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第1255話 〈金箱〉回! 新たな〈乗り物〉レシピ現る!

ゲーム世界転生〈ダン活〉~ゲーマーは【ダンジョン就活のススメ】を 〈はじめから〉プレイする~ — kakuyomu.jp · All chapters

第1255話 〈金箱〉回! 新たな〈乗り物〉レシピ現る!

「〈金箱〉だー!」

「〈金箱〉だわー!」

「〈金箱〉なのですー!」

イエス〈幸猫様〉! イエスラナ!

徘徊型で〈金箱〉なんてすっさまじい!

上級中位 ( ジョーチュー ) 級の〈金箱〉だー!!

この瞬間だけはマジたまらない。

今回は何が入っているのかな?

「さーて、今回の〈金箱〉だが――」

「もちろん私が開けるわ!」

「ルルも開けるのです!」

「私もルルと開けたいです!」

「私たちはラナ様が開けるところが見たいです」

みんなの意見が速い!

さすがは〈エデン〉のメンバーズ。〈金箱〉は 拙速 ( せっそく ) を 尊 ( たっと ) ぶとでも言いそうな速さだ。

早く言わないと開けられちゃうかもしれないからね。

未開放の宝箱の寿命は早いのです(混迷)!

ラナが開けたいのは確定で、ルルも開けたい。

ルルが開けるならシェリアも一緒に開けたい。

しかし従者ズたちはラナが元気良く〈宝箱〉を開けているところが見たい。

うーむ、つまりメインはラナかルルだな。

俺が入り込む余地がどこにも無いのはどうしてだ?

「シエラたちは?」

「私はいつも通り見ているわ」

「わたくしはゼフィルスさんが開けるのであればお供したいですわ」

「わ~、リーナちゃんも攻めるね~。――私は見学かな」

シエラ、リーナ、シャロンの意見も聞くと、リーナ以外は見学希望。

そしてリーナは俺の願いが通じたのか、俺の入り込む余地を作ってくれた。さすがは俺の右腕!

これで〈金箱〉参戦組は3人になったな。

なぜかシエラにジト目で見られてテンションも上がった!

「というわけで、代表として俺とラナとルルでじゃんけんだ!」

「異存はないわ!」

「ルルの必殺チョキちゃんでチョキチョキにちょん切ってやるのです!」

ルルがさり気なく予告チョキを宣言していた。

シェリアを見るとパーを出しなさいと視線で言ってきている。圧が凄い、グーを出してもちょん切られそうな圧だ。

ま、負けないぞ!

「行くわよ。じゃーんけーん――ポン!」

「「ポン!」」

ラナの宣言で俺とルルも手を出す。

結果、ラナはグー、俺もグー、そしてルルもグーだった。

あれ? 必殺のチョキちゃんはどこいったの!?

それにペースを乱されたのがいけなかったのかもしれない。

「あ、あいこで――ポン! あいこで――ポン! あ!?」

「しまった!?」

「やったのです! これぞ必殺チョキちゃんなのです!」

まさかの展開、俺とラナはパーを出しルルはチョキで1人勝ちしていた。

なんということだ。あの予告チョキは最初にチョキを出すではなく、チョキで倒す宣言だったのだ!

く~、完全に裏をかかれたぜ。これは完敗だ。

「凄いですルル! とても凄いです!」

「えっへんなのです!」

シェリアがルルをべた褒めする。

ルルは胸を張って勝利の笑みだ。これはスクショを撮っておかなければなるまい!

パシャパシャ。

「ゼフィルス様」

「分かってるよシェリア」

シェリアが俺を様付けで呼ぶとき、理由は1つだ。むしろシェリアが様付けで俺を呼べば内容を伝えなくてもいいまである。いつの間に俺の様付けは隠語になったんだ?

この写真は後でシェリアにも分けます。

「では開けるのですシェリアお姉ちゃん!」

「はい! ルルは中央へ、ここに入ってください」

「あい!」

〈金箱〉の前に腰を下ろすシェリアと、シェリアの腕の中にすっぽり入るように座るルル。

そして手を合わせてお祈りだ。ここ大事。

お祈りが終われば〈金箱〉の蓋に手を掛ける。

「せーので開けるのです!」

「はい!」

「せーの!」

パカッと〈金箱〉をオープン!

すると中から出てきたのは――レシピ!

なんと 上級中位 ( ジョーチュー ) 級の〈金箱〉産レシピだったのだ!

「レシピなのです!」

「早速『解読』しますね。ルルはレシピを手に持っててください」

「あい!」

「では――『解読』!」

シェリアが素早く〈解どクン〉を使い『解読』していた。

は、速い! なんて巧みな速さなんだ!

見ろ、〈幼若竜〉を用意していたエステルが目を丸くしているぞ。

まあ、それはおいといて、結果を見る。

ミミズがのたくったような文字が徐々に日本語になっていき、読めるようになった。

そしてそこには――〈乗り物〉のレシピが書いてあったのだった。

ま、まさか、〈イブキ〉と同系統か!?

期待が高まる中、シェリアがそれを読み上げる。

「これは、〈クマライダー・バワー〉のレシピ?」

「クマ!? ってそっちが来たかー!!」

おうふ。

〈金箱〉産だからとむちゃくちゃ期待していたらネタものがキタ気分だぜ。

そうか、〈クマライダー〉来ちゃったか~。

「ゼフィルス、何か知ってるの?」

「ゲフンゲフン! クマの言葉に反応しちまっただけさ。詳細を聞こうじゃないか」

危ない危ない。近くにシエラがいるのにうっかりツッコミそうになっちまった。

なんとか今のでごまかせたはずだ。

「これは、大きなクマの背中に乗るタイプの〈戦車〉、でしょうか? 背中がデッキになっていまして『空間拡張』スキルで快適空間確保。4本の足で力強く駆け、ジャンプや木登りも出来るため地形効果に強い、力強い戦車らしいです。それと、走っている最中は『ライライライトニング』というスキルが常に発動しているらしく、周囲に小さな雷を落とす仕様のようです。常に攻撃がばらまかれている感じですね」

「え? それ強くない?」

「〈イブキ〉の方が強いのです?」

「〈クマライダー〉も上級ダンジョンでは力になってくれそうですが」

シェリアの言葉に様々な疑問と意見が交差する。

単純に、今使っている〈イブキ〉と〈クマライダー〉、どっちが強いのか? という疑問だ。

〈クマライダー・バワー〉は今シェリアが説明してくれたとおり、要は雷を周囲に落としながら駆けるクマだ。

室内は無く、完全にクマの背中のデッキに乗る形。

運転者はクマの首に跨がる仕様だ。大きさは4メートルほどで脅威の四足歩行。

しかし『安全平行』スキルによって背中に乗っている人は揺れようが木登りで90度傾こうが平地と同じ感覚で過ごすことができるそうだ。

ゲーム〈ダン活〉時代、この〈クマライダー〉は割りと人気があった。

巨大クマに乗って駆け抜けたいと思う人が一定数いて、スクショが映えに映えたからだ。

雷を落としながら駆けるクマとかかっこいいしな。

ぶっちゃけ〈イブキ〉の方が強いし評価は高かった。

理由は浮くことももちろんだし、エステルの〈スラスト砲〉が使えるというのも大きかったな。〈クマライダー〉は〈スラスト砲〉もロゼッタの〈連結〉もできない装備なのだ。その代わり、自身が攻撃できる性能を保持しているのが優秀なところだな。【戦車姫】や【天守護の騎士姫】に就いていなくても〈戦車〉で攻撃できるというのが非常に大きな売りだった。

この〈クマライダー〉、〈乗り物〉には乗れるけど攻撃スキルが無いセレスタンやカイリの需要にがっつり合う装備なんだ。

さらに「熊人」系のスキル『熊騎乗』でも騎乗可能というのも大きなポイントである。これは強い。

それに〈ダンジョン馬車〉の需要にも沿う。〈クマライダー〉は最高で12人もの乗車が可能なのだ。

現在〈エデン〉は他を大きく離して独走中だ。これはいけない。

理由は、〈エデン〉には〈イブキ〉があるため攻略速度が段違いだというのがあげられる。

つまり、学園にも上級で使える〈ダンジョン馬車〉を普及すれば良いのだ。

しかし、それを願って〈彫金ノ技工士〉に作製をお願いし、〈総商会〉で売り出した〈ガンゴレ〉の売れ行きは、ちょっと微妙な所。なぜかうちのギルドに是非! というところが現れない。なぜだろう? 絶対オプションのせいだって!

〈学園春風大戦〉でアレが筋肉に関連するものだって学園に浸透しちまったんだよ!

俺は実際見れなかったのだが、筋肉たちは〈ガンゴレ〉を使ってとんでもない戦法を披露したらしい。そのインパクトは相当なもので、〈ガンゴレ〉=〈筋肉〉と結びつけられてしまったのだとか。

まあ、それなら仕方ない。

元々〈ガンゴレ〉は〈銀箱〉産。上級ダンジョンでもスムーズに進めない箇所も多かった。

この機会に新しいモデルを学園に浸透させようじゃないか!

今後、そこら中のダンジョンでクマが増えるかもしれない。

これは忙しくなりそうだぞ!