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第1259話 〈金箱〉回再び!攻略者の証よりも〈金箱〉だ

ゲーム世界転生〈ダン活〉~ゲーマーは【ダンジョン就活のススメ】を 〈はじめから〉プレイする~ — kakuyomu.jp · All chapters

第1259話 〈金箱〉回再び!攻略者の証よりも〈金箱〉だ

「今回もやって来ました、〈金箱〉だーーー!!」

「ん!!」

「いえーい!」

「ひゅーひゅー!」

「あれ? 攻略者の証はいいのか? ランク8のダンジョン攻略なんて前代未聞の偉業だぞ!? 〈エデン〉ではやはり攻略者の証よりも〈金箱〉を喜んだ方がいいのか??」

おっと〈金箱〉にテンションが爆上がりしてしまい思わずシャウトしてしまった。

しかしカルアもミサトもルキアもついてきてくれたのでリカが迷子になっているな。

カルア、慰めにいってあげなさい。

「リカ、大丈夫。私も攻略者の証嬉しい」

「か、カルア~」

「でもそれ以上に〈金箱〉が嬉しいだけだから」

「いや、普通は攻略者の証の方が凄いんだぞ?? 持っているのは私たちだけなんだぞ??」

うむ。リカの言うことももっともだ。

ただそれは〈エデン〉では少数派なだけで。

「あ! 〈金箱〉がドロップしてるじゃない!」

「〈金箱〉なのです!」

「ラナ様の祝福は本当に良く効きます」

「今度は何が当たるのかな?」

ボス部屋の門が稼働したので次々とメンバーが入って来た。

ラナが目ざとく〈金箱〉を発見し、ルルも反応。

エステルがいつものようにラナを褒め、シャロンが先ほどの 徘徊型 ( 〈クマブロー〉 ) の時と比べている様子だ。

ほらな?

〈エデン〉では攻略者の証よりも〈金箱〉が基本!

〈幸猫様〉へのお祈りが基本なのと同じようなものだ(?)!

カルアを後ろから抱きしめて持ち上げ、そのままぷらんぷらん揺らしながら「うーむ」と難しい顔をするリカの肩に、シエラがポンと手を置いて首を振った。

「あまり悩まない方がいいわ。私たちの感性はズレていないから安心して」

「そう言ってもらえると助かる。ちょっとこの大きな偉業の価値を見失いかけていたところだ」

「ええ。ランク8ダンジョンの攻略は十分偉業よ。私が保証するわ。ほんと」

そう説くシエラ。

いつか攻略者の証よりも〈金箱〉の方が大事と言わせてみたいと思ったのは秘密。

さて、ではそろそろ〈金箱〉を開けようか!

「ん。開けるのは、ゼフィルス?」

「うむ。妥当だろう。最初の攻略ではギルドマスターから開けるものだ」

「私もいいよ~。〈エデン〉最初の〈雷ダン〉攻略だしね」

「異議な~し」

カルアの疑問にリカ、ミサト、ルキアが頷いてくれる。

くぅぉぉぉぉ! 感動。俺は今かなり感動している!

果たして今までここまでスムーズにギルドマスターへ〈金箱〉を開けさせてくれたことがかつてあっただろうか?

どうしよう、今度から初めてのダンジョン攻略はこのメンバーでやりたくなってしまう!

では、〈エデン〉の期待を背負い、俺が開けようじゃないか!

「任せろ! きっと良い物を当ててやるからな!」

「ゼフィルスだと本当に有言実行しそうなのよね」

シエラの言葉に「当然だ」とかっこつけてお祈り。

今、俺のお祈り力が試されている。

「〈幸猫様〉〈仔猫様〉、〈エデン〉の初〈雷ダン〉突破記念です! どうか良いものをお願いいたします! 後で良いお肉をたくさんお供えします!」

真剣にお祈り。これが一番重要。

俺の脳内に様々なドロップ品が過ぎる。何がくるかなぁ。わくわく!

お祈りを済ませると、もったいぶったように宝箱の蓋を持ち、ゆっくりと開ける。

すると中には、まるでロケットのような 半楕円 ( はんだえん ) 型をした、大きさ50センチくらいの置物が入っていた。白いボディに雷型の意匠がいくつも入っている。

おお、これは!

〈デンバリさん〉かぁ。良いじゃないか!

〈幸猫様〉〈仔猫様〉ありがとうございます!

「リーナ、解析だ!」

「はい! 『解析』!」

早速取り出して〈解るクン〉を持つリーナに『解析』してもらう。

「これは。〈デンバリさん〉? と書かれていますわ。〈さん〉までが名前のようですわね」

「何それ?」

リーナの言葉にラナがきょとんとした表情だ。

そう、これは〈デンバリさん〉。

名前はちょっとアレだが、性能はかなり素晴らしい。

なんとこれ、電気のバリアを張って擬似的な 救済場所 ( セーフティエリア ) を作り出すアイテムなのだ!

この昔のロケットのような形のアイテムを上に向けて地面に立てるだけで周囲に〈クタビリス〉が使っていたような電気の膜が張られ、近づこうとするとこの電気ショックによって撃退するという、超便利アイテムなのである。

これにより、上級ダンジョンの巨大フィールドの途中でも大きく休息を取ることができ、料理アイテムの補給から生産活動、あるいはキャラバンの商人まで、ありとあらゆる活動が可能になるという本当にすげぇアイテムなのだ。

弱点 ( デメリット ) は、電気の膜なので〈雷属性〉に大きな耐性を持つモンスターだと普通に抜けてくることと、これが〈罠〉カテゴリーであるところだ。

〈雷ダン〉や〈霧ダン〉などでは効果が薄いのがややネック。

あと、ダンジョン推奨だ。

対人戦、ギルドバトルでも使えなくはないが微妙に使えない。

要はトラップ型のアイテムなので『罠解除』などで解除できる上、なんと 破壊 ( ・・ ) することもできるからである。

万が一 破壊 ( ・・ ) されでもしたら大損どころの話ではない。

昔、〈デンバリさん〉は当然破壊不可だろうと高をくくっていたとあるプレイヤーがギルドバトルで5個の〈デンバリさん〉を使いとある戦法を試したところ。

全部破壊されて泣いたという伝説があるほどだ。

これ、カテゴリー的には〈罠〉なので破壊できるところがミソ。要注意である。

その代わりダンジョンではかなり優秀な性能を持っているけどな。

「性能は〈罠〉、周囲に電撃の膜を張る、という能力のようですわ」

「これは何に使えるの? 〈金箱〉ということはそれなりの能力のはずだけど」

「じゃ、早速使ってみるか? 罠なんだし59層で試してみようぜ?」

「いいわね!」

「ん!」

シエラが有用性にピンとこなかったようなので早速使おうぜと誘う。

すぐにラナとカルアが賛同した。というか既にアイテムを持っている。使う気満々だな!

これは「百聞は一見にしかず」を地でいくアイテムだからな。実際使ってみないとどういう効果なのか実感しづらいんだ。だって罠だし。

今まで〈エデン〉って罠と言ったらギルドバトルで使う凶悪仕様(ハンナ改良済み)しか知らないので、こういう〈金箱〉産の罠って初めてなんだよな。

59層に戻りその辺の地面にカルアが突き刺そうとしたので「いや待てカルア、逆逆、そっちが頭だ」と楕円の方を上に向けさせて設置完了。

ふぅ。危うく発動前に壊される所だったぜ。

「んじゃ発動だ」

「オッケー! 〈デンバリさん〉――発動よ!」

俺の指示にラナが使うと、半径50メートルはあるだろうか。

巨大な電気の膜が周囲を覆い、電気のバリアが展開したのだ。同時に「ガウン!?」「キィエエエ!?」という叫びも聞こえてモンスターが離れていくのも感じ取る。

おお! 〈雷ダン〉だからといって完全に効かないモンスターばかりじゃない。多くはいきなり張られた鳥籠のような電気の膜に驚き逃げていった。

これにはメンバーも沸く。

「わ! すごいじゃない!」

「みんな逃げていった」

「なるほどね。この膜の中にモンスターを進入させないアイテムなのね。つまり――」

「これは 救済場所 ( セーフティエリア ) を擬似的に生み出すに等しいアイテムということですわ! 素晴らしいです、それにこれはギルドバトルでも――」

「おおっとリーナ、これは多分ギルドバトルじゃ使えないぞ。〈罠〉だからな。破壊されちまうぞ」

「! た、確かにそうですわね。盲点でしたわ」

うむうむ。みんなの反応が楽しい!

リーナは早速ギルドバトルでの転用を考えていたみたいだが、しっかりと釘を刺しておく。泣いてからでは遅いのだ。

その後も実験と称して他のメンバーがボス戦を行なっている間も検証を続けたところ、やはり『雷属性耐性』が高いモンスターは素通りしてくることが分かった。

これもシエラに伝え、耐性持ちのモンスターが多いところでは使えないことを教えておく。

しかし、他の場所では上級ダンジョンの道半ばで休息ができるというのは非常に便利。

これは今後もきっと使っていくことだろう。

〈幸猫様〉〈仔猫様〉、改めて素晴らしいアイテムありがとうございます!