第1266話 二大変身!? 大天使と変身ヒーロー見参!!
第1266話 二大変身!? 大天使と変身ヒーロー見参!!
結局19周を超えた辺りでダウンを取ってしまい、首がもの凄い勢いでギュルルルルルルと回転して元に戻ってしまい測定は強制終了した。
今度もう一度試してみたい。
あと面白かったのがダウンから復帰した〈オビサルス〉が目を回していたことだろう。
「あ、こいつ目を回しているわよ!」
「そりゃあれだけ一気に回転したらな!?」
まさかの新しい戦法開発!?
首の周りをグルグル飛び回ると、首が元に戻った時の反動で目を回らせることができる!?
ゲームの時はそんな現象無かったのに!?
「今です! 『大気の哀しみ・エレメントヴェントゥス』!」
「動くんじゃないわよ~『 睡爆 ( すいばく ) 』!」
ああっとー! 第二形態 ( 尻尾立ち ) を物理的に維持できなくなって後ろ足で立っていた〈オビサルス〉にシェリアとエリサの五段階目ツリーが炸裂したー!
シェリアのは属性によって変化する大気の猛攻。グラキエースから放たれた氷属性の衝撃波がズドンとヒット! エリサの『睡爆』は睡眠中の相手に大特効が付くが、普通でもかなりの威力の攻撃だ。顔面近くが大爆発! 目が回っているときにこれはキツい!
ということで今がチャンス!
「行くぞフィナ、ルル! 『 勇者の剣 ( ブレイブスラッシュ ) 』!(ズドン!)」
「はい、教官! 『グローリーバニッシュ』!(ズドン!)」
「ルルも行くのです! とう! 『ヒーロー・バスター』!(ズドン!) もういっちょなのです! 『ヒーロー・バスター』!!(ズドン!)」
「ギュギャアアアア!?」
物理攻撃型の俺たちも飛び込んで攻撃開始。
さっきまでダウン中の総攻撃をしていてクールタイムが終わっていないスキルが多いのがネック!
俺が防御力デバフの付いたユニークスキルでぶった切ると、フィナが続いて強力な五段階目ツリーの一撃で顔面を吹っ飛ばし、ルルがゼロ距離『ヒーロー・バスター』を穿ってクールタイムをゼロにして、もう一度『ヒーロー・バスター』を穿っていた。なお、『ヒーロー・バスター』がクールタイムをゼロに出来るのは2回に1回なので、2回目を使った後はクールタイムに突入するぞ。
「あ、2つ目のHPバーも無くなったわよ!」
「フィナはMPの回復を! その間シェリアは俺の後ろに」
「はい!」
「わかりました!」
「ルルはチャージだ!」
「あい! 『エネルギーチャージ』!」
ついによく分からず何も出来なかった第二形態が終わり、第三形態。
マジであの目を回すやつ強いな。19周はキツいけど、できれば第二形態も楽勝じゃないか。
フィナはずっと空中にいてMPが減り続けていたためこの間に補給する。
途中途中でエリサから『MP譲渡』されてMPを回復していたので半分も減っていなかったが念のためだ。
うーん、MP消費は激しいけど飛行も出来てアタッカーとタンクが出来るフィナと、MPを譲渡したりHPを回復したりできるエリサのコンビネーションが素晴らしい。さすがは双子姉妹。さすがは天使と悪魔。強すぎるぜ。
「ギュオオオオオオオ!!」
「どうやら、終わったようだな」
「なんですかあれ? 翼が生えましたが、もしかして飛ぶんですか!?」
そう、フィナの言うとおり〈オビサルス〉の第三形態は翼が生えた四足歩行型だ。
つまり第一形態に翼が生えた感じ。
本当に第二形態っていったいなんだったのかと。
まあ、その意味もすぐに分かるだろう。
「グル!」
「! フィナ障壁防御!」
「! 『天障壁』!!」
「ギュオオオオオ!」
「と、跳んだ!?」
「んな! 今度は天井に張り付きました! グラキエース様!」
「―――!」
エリサとシェリアが言ったように、〈オビサルス〉はフィナに向かって跳んでいったのだ。しかし、フィナが張った障壁にぶつかると、それを足場にしてさらに跳び、今度は天井に張り付いたのである。
そう、こいつは飛ぶのではない、跳ぶ形態なのだ。そしてヤモリの様に天井も壁も地面と同じように動き回ることが可能なのである。なお、翼は飾り。
さらには――。
「ね、熱線を撃ってきたのです!」
「『天空瞬動』!」
「グラキエース様が!?」
炎のビームとでも言うべきか、まさに熱線を口から発射してきた〈オビサルス〉。
フィナは空中で超速度で移動する『天空瞬動』で避けたが、そのまま熱線をなぎ払いに移行したせいでグラキエースに直撃。
大精霊様がエフェクトに消えてしまった。やっべぇ!
「ルルはそのままチャージを続けてくれ、『フルライトニング・スプライト』! エリサは回復に集中! あいつが溶岩に潜ることもあるだろうから『暴風雪』は温存しておいてくれ」
「! 分かったわ! 『ダークエリアハイヒール』!」
エリサがグラキエースと一緒になって〈オビサルス〉を叩き落とそうとしていたので魔法を温存させる。理由はすぐに分かるだろう。
「ギュオオオオオ!」
「溶岩に向けて跳んだ!」
「溶岩の波が来るぞ! フィナ!」
「! 『ミカエル加護大結界』!」
天井を歩きながら火の球を吐きまくっていたかと思うと、今度は天井からジャンプして溶岩へとドボン。その津波にも似た溶岩の攻撃にフィナが五段階目ツリーの強力な防御スキルで防ぎきる。
「火の球を吐きながら泳いでる?」
「首が長いだけだから、おそらく溶岩の底を歩いているんだろうな。――回避しながら遠距離攻撃! 溶岩を凍らせて釣り上げろ!」
「釣り上げるわー! 『暴風雪』!」
〈オビサルス〉はボス部屋の壁際を流れる溶岩の中から首だけ出して火の球をじゃんじゃん撃って攻撃してきた。しかも結構むちゃくちゃに撃ってくるものだから俺たちにも攻撃が来ることがある。
まずは溶岩から出てきてもらわないと仕方ないので第一形態の時と同じく〈氷属性〉で攻撃だ。
「グラキエース様のクールタイムが終わるまでもう少しお待ちください。かなり威力は劣りますが―――『グラキエース・ストリーム』!」
ここでちょっと問題。シェリアのグラキエースが消えたためクールタイムに突入していた。なお、大精霊は攻撃によって消されてもクールタイムが終われば再召喚が可能だ。二度と召喚不能なんてことにはならないので安心してほしい。
シェリアは小さい氷精霊を召喚し、氷属性の攻撃を叩き込んでいた。
「『エレメントウェーブ』! 『エレメントウォール』! 『ハイエレメントバースト』!」
「! 出てきました! 『宣戦布告』! 『エルアサルト』!」
「ギュオオオオオオ!!」
「あうっ!?」
「あうちなのです!?」
さすがに第三形態となると手強い。
火の球をガンガン撃ってくるのはもちろん、熱線によるなぎ払いがとてもヤベぇな。尻尾も首も翼も長いので攻撃範囲が広く、さらにはずっと動き回っている。
足を止めないのだ。
「あ、尻尾で立ちました!」
「くっ、今度は天井に張り付いたわね!」
「撃ち落としちゃうのです! 『ヒーロー・バスター』!」
さらには第二形態の時の動き、尻尾で立つ行為はそのまま尻尾ジャンプへと繋がり、天井に張り付く動作になっている。
さっきはフィナの障壁を足場にしていたが、本来は天井へはこうやって張り付くのだ。だから尻尾が長いのだろう。
ルルのチャージマックスな『ヒーロー・バスター』が直撃、大ダメージを受けつつも天井からは落ちてこない。
また移動しながら火の球を降らせ始めた。さらに熱線を撃つために息を大きく吸い込む動作をする。
よし、このタイミングだ!
「ここだ! 『 勇気 ( ブレイブハート ) 』! 『 英勇転移 ( ブレイブポート ) 』! ――からの『ディス・キャンセル・ブレイカー』!」
「グギュウオオオオオオオ!?」
「落ちた!」
自己強化して転移し、〈オビサルス〉の足に強烈な〈防御破壊〉と〈ブレイク〉系の効果が乗った強力な五段階目ツリーのスキルを叩き付ける。
こいつは溶岩に潜ることで岩石を体に付着させることができ防御力が高い、しかし〈防御破壊〉なら岩石も砕くことが可能だ。さらに足への痛撃により体を支えられなくなった〈オビサルス〉が落下したのである。さっきルルの強烈な『ヒーロー・バスター』が直撃しても大丈夫だったのは背中に命中したからだな。天井に張り付いた〈オビサルス〉は足を攻撃しなくちゃダメなんだ。
落下した〈オビサルス〉は抵抗も出来ずダウンした。総攻撃!
俺はそこから尻尾に集中攻撃を開始、先ほどからちょくちょく尻尾にも攻撃していたが、ここからは本格的に開始した。
「クールタイム、やっと明けました。行きます『大精霊様二大降臨』! 『古式精霊術』! 『大精霊降臨』! お願いします『グラキエース』! 『テネブレア』!」
「「―――!!」」
「グラキエース様、テネブレア様、お願いいたします!」
「ギュオオオオオオオオ!」
さらにシェリアのグラキエースも再召喚。加えて闇の大精霊テネブレアまで召喚してデバフを掛けまくる。
こりゃかなりのダメージが入ったな。
「あ、こいつまた跳ぶ気よ!」
「撃ち落としてやります!」
「ギュオオオオ!」
「はっ! 『天落』!」
「ギュアアア!?」
「ぐっ、相殺です!」
「ナイス! うおりゃー! 『聖剣』!」
翼をはためかせたらジャンプ突撃の兆候。
フィナが『天落』スキルで迎え撃っていたが、それは飛ぶスキルじゃないので特効は効かないんだ。しかし、相殺は出来たので空中に投げ出された〈オビサルス〉を攻撃。
残りHPが3割を切った。
「ギュオオオオオオ!」
「あ、今度は尻尾! 天井に乗り移る気よ!」
「ここだー! 『スターオブソード』!」
「ギャアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!??」
今度は尻尾を 蜷局 ( とぐろ ) にしてジャンプする形態になったためそうはさせるかと強力な一撃を尻尾に叩き付け、切断することに成功した。
「やっとか!」
「尻尾ちょん切れたーー!?」
第三形態になると〈オビサルス〉の尻尾は切断可能になる。しかし、耐久値が高くてしっかり狙ってダメージを蓄積させないと切れないため、結構時間が掛かったのだ。俺しか狙ってなかったというのもある。
あとエリサ、良いリアクションだぜ!
これにより天井にひっつく術を失った〈オビサルス〉。
地面にいるのなら後はいつも通りだ。
「ギュオオオオオオ!」
「おっとタゲが俺に移ったか。ならスイッチだ! 『カリスマ』! フィナ!」
「はい! 『大天使フォーム』!」
「ルルも続くのです! 『変身・プリンセスメイクアップ』!」
ここで嬉しい誤算(?)。尻尾を切断したことでヘイトを大量に稼いで俺にタゲが移ったのだ。
せっかくだからと『カリスマ』でさらにヘイトを稼いでフィナとタンクをスイッチ。
フィナに存分にアタッカーを務めてもらうためユニークスキル『大天使フォーム』を発動させてあげた。するとついでにルルも追いかけて変身!
おおおお! こ、これは!?
「ギュオオオオオオ!」
「やかましい! 今それどころじゃない! 『 完全勇者 ( アブソリュートブレイバー ) 』!」
〈オビサルス〉が怒りモードに突入してしまったが無敵モードのタンクで受け止め、スクショを撮りだしてパシャパシャ。
この二大変身、撮り逃せないんだぜ!
そこからはラッシュ開始!
俺を必死に攻撃して足を止めてしまった〈オビサルス〉に攻撃の嵐が叩き込まれた。
「『テネブレア・ダウンダーク』! 『グラキエース・ストリーム』! 『大地の怒り・エレメントテラ』! 『大気の哀しみ・エレメントヴェントゥス』!」
「『ミカエルラッシュ』! 『ミカエルラッシュ』! 『ミカエルラッシュ』! 『ミカエルラッシュ』! 『ミカエルラッシュ』! 『ミカエルラッシュ』!」
「『デュプレックスソード』! 『フォースバーストブレイカー』! 『ヒーロー・バスター』! 『ヒーロー・バスター』! 『インフィニティソード』! 『ディストラクションブレイカー』! 『セイクリッドエクスプロード』! 『ロリータオブヒーロー・スマッシュ』!」
シェリアも本気の2体大精霊を召喚しているし、フィナも『大天使フォーム』によるクールタイム無視で〈五ツリ〉の 連続攻撃 ( ラッシュ ) 系である『ミカエルラッシュ』を容赦なく使って斬りまくる。
ルルも負けじと2回攻撃並の回転率でぶった斬りまくり、俺はしっかりその勇姿を撮影した。そして。
「トドメの『フィニッシュ・セイバー』!」
――フィニッシュ!
『 完全勇者 ( アブソリュートブレイバー ) 』が切れスキルが使用可能になって俺も攻撃に参加――結果〈オビサルス〉のHPがゼロになる。
「ギュ……ギュ……オ……」
そのまま固まった〈オビサルス〉は膨大なエフェクトを発生させながら光の海に沈んで消えていったのだった。
そしてその後に残るのは当然。〈金箱〉だーーー!!
落ちてよかったぜ〈金箱〉!
でも周回はするけどな!