LNCrawler

第1156話 作戦会議! カルアのお腹は摩訶不思議。

ゲーム世界転生〈ダン活〉~ゲーマーは【ダンジョン就活のススメ】を 〈はじめから〉プレイする~ — kakuyomu.jp · All chapters

第1156話 作戦会議! カルアのお腹は摩訶不思議。

拠点の位置というのはクジで決める。

俺は今日の朝から一度アリーナへ出向いてクジを引いてきた。

そこら辺〈学園出世大戦〉の時と同じだな。

朝早くだっていうのにアリーナの周囲はすでに賑わいを見せていたよ。

ま、Cランク戦やBランク戦があるからな。

そうして引いたクジによると〈エデン〉の拠点は北エリア、3つの拠点が三角形に配置されている中で、その最北の位置。

見方によれば2つの拠点から狙われかねないが、実はそれはどこの拠点でも変わらない。

三角形だからな。正確には二等辺三角形だが。

マスの配置でどこの拠点も他の2箇所から攻め込まれてもおかしく無い作りとなっているんだ。

さらに言えば他のエリアからの攻撃にも常に警戒しなければならないため、防衛力が常に求められるフィールドだ。しかし、守っているだけでは勝てるものも勝てない。

このフィールドの戦略はいくつかあるが、今回はフィールドの利を活かし、相手に連携させないようにする戦略で挑もうと思う。

「というわけで、まずはこの同じエリアの2つの拠点を速攻で撃破するところから始める」

連携され、1ギルド対8ギルドみたいな数の力で攻められればさすがの〈エデン〉も苦しいだろう。

だが、数を集めれば勝てるだなんて単純な必勝法を開発陣が良しとする訳も無く、Sランク戦では数を集め難く、連携を取りづらく、数の力が生きにくいフィールドとなっているのだ。

その特性を活かし、他のエリアの部隊が攻めてくる前に同エリアのギルドをまず落とす。時間との勝負だ。今回のギルドバトルは相手に連携され巨大になる前に撃破する速攻性が求められるだろう。

「ですわね。最初は偵察が大事ですわ。それと防衛用に罠も張りませんと」

「だな。そこで重要になってくるのが、カルアとシズだな」

「ん?」

「承知しました」

カルアはちゃんと話を聞いていたかな? 少し怪しい。

しかし、「猫人」というのはこういうフィールドが得意中の得意なのだ。

カルアにはがんばってもらわなくてはならない。

「猫人」のスピードはトップクラス。

ダッシュで通路を駆けるだけで罠を発動させ、しかしあまりの速さに捕まらず、罠にも嵌らずに走り抜けてしまう脅威の人種だ。おかげで罠を解除し放題。

しかも眷属を呼び出すことも出来るため索敵で非常に活躍する。敵が接近してきたら知らせてくれることもできるからだ。

〈学園出世大戦〉の時〈獣王ガルタイガ〉があまりにも強すぎたのはこれが理由だな。

今回も、おそらく一番の強敵は〈獣王ガルタイガ〉になるだろう。

真正面から対抗できるのはやはりカルアだ。Sランク戦のキーマンになるだろう。

だからちゃんと話を聞いて理解してくれよ?

一応、そんな感じの話をしてカルアに期待を込める。

「ん。わかった。頑張る」

……まあ、なんとかなるだろう。

カルアはクラス対抗戦の時に一度痛い目に遭っている。油断はしないだろう。

「続いてシズの役割だが、こっちも多いぞ。まず罠を張るところからだ」

「はい」

罠を発見する能力を持つ人物や、罠を破壊する能力を持つ者は数居れど、罠を設置できるのはシズだけだ。いや、セレスタンとユウカも〈五ツリ〉でできるようになったんだったな。

一応パメラも出来なくはないが、パメラのスキル『罠再利用』はどちらかというと解除された罠を対象にするスキルなので設置とはまた違うんだよな。

「シズには罠の隠蔽から索敵のジャミングまで任せることになる。今回のシズは妨害担当だ」

「承知しました」

また、逆にこっちの接近や罠に気付かれないようにすることも重要だ。

妨害系をしっかり意識していかなければならない。ここ重要。いくら罠を仕掛けても見破られては意味が無いのだ。

妨害系が使えるのはシズ、パメラ、セレスタン、ラクリッテ、ユウカ、エリサ、ルキアだな。

侵攻するときはこの誰かと一緒に行動させるよう通達しておく。

索敵を妨害するだけでも戦略が一気に広がるからな。

「ゼフィルス、〈白の玉座〉はどうするのよ」

「〈白の玉座〉は変わらず拠点で防衛だな。ただ、通路が曲がりくねりすぎて射線がほとんど通らないから時々出てもらうことになるだろう」

「うふふ。そう言うと思ったわ! 攻めも守りも回復も、私に任せておきなさい!」

ラナが頼もしいことを言って胸に手を当てた。

地図を見て分かる通り、ここのダンジョンは迷路のような曲がりくねった構造をしているので超遠距離攻撃があまり意味を成さない。射線が塞がれてしまうのだ。

かなり拠点への接近を許してしまうことになるだろう。

それでも拠点にラナが居てもらった方が安心なので、出ると言っても拠点からそう離れたところまでは行かせない予定。

また、送迎にはカタリナの 方舟 ( はこぶね ) を使ってもらうという手も考えている。

その他、色々と担当を決めていく。

するとあっという間に時間は過ぎていき、気が付けば11時前になっていた。

「とりあえず、ここまでだな。昼食にしようか」

「賛成! 今日はどこにいくの?」

「露店が出ているからな。せっかくだし食べ歩きもいいな。よし、とりあえずここで解散だ。みんな試合開始の30分前までには控え室に集合すること。ではまた後で!」

「「「「お疲れ様~」」」」

お昼なので一時解散だ。

それぞれグループに分かれ、露店に行く人、露店は混むからと食堂へ向かう人と分かれていく。

ちなみに俺は露店側だ。

今日は数年に1回あるかないかという珍しいSランク戦〈拠点落とし〉。

まあ、去年〈学園出世大戦〉でやっているけど、あの時は4ギルドが参加だったのに対し、今回は9ギルドが参加だ。

だいぶ盛り上がるということで、こうしてお祭り騒ぎになっている。

今やアリーナの周りは露店だらけ。

アリーナの外周ってとんでもなく広いから、それだけでもどれだけの露店が出ているかが分かるだろう。

さすがはマンモス校だ。

今は学生だけでも在籍数が3万を超えているからな。

それでもそれほど並ばずに露店の品を購入できるのだからありがたい。

「B級グルメ地帯は相変らずなんというか、独特の雰囲気があるな」

「ん。ここは食べ歩きでは必ず来るべき」

「カルアが珍しく饒舌だが、リカたちはいつもB級グルメ地帯に来るのか?」

「うむ。カルアはこう見えて大食いでな。肉串程度では満足しないのでこういうがっつりしたところを好むのだ」

今日はいつもの屋台ではなく、所謂B級グルメというがっつりとしたものを配る大型屋台の集まるエリアに来ていた。カルアが珍しく目をキリッとさせている。そのままビーフシチューの列に並んで。

「いらっしゃい! お、猫人のお嬢ちゃんか、何にする?」

「ん、ビーフシチュー、大盛り3つ」

「大盛りかよ! 毎度! おーい大盛り3丁!」

「「「喜んでー!!」」」

大盛りを3つも頼んでいた。

ちなみにB級グルメというのはラーメンやシチュー、丼まで様々なものを屋台で提供してくれるが、その量は基本小盛りとなっている。理由は他の露店も食べ歩きたいからだ。

だが、そこでまさかの大盛り。

食い切れるかなぁ。まあ、食い切れなければ〈 空間収納鞄 ( アイテムバッグ ) 〉に仕舞っておけばいいか。

「ゼフィルス。ちなみにあれは全部カルアの食べ物だ」

「って3つ全部カルアが食うのかよ!」

俺たちの分は無かったようだ。カルアがいつも通りの平常運転のようでなにより。

「んじゃ、俺たちも見て回るか」

「ん!」

いつの間にかテーブル席でビーフシチューをごくごく飲んでいるカルアがそんな俺に手を振ってきた。

俺も振り返すが、カルアよ、それも飲み物じゃないからな?

む、バラ肉焼きうどん 味噌味 ( みそあじ ) ? バラ肉がこれでもかと盛り付けられてうどんが見えないメニューが俺の目に入る。美味そうだ。

あっちには焦げ茶色で味が染みこみまくっているのが分かる豚肉がご飯を囲む肉丼? あれも美味そうだ。買おう。

そんな感じでB級グルメ地帯を回りまくってしまった。

特に俺が居た場所はまだ普通だったらしく、奥に行くと〈リュウグウノツカイ〉みたいなモンスター肉で作った新鮮な寿司だとか、〈恐竜肉〉を敢えてマンガ肉みたいに加工して売っている店もあった。

なるほど~。こういうのもいいな!

おかげで少し食い過ぎてしまった気がしなくも無い。

「カルアは、そのお腹で動けるのか?」

「だいじょうブイ。30分もすればへっこむから」

カルアのお腹は相変らずぽっこりを通り越してパンパンだった。

そんなに膨らんだお腹が30分で元通りとかカルアの体は摩訶不思議である。

昼食を食べ終われば集合だ。

試合開始は13時からだが、俺たちはその1時間前には到着。

続々とメンバーが集まる中、カルアのお腹は物の見事に30分で元通りになっていたのだった。

―――――――――――――

後書き失礼いたします!

小説〈ダン活〉第7巻、本日発売です!

よろしくお願いいたします!