第1001話 トモヨ新装備! ルルの神対応で力漲る!
第1001話 トモヨ新装備! ルルの神対応で力漲る!
翌日。
昨日は5人の生産職と採集職に上級職へと就いてもらった。
アルストリアさん、シレイアさん、レンカ先輩には早速レベルを上げてもらうため、大量の上級素材を持って行った。
ガンガンレベルを上げてほしい。
アルストリアさんとシレイアさんはマリー先輩やアルルの時と同じ方法で、レンカ先輩には回数消費アイテムを使っては回復、使っては回復という手法でレベル上げしてもらう。
これが一番効率が良い。効率を上げるためレベル上げの鍵となるスキルはLV10にしておくのもポイントだ。失敗はしなくなるし、使う素材も少なくて済むからな。
採集職のモナとソドガガは早速上級ダンジョンで色々成果を上げてきた。早い。
納品された素材たちは一部を〈エデン〉がもらい、後は生産職組のレベル上げのために流しておく。投資大事。
このまま行けば5人が学園全体でも重要人物となる日も近いだろう。
そっちはレベル上げと採集活動をしばらくがんばってもらうとして、俺はダンジョンへ潜るべく、ギルドハウスに向かった。
「みんなおはよう!」
「クワァ!」
「おう、ゼニスもおはよう」
大ホールに入るとまず出迎えてくれたのは〈聖竜の幼竜〉であるゼニスだった。
ゼニスは マイホーム ( ギルドハウス ) から出ない。その代わり マイホーム ( ギルドハウス ) では自由に飛び回っている。
今は体長40センチくらいだからいいが、進化して身体が大きくなったらどうするかも考えないとな。
まだまだレベル的には進化は先だが。
「ゼニス、待ってください」
「お、アイギスもおはよう」
「はい。ゼフィルスさんおはようございます。――ゼニス、朝ご飯の途中ですよ、席に戻りなさい」
「クワァ!」
ゼニスを追いかけてきたのはアイギス。
アイギスが注意すると元気良く鳴いたゼニスはホールの端にあるテーブルへと飛んでいったのだった。どうやら朝食の途中だったらしい。
「お世話も大変だな」
「ふふ、でも楽しいですよ。小さな子どもが出来たみたいです」
アイギスが楽しそうに笑顔になる。
ゲーム時代、モンスターどころか人ですら食事は不要だったが、現実ではそんなことは無い。食べなければお腹が空いてしまう。
とはいえモンスターはあまり食事を取らないようで、1回食事すれば3日は食べなくてもいいという超燃費の良いモンスターが多いらしい。どんな構造してるんだろう?
ゼニスも3日に1度だけ、こうして食事を取っている。
フラーミナのテイムモンスターも同様だ。
「ゼニス、これを食べるのです! たくさん食べて早く大きくなるのですよ?」
「クワァ!」
うむ、ルルもお姉さん気分なのかな? 食事をするゼニスにエールを送っていた。
ゼニスもそれに翼を広げて応えている。
3日に1度の食事で大きくなれるのかはノーコメントだ。
「おはようございますゼフィルス様」
「おはようセレスタン。今日は久しぶりのダンジョンだが、よろしくな」
セレスタンとはそれなりに長い付き合いになるが、パーティを組むのは片手で数えるくらいしかない。夏休み以来だし楽しみだ。
今日は上級ダンジョンの一つ、〈霧ダン〉の攻略を始める日なのでその後も続々とメンバーが集まってくる。
ギルドハウスは9時から工事に入るのでそれまでにダンジョンに行かなければならない。
工事業者の人と挨拶して戻ると、今日のメンバー全員が揃っていた。
今日のメンバーは俺、シエラ、セレスタン、アイギス、タバサ先輩の1陣メインメンバーと、サポートでカルア、ニーコ、シェリア、ルル、トモヨが2陣メンバーとなっている。
10人攻略だ。
使うのはもちろん〈イブキ〉。〈イブキ〉は12人乗ることが出来るからな。
セレスタンと〈からくり馬車〉の出番は、ちょっと分からない。だがもちろん持って行く。
「集まってくれてありがとなみんな。前から言っていたとおり今日から〈霧ダン〉の最下層を目指す。エステルが〈浮遊戦車イブキ〉を置いていってくれたからこれを使う予定だ。操縦はアイギス、頼めるか?」
「お任せください」
他にも軽く説明をすると、そろそろ出発しよう。残りは移動中に行なう。
〈キングアブソリュート〉はすでにダンジョンへ潜っているとのことだ。
「ここまでで何か質問はあるか?」
「では僕からいいかい?」
「お? ニーコどうしたんだ?」
「そうだね。何から言おうかとても悩ましいのだが、簡潔に言おうか。なんで僕が参加してるの? 今日はボス周回はしないって聞いていたんだけれど?」
うむ。〈キングアブソリュート〉の前で〈公式裏技戦術ボス周回〉は使えない。
とはいえニーコが来ない理由にはならないんじゃないかな? 俺は首を傾げた。
「く、首を傾げている!?」
「ニーコ。大丈夫だ」
「何がだね?」
「今後突発的に〈霧ダン〉の周回がしたくなったとするだろ?」
「そんな突発的なことは起こらないでほしいのだが?」
「いや、これが割と良く起こるんだ。そんなときニーコがいなければ目的の物が手に入りにくくなる。効率の問題でこれは看過出来ない」
ゲームでも割と良く起こる現象だ。ボスの素材が足りない、激レアドロップが必要だ。
そんな時にニーコが最下層に近いショートカット転移陣に登録されていればスムーズにことが運ぶだろう?
つまりそう言うことだ。
「それに上級のボス周回に早くニーコを参加させたいしな」
「僕は参加したくないー! あんな〈クジャ〉みたいなボスとは戦いたくないーー!」
「だがニーコが上級ボス周回に参加してくれると俺は嬉しいぞ?」
「で、でもそうは言ってもだね……そうだ! 僕は防御面に難があるからね、僕を守ってくれる盾も上級で耐えられる装備じゃないんだ。だからね――」
ニーコがなかなかイエスと言わない。さてどうしたものか。
ニーコを確保――じゃなくて説得を続けていると、そこへアルルがやってきた、トモヨと一緒にだ。
「やあ、ゼフィルス兄さん、ニーコはん。話し中に失礼するわ。依頼のものが完成しとるで。トモヨはんを見てや」
「いやあ、あははは、なんだか恥ずかしいね」
「おお! これは〈聖盾光鎧シリーズ〉と〈聖法騎士シリーズ〉の組み合わせか!?」
振り向くと豪華な装備を着込むトモヨがいた。
「せや! ロゼッタはんに渡す予定の〈聖法騎士シリーズ〉、その中の大盾二つに、アクセ①②、頭装備の5点。それとシエラはんの〈聖盾光鎧シリーズ〉の体①②、腕、足の4点を組み合わせたものや。もちろんマリー姉のところに頼んでコーディネートもばっちしや!」
「あはは、なんかすっごい装備になっててビックリしたよ」
「限界までシリーズ染めか~。トモヨ良いじゃないか! かっこいいぞ!」
アルルがドヤ顔でトモヨに着せていた装備は新しい上級装備シリーズ。
しかも2シリーズの組み合わせだった。
シリーズ装備というのは、5点を超えてもシリーズスキルが変わらないのがネック。
そのため6点以上同じシリーズで染めてもそれは好み以上の効果は無かった。
しかし、なら別のシリーズと組み合わせればいいじゃない。
シリーズスキルは1種類しか発動しないわけでは無いんだから。
何しろキャラの装備枠は9箇所あるのだ。最大3種類のシリーズスキルを発動可能なのである。
そして今回、トモヨは2種類のシリーズ装備を着て登場していた。今までの装備は全 取 ( と ) っ 替 ( か ) えだ。
元々ロゼッタ用にと思っていた〈聖法騎士シリーズ〉という装備。
シエラが着ている〈聖盾光鎧シリーズ〉。
それを組み合わせて登場したのである。
これだと9点分のシリーズスキルを得ることが出来る。
今回の場合〈聖法騎士シリーズ〉の〈5点スキル〉。〈聖盾光鎧シリーズ〉の〈4点スキル〉が発動しているということになるのだ。
(ちなみにシリーズスキルは〈3点スキル〉から発動だ。数が多ければそれだけ効果も高い)
シリーズスキルは非常に優秀なものが多い。何しろ、シリーズを数点揃えなくては発現すらしないからだ。それが9点分の効力をもたらすのである。強いぞ。
タンクの能力が超パワーアップするのはもう大歓迎だ!
アルルが「インスピレーションが湧いたからトモヨはんの装備はこっちで準備するで」と言っていたので任せていたが。素晴らしいものを仕上げてきたな!
今まで通り大盾の二盾使いは変わらず、ピンク系と一部花柄のアクセントという可愛さアピールが入っている装備。体全面を見るといくつもの盾の形をしたパーツが付けられていて、シエラの装備との共通性を感じる。
大盾は騎士っぽくやや無骨なデザインであるものの、明るい白とピンクの色合いが鎧装備とマッチして調和していた。
うん、これはかっこいい系の装備だな。可愛さアピールになんだか頬が 緩 ( ゆる ) む。
俺は2人を褒めまくった。
「あんがとなゼフィルス兄さん。あとこれ、ニーコはんにも新しい盾、作って来たで。シエラはんも装備している強力な盾――〈強合金の盾〉や!」
「おおー!! 良かったなニーコ! アルルが上級ボスに挑むニーコのために新しい盾を作ってきてくれたぞ! これは挑むしかない!」
「完全に退路を絶たれてるじゃないか!? でも新しい盾は嬉しいね!?」
ナイスアルル! 素晴らしいタイミングだ!
そんな感じにニーコの説得が成功すると、一緒にダンジョンへ向かった。
ニーコは最後には分かってくれたよ(?)。
「〈イブキ〉に乗っている間はゼニスの身体でも調べてくれ」と言うとニーコが前向きになったのだから問題は無い。ゼニスもやる気を見せている。おお、そのポーズは凜々しいな。ゼニスがキリッとしていた。
「〈キングアブソリュート〉ですが、現在は53層で手こずっているとのことです。なんでも徘徊型が出るとか」
「あ~。なるほど。じゃあ俺たちが目指すのはその53層だな」
セレスタンの話によると〈キングアブソリュート〉は昨日からまた潜り始め、一泊してまだ帰ってきていないそうだ。
そして霧を発生させる徘徊型に遭遇。何度も迎撃してはいるがその度に逃げられ、再び襲われの繰り返しでなかなか進めないとのことだ。
まあ、仕方ない。徘徊型って普通はタフで逃げるから超厄介なのだ。
〈嵐ダン〉の時はレアイベントなので逃げることはせず、〈岩ダン〉の時はラナが逃がさないように光の宝剣で串刺しにして縫い止めちまったからな。逃がさずに狩ることが出来たが普通ならかなりの確率で逃げられてしまう。
逃げられるとHPを回復されてしまい、しばらくしたらまた襲われることになる。
後はその繰り返しだ。全滅でもすれば超最悪だろう。
その辺のやり方も含めて教えてあげようと思う。徘徊型を突破しないとダンジョンの攻略は難しいからな。
〈キングアブソリュート〉にはさっさと〈霧ダン〉とついでに〈岩ダン〉を攻略してほしいのだ。ふはは!
いつも通り〈上下ダン〉に到着。
しかし、なんとなく物足りない。
多分ラナが居ないからだろう。俺と共にテンション上げてくれるラナがいないのだ。
ちょっと寂しい。
「ゼフィルスお兄様、元気がないのです? ルルが元気づけてあげるのです! お手々を出してください。すりすり」
「おおおお!? 力が 漲 ( みなぎ ) る!」
「何やってるのよ、あなたたち」
「ルル、私にも是非それを!」
心配してくれたルルが俺の手を両手で挟んですりすりしてくれた。
力が漲ってくるようだ!
シエラにはジト目で見られたし。これで俺の元気は復活だ!
なお、シェリアがルルと交渉していたが、元気の無い人にしてあげるおまじないなのですと断られていた。その後、しょんぼりしたシェリアのお手々をすりすりしてあげるルルの神対応で復活してたけど。
「力が出るおまじないなのです! ゼフィルスお兄様がまた元気が無くなったら言ってくださいなのです!」
「おう! その時は頼むぜ!」
ルル素敵。
元気をもらって受付をして、そのまま〈霧ダン〉へと突入した。
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後書き失礼いたします。
シリーズスキルについて説明。
シリーズスキルは同じシリーズ装備を3点以上身に着けたときに発動するスキル。
3点身に着けた時に発動する〈3点スキル〉。
4点身に着けた時に発動する〈4点スキル〉。
5点以上身に着けた時に発動する〈5点スキル〉。
6点以上身に着けても効果は変わりません。
数で効果が変わります。数が多いほどスキル能力が高いです。
ちなみに同じスキルだと効果は重複します。
例『状態異常耐性LV5』+『状態異常耐性LV4』=『状態異常耐性LV9』
『VIT+50』+『VIT+40』=『VIT+90』