LNCrawler

第1256話 ダメになりそう。上級料理アイテムがマジ上級

ゲーム世界転生〈ダン活〉~ゲーマーは【ダンジョン就活のススメ】を 〈はじめから〉プレイする~ — kakuyomu.jp · All chapters

第1256話 ダメになりそう。上級料理アイテムがマジ上級

徘徊型〈クマブロー〉を倒した俺たちは、とうとう最奥へと到着していた。

「到ちゃーく!」

「なのです!」

シャロンとルルが〈イブキ〉の船首部分で手を広げてテンションを上げていた。

うーん、良き。パシャパシャ。

シェリアはそんな様子を眺めてはニコニコしていた。あ、はい。後で写真あげますね。

「さて、ついに最奥へ着いたな! さっそく休憩を取ろう!」

「準備いたします」

いつからスタンバっていたのか、いつの間にか後ろにセレスタンがいた。

もう俺は驚かないんだぜ。うそ、やっぱりちょっと驚くわ!

「せ、セレスタンさんは相変らず神出鬼没ですね」

ほら、隣を歩いていたアイギスもびっくりしているぞ。

そうしてすぐに休憩場所をセッティング。俺の出番は無さそうだ。

〈雷ダン〉の最奥は、屋敷の門から入るところはこれまでの階層と同じだが、雷の庭がただの庭になっており、屋敷がボス部屋に変化している。もちろん屋敷への入り口は1つだけだ。

さすがに 救済場所 ( セーフティエリア ) では雷は発生しないということだな。

せっかくの庭なので最近恒例の休憩場所、〈イブキ〉のデッキは使わずに庭にテーブルや椅子を置き、まるで庭でやるバーベキューのように色々用意されていく。

そして取り出されたのが――料理アイテムだ。これが無いと最奥ボスへは挑めない。

そこはバーベキューじゃないんだ!? うむ。バーベキューではバフが付かないんだ。コンロは仕舞っておこうか。

「どうぞお座りくださいませ」

「ああ。ありがとうセレスタン」

「ご注文を伺いますね。こちらメニュー表でございます」

「んじゃ、今日は何にするかな」

って待て待て待て。

ついノリでセレスタンからメニューを受け取ってしまったが、いつから上級ダンジョンの最奥にレストランがオープンしたんだい?

まあ今更だけど!

ちなみにメニューは各ポジション用に合わせたものがそれぞれ作られており、それぞれに該当するメンバーに配られていた。これもセレスタンが作ったの? さすがはセレスタンなんだぜ。

俺の場合はオールマイティなのでなんでも有りだが、他のメンバーは決まった料理の中から選ぶ感じだ。

エステルであればSTR、VIT、RES、AGIの上がる料理の中から、という感じ、あれ? 結構種類多いね。

ちなみに俺は全ステータスが10%も上昇する〈ハンバーグランチセット〉にした。ボリューム満点! ステータスも満点だ!

もちろん〈生徒会〉生産副隊長であるミリアス先輩の料理アイテムだ。上級だぞ?

「では〈ハンバーグランチセット〉を頼む」

「承りました。こちらです」

注文して3秒で目の前に用意される料理よ。

もう細かいことはいい!

そしてこれが豪華で美味そう!

高級料理店で出されるようなふっくら丸みを帯びた姿のミノ牛100%肉を使ったハンバーグ。掛かっているソースは芳醇な香りのデミグラスソースで、一度嗅げば唾液と胃にクリティカル直撃した。

ナイフを入れた途端溢れる肉汁と湯気と香り、これはたまらん。とてもたまらん!

それは完成したばかりの出来たてホヤホヤハンバーグだった。

少しだけ冷ましてから口へ、瞬間舌を 唸 ( うな ) らせるインパクトが弾ける。

ぐっ~~~~!! うま味成分が舌を直撃し、声を出すこともできなくなる。口を開けばうま味が逃げてしまうのではと思わせるのだ。否、まずはこの美味さに集中したい。

噛めば噛むほど肉汁が溢れ、デミグラスソースが絡み合って踊り出し、口の中に幸せ攻撃を放って攻めてくる。

これが上級飯。

ああ、美味い。

リアル世界で料理アイテムが食べ過ぎマジで注意と警告されるわけがよく分かる。

このうま味攻撃に敗北したとき。人はダメになってしまう気すらするぜ。

食べきってようやく視野が戻ってきて周りを見渡すと、貴族組も含めてみんな夢中で食べていた。

あのラナでさえ目を輝かせているからな。料理アイテムがパナい。

食べ終わった後もしばらく放心して椅子の背もたれに体を預けて溜め息が出る人が続出した。

「堪能したわ~」

「美味しかったわね」

「ええ、とても。食べ終わった時とても悲しくなってしまいました」

「ん、おかわり」

「ダメだカルア、気をしっかり持つんだ。あれは一皿までだ」

「ん!」

何やら料理アイテムに敗北してしまった人がいるな。

でもおかわりはないぞカルア。俺ももうちょっと食べたいけどさ!

俺は誘惑を断ち切って立ち上がり宣言する。

「ではボス戦へ向かう! 最初のメンバーは突入準備をしてくれ! あ、まだ食べ終わってない人はゆっくり食べていていいからな」

ちなみにすでに最初のメンバーは決まっていたりする。

その5人は優先的に早く料理アイテムが配られたので既にみんな食事は終わっているのだ。

「カルア」

「ん!」

「行くぞカルア!」

「ん!!」

お皿を両手で掲げておかわりするまでうごきませんポーズで抗議するカルア。

カルアは最初のメンバーの1人なんだが?

「3秒で食べる。だからおかわり」

「もっと味わってほしいからダメ」

「ガーン!?」

辛い現実を突きつけられてしまったカルアをリカが慰めながら準備をさせる。

今回のボス戦メンバーを発表しよう。

俺、カルア、リカ、ミサト、ルキアというなかなかに変則的なパーティだ。

兎人が2人! 盾タンクは無し!

「ルキアちゃん!」

「ミサトちゃん!」

「「がんばろうね!」」

兎人の2人は手をタッチしてナカーマポーズ。

うーむ息ピッタシ!

なぜかメルトとラウが心配そうに見つめてくるが、きっと大丈夫だと思うぞ?

「祝福を掛けてあげるわ『プレイア・ゴッドブレス』!」

「サンキューラナ。――準備は調ったな? カルアもまた料理アイテムを食べさせてあげるから頑張れ」

「ん。頑張る」

「よし、行くぞ!」

「「「「おおー!」」」」

こうして俺たちは最奥のボス部屋へと潜った。

「いるね。すっごいのが」

「うん。なんだろうこれ? 見たことがあるようなないような?」

そこに居たのは全身から電撃をビリビリと放っている、ハリネズミのようなトゲトゲの背中を持った巨大リスのような黄色い姿の獣モンスター。

四足獣で長い尻尾を含めて全長は7メートルほど。

〈 六森 ( ろくもり ) の 雷木 ( いかずちもく ) ダンジョン〉のレアボス〈ビリビリクマリス〉をもっと獰猛な獣っぽくしたら多分こんな感じになるだろうという見た目をしていた。

その名は〈 棘雷獣 ( とげらいじゅう ) ・クタビリス〉。

獰猛な見た目の割りに、どこか草臥れた様子の――リスだ。

〈 六森 ( ろくもり ) の 雷木 ( いかずちもく ) ダンジョン〉最奥ボス〈電撃に悩むリス〉の進化系である。悩みすぎて草臥れてしまったのであろうとか囁かれていたっけ。懐かしい。

しかし、第三形態で動き回ればその速度と攻撃力、防御力は厄介。

全身が棘で放電しているので攻撃すればスリップダメージを食らいかねないし、飛び掛かられただけで割りと大きなダメージを受けるほど攻撃力を持っている。素早さもさすがは雷系と言いたくなるような速度だ。

とはいえ派手に動き回ると 草臥 ( くたび ) れて少しの間動けなくなるんだけどな。

そしてもう1つの弱点が、ダウンを取ること。

こいつは〈電撃に悩むリス〉や〈ビリビリクマリス〉の進化系列なので充電系のスキルも持っている。

〈ビリビリクマリス〉戦の時はそれを逆手にとって罠で動きを止めたが、上級だとボスが罠を見破ってくるからなぁ。中級と同じ手は効かない。

その充電をキャンセルさせるのに有効なのがダウンである。

故に、今回はダウンを取りやすいメンバーを選出させてもらった。

徘徊型では出番がなかったメンバーなので、最奥ボスでは最初のメンバーにしたいって感じに巧みな話術を使って選出したんだぜ。

シエラも納得してくれたよ! ジト目もサービスしてくれたんだ!

さてこちらの準備は万端。

さあ、早速戦闘開始だ!

「ジュウウウウウウ!」

「我が名はリカ。雷のモンスターよ。ダンジョンを攻略するため倒させてもらおう――『名乗り』!」

先陣を切ったリカに続いて俺とカルアとルキアが走りだし、ミサトはその場に待機。

最奥のボス戦が始まった。

―――――――――――――

後書き失礼いたします! お知らせ!

昨日から〈ダン活〉小説9巻の電子書籍版の予約が次々始まりました!

ブックウォーカーを確認したら、昨日だけで300人もの方がご予約してくださっていて、とても嬉しい思いです!

ご予約してくださった方、誠にありがとうございます!

また、ブックウォーカー特典SSの応募を昨日で締め切らせていただきました!

たくさんのご要望、誠にありがとうございます!

特にご要望の多かったものをピックアップし、これより執筆に入ります!

是非楽しみにしていただけると嬉しいです!

ますますのご予約お待ちしております!