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第1137話 会議〈アークアルカディア〉とニーコの行方!

ゲーム世界転生〈ダン活〉~ゲーマーは【ダンジョン就活のススメ】を 〈はじめから〉プレイする~ — kakuyomu.jp · All chapters

第1137話 会議〈アークアルカディア〉とニーコの行方!

「みんな集まったわね。これより会議を開くわ。ゼフィルス、議題を」

「おう。入学式も近づいてきたため、これより〈エデン〉、〈アークアルカディア〉の人材整理について話し合いたいと思う」

少し日数が経過し、レベル上げと装備更新、素材採集を続ける中で先日思い到ったことをみんなに相談するため会議を開くことにした。

俺の言葉に、ちゃんと通知はしていたのだがざわめくメンバーたち。

そこにスッと手を挙げる者がいた。

〈アークアルカディア〉のサブマスター、ニーコだ。

「はい、ニーコ」

「それはついにぼくがダンジョンに付いて行かなくてもいいという――」

「あ、それはない。ニーコにはこれからもダンジョンに付いてきてもらうぞ。二丁拳銃もゲットしたことだしな!」

「――そうかい……」

なぜかニーコがキリッとして変なことを言ってきたので誤解を正しておいた。

ニーコにはこれから先、お願いしたいことが山のようにあるんだ。なお、この山が消えることは無い。

「こほん、だがニーコには朗報かもしれないな。俺が提案したい議題は〈エデン〉への〈アークアルカディア〉の吸収だ」

「! つまりはぼくがサブマスターの任から解かれるということだね!?」

「そういうことだ」

とはいえ〈アークアルカディア〉は現在6人。

しかもセレスタンとサトルが優秀なおかげでニーコの仕事なんてほとんど無いはずだが、やはり役職の重圧はあったのかもしれない。ニーコがとても喜んでいた。

「でもゼフィルス、なぜ今なのかしら?」

俺の提案にシエラが疑問を掛けてくる。とはいえこれは振りだ。会議をスムーズに進行させるため、他のみんなが疑問に思ったことなどをシエラが代表して聞いてくれたのだ。シエラには事前にお願いしていたかたち。

俺はシエラの言葉に頷き説明していく。

「説明するとな、現在〈エデン〉のメンバーは29人、〈アークアルカディア〉は6人だ。そしてその空き枠は〈エデン〉が11枠、〈アークアルカディア〉は14枠ある」

「そうね」

「だが、枠があるからって限界までメンバーを加入させるのはよろしくない」

「そうね、〈テンプルセイバー〉のように下部 組織 ( ギルド ) に枠が無いのにランク落ちしたら目も当てられないわ」

シエラの相槌によって説明がスムーズに進む。

まずは前提に当たる状況を話し、みんなの認識を共通させてから本題へと入っていく。

「ああ。それももちろんある。それに〈エデン〉のメンバーを必要以上に増やしても下部から昇格できない、というのも理由だ」

例えばSランクになった〈エデン〉が50人のメンバーを所属させたとして、じゃあ〈アークアルカディア〉で昇格待ちをしている人たちに望みはあるのか? ということだ。

〈エデン〉〈アークアルカディア〉のメンバーはみんな優秀で、正直下部 組織 ( ギルド ) へ降格なんてほとんどないだろう。

じゃあタバサ先輩が卒業してしまったように、卒業で〈エデン〉の枠が空くのを待てばいいのか? それもダメだと断言できる。だって〈エデン〉で来年卒業する人っていないから。

アイギスもラウもルキアも〈新学年〉所属で同級生。卒業まであと2年ある。(エリサとフィナのことを入れ忘れているゼフィルス)

つまり、今から〈アークアルカディア〉に所属した学生はギルドバトルに参加することもなく、飼い殺しになってしまう可能性が高いのだ。

それはあんまりである。

故に、必要以上にメンバーを増やすのは良くない。

そう、メンバーたちに伝えた。

「うーん、それは確かにそうだね」

「あれ? じゃあ〈アークアルカディア〉はなんで作られたんだっけ?」

「私たちが加入する時にあまりにも面接希望者が多くて増やしたらしいよ」

仲良し3人娘のサチ、エミが首を捻っているところでユウカが教える。

そうだな。〈アークアルカディア〉が作られたときは面接希望者が多すぎて枠を増設したんだ。

また、今後ランクが上がったときの備えでもあった。

ギルドランクが上がって上限枠が増加した時、都合良く人材が集まる、なんてことは難しい。(実際は難しくなんて無かった)

なら、前もって〈エデン〉に昇格させる前提でメンバー候補を確保しておこうと作られたのが〈アークアルカディア〉だ。

つまり、〈アークアルカディア〉のメンバーは最初から枠があれば〈エデン〉に昇格させるつもりだったんだ。

もうすぐSランク戦が始まる。これに勝利したとき、〈エデン〉の枠はもう増えなくなる。

つまり、下部 組織 ( ギルド ) の役目が終わることを意味していた。

そうみんなに伝えた。

「〈エデン〉がSランクに至れば、〈アークアルカディア〉からの昇格も無くなる。なら、もう〈アークアルカディア〉を解散してメンバーを全員〈エデン〉に引き上げちゃってもいいんじゃないのか、という提案だな」

「なるほど。確かにゼフィルスの言うことには一理ある」

俺の言葉に発言したのはメルトだ。

メルトは初期の頃からメンバー集めに協力してくれているため、こういう人事的な話に強い。ミサトもよくメルトに相談しているらしいしな。

そんなメルトが俺の意見を聞いて首を振った。

「だが、俺は〈アークアルカディア〉は残すべきだと思う」

「お、理由は?」

メルトが出した結論は〈アークアルカディア〉を残すべき、だった。

こういう意見が合わないことは〈エデン〉では珍しい。俺としては、俺も間違ったことを提案してしまうこともあるだろうから、イエスマンにはならないでほしいというのが本音だ。

メルトは信用しているし、メルトの考えの方が正しいと感じればもちろんそっちを採用する。そのための会議だからな。

「理由は2つある。1つは入学生の枠を確保するため。そろそろ入学生が来始める時期だ。今〈アークアルカディア〉と合流すると〈エデン〉は5枠しか空きが無くなってしまう。もしSランクに昇格できなかった場合も考慮し、吸収するにしてもタイミングはズラすべきだろう。昇格できなければこのまま維持が望ましい」

なるほど、メルトは〈アークアルカディア〉を合流させるのは今じゃ無くても良いという判断なんだな。確かに、これはSランクになってからでも良い。いや、むしろSランクになってからの方が良いだろう。俺も会議で可決すればSランクに昇格した後に〈アークアルカディア〉を昇格させただろう。

Sランクになれなかった場合、という点も考慮すべきだ。

「もう1つの理由だが、俺としては〈アークアルカディア〉を完全に戦闘外のサポートギルドへと移行すべきだと思う」

「ほう?」

「現在〈エデン〉には〈助っ人〉制度で3人が、他にも専属が多い。〈採集無双〉を始めとする上級採集職や生産ギルドの専属がもの凄い勢いで増えている。そしてこれはこれから先も増えるだろう。〈エデン〉で囲わなくてはいけないサポート人材も増えてくるはずだ。下部 組織 ( ギルド ) はそれを受け入れるギルドにした方が良いと考える」

「なるほど」

確かに、メルトの言うとおり〈エデン〉の専属は増えてきた。しかし、囲い込みをしていない者は多い。

ギルドに所属していない〈採集無双〉の5人。

〈生徒会〉所属ではあるが掛け持ちの出来るアルストリアさん、シレイアさん。

それに〈助っ人〉の3人なんか本来所属するギルドが戻ってきてと言えばどうなるか分からない。

〈エデン〉で囲い込む必要をメルトは唱えていた。

「下部 組織 ( ギルド ) で参加出来ないのはギルドバトルだけだ。ならば、そもそも戦闘職以外を所属させる場所が下部 組織 ( ギルド ) なのではないかと俺は考える」

「ほほう」

メルトの考えに思わず唸った。ゲームとリアルでは存在理由が違う施設もある。

確かに、わざわざ戦闘職を下部 組織 ( ギルド ) に参加させているからこのように悩むのだ。と言われればその通りである。

それに、ニーコやアルルなど、ギルドバトルに参加しないメンバーを親ギルドに所属させる意義は、確かに薄い。

「俺としては〈助っ人〉全員を引き抜き〈アークアルカディア〉に所属させればいいと考える。ギルドマスターはサトルに任せれば良いだろう」

「なるほど」

「え?」

俺はメルトの言葉に納得し、ホワイトボードの前で待機していたサトルが突然の振りに呆けた声を出す。

ギルドバトルに参加する可能性のある〈アークアルカディア〉所属は4人、セレスタン、カイリ、ラウ、ルキアだ。そうなると残り2人になり下部 組織 ( ギルド ) を維持できない。

しかし、そこに〈助っ人〉3人を囲い込めばギルドを維持することはできる。

かなり効率的な考えだ。さらにアルストリアさんやシレイアさんも籍だけでいいから所属してもらうというのもいいだろう。

〈生徒会〉所属の彼女たちに自分たちのギルドへ参加してほしいと願うギルドは多い。

ギルドマスターを誰にするかだけ不安だったが、サトルならば申し分ない。サトルはセレスタンを手伝っている関係上、ギルドマスターの仕事にも明るいしな。

確かに、そう考えると悪くない。むしろ俺の提案よりも良い。

「それと、万年下部 組織 ( ギルド ) 所属だと就活で不利になる問題はあまり気にしなくて良いと考えている。正直、Sランクギルドの下部 組織 ( ギルド ) 、それも〈エデン〉所属というだけで就活は成功したも同然だ」

また、メルトはこの〈ダン活〉の核心的重要な部分にも言葉を添える。

基本的に就活はスカウト制の〈ダン活〉では、当然のように実力の高い者からスカウトされていく。下部 組織 ( ギルド ) に所属しているだけでスカウトされないなんてこともあるのだ。

しかし、それも〈エデン〉のネームバリューがあれば問題無いとメルトは言う。

素晴らしい提案だ。さすがはメルトである。

問題があるとすれば……そうだ、まだあれが残っていた。

「だがメルト、俺は一度サトルを〈アークアルカディア〉に勧誘して断られているんだ。それにサトルは今や〈生徒会〉の正式な役員だ。さすがにギルドマスターにするには難しいかもしれないぞ?」

「僕も仕事を請け負いましょう。そうすればサトルの仕事もだいぶ緩和されるはずです」

「セレスタン頼む。俺も説得する」

「それは心強いな」

「任せておけ」

なお、これは全てサトルの前で相談されていることである。

ということでさっきから話に割り込まずに自分の役目を果たしているサトルに聞いてみた。

「サトルはどうだ? 〈生徒会〉の仕事は厳しいと思うが、どうか〈アークアルカディア〉のギルドマスターに就いてくれないか?」

「マジ? 俺が〈アークアルカディア〉のギルドマスターに!?」

「僕も今まで通り手伝いますよ。それほど大きく負担は増えないでしょう」

「やります!」

話を振ってみると、サトルは思った以上に目をキラキラして即行で頷いた。

おお! 二つ返事だ。サトル、すげぇやる気だな!

前は断られたのに、どうやら上級職となったことで心境に変化が起こった様子だ。

「〈生徒会〉役員の仕事は大丈夫か?」

「そっちも問題ありません。俺の 職業 ( ジョブ ) の力を使えば一発ですよ!」

サトルの 職業 ( ジョブ ) は【デスマーチプロデューサー】。

誰かに使われるより、上に立って指示を出すことの方が優秀な 職業 ( ジョブ ) だ。ちなみに部下がいればいるほど 自己強化 ( パワーアップ ) する能力も備えている。

それもギルドマスターに添えるのに賛成した理由だな。

サトルが自信満々に胸を張る。頼もしいな。任せても大丈夫そうだ。

「よしわかった。他に意見が無ければ採決を取るぞ! 俺もメルトの案の方が良いと考える! 〈アークアルカディア〉の吸収の話は無しで!」

「あれ? ぼくのサブマスターは誰に渡せばいいんだい?」

「ニーコはサブマス継続で!」

というわけでメルトの案が可決する形で会議は無事終了。

こうして〈アークアルカディア〉は存続することに、そしてサトルがギルドマスターに就任するのだった。

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後書き失礼いたします。(裏話注意)

多分、もういっそのこと下部 組織 ( ギルド ) ではなく独立させて姉妹ギルドにした方が良いのではないか? その方がCランク以上になれるし。という意見が出ると思うので理由説明。

生産ギルド〈アークアルカディア〉が誕生する展開は非常に悩みました。

順調に勝ち進み、Sランク戦で〈青空と女神〉とギルドバトルするのも面白そう。

ですが〈アークアルカディア〉が出来て生産がそこで全部完結してしまったら、他のギルド〈ワッペンシールステッカー〉や〈彫金ノ技工士〉、〈私と一緒に爆師しよう〉などの出番が完全に無くなってしまいそうで、というかむしろ〈アークアルカディア〉に吸収されてしまうまであります。

それはそれで有りかもしれませんが、今まで活躍してくれていたギルドが無くなってしまうのは悲しい、というわけで〈アークアルカディア〉が独立する展開は無しになりました。

以上となります!

あ、ちなみにハンナは〈エデン〉継続ですよ? 異論は認めません!