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第1159話 試合開始からフルスロットル。まず勇者1勝。

ゲーム世界転生〈ダン活〉~ゲーマーは【ダンジョン就活のススメ】を 〈はじめから〉プレイする~ — kakuyomu.jp · All chapters

第1159話 試合開始からフルスロットル。まず勇者1勝。

試合開始だ!

「『全軍一斉攻撃ですわ』!」

「『リズム・メロディ・ハーモニィ』!」

「『迅速の大加護』!」

「『天守護の誓い』!」

「『メディカルアップ』!」

「『本領発揮』!」

「『スネークウォーク』!」

「『雷属聖剣化』!」

試合開始と同時にバフ。

リーナのいつものユニークスキルから始まり、ノエルの〈五ツリ〉全ステータス上昇の音楽が流れる。

続いてラナの『迅速の大加護』、これは今回速度重視であるためだ。

同時にロゼッタが挑発と盾で受けるダメージ軽減効果のある自己バフ『天守護の誓い』を発動する。挑発の意味は無いが、今回はダメージ軽減効果が目的だ。

サチも自分が受ける体内状態異常に対して非常に高い耐性を得るアクティブスキルを発動。

エミは魔法力特大上昇の自己バフだな。シンプルにして強力。

ユウカは妨害担当。ハイド系スキルだ。足音を消し、気配を遮断する。これで索敵スキルからは察知されにくくなった。

これでバフは完了。

なのだが、俺だけ何も発動しないのは寂しいので『雷属聖剣化』を使っておいた。

「行くぞ!」

「「「「おおー!」」」」

そしてダッシュ。

まずは最短で〈エデン〉の南西の位置にあるギルドを知る。

先頭は道案内も兼ねて俺、次にロゼッタ、ユウカ、エミ、サチが続いて駆ける。

相手も〈エデン〉と同じ動きをするのならどこかでバッタリ遭遇する可能性は高い。

それとも罠を仕掛ける方を優先するかな?

6マス目を通過した辺りでリーナから 通信 ( コネクト ) が届いた。

「『ゼフィルスさんのルートは敵兵7人! ダッシュ組ですわ! 接触まで3マス!』」

「了解!」

どうやらバッタリ遭遇する方らしい。

さすがはリーナの通信!

信頼度が違う。

でもオスカー君にジャミングされた時のことがほんの少し頭を過ぎった。

それはともかくハンドシグナルで敵7、もうすぐ接触と指示を出す。

「「「『神装武装』!」」」

それに反応してすぐに立ち止まったサチ、エミ、ユウカが武装スキルを使った。

これは以前の『魔装武装』がユニークスキル『魔装よ、神装に生まれ変われ』の能力で進化したのだ。『神装武装』に。

仲良し3人娘の【神装】シリーズは〈五ツリ〉から『神装』スキルを使うことができるようになるが、それにはこうして『神装武装』に進化させていないと使えないので要注意。

『神装』スキルを使ったことで武器が白にも金色にも見える光を放ち、『魔装』の時より武装がよりパワーアップしたのだと教えてくれる。

その間に俺とロゼッタは一足先に行く。

敵が居るのは曲がりくねった先なのでまだこっちには気が付いていないはずだ。

3人には後から付いてきてもらい、まず俺とロゼッタで 攪乱 ( かくらん ) する。

曲がりくねった道 ( スネークロード ) を走り抜け3マス進むと、丁度ぴったり。

リーナの言ったとおり、角から丁度出会い頭に敵兵と接触した。

「のあーー!? 勇者だーーーー!?!?」

「出たああああああああ!?!?」

「ひぃぃぃぃぃぃぃ!?!?」

なんだかオバケが出たような反応をされているんだが? 心外!

「チェストーーー!!」

「しまっ!?」

スキルも発動せず驚愕に叫んでしまった1人にまず急接近。

俺のあふれ出る700近いAGIの本気を見せてダッシュし、ぶった切った。

俺もそうだが、相手にもスキルを使わせる隙を与えない。スキルを準備するときはほんの少しの 溜 ( た ) めがいるため通常攻撃で斬った方が速く攻撃出来るのだ。

しかし、俺にはたくさんのバフが掛かっている。通常攻撃でもかなりのダメージになったな。『雷属聖剣化』も役に立ったようでなにより。そのままたたみ掛けようとしたところで『直感』が発動。スッと引いたところ、俺が今行こうとした場所にハンマーが振り下ろされていた。

「アホバカマヌケー!! しっかりする!!」

「「「「はい!!」」」」

「アディじゃん!」

そこに居たのは「熊人」のハンマー使い。〈戦闘課2年2組〉のアディだった。

凄い。たった1回のハンマーの振り下ろしと短い指示で態勢を立て直して見せた。

やっぱりアディは優秀だぜ。

「ってことはこっちは〈ハンマーバトルロイヤル〉か!」

特定。

〈エデン〉の南西にあったギルドは〈ハンマーバトルロイヤル〉だった。

まずは 目的 ( ミッション ) 達成。でももう少し調べてもいいよね?

「まさか、隣にいるのが〈エデン〉だったとは。不運!」

「はっはっは。そんなことないぞ!」

油断なく構えるアディに俺も構える。

クラス対抗戦の時は2対1だったが、俺を相手にかなり有利に立ち回っていた。

まあ、あの時は本気を出そうとしたところで不完全燃焼で終了してしまった。

ここで決着を付けるのは良いかもしれないな。

「『セカンドカッシュ』! 『ライトクロススラッシュ』! むう、通りませんか」

「うおらああ! 『クラッシャーボム』!」

「反撃だー! 『オメガ落とし』!」

「効きません! 『絶対守護防御盾』!」

奇襲は失敗。

すでに態勢を立て直した相手にはロゼッタでも切り込めず、反撃を強力な防御盾で相殺しつつも少し下がり始めていた。さすがに7対2で相手が態勢を立て直していたら上手くはいかないか。

だが、俺にはまだ味方が残っている。

「む!? 援軍です! あれは〈神装シスターズ〉!?」

「高火力持ちか!!」

「おんまたせー!」

「良いテンションね!」

「いつまでも私たちが『神気開砲撃』に頼っていると思ったら大間違いだよ」

噂をすれば、仲良し3人娘がこのタイミングで合流してきた。

あと以前は〈魔装3人娘〉や〈魔装 集 ( しゅう ) 〉と呼ばれていた3人だが、【神装】シリーズに仲良く就いたために今では〈神装3人娘〉や〈神装シスターズ〉と呼ばれていたりする。

何しろあの3人のコンボスキル。特大の威力の攻撃は印象が強すぎるんだ。

それなのに、〈五ツリ〉を開放するともっと強力なコンボスキルが使えるようになってしまう。

「これが私たちの新技だよ!」

「ロゼっち下がって~」

「対集団攻撃よ」

「『魔剣群』!」「『魔本群』!」「『魔矢群』!」

いきなり切り札発動!

「な、な、なああああ!?」

ハンマーを担いだ男子が中空を見上げながら驚愕の声を上げる。

そこに登場したのは無数の剣、無数の本、無数の矢だった。それがアディ以外の6人を取り囲むように浮いている。

これからなにが起こるかなんて誰もが予想できた。

「「「討てーーー!」」」

「と、突破し――ほびゃぁぁぁ!?」

サチ、エミ、ユウカの言葉に無数の剣と矢が光を放ちながら次々と突撃していき、開かれた本からは魔法のビームが発射された。

3人同時発動によって群の密度が高く逃げ道無し。正面をガードしたところで側面と後方からも攻撃を受けるのでほぼ意味なし。

必死にハンマーを振り回して突破を図ろうとするも、これは〈五ツリ〉、威力が高いために一発でも受けるとエグいノックバックで一瞬動けなくなる。その後はお察しのハリネズミだ。

これぞ上級職、高の中に位置し、貴族カテゴリーであろうとも対抗できると言わしめた強力な【神装】シリーズの切り札である。

「みんなっ!?」

そんな強力な3人の攻撃にアディが思わず俺から目を逸らした。

「隙有り!」

「っ!」

そこを逃すはずもなくAGIに任せたスキル無しの通常攻撃を放った。

実はこれが結構速くて優秀。初速だけなら『ソニックソード』よりも速いんだ。『ソニックソード』は移動し終わらないと斬れないが、通常攻撃ならどのタイミングでも斬れる。『雷属聖剣化』でバフを掛けている状態なら通常攻撃ですら『ソニックソード』に劣らないダメージが出せるのだからヤバい。

まあ『雷属聖剣化』状態の『ソニックソード』の方が威力が高いんだけどな。

それはともかくだ、俺の超速い通常攻撃を受けたアディは続けざまの二撃目をギリギリの所でハンマーの持ち手で防御した。そこで『直感』が警報を鳴らす。

「『カウンターハンマー』!」

防御と思ったらカウンターを使って踏み込んできたよ。

それ絶対普通じゃねぇと思いながらも俺もスキルを発動する。

通常攻撃だと、スキル発動後の硬直とか無いからすぐにスキルが使えるのも利点だ。

「『聖剣』!」

一瞬の交差でスレッジハンマーにぶつけて相殺する。

いやぁ、すげぇ手応えだ。

「今のを防いだ!?」

「まだまだ!」

目を見開いて驚愕するアディだが、踏み込ませてもらうぜ。

「『ハヤブサストライク』!」

超高速の二連斬り。

「ぐぅぅっ!」

さすがにこれは防げず良い感じのダメージを受けたようだ。

だが、ただやられるだけじゃない。

「『ライジングインパクト』!」

肉を切らせて骨を断つ。

そんな精神なのか、俺の攻撃が入るのも構わず反撃してきたのだ。

だが、甘いな。俺は盾持ちだ。『 自動防御 ( オートガード ) 』が発動する。

左手の盾に衝撃。同時にバチバチ〈雷属性〉が輝く。盾でしっかりガードすることでダメージを大きく軽減したな。

しかしさすがは物理の一撃では獣人最強と言われる熊人のハンマー。

それでもなかなかのダメージだった。

それにさっきの『カウンターハンマー』や〈雷属性〉の『ライジングインパクト』を使ったことから、アディはいつの間にか上級職に就いていたようだと察する。

「【森の主】の上級職、高の上、【 覇道食雷森主 ( はどうくらいもりぬし ) 】か!」

「な!」

「今――『テンペストセイバー』!」

「くうぅ!!」

アディの就いている 職業 ( ジョブ ) は【 覇道食雷森主 ( はどうくらいもりぬし ) 】、「熊人」最強の一角だ。

攻撃を食らいながら雷のカウンターハンマーを撃ち込むという強力な戦法が人気の 職業 ( ジョブ ) だった。

攻撃されればされるほど雷属性が溜まっていって、カウンターで一気にブッ 破 ( パ ) するのだ。〈ダン活〉の中でも一撃のダメージ数が最も出る 職業 ( ジョブ ) として、色々な動画が上がっていたっけ。最高記録で 上級下位 ( ジョーカー ) の〈クジャ〉がHPマックスの状態から〈六ツリ〉の一撃で倒されていた動画があって話題を呼んだのだ。ロマンがあるぜ。

良い 職業 ( ジョブ ) を持ってる!

しかし、勇者には敵わない。

俺が 職業 ( ジョブ ) を言い当てたことで動揺した隙を突き、『テンペストセイバー』で斬り込むと、そのまま接近戦でスキルを連打する。

「『ライトニングスラッシュ』! 『フィニッシュ・セイバー』! 『ディス・キャンセル・ブレイカー』!」

「くっ! うっ! かっ!」

アディは反撃もせず耐える動作を見せた。

こいつは、狙っているな。要警戒。

しかし硬い。さすがはダメージを食らう【 覇道食雷森主 ( はどうくらいもりぬし ) 】、ダメージ軽減系のスキルが強いな。

そして、その時は来た。

「カッ! 受けてみよ――『 雷轟 ( らいごう ) 鉄槌 ( てっつい ) 』!」

もう後一撃でやられるというところでアディがスキルを発動。

これは〈四ツリ〉版の雷属性カウンタースキルだ。

轟々とハンマーから特大の雷撃が放たれ、その威力の大きさを物語る。

「うぉりゃー!」

気合いの一撃。

範囲が特大なので通常の回避は不可。ブレイク系で相殺することも出来ない強力な攻撃だ。

しかし、俺の選択肢は2つもある。『 英勇転移 ( ブレイブポート ) 』で避けてしまうか『 完全勇者 ( アブソリュートブレイバー ) 』で受け止めるか。

「悪いなアディ『 完全勇者 ( アブソリュートブレイバー ) 』!」

最初が肝心だ。派手に行こう! 俺は受け止めることを選んだ。

一撃が超強力な攻撃なんて、勇者にとっては怖くない。

ハンマーがぶつかり俺を中心に金色のスパークが弾けて轟く。――しかし。

「な、なに~~っ!!」

直撃を受けたはずの俺がまったくの無傷で驚愕するアディ。

詰みだ。

強力な攻撃故に硬直時間も長い。

残り一撃でHPがゼロになるアディにこれは致命的だった。

「これでトドメだ――『 勇者の剣 ( ブレイブスラッシュ ) 』!」

「くぅ、いきなり負けたー!」

Sランク戦〈拠点落とし〉。

最初の退場者は〈ハンマーバトルロイヤル〉のアディたちだった。

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後書き失礼いたします。

〈祝〉〈ダン活〉小説第7巻発売記念にサポーター様限定、第7巻書き下ろしを近況ノートに投稿いたしました!

リーナ視点 タイトル:とんでもない激レアドロップ〈竜の箱庭〉の検証会。

実はこちら、小説第7巻に入れようとして、尺がいっぱいで入れられなかった話となっております。

ちょっと7巻は書きすぎました。ブックウォーカー様のところに載っていたページ数を見ると511ページだそうです。511ページ? 511ページかぁ。

書籍版をご購入された方はご存じかもしれませんが、後半の書き下ろしが二段になっているのは無理矢理書き下ろしを詰め込んだからですね。

おかげで次回予告のページなどがカットされたりしました。

それでも尺が足りず入れられなかったのがこちらのリーナ視点の話となります。

よろしければお読みくださると嬉しいです。

https://kakuyomu.jp/users/432301/news/16817330667231583126

また、11月26日(日)までにギフトをくださると『愛され作家№1決定戦』でニシキギ・カエデに応募が出来ます。

現在中間発表(第2回)で12位の作者(ニシキギ・カエデ)。

今後も読者様に愛されていけるよう精一杯頑張りますので、よろしければご応募の程、よろしくお願いいたします。