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第1242話 勝利の打ち上げと、クイナダの〈エデン〉加入

ゲーム世界転生〈ダン活〉~ゲーマーは【ダンジョン就活のススメ】を 〈はじめから〉プレイする~ — kakuyomu.jp · All chapters

第1242話 勝利の打ち上げと、クイナダの〈エデン〉加入

〈世界の熊〉とは、また本気でギルドバトルしようと言って別れた。

ずいぶん喜んでいたな。

どうやら第一試合も込みで気合いを注入できた様子だ。

俺たちは当初貰える予定だったレシピに加え、第二試合分の報酬に生産系の装備類を結構な数受け取った。

これは結構助かる。

生産職というのは作る品によっては装備を替えて生産に挑むこともあるからだ。

DEXをガチ上げする装備でいきたいときもあれば、STR特化でいきたいこともあるだろう。俺はありがたく受け取った。

それが終わったら打ち上げだ!

〈ワッペンシールステッカー〉、〈彫金ノ技工士〉、〈青空と女神〉にも来てもらい、盛大に勝利を祝った。

そして早速各生産ギルドを巡ってレシピや装備を貸与する。

これでさらに生産ギルドが発展することだろう。

あ、ちなみに〈ドワーフの集い〉に渡そうと思ったものは全部アルルが持っていったのでここには呼ばなかった。許してくれ。来てしまったら悲しいことになってしまうんだ!

「兄さんこんなにレシピもろうてええんか~?」

「おう持ってけマリー先輩~! そして1年生たちのレベル上げに役立ててくれ~」

「おおきに~! 素材もこんなに分けてもろうて、ほんまおおきに~!」

「はーっはっはっは!」

愉快! とても愉快である!

マリー先輩にお酌してもらい、俺はジュースを一気に呷った。

ジュースが美味い! ふはははは!

マリー先輩の言うとおり、俺はマリー先輩たちに色々と援助していた。

レシピは〈世界の熊〉から、そして素材はガッツリダンジョンに潜っている〈エデン〉の新メンバーからのものだ。

〈ワッペンシールステッカー〉を始め、〈彫金ノ技工士〉や〈青空と女神〉なども今年度になって多くの生産職が新規加入した。もちろん1年生たちだ。

留学生もいるらしいがそれは今は置いておく。

1年生を育成するのなら生産職も育成しないとな!

ということでレシピや素材をたんまり用意して渡したのだ!

もちろん素材の代金はいただきます。

1年生たちをガンガン育ててほしい! 〈上級転職チケット〉も任せときな!

「ゼフィルス様、私のもどうですか?」

「いただきます!」

ソフィ先輩にお酌してもらったジュースもとても美味い!

後輩たちの尊敬の視線がとても心地良い!

愉快! とても愉快である!

ふはははは!

こうして打ち上げも超盛り上がりながら進んでいったのだった。

楽しかったギルドバトルと打ち上げが終わった翌日。

授業の合間の休み時間。

昨日の余韻がまだ抜けきらない頭で今後の予定を考えた。

「いやぁ昨日は楽しかったぁ~。今日はなにをしようかぁ」

〈氷ダン〉も攻略したし、新しい人材も揃ってきた。だが、まだまだやるべきことは山積みだ。どれから取りかかろうかなぁ。

そう思っているとシエラから声が掛かる。

「ゼフィルス、つい今し方メッセージが来たのだけど、クイナダから連絡があったわ」

「来たか!」

ついに連絡が来た!

ということで俺の次の予定が決定した。

留学生クイナダを自分のギルドに迎えよう! もう逃がさないぞ!

ギルドハウスに戻った俺はすぐにクイナダと会うことにした。

今度はしっかり見張りを立てて逃がさないようにしておく。

あと内容もハンナ経由で伝えておいた。前回はこれを通達していなかったためにすれ違ってしまったが、今回は抜かりは無い!

そしてトコトコやって来たクイナダをお迎えする。

「ゼフィルス君、クイナダさん来たよ~。――あ、こっちだよクイナダさん。中でゼフィルス君が話があるんだって」

「はいよ~? お邪魔します?」

「ようクイナダ、3週間ぶりくらいか?」

「久しぶり~、って程でもないね。でもしばらくぶり! ハンナちゃんとはたまに会っていたけれど、ゼフィルスは忙しそうで全然会えなかったね」

「ま、これでもギルドマスターだからな!」

俺は胸を張ってそう言いきった。

近くで俺を見張るように立っているシエラが何か言いたげにこちらを見ていたが、気が付かないことにする。

おかしいな。これは面談。新しいメンバーの面接みたいなものだ。

なのにシエラがクイナダより俺の方を見ている気がするのは気のせいだろうか?

うん。きっと気のせいだな!

「それでクイナダ。例の話だが、考えてくれたかね?」

「なんで悪役っぽい聞き方なのよ?」

俺の言葉にとうとうシエラがツッコんだ。

確かに、今の聞き方は悪い組織の幹部とかトップの人が言いそうなセリフだ。

いや、言われて気が付いたがわざとじゃなかった。普通に聞いたらこうなっちゃったんだ。

あれ? それって俺の本質が悪役…………まあ、そんなわけない。冗談だ。うん。

「軽いジョークだシエラ。――それでクイナダ。ハンナ経由で連絡をしたとおり、〈エデン〉に加入してもらえないかという話だが、どうだ?」

本当ならここで初めて「君に〈エデン〉へ加入してもらいたいんだ!」と熱烈に誘って「ええええええ!?」と驚かせたいところなのだが、なぜかこれまで失敗続きだったので結局メッセージで伝えることになってしまったのがちょっと無念。

さて、クイナダの返答や如何に?

「う、うん! むしろ願ったり叶ったりだよ。その今年度しかいられない留学生の身ではあるけれど、どうか私を〈エデン〉に入れてくれると嬉しいです」

「よし、決まりだ!」

「は、早いっ!? そんなあっさり!?」

「なにごとも早く効率よくが〈エデン〉のモットーさ」

「私はそんなモットー初めて聞いたのだけど?」

「なぁにシエラ、そういうこともあるさ! でもクイナダを加入させるのは構わないだろ?」

「それはもちろん構わないわ。あと私がここに居るのはゼフィルスを1人にすると暴走するためでもあることを忘れないで頂戴ね」

「……はっはっは!」

はっはっはと俺は笑い飛ばす。シエラが若干ジト目になってきているな。もう少しだ(?)。

シエラがここにいるのは俺のストッパー役だったらしい。

俺だけが面接すると暴走する危険があるとかないとか。

そんな危険があるの!? 俺でも知らない新事実。

まあ、それは置いといて、新しいメンバーだ! しかも留学生である。

「さて、では早速〈 上級転職 ( ランクアップ ) 〉を――」

「はいストップよゼフィルス。すでに暴走しているわ。それはもうちょっと説明してからよ」

ストッパーシエラ発動!

スッと自然にバッグから取り出した〈上級転職チケット〉、それを持った右手首をシエラに掴まれてしまう。

「え? え?」

「クイナダ。あなた、まだ下級職よね? LVはカンストしているのでしょう?」

「は、はい! 私は【ソルウルLV75】……ですよ?」

「ああ、普通に話してくれて大丈夫よ。ここには話し方を気にする人はいないから」

「あ、ありがとう。お言葉に甘えさせてもらうね?」

シエラの言葉に安堵の息を吐くクイナダ。もしかしたら向こうの分校では何かあったのかもしれないな。

「狼人の方は序列で言葉遣いが変わると聞くけれど、ここでは気にしないで。そもそも私たちは仲間であり、チームになるのだから」

「うん。ほんと助かるよ。私も気にしない派なんだけど、狼人の中にはまだ気にする人もいるからさぁ」

おっと、どうやら分校ではなく種族的なところからの話だったらしい。

なるほどなるほど。後でもうちょっと狼人について教えてもらおう!

あ、ちなみにこれは後で知ったのだが、フラーミナは犬人なので、狼人ほど序列を気にしないらしい。

また、クイナダの 職業 ( ジョブ ) だが、下級職、高の上、【ソルウル】だった。

しかもまだ〈転職制度〉ができる前に発現していたらしく、分校では高の上ということで非常に注目されていたらしい。

その力をもっと活かすために今回の留学生に選ばれたのだとか。

【ソルウル】は〈ダン活〉オリジナル職。主に物理型のアタッカーだが、斥候技能と自己バフ、自己回復まで合わせ持ち、多少ならリカのようにサブタンクも務められる非常に強力な 職業 ( ジョブ ) だ。

相性が良ければ単体でボスを倒せるほどタイマンが強い 職業 ( ジョブ ) でもある。ソロ攻略とか動画が広まってたっけ。相当なプレイヤースキルが必要であの動画は人気が高かったんだ。

武器はクイナダも使っている 薙刀 ( なぎなた ) がベスト、両手で装備する刀で非常に強力な火力と中距離という間合いでダメージを負いにくく、【ソルウル】のスキルを十全に発揮できる。

クイナダを欲した理由の1つだ。留学生とか関係無い。即戦力にしてやるぜ!

「えっと、それで聞き逃しかけちゃったんだけど、そのゼフィルスの手に持っているものって、なぁに?」

「ん? これか、ふふふ、これはな、〈上級転職チケット〉って言うんだよ。なんと下級職を上級職へ〈 上級転職 ( ランクアップ ) 〉させることができるんだ」

「へ、へ~私が知っているとあるチケットと同じ名前と効果だな~」

「はっはっは!」

「うふふふふ」

「それで、これをクイナダに使ってもらおうと思ったんだ」

「そこ! そこが分からない部分だよ!? なんで加入と同時に〈上級転職チケット〉が出てくるの!? え? 本校ってそうなの!?」

「それは違うわクイナダ。ゼフィルスのこれを本校全体のことと受け止められると困るわ」

「だよね! じゃあ、これは?」

「……〈エデン〉は例外なのよ」

「どういうこと!?」

「俺が説明しよう!」

「ゼフィルスが説明するとただ驚かせるだけになるから私が説明するわ」

「いいや、ここは俺が!(驚かせたい! 今度こそ!)」

「え? え?」

「クイナダは落ち着いて、〈エデン〉でそんな戸惑っていたらやっていけないわよ」

「〈エデン〉ってそんなところなの!?」

俺もびっくりだ。シエラが〈エデン〉をどう思っているのか気になるところだ。

結局クイナダにはシエラから易しく説明がなされた。無念だ。

要約すると、すでに〈エデン〉では下級職でLVがカンストしていないメンバー以外は全員上級職に就いていて、新たに加入してもらったメンバーを上級職にする〈上級転職チケット〉がすでに確保済みという話だ。

その説明にクイナダは終始「え? え?」「うそぉ!?」「〈上級転職チケット〉ってそんな手に入るものだったっけ!?」「本校ってそうなの!?」「え、〈エデン〉だけ?」「〈エデン〉ってどういうところなの!?」と驚いた様子を見せていた。うむ、これが見たかった!

ほらシエラ、俺が説明していなくても驚いてるぞ。

そう視線でコンタクトを取るとジト目で黙らされた。ちょっと嬉しかったのは内緒。

「はぁ、はぁ、〈エデン〉って本当に噂通りのとんでもないギルドだったんだぁ」

しばらく受け入れるのに時間を要したようだが無事クイナダも受け入れ完了。

こうしてまた〈エデン〉に染まった人が1人誕生したのだった。なんか息切れしてる?

シエラ的には留学生が〈エデン〉を本校の普通と思わないように教育できてホッとした様子だ。

よし、これで新しいメンバーがまた増えたな!

「じゃあ早速〈 上級転職 ( ランクアップ ) 〉しようか! それとも〈幸猫様〉の挨拶が先か!?」

「なんでその2つが〈エデン〉に入って最初にすることなのよ」

「だって、重要だろシエラ!?」

「重要……かもしれないけど、むしろ重要すぎるからもうちょっと気持ちに余裕が出来てからでも良いと思うわ」

さすがはストッパーのシエラ。確かにそれは一理ある。

しかし今のクイナダは、LVがカンストして経験値が入らない&〈幸猫様〉に挨拶しておらず『幸運』を甘受できていない状態だ。凄く勿体ない。ここはすぐにでもやらなくちゃいけない場面だろ!?

そう説明すると、シエラは少し悩んだ後に2つとも許可をくれたのだった。

よっし! まずは〈幸猫様〉への挨拶!

そして次に〈 上級転職 ( ランクアップ ) 〉、いってみよう~!!

え? その前にギルド加入手続きが必要?

じゃあ、2つ終わったら〈ギルド申請受付所〉に行こう!(後回し)

なお、ギルドに加入していれば〈幸猫様〉に挨拶していなくても『幸運』は生えるのだが、〈幸猫様〉にご挨拶無しとか〈エデン〉ではナッシングなのだ。

〈幸猫様〉にちゃんとお祈りできないと、宝箱は増えないんだぜ?(エデン流)

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後書き失礼いたします。

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