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第1270話 恐怖!今まで見たことのない高速レベル上げ。

ゲーム世界転生〈ダン活〉~ゲーマーは【ダンジョン就活のススメ】を 〈はじめから〉プレイする~ — kakuyomu.jp · All chapters

第1270話 恐怖!今まで見たことのない高速レベル上げ。

トモヨを【アークエンジェル】に就かせた時にはすでに22時に近い時間となっていたので福女子寮へ送っていき、俺もその後はすぐに帰還して就寝した。

翌日。今日は6月2日、月曜日である。

今日は6月で初となる登校日。

6月にはとあるイベントが待っている。それは――。

「ゼフィルス君、おはよう~」

「おはようハンナ。今日から夏服だな。今年も、よく似合ってるぜ」

「そう? えへへ~」

そう。衣替えだ。

今日も朝から朝食を持って来てくれたハンナだったが、その格好は夏服だった。

半袖で涼しそうな姿に思わずいいねを100個くらい心の中で送ってしまった。

はにかむ笑顔でクルッと一回転するハンナがマジグッジョブ!

夏はこれを見ないと乗り切ることはできないんだぜ。

いつも通り朝食をいただき、ハンナのとても美味しい食事に 舌鼓 ( したつづみ ) を打ち、いざ登校。

ダンジョン週間も終わってしまい、今日から授業が再開される。

通学路が爽やかで、眩しい。

途中の道でハンナと別れ、教室に入ると、スッと夏服のシエラが近づいてきた。

うっ、一瞬目が浄化されそうになるが、なんとか気合いを入れ直して挨拶する。

油断大敵!

「シエラ、おはよう!」

「おはようゼフィルス。それで早速なのだけど、トモヨが〈 転職 ( ジョブチェンジ ) 〉しているのよ。しかも下級職の【アークエンジェル】に。どういうことか説明してくれるかしら?」

「なぜ俺だと!?」

「貴方しかいないでしょ。もう」

はい。当たりです。

実は昨日はもう遅い時間だったこともあって連絡は今日に回していたのだ。

ギルドハウスに残っていたメンバーは結局みんな帰ってしまっていたので、今日の朝にでも連絡するつもりだった。

ハンナの夏服インパクトで忘れたのは秘密にしておこう。

「あ、ゼフィルス君、おはよう~」

「おう、トモヨもおはよう。もうみんなに話したんだな」

「〈 転職 ( ジョブチェンジ ) 〉のことだけね。まだゼフィルス君のことまで話してなかったんだけど、なんかみんな秒で察したみたい」

「当り前よ! こんなことをしでかすのはゼフィルスしかいないわ!」

「昨日はしっかり見ていたデース!」

「ほら、目撃者もいるわ。観念しなさいゼフィルス!」

ラナとパメラも来ちゃった!

というか昨日影からこっそり見ていた謎の金髪NINJAはやはりパメラだったのか。

いや、金髪がマジ忍べてねぇ。むっちゃ目立ってたよ。

ということで説明。

トモヨの悩み関連のところは話すか否かはトモヨに任せて、俺はトモヨから頼まれたというところをしっかり強調してから〈 転職 ( ジョブチェンジ ) 〉を請け負ったことを話した。

「…………色々と言いたいことはあるのだけど、トモヨは上級職のLV34だったのだし、学園どころか世界でもトップクラスのLVだったのよ? 本当によかったの?」

「ゼフィルス君が強くしてやるって言ってくれたので、身を任せちゃった。きゃっ!」

トモヨが両手を頬に添えて体をくねらせると、ジト目から目を吊り上げたシエラと腰に手を当ててこっちを振り向いたラナからなぜか圧力が上がった気がした。

こ、これはいけない! しかし、これに慌てたのもトモヨだった。

「あ、待って待って、ゼフィルス君は私の願いを聞き届けてくれたんだよ。私だって上級職LV34から下級職になるのは並々ならない覚悟が必要だったんだよ? でも、やっぱりゼフィルス君がいるから勇気が湧いてきたっていうか」

「……そう」

「む、むむむ~」

それからトモヨが語る、最近感じていたみんなとの差に悩んでいたこと。

それを聞いて教室の女子メンバーたちはみんな納得したようだ。

「そういうことだったのね。なんて言ったらいいか言葉が見つからないけれど、トモヨ、まずは祝わせて頂戴。【アークエンジェル】への〈 転職 ( ジョブチェンジ ) 〉、おめでとう」

「うん。ありがとうシエラさん。みんな」

「おめでとうなのですトモヨお姉ちゃん! ――でもゼフィルスお兄様、ということは〈天魔のぬいぐるみ〉を使っちゃったのですか?」

「すまんなルル。どうしても必要だったんだ。許してくれ」

「そういうことなら仕方ないのです! トモヨお姉ちゃんのお役になってあの子も喜んでいるはずなのです! でも、少なくなっちゃった分の補充はお願いするのです!」

「あれ!? ルルがいつになく厳しい!?」

そこは『めでたしめでたし』じゃないんだ!?

どうやら〈天魔のぬいぐるみ〉は補充しなくてはいけないようだ。

となると、悪魔のレアイベントはこなしたし、次は天使のレアイベントにでも行くか。あそこも〈金箱〉確定、〈天魔のぬいぐるみ〉もドロップするしな。

「だがその前にトモヨのレベル上げをしないと」

「えへへ。よろしくお願いねゼフィルス君!」

「……つまりゼフィルスは、これからトモヨにつきっきりでレベル上げを手伝う、ということかしら?」

「ちょっとトモヨ! それはずるくない!? 私だってゼフィルスとパーティを組みたいのに……」

「いや待て、少し落ち着いてほしい。今は新メンバー組の育成も重なってる。後進の育成と足並みを揃えさせればそこまで負担ではないという判断だ。俺が手伝うのも最初だけだぞ」

そう俺が説得する。

トモヨを育成する負担は実はそう大きくはない。後進を育てるついでのようなものだ。

最初だけ新メンバーと肩を並べられるほどがっつりレベルを上げておき、あとは 職業 ( ジョブ ) に慣れさせながら徐々に成長していってもらう予定だ。

「2人とも、ゼフィルスさんをそう困らせてはいけませんわ」

「リーナ!」

そこにやって来たのはリーナだった。

俺にはリーナが女神に見えた。夏服が眩しい! これが後光?

「心配しなくても大丈夫ですわ。――あ、ゼフィルスさん。ここからはわたくしにお任せください。どうぞ席へ」

「え? そ、そうか?」

リーナの後光に感激していたらあっという間にリーナが女子を連れて教室の隅に行ってしまった。

さすがは〈エデン〉の軍師にして俺の右腕。頼りになるぜ。

なんかどんどん女子が集まって教室の隅がすごいことになってたが、『直感』さんも何も言わないし、きっと大丈夫なのだろう。

そうしてしばらくして戻ってきたリーナから結果が告げられた。

「こほん。結果から言いまして、わたくしとシエラさんとラナ殿下もレベル上げに同行することになりましたわ」

「え?」

ちょっと予想外の着地!?

「メンバーの育成はギルド全体の役目よ。ということで〈試練の門塔ダンジョン〉の入ダンを許可するわ」

「トモヨにはなるべく早めにレベルを上げてみんなに追いついてもらわないとね!」

「あはは~。頑張ります」

リーナによって方針は決定!

どうやらシエラとラナ、リーナが付き添い、〈道場〉で高速レベル上げができるようになったのだった。最初から〈道場〉を使おうとは思っていたが、なんか3人のやる気が凄く凄い。

トモヨの育成は、予想より早く終わりそうだ。

そして放課後、早速〈道場〉へと突入。

「新メンバーたちのLVはすでに50から60へ突入しているのでトモヨも同じくらいレベルアップしてもらおう!」

「いいわね! サクサク倒すわよ!」

「これくらいの相手なら私もアタッカーになっても大丈夫かしら」

「トモヨさんは安心なさってくださいな。わたくしたちが全てかたづけてやりますわ」

「私の役目は!?」

トモヨはタンク。しかもLVゼロ。

モンスターを倒すのはアタッカーの役目だ、ということでラナとシエラとリーナが気合いを入れております。

トモヨの役目というか出番は、ひょっとしたら無いのかもしれない……。

そして〈道場〉のランク1で〈シルバー角無しウサギ〉がわらわらと出てきたところで悲劇は起きる。

「来たわね! 『 祈望 ( きぼう ) の 天柱 ( てんちゅう ) 』!」

それ五段階目ツリー!!

ウサギたちの真上がピカピカ光ったかと思うと、まるで世界の終わりのような光が降り注ぎ。

その後にはウサギが全部消えていた。

「ふう。まず1ウェーブ終わりね!」

「サクサク過ぎ!?」

初撃、ラナの五段階目ツリーでウサギ100匹全滅。おおう、悲劇。

「レベル8になっちゃった」

「次で終わりそうな勢いだな!?」

「出てきましたわね。〈シルバーコッコー〉? 『殲滅兵砲・エクスプロージョンノヴァ』ですわ!」

それも五段階目ツリー!!

突如と現れた砲台、ドゴンと放たれたリーナの砲弾がヒヨコたちの中心に飛来する。ヒヨコたちが「ピヨ?」と首を傾げたと同時に着弾、爆発。

その後にはヒヨコは全部消えていた。

「あっという間に2ウェーブ終わりですわ!」

「あ、LV10だぁ」

「オーバーキルすぎる……!」

「では、次はランク2のステージね。いきましょう」

結局ラナとリーナが1発ずつ撃っただけでランク1は終了。

トモヨは気の抜けたような声でLV10になったことを告げてきたのでそのままランク2へと突入した。

「〈シルバークイール〉、懐かしいわね。―――『カウンターノヴァ』!」

それも五段階目ツリー!!

1匹の〈シルバークイール〉が無謀にもシエラに突撃した瞬間。

もんのすごいカウンターが炸裂し、後ろにいた〈シルバークイール〉たちも根こそぎ吹き飛ばした。光が舞ってちょっと綺麗だと思ったのは秘密。

でもさすがに全部巻き込むことはできなかったので取りこぼしは俺が〈二ツリ〉の『シャインライトニング』で一掃しておいた。これくらいの魔法でいいんだよ?

「わ、私の出番が、無い! なのにガンガンLVとかSPが上がる!」

「とりあえず、最強育成論の通りに振ってみよう。トモヨはポイントが増えたさきからステータスを振っていくのがお仕事だ」

「こんなレベル上げ初めてだよ~!」

こうして、結局その日のうちにトモヨはLV60になり、新メンバーのパーティに入ることになったのだった。