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第1107話 卒業パーティ。ゼフィルスが驚愕する贈り物!

ゲーム世界転生〈ダン活〉~ゲーマーは【ダンジョン就活のススメ】を 〈はじめから〉プレイする~ — kakuyomu.jp · All chapters

第1107話 卒業パーティ。ゼフィルスが驚愕する贈り物!

挨拶回りは手こずりつつもなんとか知り合いの人のほとんどに挨拶できたと思う。

マッスラーズのリーダーランドル先輩にも会った。

あの人は分かりやすい。筋肉集団の中心地に居たからな。

あそこに行くには少し勇気がいったぜ。

ちなみにマッスラーズのギルドマスターは、予定通りアランが引き継ぐらしい。

「筋肉を比べて判断した」と、なんだか真面目そうな雰囲気で語っていた。筋肉を比べてとはどういう意味だろう? でも、知らない方が良い気がした。

そして〈ハンター委員会〉のギルドマスターを卒業後も継続することになったアーロン先輩と、その3年生メンバーズにも挨拶。〈ハンター委員会〉は今かなり注目されている組織だ。その先駆者なのだから脱退するメンバーは誰もいなかった様子。

ローダ隊長やフラーラ先輩たち、元〈生徒会〉の方々にも挨拶した。

ちなみにローダ隊長は卒業後どこかのダンジョンに旅立つそうだが、フラーラ先輩はここ学園都市に拠点を構えるらしい。

一見 ( いちげん ) さんお断りの隠れた名店みたいなものを開くと言っていたが。ぬいぐるみ店で 一見 ( いちげん ) さんお断り? 〈ダン活〉は奥が深いんだぜ。ということにしておこう。

〈青空と女神〉のメンバーにも挨拶できたのはありがたい。

なんかすごく囲まれてたからな。どうしても顔を繋いでおきたいという学生たちが大挙として押し寄せていた感じだった。

ソフィ先輩が俺を見つけてくれて優先してくれたのには助かった。

元ギルドマスターのメーガス先輩とも挨拶できて本当によかったよ。

そして生産仲間ということなのか、近くに〈彫金ノ技工士〉のガント先輩もいた。

ガント先輩にはこの1年お世話になったぜ。最初に知り合った3年生という意味でも思い出深い。いつも良い馬車ありがとうございます!

一応その思いと卒業おめでとうとお祝いの言葉を贈ったのだが、ガント先輩は「後はケンタロウに」だけだった。はいはい。引き継ぎも助かります!

ガント先輩は学園の教師に就任するのだが、どうやら〈上級ダンジョン馬車〉を広めてくれるらしい。寡黙な人だが、背中で語るのかな?

今の所、ガント先輩とケンタロウしか〈上級ダンジョン馬車〉は造れないので学園はすぐにスカウトに走ったそうだ。ナイス英断!

続いて出会ったのが最近〈エデン〉と急速に仲が深まっている〈集え・テイマーサモナー〉。

元ギルドマスターのメル先輩が卒業とのことで挨拶だ。

どう見ても1年生にしか見えない小ささだが、これで3年生、しかも卒業か。どう見ても順番が逆だと思うんだぜ。メル先輩にお祝いの言葉を贈った。

〈山ダン〉の攻略ではメル先輩の活躍で突破出来たようなものとのことで、メンバーに大変惜しまれていたよ。

さらに元〈カッターオブパイレーツ〉のギルドマスター、アギドン先輩にも会った。

これはバッタリ遭遇という感じで。

一応挨拶をしておいた。

〈カッターオブパイレーツ〉は〈エデン〉にBランク戦で負けてCランク落ちした後、上級職の人たちが脱退したり反発したりでギルドが割れて大変だったらしい。

なんと〈学園出世大戦〉ではボロボロの状態で出場して予選敗退し、それが決め手になってギルドは真っ二つに。1月にはDランクまで落っこちるという悲劇に見舞われたそうだ。

だが驚くのはここからだ。

アギドン先輩に直接聞いたのだが、粉々状態の〈カッターオブパイレーツ〉は最近とあるギルドと合併し新しく生まれ変わったらしい。

「後輩たちは〈天下一大星〉というギルドと合併することを決断したらしい」

「うっそだろおい!?」

そのギルドの名は、〈 天下一大星 ( てんかいちたいせい ) 〉。

まさかのサターンたちのギルドだったのだ。

あのギルド同士が一緒になっちゃった!?

なんでそこを選んじゃったの!?

いやマジで、この卒業式で一番ビックリした話だったよ。

これ、どうなっちゃうのかな?

有用な話が聞けたが、それ以上はすでに脱退しているアギドン先輩にも分からないということでそこで別れた。何もなきゃいいけどな……。

そろそろ主要な人には挨拶が終わっただろうと〈エデン〉のいる方向に足を進めると、1人黄昏れている〈罠外課〉のトオル先輩を見かけたが、声を掛けようかというところで後ろから声を掛けられて中断。

そこに居たのはどこかで見たような女子の3年生だった。

「こんにちはゼフィルス君。奇遇ですね!」

「えっと?」

「ほら、〈花の閃華〉ギルドのギルドマスターやってた」

「? ああ~、アミ先輩か!」

そこまで言われてようやく思い出す。Dランク昇格試験で相手をしてくれたギルド、〈花の閃華〉のギルドマスターだったアミ先輩だった。

「なんだか久しぶりだな~」

「ほんとにね! それで、この後暇かな? もし良かったらなんだけど――」

「おおっとそこまでなんだよ!」

「ゼフィルス君が遅いから探しに来てみれば」

「悪いが、ゼフィルス君はこの後ギルドで用事がある。ではそういうことで」

「サチ、エミにユウカも?」

アミ先輩から何かを言われる直前、滑り込んできたのは仲良し3人娘だった。

そのままの流れで俺の両手を握られ、背中を押されてその場から連れ去られた。

アミ先輩が口をパクパクさせて固まってたので「アミ先輩卒業おめでとう~」とだけ言っておいたのだった。

それはさておき、俺の用事って何かあったっけ?

そう考えているとギルドメンバーが集まっている場所に到着する。

「ゼフィルス君が逆ナンされていました!」

「なんですって!」

「大丈夫です。この通り連れ帰ってきました!」

「傷一つありません」

「よくやったわ!」

仲良し3人娘とラナがいつの間にか仲良くなっていた。

仲が良いのは良いことだ。

あ、そういえばトオル先輩……まあ、また縁があればということで。

こうして卒業式は過ぎていった。

そして2日が経ち、俺たち〈エデン〉はとある大きなパーティに誘われていた。

「ではこれより、王太子ユーリ殿下のご卒業パーティを執り行います」

会場全体が拍手で包まれる。俺たちも拍手で壇上のユーリ先輩たちを祝った。

そう、ここはユーリ先輩たちの卒業を記念するパーティの会場だ。

招待状が送られた主要なギルドしか来場することができないらしい。

なお、ユーリ先輩はこの卒業記念パーティを5日連続でこなすスケジュールだそうだ。

2日目に呼ばれたのは学生のみで、特に〈キングアブソリュート〉と仲が深かった学生しか呼ばれていないらしい。

もちろんユーリ先輩だけではなく、〈キングアブソリュート〉全員がパーティに参加している。

やがて拍手が収まると、壇上のユーリ先輩がマイクの前に立ち、会場に向けて話し出す。

「まずはありがとうと言わせてほしい。今日は時間の無い中集まり、僕たちの卒業を祝ってもらい感謝の言葉しかない――」

これを何度も言わなくちゃいけないというのだから王太子というのは大変だ。

ユーリ先輩から返礼が返されると、話は上級ダンジョンの方向へと移っていく。

「――僕には学園に入学するとき目標があった。それは上級ダンジョンの攻略者の証を手にすることだ。そしてとてもありがたい幸運にも恵まれ、僕は目的を達成することが出来た」

そこでユーリ先輩が3つの攻略者の証を掲げると、また万雷の拍手が会場を包んだ。

「この攻略者の証は僕の予定を良い意味で裏切り、在学中に3つも入手することが出来た。僕だけの力では難しかっただろう。共に切磋琢磨してくれたギルドの仲間や、手伝ってくれた多くの人の手があったから成し遂げられたのだと思っている。そんな中、特に大きく貢献してくれた人たちがいた。――それがギルド〈エデン〉とそのギルドマスター、ゼフィルス君だ」

そこでこちらに振ってくるユーリ先輩。もちろん俺たちは事前に話を聞いていたので動じず、注目に手を挙げたりして応える。

「当初は〈霧雲の高地ダンジョン〉のみの攻略予定だったが、ランク2の攻略は想像を遥かに超えて難航していた。そんなときゼフィルス君がまず〈嵐後の倒森ダンジョン〉の攻略を勧めてくれ、〈霧払い玉〉、〈転移水晶〉の提供をしてくれた。そのおかげで〈キングアブソリュート〉は上級ダンジョンの攻略を成し遂げたと言っていい。〈エデン〉、そしてゼフィルス君の貢献は非常に大きい」

会場の人たちは司会やウェイター以外みんな学生だ。

もちろん周知の事実で誰も驚きはしていないが、改めて万雷の拍手が送られてくる。

そこには「やっぱり〈エデン〉ってすげぇ」みたいな尊敬の念が込められていた。

とても気分が良い。

しかし、ユーリ先輩のセリフにはまだ続きがあった。

「僕はこの貢献を称え、ゼフィルス君に礼品を用意した」

「〈エデン〉のギルドマスターゼフィルス様、壇上へお上がりください」

ユーリ先輩の言葉に司会の人がすかさず案内のセリフを言う。

俺はギルドメンバーに「んじゃ、ちょっと行ってくるぜ」と言って壇上へと向かった。

この礼品、実は随分前からユーリ先輩に俺の欲しい物を贈らせてもらうよ、的なことを言われていた。

そのためとても楽しみだったのだ。

何がもらえるんだろう? 俺が欲しい物と言えば、うん、いっぱいある。

俺としてはユーリ先輩に大きく負担を掛けている自覚もあるので、正直何がもらえるのか全く予想が付かない。でも、きっと良い物だろう。

国宝とかもらえたりするのかな? それとも上級の〈金箱〉産?

〈迷宮学園・本校〉のダンジョンでは手に入らないレア物とかもらえたりするのかな?

そんな考えが通じたのかもしれない。

ユーリ先輩から送られたものは、俺の予想を遥かに超えた。

「ゼフィルス君に送るのは、この国にも数えられるほどしか無いアイテム。その名も――〈スクリーンショットカメラ〉だ」

「す、スクショだーーーーーー!!!!」

スクショだーーーーーー!!!!(2回)

思わず壇上で叫んだ俺を、誰が責められよう!

ユーリ先輩から送られた贈呈用の豪華な木箱、それの蓋をパカッと開けられて見せられた俺はその場で驚愕のあまりシャウトした。

中には所謂インスタントカメラと呼ばれる、その場で自動的に現像する機能が付けられたカメラがあったのだ!

「ははは、サプライズ成功だね」

「ちょ、これ本当にもらっても良いんですかユーリ先輩! 後から返してと言われても返しませんよ!?」

「そんなこと言わないよ」

ユーリ先輩が、イタズラが成功したかのような表情で笑う。

やべぇぜ。まさかスクショがこの世界にあったとは!

くぅ、ユーリ先輩にはやられたぜ。もう返さないからな!

俺は木箱を受け取り、お礼を言う。

「他のどんなアイテムや装備よりも嬉しいですユーリ先輩! ありがとう!」

本当は木箱を掲げて走り回りたいのだが、先ほどからシエラとラナの視線をビシビシ感じるので気持ちを抑える。我慢だ我慢。でもギルドに戻ったら思いっきりはっちゃけよう。

「気に入ってもらえて良かったよ。それと、これからもラナをよろしくね」

「任せてください! どんな難解なことでも成し遂げて見せましょう!」

なんとなくラナが居る方向から「難解ってどういうことよ!」という視線が突き刺さってきた気がしたが、多分気のせいだろう。

その後はギルドメンバーの元へ戻った俺はシエラとラナから詰め寄られたのだが、〈スクショ〉に意識を持ってかれた俺には届かなかった。