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第1093話 何やら怪しいボス出現。特殊守護型ボス現る。

ゲーム世界転生〈ダン活〉~ゲーマーは【ダンジョン就活のススメ】を 〈はじめから〉プレイする~ — kakuyomu.jp · All chapters

第1093話 何やら怪しいボス出現。特殊守護型ボス現る。

前書き失礼いたします。

〈集え・テイマーサモナー〉のパーティはカリン先輩、エイリン先輩、アニィ、メル先輩、アイシャとなっています。

もう1人上級職がいるのですが、そちらは都合が付かず、今回は参加していなかったりします。その上級職さんは今3体目を育成中。

―――――――――――

到着した35層でも同じようにフィナとゼニスに空を飛んで偵察してもらった。

ここからは飛行型の樹木モンスターが登場するのでアイギスにはゼニスに騎乗してもらい偵察してもらう。途中で遭遇したモンスターは単体だけだったようだがアイギスとゼニスは難なく撃破したとのことだ。そして西で階層門を見つけて帰って来た。

「は~。【竜騎姫】は戦闘で強いだけじゃ無くてダンジョン攻略にも強いのかよ。うちにも1人欲しいな」

「なら竜を見つけることだな。うちにはゼニスがいたから【竜騎姫】が現れたわけだし」

「だな。ゼフィルスのおかげで上級ダンジョンでは竜がいることが確認出来たし、俺たちもこのまま進んでいけばいつかは見つけられるだろうよ」

アーロン先輩と【竜騎姫】について語り合う。

すでにアイギスが【竜騎姫】に就いたというのは周知の事実だ。

ゼニスを連れ始めてからすぐにアイギスが【竜騎姫】に就いたのではないかという噂が広まったらしい。

この世界だと、竜イコール【竜騎姫】という認識があるっぽいな。

本当は竜を連れるだけなら普通のテイマーでも出来るし。騎乗するなら【ワイバーンライダー】や【竜騎士】など、他にもいくつか竜に騎乗出来る 職業 ( ジョブ ) はあるのだが。まあ、当たっているので否定はしなかったんだ。

なので今では俺も普通にアーロン先輩とこうして【竜騎姫】について語り合えている。

いや本当に強くて有能なんだ【竜騎姫】は。

ゼニスが〈聖竜の若竜〉に進化したことで騎乗できるようになった影響がデカい。デカすぎると言っていい。

強いのはもちろん、こうして空からの偵察までこなせるんだから誰だって【竜騎姫】は欲しいだろうよ。

実際他のギルドでも【竜騎姫】を是非メンバーに欲しいという話題で盛り上がっていた。

加えて俺は【ワイバーンライダー】や【竜騎士】でも似たようなことが出来ると伝えておく。発現条件も似たようなものなので近いうち発見されるんじゃないかな?

「ゼフィルスさん、階層門を見つけました。案内します」

「おう。頼むアイギス。じゃあフィナを呼び戻そう。タバサ先輩」

「はい――『快癒の儀式』!」

〈 白の玉座 ( ・・・・ ) 〉に腰掛けたタバサ先輩が魔法を使うと、少ししてフィナが帰って来た。

「ただいま帰還しました」

「フィナ、ご苦労様」

「おかえりフィナちゃん!」

今タバサ先輩が使ったのは回復魔法。これ、祈りが届けさえすれば相手がどこにいようと回復してくれるので合図としてとても優秀なのだ。

とはいえ、さすがに魔法単体では射程に限度があるのだが、ここで登場するのが〈白の玉座〉。『プラスレンジLV10』の力を使うことにより広範囲に回復魔法を掛けることが可能。

おかげで離れていても回復の合図を受け取れたフィナはこうして戻ってくることが出来たわけだ。

「フィナちゃんに譲渡するよ! ――『MP譲渡』!」

「ありがとうございます姉さま」

さらに空を飛んでMPが減ってもエリサがそれを補給してくれる。エリサはフィナに譲渡したMPをモンスターから回収できるので、MPの消耗がほぼ無しで使用できるのもいいところだ。

「じゃ、行くか!」

「「「「おおー!」」」」

そうして俺たちはゼニスとアイギスが見つけたビル――じゃなくて崖に向かい、〈トラン・プリン〉で頂上へと進むと、そこには階層門と、天まで伸びるかのような樹木が生えていた。

「なんじゃこりゃ!? こんな分かりやすい目印、っていやいや、そもそも崖の上には樹木は生えないはずだろ?」

「ということはこれは樹木じゃないってことですよアーロン先輩」

「ふふ。混沌の香りがぷんぷんします」

「ああ。守護型フィールドボスの登場だ!」

頼りになるオスカー君もこいつがボスだと言っている。

しかし何人かには通じなかったので俺が解説しておいた。

「おかしいですね。遠くから見たときはこんな分かりやすいボスは確認出来なかったのですが」

「クワァ!」

アイギスとゼニスは首を捻っていた。まあ、こいつは近づくまで霧に隠れているからな。

遠目からでは発見できないのだ。

「さて、今回挑むのは誰だっけ?」

「〈サクセスブレーン〉と〈集え・テイマーサモナー〉よ」

タバサ先輩の言葉の通り、前に出たのはカイエン先輩率いる〈サクセスブレーン〉と、カリン先輩率いる〈集え・テイマーサモナー〉のメンバーたちだった。

「行くぞ! 〈サクセスブレーン〉よ、奮起しろ!」

「「「「おう!」」」」

「『アクセス・ブレーン』!」

まずカイエン先輩によるバフ。思考力に上昇効果があるとかないとかで、実質素早さと回避力、命中率が上がる。

「こっちも行くよ! いっけー〈ベビーワイバーン〉! 『ハイビースト爆誕』! 『ワンマンパワー』!」

「ギュルワアアアア!」

「『命の糸』! 〈ドールベビーワイバーン〉!」

「―――!!」

「もう1匹行くよー! 〈ベビーワイバーン〉!」

「ギュルルル!!」

「なんだか私だけ、仲間ハズレみたい。『ギガントの上半身』!」

「みんな援護するね――『シャドウマルチプロテクト』!」

相変わらず〈集え・テイマーサモナー〉のベビーワイバーン率が高い!

【ビーストテイマー】のカリン先輩がベビーワイバーンを呼び、【ドールマスター】のエイリン先輩がフラーラ先輩作のドールベビーワイバーンを呼び出して等身大へ膨らませ、ダメ押しで【モンスターブリーダー】のアニィがベビーワイバーンを呼ぶ。

【機械召喚マスター】でワイバーンを呼び出せないメル先輩が少し寂しそうだった。

そこに下級職【シャドウ】のアイシャがモンスターにバリアを張って防御力を上昇させる。

ここまで行くと怪獣大決戦だな。

ボスの名前は〈エルダートレディアンの 西 ( ・ ) 枝〉。

何やら不穏な名前のボスである。

どう見ても太い幹にしか見えないこれ、実は枝? そんなバカなである。

ボスはベビーワイバーン3体とギガントゴーレムの上半身に囲まれ、〈サクセスブレーン〉が攻撃を開始する。最近のぬいぐるみって本物そっくりなんだなぁ。ブレスも吐くし。

3つのブレスが直撃し、ギガントの重い一撃が決まると、ボスは極太の枝を揺らして眷属を大量に呼び出し始めた。

眷属はここまでの道中に見た〈◯◯キ〉のモンスターたち。それが枝から次々と生まれ始めたのだ。

「ワイバーン種が3体とは豪勢だな」

「3体同時のブレスにはロマンがある。よくぞここまで育てた」

「ふむこれは――ダメージの数値によって眷属が生まれるのか?」

「ダメージを受けたときにまるで反射のように眷属を生み出しているな」

「見ろ。逆に眷属を処理するために本体へ攻撃するのを止めれば眷属は生まれていない」

「ああ。ボスへ攻撃すると眷属が生まれる仕組みと見てほぼ間違いないな」

こちらはボス戦の状況を高速で分析する〈ギルバドヨッシャー〉の人たち。

さすがだな。大当たりである。

この〈エルダートレディアンの西枝〉は所詮は枝。なんというか、防衛機構が搭載されているだけのただの体の一部なのだ。

目も口も何もないのでやられたらやり返すくらいしかできない。

眷属たちはちゃんとヘイトに反応する良い子たちなんだけどな。

とはいえ問題は早く倒そうと枝に攻撃すればするほど眷属を生み出すという特性にある。

眷属は所詮は雑魚モンスター。1体1体は弱い。しかし、数が増えれば増えるほどヤバくなる。一定の数より増えると対処できなくなる、あの〈秘境ダン〉のボスと同じだ。

こいつの安全な攻略法は、枝→眷属→枝→眷属、の順に交互に攻撃し倒して行くこと。

結構時間が掛かるので忍耐が要求されたりするボスだ。

まあ、攻略法さえ確立してしまえば楽なボスではあるので〈ギルバドヨッシャー〉の解析の結果を知らされたカイエン先輩が指揮を執り、戦況がかなり安定した。

「ワイバーン! 枝を攻撃しすぎるな! 眷属を掃討しろ! 眷属を倒している間は枝に攻撃するな! それだけで戦況が安定するぞ!」

カイエン先輩の的確な指示によって危険らしい危険が無いままボス戦は進行していき。そして20分という時間を掛けてとうとう〈西枝〉が倒される。

「か、勝ったー!」

「楽勝よ!」

カリン先輩とエイリン先輩が勝利の勝ち鬨を上げる。

怒りモードになって防衛機構が暴走状態になった時はヤバかった。攻撃を受けてないのに眷属をこれでもかと生み出しまくって危うく召喚モンスターが全滅しかけたのだ。『ギガントの上半身』が全てを一手に引き受けて犠牲にならなければ〈集え・テイマーサモナー〉のメンバーがやられていたかもしれない。

しかし、勝ちは勝ちだ。お祝いである。

「撃破おめでとう。それとお疲れさんだ」

「ああ。ありがとうゼフィルスさん。最後の暴走が非常に危険だったな。しかし、こちらから手を出さなければ襲ってくることは無い特殊なボスだった。もしかしたらスルーした方が良かったのかもしれない」

俺のお祝いの言葉にカイエン先輩が答えて、そのまま考察を話してくれた。

実はカイエン先輩の言うことも一理ある。しかし、それは巧妙に仕掛けられた罠だ。

攻撃しなければ何もされないので、そのままスルーして階層門に潜っても問題無かったりするボスなのだ。「それ本当に守護型か?」と思うだろ? しかし、恐ろしいことにこいつは特殊な守護型。このボスを倒さないとショートカット転移陣は使えない。

そして名称。〈西枝〉である。そして何度も言うが、守護型である。

ここまで来ると、さすがに〈ギルバドヨッシャー〉は気が付いていた。

「なに? インサーさん、つまり今後の守護型は 全て ( ・・ ) こいつの可能性があるのか?」

「まだ可能性の話だが。階層の折り返しである35層に〈西枝〉が登場したというのがなんとも匂う」

「混沌の匂いですね?」

「名称が〈西枝〉だ。ならば東西南北、最低でも4種のボスがいてもおかしくはない」

「そいつらが守護型ボスで35層以降全てのショートカット転移陣を守護していると考えると、スルーはできない」

「……倒す必要があるな。ショートカット転移陣が後半どこも開放できていないというのは今後を考えるとかなり響く」

「対策を練ろう」

さすがすぎる。〈ギルバドヨッシャー〉大正解!

実はこいつ、35層以降全ての守護型フィールドボスに配置されているのだ。

つまり倒さなければショートカット転移陣が起動出来ない。

ショートカット転移陣が使えないということは〈ハンター委員会〉の目的である、各階層にいるエリアボスの効率的な撃破ができないことを意味する。もちろんそれだけではない。

ノンアクティブボスでスルーできるからと言ってスルーしてたら、この先全部ノンアクティブボスだった。

「全部スルーして最奥ボス倒して転移陣で帰ったら30層までしかショートカット転移陣が開放できてなくて終わった。もう一度最奥ボスまで行くのめっちゃ時間掛かる」

そんなことがゲーム〈ダン活〉時代にはよくあったのだ。

あの時は絶望したなぁ。

またもう一つ倒さなければならない理由がある。

よってノンアクティブボスだからといってスルーはしない。

守護型ボスは全部倒して行こう。

今後の方針もそういうことになった。