第997話 問題解決策。ゼフィルスが暗躍計画を練る!?
第997話 問題解決策。ゼフィルスが暗躍計画を練る!?
カイリとユミキ先輩がまさかの姉妹だった。
言われてみれば髪の色とか同じだし、スタイルも2人ともスラッとしている。雰囲気もなんとなく似ている感じがしなくも無い。
ユミキ先輩も何も言わないからビックリしたよ。いやマジで。
もしかしてユミキ先輩が〈エデン〉のギルドハウスに近づかないのはそういう理由からだったのかな?
「今度ね。ユミキ姉が指揮する調査隊に参加することになったんだよ。とても楽しみにしているんだ」
姉妹仲は良好なようだ。
カイリ、すごく楽しそうだな。良きかな。
さて、とても衝撃的な事実に話が思いっきりズレてコースアウトしてしまったが、なんとかコースに戻す。学園が調査隊を送るという話が出たところから再スタートだ。
場所は上級下位ダンジョンのランク6、〈岩ダン〉。
内容は極シンプル。
数日前、〈岩ダン〉の1層で〈 上級下位 ( ジョーカー ) の見識を深めようツアー〉通称〈 上下 ( ジョカ ) 見 ( けん ) 〉と遭遇。俺たちが転移陣で帰還したところを見られたところに起因する。
〈岩ダン〉って階層門が巨大岩の中にあるもんだから今まで誰にも見つからず、この世界では攻略不可能ダンジョンなんて呼ばれていたらしい。
そこに俺たちが転移陣で帰還したものだから大騒ぎ。
ツアーの人に色々と聞かれたよ。
まあ、シエラとラナがいたので軽くあしらってその時は事なきを得たのだが。
学園としては〈岩ダン〉の謎を解明したいらしい。とても良いことだと思う。
ただ、情報公開についてはリーナがしっかりブロックした。
ということで学園は独自に調査隊を送り込むことにしたようだ。
その声を掛けられたのが〈調査課〉のトップ、ユミキ先輩。
〈救護委員会〉や〈ハンター委員会〉のメンバーにも依頼があり、〈岩ダン〉の調査に 赴 ( おもむ ) くらしい。カイリが声を掛けられたのは〈救護委員会〉に参加していたからだ。
「そんな訳でもうちょっと〈救護委員会〉に滞在したいんだ。いいかな?」
「良いんじゃないか?」
そんなカイリの要望に俺は許可を出す。
姉妹水入らずとはいかないが、一緒に依頼を受けられて喜んでいるところにダメだとは言わない。
一応カイリの〈救護委員会〉のお勤めは冬休みに入るまでだったが、今も少し延長している。Aランク戦の準備で忙しかったからな。この依頼が終わるまでくらい延長しても問題は無いだろう。
「やった! ありがとうゼフィルス君! それで、聞いておきたいんだけど〈岩ダン〉の調査について〈エデン〉で気にしていることとかある? 出来る限り便宜を図るよ?」
身内を調査メンバーに加えておくとこういう利点もあるしな。
「そうだな〈エデン〉がすでに〈岩ダン〉を攻略済みというのはまだバレるのはマズいんだが」
「……え? 〈エデン〉はもう攻略終わってしまったの?」
カイリが一瞬固まって呆然とした様子で聞いてきたので頷いておいた。
「俺の部屋に〈岩ダン〉の攻略者の証が飾ってあるよ」
「あ、そうなんだ。へ~。うん。そうか……」
落ち着きが無いカイリが落ち着くのを待つ。なんだか最後は疲れたような声を出していたが、大丈夫かな?
そして俺は、この〈岩ダン〉の攻略者の証を早く胸に着けて自慢したいんだよなぁ。
しかし今はちょっと時期が悪い。〈キングアブソリュート〉が〈霧ダン〉を攻略し終わっていないからな! 攻略済みでもマズいかもしれないが。
まあ、それについては作戦を練ってある。近いうちにお披露目できるだろう。ふはは!
あと、まだ問題はある。
「もうツッコミどころが多すぎてね。スルーすることにしたよ……。はあ。 ここ ( 〈エデン〉 ) は相変わらずだなぁもう。それと、ユミキ姉がギルドバトルで使っていた見たことも無いスキルについて色々聞きたいって言ってきてるんだけど?」
「そこも問題だな」
五段階目ツリーのことだ。
特にエステルやラナの攻撃は派手だったからな~。
学園中が「なんじゃありゃーー!?」ってなったらしい。
ふっふっふ。驚いてくれたか。
え? そうじゃないって?
分かってる。大丈夫だ。
五段階目ツリーが開放されるのは上級職LV30から。
そしてこの世界には、LV30に届いている人物は皆無らしい。この前までは。
今は何人か居る。俺、ハンナ、シエラ、ラナ、エステル、カルア。そういえばマリー先輩ももう少しだって言ってたっけ。
普通ならランク1の〈嵐ダン〉やランク2の〈霧ダン〉が上限LV25まで、レアボスでLV26まで上げられるのでそこが限界点だ。
ユーリ先輩も現在LV25らしい。
ここ数ヶ月、必死にエリアボスやフィールドボスを狩ってLV25まで育て、〈クジャ〉に何度も挑み、ついに勝利を手にした。本来なら偉業扱いだ。
なのに俺たちはそのレベルを超えている。
LVはダンジョンに入ダンするとき受付で申告しなければいけないのですでに学園にバレているが、もちろん学園は学生の情報は漏らさない。ただ学園長が頭を抱えているらしいとリーナから報告を受けている。
内緒にしていてもいつかはバレるもの。というよりギルドバトルのあれですでに疑念が広まりつつあるらしい。今は帰省でそれも縮小しているが、帰省が終わったらおそらく学園中に広まるだろうとはリーナの予想だ。
そこに〈岩ダン〉攻略者の証が出たらどうなると思う?
考えるまでも無い。
俺が今までやってきたあれそれが無駄になってしまう。
「だが、問題の解決策はすでに思い浮かんでいる」
「ほ、ほう?」
俺が不敵にそう言うと、カイリがなぜか少し身を引きながら聞いてきた。
なぜビビる? 怖いことなんて何も無いよ? ほんとだよ?
ふっふっふ、なにしろ今ある問題をすべて解決する妙手だ。
ついでに俺たちは強くなりすぎてしまった問題まで解決出来る素晴らしい作戦を考えてある。
「みんなにも五段階目ツリーに来てもらえれば全て解決する。ちょうど、良いダンジョンもあることだしな」
階層門が隠されていて攻略不可能と言われていたダンジョンがある。
しかし、階層門さえ隠されていなければイージーなダンジョンだ。〈霧ダン〉と同じタイプだな。
そこではなんと五段階目ツリーが開放されるまでLV上げが可能ときている。
なんて素敵なダンジョンなんだ。もう学生に挑んでもらうしかないだろう?
「まずはユーリ先輩にさっさと〈霧ダン〉を攻略してもらわないとな。その後は……」
ふはは!
ちょうどラナたちが不在でこれ以上の〈エデン〉の攻略もストップしている。
ユーリ先輩はこれまで通り、帰省はせず、冬休み中に〈霧ダン〉攻略を目指すそうだ。
ちょっと〈エデン〉が手伝ってあげよう。