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第1049話 〈金箱〉回! 開ける気満々のウキウキのラナ♪

ゲーム世界転生〈ダン活〉~ゲーマーは【ダンジョン就活のススメ】を 〈はじめから〉プレイする~ — kakuyomu.jp · All chapters

第1049話 〈金箱〉回! 開ける気満々のウキウキのラナ♪

「やったわ! 〈金箱〉よ! これは私が開けるわ!」

しまった! 心の中で高笑いしている間にラナが動いた!

そうはさせない。

「ちょっと待とうかラナ。宝箱はみんなの物だぜ!」

「却下よ♪」

なにぃ?

むちゃくちゃ楽しそうに却下された。

「明らかに私の魔法で当たっているのだからこれは私が開けるのよ♪」

ダメだ。完全に自分が開けるモード全開だ。

こんなラナ初めて見るな。

今までは『プレイア・ゴッドブレス』を発動しても、ドロップ素材なのか、宝箱なのか、どちらに効果を及ぼしているのかハッキリせず悶々としていたのだろう。

ゲームの時はアイテム一覧のコマンドを開けば分かるんだが。

おかげで明らかに今回効果を及ぼしたと分かる現象、〈金銀現象〉が起きたことでラナのテンションは限界を軽く振りきって天高く上っていってしまったのだ。

こうなってしまってはもう仕方が無いな。

「ゼフィルス殿、今回はどうかラナ様に譲っていただけないでしょうか?」

「そうだな。――みんなもいいか?」

一応メンバーにも確認するが、異論はなし。

エステルの顔を立てる形でラナが〈金箱〉を開けることに決まった。

「やったわ! もうね、帰省の最中ずっと開けたかったのよ。この〈金箱〉を!」

ラナが力強く言う。

まあ、宝箱を開けられない苦しみは分からんでもない。しかし。

「おかしいな。1日目と2日目にも〈金箱〉を開けていたような?」

昨日と一昨日の記憶でも〈金箱〉を開けていた気がするのは気のせいか?

とはいえラナはここしばらく帰省のためにダンジョンに潜れなかった。つまりは宝箱も開けられなかったということだ。

俺もゲーム時代は何度も経験した。夢にも何度か出てきて飛び起きたこともあるし、〈金箱〉を当てたはずなのにそれが夢だったなんてこともあった。あれは悲しかった。

今回はラナに譲るとしよう。

なに、今後は大量に〈金箱〉が手に入るからな。問題は無い。ふはははは!

ランダムとはいえ三つもレアが当たるというのは相当強い。例えばレアボスを相手にしたとき、そのドロップは合計で12個だ。

ボスドロップが10個、宝箱が2個当たる。つまりは単純計算すると半分の確率で〈金箱〉がくるのだ。すげぇ。

ボスドロップの中に「これ以上のレアはありませんので対象外」となるドロップが含まれていれば、宝箱が対象になる確率はさらに上がる。

普通のボスの場合は最大16個ドロップ、内宝箱が1個なので確率は下がるものの、それでも20%弱だ。この高確率で〈金箱〉が手に入る? 素晴らしすぎるだろ!

しかもこれが使えるのが【大聖女】というのが良き。

今まで【トレジャーハンター】や【ギャンブラー】など、専門 職業 ( ジョブ ) をメンバーに入れなくちゃ宝箱の確率上昇が狙えなかった。しかしそれでは戦闘力が低下し、本来なら勝てるボスに勝てなくなり、結局ちょっと格下のボス相手じゃないと使えなかった。

もしくはエリアボス周回で出費が 嵩 ( かさ ) んでしまう。

しかし【大聖女】は〈ダン活〉の上級部門・公式 最強職業 ( トップオブジョブ ) ランキングで第三位という超強力な 職業 ( ジョブ ) だ。

メンバーに入れている人は数多かった。

その【大聖女】が〈金箱〉ドロップ率アップ能力を得る。もうね、大変です。

【大聖女】が上級職612職という膨大な 職業 ( ジョブ ) の中で第三位に輝いたのは伊達ではないのだ。

これによって「王族」カテゴリーの1枠、【英雄王】と【大聖女】どっちを入れるの? という問いに対して、大体の人が【大聖女】に走ってたからな。

【英雄王】は泣いていい。【英雄王】ってランキング第四位なんだけどなぁ。

〈金箱〉はゲーム攻略に直結する。

【大聖女】と『プレイア・ゴッドブレス』と〈聖の装束〉は最強を目指すのであれば絶対にゲットしておきたいものだった。

〈エデン〉の未来は明るいぜ。ふはは!

「では僭越ながら、〈銀箱〉は私と姉さまで開けさせていただきますね」

おっと妄想に浸っていたら話が進んでいた。

〈銀箱〉はフィナとエリサの共同作業で開けるようだ。

〈金箱〉はラナとそしていつの間にかエステルが一緒に開けると決まったらしい。

うむ。現在40人近いメンバーがいる。宝箱を開けられる人は少ないからな。共同作業が多くなってしまうのも仕方が無い。

「では行きますよ姉さま」

「いつでもいいわ!」

「では……せーの」

「せ!」

パカリ。

お祈りを済ませたフィナとエリサが〈銀箱〉を開けると、中に入っていたのは一つのレシピだった。

「解析班!」

「はい! じゃあマリアさん、メリーナ先輩、お願いします」

「じゃあちょっと見せてね~『解析』!」

「……これは、まさか新たな〈馬車〉レシピでしょうか?」

「〈銀箱〉の〈馬車〉レシピか!」

マリアとメリーナ先輩がダブル解析。

俺も見せてもらうとそこに書かれていたのは〈無人腕車ガンゴレ〉!

「ってやっぱり〈ガンゴレ〉か!」

「何か知ってるのゼフィルス?」

「……勇者だからな!」

危ない。そういえば〈馬車〉系ってあんまり発見報告がないんだっけ?

いや、まあこれも〈馬車〉と言っていいのか分からん装備だけど。

「こいつは車両側面から生えたゴーレムの腕が車輪を動かして自動走行する馬車(?)なんだ」

「「「「??」」」」

うん、まあ口で言ってもわからんよな。

おそらくモデルは車椅子。

動力はゴーレムの腕だ。腕だけが車両の横から出ていて車輪を掴み、動かしてくれる。

馬いらずの画期的馬車だ。それ本当に馬車か?

見た目がすごくシュールなんだけど。

とりあえず俺はみんなにそう説明してみる。

すると、各メンバーから微妙な顔が返ってきた。

「なんだか、可愛く無さそうなのです」

「ゴーレムの腕が付いた馬車か……。発想は悪くないんだが、色々と間違えている気がするな」

ルルは見た目の評価。メルトは性能に微妙な感想を述べた。

まあ、そうだな。多脚型ゴーレムの自動走行型なんかもあるし、それと比べると、微妙に見える。だがこれ、シリーズものなんだよなぁ。実は上級ダンジョンにはこれを進化させたような〈馬車〉もあるのだ。

ま、まあ、そう簡単には当たらないだろうが。

そんなことを考えていると、マリアの視線がこっちに向いた、

「このレシピ、どうします?」

「……〈馬車〉は〈馬車〉だ。欲しい人も居るかもしれない」

〈エデン〉はいらない。〈イブキ〉あるし。

「なら私に任せてくださいゼフィルスくん。〈総商会〉で噂を流し、オークションに流してみます」

「あ、じゃあお願いするよメリーナ先輩」

そういうことになった。

売り決定! もちろんレシピじゃなく現物の方な。

続いてはお待ちかねの〈金箱〉だ!

「ラナ、良い物頼むぜ!」

「まっかせなさい! 今の私はもうすっごいわよ! 〈幸猫様〉〈仔猫様〉、良い物ください、おねがいします!」

「良い物ください!」

「〈幸猫様〉〈仔猫様〉お願いいたします」

ラナのやる気と気合いが高い。

宝箱はやる気と気合いに左右される傾向がある。

気持ちが沈んでいては良い物も当たらないのだ。

テンションはアゲアゲの方が良い物が当たるとは俺の持論だ。

ラナと一緒に俺とエステルも〈幸猫様〉と〈仔猫様〉に祈ると、宝箱をパカリと開ける。

中に入っていた物に全員が注目していた。

「丸い、水晶ですか?」

「何かしらこれ? ――何に使う物なのゼフィルス?」

「なぜ俺に聞く?」

「どうせ知ってるんでしょ?」

「ふ、勇者だからな!」

そう聞かれては答えるしかあるまい。シエラのジト目にはそっと目を背けて。

〈金箱〉に入っていたのは拳大よりやや大きめの水晶だった。

透明度の高い橙色をしており、中央に何やら温泉のマークが付いている。

まあ、お察しかもしれないが言ってしまおう。

と思ったらすごい勢いで食いつく人たちがいた。

「これは!」

「まさか、〈温泉結晶〉ですか?」

「わ、私、初めて見ました!」

「私の実家で何度か取り扱ったことはありますが、とても高価な品ですわ」

マリア、メリーナ先輩、シレイアさん、アルストリアさんだ。ハンナはいない。

ラナが手に持った水晶をマジマジと見つめていた。

そして代表してアルストリアさんが口を開く。

「ラナ殿下、これは〈温泉結晶〉と言いまして、温泉を生み出すアイテムですわ。とても高価な品で、これ一つで観光地としての価値を生み出せるとしてかなり高額で取引されておりますの。この〈秘境の温泉ダンジョン〉に湧く〈金箱〉で稀に手に入ると言われている激レアアイテムですわ」

「そうなの!?」

「なんでゼフィルスが驚いてるのよ」

シエラにツッコまれた。

いや、だってこれ、ただのギルド改装用アイテムじゃないの?

ゲーム〈ダン活〉ではギルドハウスを改装するときに使うと〈温泉〉という項目が選べるようになり、ギルドハウスのシャワー室を温泉にすることが可能になるアイテムだ。と思っていたのにこの世界ではかなり重要なアイテムっぽい。

「これ一つでどのくらいの金額が動くと思いますか?」

「10億が最低ラインじゃないかしら? 100億を超えても驚かないわ」

「そ、そんなにお高いのでしゅか!?」

「私の実家で取り扱ったときは、確か74億ほどで販売したはずですわ。それでも中古品でした」

〈エデン店〉従業員組がさっと集まってとんでもないことを話し合っていた。

ハンナはあそこに参加しなくていいのか? いい? そうか。

「まさか、最後にこんなものが当たるなんてな」

貴族組も〈温泉結晶〉と聞いて色めき立っていた。

これ、そんなにすごいもんだったのか。

とりあえず〈エデン店〉組に任せようと思ったら全力で拒否された。

そんなにか。

まあ当たった物は良いものだ!

最後まで楽しかった〈秘境ダン〉の旅行もこれで終わり。

21層以降はまた来年のお楽しみだ。

俺たちはこの〈秘境ダン〉へ別れの言葉を贈り、帰路に着いた。

「〈秘境ダン〉。来年また来るからな~」

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後書き失礼いたします!

温泉旅行の〈秘境ダン〉回、ご愛読ありがとうございました!

書いてたら作者も温泉旅行に行きたくなったので、ちょっと1泊2日でこれから行ってきます!

感想は明後日まとめて確認・お返ししますね!

明日の投稿は予約してあるので御安心ください!

ではでは~。行ってきま~す!