……それで、その格好はどうしたんだ?」

「いやぁ、その……」

バッタリ出会ったのはモナ。

1年生の〈採集課〉 職業 ( ジョブ ) 【ファーマー】に就いている。

夏休みまではたまに俺たちとダンジョンへ採集に行っていた仲だったが、夏休み明けから上級ダンジョン進出のためにギルドが一丸となっていたからしばらく会っていなかった。

だが、〈MPハイポーション〉の素材である〈上魔力草〉を〈エデン〉にずっと卸してくれているので感謝が尽きない。

そんなモナだが、現在はスカートを履いていた。

上のブラウスは男が着ても女が着ても違和感の無いものだが、モナが着ているとどう見ても女の子に見える。

ちなみにモナは女顔だが男……のはずだ。あれ? 俺の記憶違いだったっけ? でもスカートに違和感が無い……。

「もしかしてモナは女の子だったのか?」

「いえ、違います。僕は男です。男ですが、これには理由があるのです」

女装の理由か。まあ、お祭りだし良いんじゃ無いだろうか? 違和感とか無いし(2度目)。

元々男装? て思われていたくらいで、むしろ今の姿の方が似合っているくらいだが、これは言わないでおこう。

「まあ、お祭りだからな。何を着ても問題無いだろう」

「…………そうですね」

俺の言葉に少し肩を落とすモナ。

まるでお祭り期間が関係無いような雰囲気だ。

聞いてもいいものなのか?

「あ~、それでどうしたんだその格好は?」

「……それが、聞いてくださいよゼフィルスさん」

一瞬詰まった様子のモナだったが、何かが上回ったのか、それから饒舌に話し始めた。

纏めると。

「装備作製の時に女だと勘違いされた?」

「おそらく」

どうやら店員が男物と女物を間違えたらしい。

採寸も本格的なものじゃなく簡易的な感じで測ったのも原因のようだ。

モナは〈戦闘課〉じゃないからな。〈戦闘課〉だと体に合わせて仕上げるため採寸は下着姿になってしっかりと行なわれるから分かるのだが、モナは〈採集課〉だ。そこまでしっかりフィットした服じゃなくても良い。成長を見越して少し余裕を持ったサイズで作製をお願いしたようだ。

そうして出来上がった装備は、なぜか女性物だった。

「代金はいらないとのことだったので、あと無駄に性能が良くて」

「それでそれを着ているのか」

あちらがミスしたので代金はいらないと押し切られたらしい。もっと言えば消費した素材代はミールで支払ってもくれたそうだ。そして装備もなぜか渡されたのだとか。

確かにそれ、 中級上位 ( チュウジョウ ) でも耐えられるどころか 上級下位 ( ジョーカー ) の上層でもやっていける装備だからな。性能だけはかなり良いやつだ。 見た目 ( 女装 ) に目を瞑っても着るを選択してしまうだろう。……してしまうかな?

ふむ……。

「だが、それを注文したとか、モナも出世したなぁ」

俺は話を変えることにした(混乱)。

「ゼフィルスさんが僕を誘ってくれたおかげですよ」

「何言ってんだ。全部モナの実力じゃないか。最近はあんまり関われていなかったしな……いや、待てよ?」

「どうしましたか?」

「いや、最近ちょっと問題が浮上していてな」

俺は脳内で計算し、イケると判断すると、モナに交渉を持ちかけてみた。

「なあモナ。確かモナの採集課パーティって採取、発掘、伐採、釣りの専門家が全員集まってたよな?」

「はい。僕の自慢のパーティです」

モナはあれからハンナの手も借り、1年生ではトップクラスの採集課パーティ〈採集無双〉を率いるまでに成長している。実力のある新進気鋭のパーティだ。

さっきの〈結晶〉〈宝玉〉足りない問題。

ここはモナたちにも手伝ってもらうのはどうだろうかと考えた。

「モナ、上級ダンジョンに行ってみる気はないか?」