第1151話 新しい教室、でもクラスメイトは見知った顔
第1151話 新しい教室、でもクラスメイトは見知った顔
「おはよう!」
「あ、ゼフィルスが来たわ! おはよう、遅かったわね!」
「いやラナが早いだけだと思うぞ」
教室のドアを開けて挨拶しながら入ると、やっぱり最初に話しかけてきたのはラナだった。
なんとなく思っていたんだが、ラナが最初に話しかけるもの、みたいな空気がないか?
「おはようゼフィルス」
「おはようございますゼフィルスさん」
ラナと話せば他のみんなからも話しかけられる。
続いてやってきたのはシエラとリーナだった。
最近は毎日のように顔を合わせていたはずなのに、2年生に進級したからか少し新鮮に見える。
軽く挨拶を交すと、次に来たのはアイギスだった。
「お、おはようございますゼフィルスさん。その、今日からよろしくお願いします」
「こちらこそ、アイギスと一緒のクラスになれて嬉しいぜ」
アイギスは本当なら1個上の学年だが、〈エデン〉へ恩を返すためにと〈新学年〉に所属して同世代となり、今日からクラスに合流したのだ。その証拠に、学生服の襟には緑と青の二本線の帯が入っている。
うむ。クラスで会うアイギスか。これは正しく新鮮だな!
「嬉しいです。あの、違和感とかはないでしょうか?」
「おう。まったく問題ないぞ」
アイギスは元2年生、つまり上級生だ。
上級生がクラスにいるということに対して違和感が無いか聞いてきたのだろう。
だけどなんというか、普通にクラス替えで合流した仲の良い子という感じしかしないのでなんの問題もない。親指を立ててグーしておいた。
「逆にアイギスはどうだ? 一応クラスにはルキアもいるが」
「……ご主人様、私たちは?」
「姉さま、しっ、です」
「え、ええ。私はそうですね。いつも一緒にいるギルドのメンバーが多いからでしょうか。特にそういうことは感じられません」
「それは良かった」
途中でエリサとフィナの方から何か聞こえた気がするが、よく聞き取れなかった。
しかし、アイギスも上級生特有の気恥ずかしさなどは感じていないとのことでなにより。
言ってしまえば上級生がここにいるのは留年に近いからな。この〈ダン活〉には留年なんて存在しないが。
とはいえ〈新学年〉ならともかく、下級生に混じって授業を受けるのは恥ずかしいと思う人も中にはいるだろう。
実際、〈転職制度〉でクラス替えをした当初、課によっては人数が少なすぎて〈新学年〉を作ることができず、1年生のクラスに配属された上級生もいたらしい。
ハンナからそのことを聞いたことがあるが、やっぱり何日かは呆然としていたとのことだ。
そういうときはクラスの代表が積極的に話しかけてクラスに溶け込ませるのが大事だと教えてもらっていたからな。
クラスの代表と言えば――俺だ。
上級生からの〈転職制度〉組にはなるべく気を配ってあげないとな。
「なんだか、アイギスと話している時間長くない?」
「仕方ありませんわラナ殿下。アイギスさんはみなさんより年上ですもの。みなさんと歳が違う分苦労もするはずですわ」
「そうね。私も助けてあげないとね」
「シエラさんとルルさんは早速エリサさんとフィナさんのところに話かけに行っていますわよ」
「……そういえばエリサとフィナって年上だったわね」
「忘れていたのですか?」
「だってあの見た目よ? 仕方ないと思うのよ」
アイギスと話しているとこっちに視線をビシビシ送ってくるラナとリーナが気になったが、途中から聞いた感じだと年上の学生をクラスに馴染ませるのに協力してくれるらしい。
さすがはラナとリーナだ。頼りになるぜ。
……エリサとフィナは、俺も頭から抜け落ちていたのは秘密にしておこう(手遅れ)。
アイギスとの話をしていると、時間は過ぎていき、ホームルームのチャイムが鳴る。
「もうそんな時間ですか」
「じゃあアイギスまたな」
「はい。また、です」
そう言って別れ、俺は自分の席である廊下側の後ろに座った。
またここか~。この位置、悪くないよな。
しかし男子が少ない。
俺を入れても、セレスタン、メルト、レグラム、ラムダでついに5人しかいなくなってしまった。
教室の端の一列が男子、後は全部女子の席となる。
さすがは〈ダン活〉の世界なんだぜ。
改めて教室を見渡しているとガラリと開くドア。
教室にはいつの間にか全員集合しているので、入ってくるのは教師しかいない。
この瞬間はいつもドキドキだな。
いったい誰が担任になるのか。
やはり継続してフィリス先生か?
それとも〈エデン〉のメンバーが多いからって理由でもしかしたらタバサ先生が来ちゃうかも!?
美人教師なのでむしろどっちも来てください!
そんなお願いを心の中でしていたら。
入って来たのはフィリス先生だった。
副担任は、あ、ラダベナ先生のようです。
「こんにちはみなさん。私はフィリスと言います。今日から2年1組の担任に就きます。フィリス先生と呼んでくださいね」
「私はラダベナだよ。見知った顔がたくさんいるね。今年度も頑張るんだよボーイズ & ( アンド ) ガールズ。とはいえ、私が発破を掛けるまでもないかもしれないけどね」
「私たちは去年だと〈戦闘課1年1組〉を担当していました。そのまま繰り上がった形ですね。そのおかげか、知っている人が多くて安心します」
フィリス先生とラダベナ先生。
去年と変わらない先生でちょっとホッとしたのは内緒だ。
まあ、確かにフィリス先生たちからすると知った顔が多いだろうな。
入れ変わったのは9人。〈新学年〉組のアイギス、シャロン、カタリナ、フラーミナ、ロゼッタ、オリヒメさん、エリサ、フィナ、ルキアだ。
〈エデン〉のメンバーなのでフィリス先生たちもやりやすいだろうな。
ということで自己紹介もカットとなった。
まあ、ほとんどみんな知り合いだからな。
知らなければリーダーである俺が紹介するとしよう。
早めにホームルームも終了し、余った時間はクラスの交流に当てられることになった。
―――――――――――――
後書き失礼いたします。お知らせ。
〈ダン活〉小説第7巻の発売が後5日に迫ってきました!
発売日は11月20日です!
今回の表紙及び口絵は大変力が入っております!
口絵なんて〈エデン〉メンバー15人が全員集合のイラストです!
是非書籍をお手にとって見てみてください!
挿絵では、ついにシエラのジト目も……。
再び小説7巻の特典SS情報!
書籍書き下ろし4本!
セレスタン視点:新しい制度のご案内がされた後のセレスタン。
カルア視点:エクストラダンジョンの不思議なドロップ肉。
ミサト視点:ミサトは顔が広くて人気者。
メルト視点:メルトの小さい頃の練習風景。
(各2000字)
▷TOブックスオンラインストア限定SS
リーナ視点:リーナの〈ジャストタイムアタック〉の練習風景。(約10000字)
▷電子書籍限定SS
ハンナ視点:メルトさんとミサトさんの歓迎会と昔の思い出。(約10000字)
▷BOOK☆WALKER(ブックウォーカー)限定SS
学園長視点:大波乱と情報爆弾に襲われた学園長(約5000字)
また、BOOK☆WALKER(ブックウォーカー)限定SSのご要望ありがとうございました!
集計の結果、なぜか学園長の苦労話が見たい! という声が多数上がったことから、〈転職〉の情報爆弾大爆発などに見舞われた学園長の話を書かせていただきました!
こちらは「BOOK☆WALKER(ブックウォーカー)」様で購入した特典となります!
また、紙媒体版の裏表紙カバーの中は、今回〈竜の箱庭〉です。
是非お手にとって見てください!
ご購入、心からお待ちしております!
今後も〈ダン活〉をよろしくお願いいたします!