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第1281話 ロゼッタ号の引き継ぎと中級で周回練習!

ゲーム世界転生〈ダン活〉~ゲーマーは【ダンジョン就活のススメ】を 〈はじめから〉プレイする~ — kakuyomu.jp · All chapters

第1281話 ロゼッタ号の引き継ぎと中級で周回練習!

新メンバーの中で一足先にノーアたちが上級職になった。

〈測定室〉からギルドハウスへ帰還すると、みんなからお祝いの言葉が次々と贈られる。

「おめでとうございますノーアさん、クラリスさん、アルテさん、トモヨ先輩」

「みんなおめでとう~」

「ありがとうございますキキョウさん、アリスさん」

まずはずっと同じパーティだったキキョウとアリスだ。

2人ともノーアたちのことを心から祝っている様子だ。

私たちをおいて先に上級職に~みたいな展開は全く無かった。良い子たちや~。

他の新メンバーも、何度もパーティをシャッフルして戦った仲間だ。みんな心から祝福していた。

「これは私たちもうかうかしていられないですの! すぐに追いつくですのカグヤ!」

「ガッテンだよ~! 次に上級職に就くのは私たちだよ!」

「私も協力するよ! 頑張ろうー!」

「「「おおー!!」」」

向こうではサーシャ、カグヤ、クイナダたちが盛り上がっていた。

おい、ヴァン、乗り遅れてるぞ? どこ向いてんだ?

「先を越されてしまいましたね」

「こうしちゃいられないっす! 私たちもすぐにダンジョンへ行くっす!」

「えー、いいよ」

シュミネ、ナキキ、ミジュのパーティも追いつこうとやる気になっていた。

あれ? やる気なのはナキキだけか? ミジュは相変わらずのマイペースだ。

上級生メンバーを何人か引き連れてダンジョンに向かって出発していったよ。

「私たちもこうしている場合じゃありませんですの!」

「ほらヴァン、何やってるのさ! 私たちも行くよ!」

「! ぎょ、 御意 ( ぎょい ) でありまする!」

サーシャたちのパーティもそれに続いていった。

ヴァンはノーアが視界に入れられないらしいな。御意って言ったぞ。また言葉が乱れている。大丈夫かな。

とはいえやる気は十分。あの調子なら近いうちにLVカンストするだろうな。

ただ中級上位ダンジョンへ向かっていった気がするのは気のせいだろうか? そこ最奥まで進まないと周回出来ないけど、いいのか?

「じゃあ、俺たちもダンジョンに行くか。アリスとキキョウもおいで」

「うん! アリス、お兄ちゃんと行くね」

「私もお邪魔します」

「全然邪魔じゃないから安心しろって」

「それでゼフィルス様、どちらに向かわれますの? やはりみなさんと同じく中級上位ダンジョンですか!?」

「いや、悪いがそっちはまた今度だな。今日は〈猛獣の集会ダンジョン〉に行こう」

「 中級中位 ( チュウチュウ ) ですか?」

「おう。そっちなら最奥まですぐだからな。えっと――ロゼッタ、行けるか?」

「はい。いつでも大丈夫ですよ」

こうしてメンバーが決まる。

俺、ロゼッタ、ノーア、クラリス、アルテ、トモヨ、アリス、キキョウの8人だ。

今回行くのは 中級中位 ( チュウチュウ ) の〈猛獣の集会ダンジョン〉だ。実はここ、すっごく攻略しやすいダンジョン(?)なので、すでに新メンバーも全員がここの攻略者の証を持っていたりする。

視界の端にここのボスである〈バトルウルフ〉が「クゥーン」と鳴きながら尻尾を垂らす様子を幻視した気がしたが、気のせいだろう。

俺たちは早速30層の転移陣にショートカットして、そのままロゼッタの運転する〈 イブキ ( ロゼッタ号 ) 〉へと乗り込んだ。

そしてアルテを呼ぶ。

「アルテ」

「は、はいゼフィルス先輩!」

「アルテは今後この〈イブキ〉を操縦することになる。いきなりの運転は難しいと思うから最奥に到着した後で練習だ。そのため、まずは運転技術をロゼッタから学んでほしい」

「アイサー!」

「ロゼッタも頼む」

「わかりましたゼフィルスさん。任せてください。――アルテさんも、お姉さんから色々聞いているかもしれませんが改めて私から説明しますね」

「よろしくお願いいたします!」

アルテは【聖乗の姫騎士】だが、騎乗しかできないわけではない。〈乗り物〉にだって乗れる。というかなんにでも乗れる万能 職業 ( ジョブ ) だ。

そのため〈イブキ〉を運転してもらい、運搬役も担ってもらうことを期待している。

いつもはお姉さんであるアイギスから色々と習っているはずだが、今回はロゼッタからの指導だ。もちろん、これにもわけがある。

アルテに渡す〈イブキ〉はロゼッタ号になるからだ。

現在〈彫金ノ技工士〉を含む【クラフター】系のギルドは、〈クマライダー・バワー〉や〈マッシュルームキャラバン Ⅱ改 ( ツーカイ ) 〉の生産で大忙し。

とても追加の〈イブキ〉作製を割り込ませている暇は無くなっている。

ケンタロウの他に、上級職の【クラフター】系は2人いる〈彫金ノ技工士〉だが、今は〈クマライダー〉や〈マッシュン〉の作製を優先してもらっていた。

噂では寡黙な先輩ことガント先生も、学生に授業するより生産作業の方に回ってもらっているらしいからな。まあ、あの人は本当に学生に教えられていたのか、もしかしたら適材適所な部署に回されただけなんじゃないかとちょっと思っているのは秘密。

〈彫金ノ技工士〉にはさらに〈上級転職チケット〉を投資するべきと最近検討中だ。学園との 兼 ( か ) ね 合 ( あ ) いもあるので今は少しずつ進めている。

タネテちゃんとか早く上級職になってほしいね。あの子は学園には渡さない。中級でノーアたちを育成するときに出た素材とかは最近タネテちゃんに回してるよ。

おっと話がズレた。

つまり、新しい〈イブキ〉が今は造れないので、なら装備を交換しようというRPG的な考えだ。

ロゼッタにはすでに上級ダンジョンでも活躍可能な〈ブオール〉がある。それにトモヨが新メンバー組に入ったためレギュラー組の人数が32人になった。

攻略には16人まで乗車出来る〈イブキ〉が2台あればよくなったということもあり、なら余った〈イブキ〉をアルテが使えばいいと今回こうなった形。

しかし、さすがにリアルでは今まで使っていた〈 乗り物 ( 装備 ) 〉をいきなり他の人に譲ってくれというのも心情的に困る話。

だからロゼッタにもアルテにも、前から話をしておき、こういう場を設けたのだ。

やはりロゼッタからすると、あっさりオーケーとはいかず、こうして最後の運転を思い出にしつつ、アルテに〈イブキ〉を譲ることをゆっくり心に馴染ませている様子だ。

アルテとロゼッタは今まで接点がさほど多くなかった。アルテにはアイギスが担当することが圧倒的に多かったからな。

現在アルテとロゼッタは急速に仲良くなっているところなのだ。

そして見守っている間に最奥へと到着する。

「着きましたわね。周りに人は皆無ですわ。周回し放題ですわね」

「予定通り、今回の目的はキキョウとアリスのレベル上げ、そしてノーアたちの新しくなった 職業 ( ジョブ ) の練習だ。その間アルテはロゼッタに教わりながら〈イブキ〉の練習をしてほしい」

「「「「はい!」」」」

あらかじめ決めてあったので行動は速い。

アルテとロゼッタを残して下車すると、〈イブキ〉はアルテの運転でゆっくり発進していった。

「じゃあキキョウとアリスは必ずメンバーに入ってもらうとして、タンクはキキョウ、ヒーラーはトモヨが頼む。上級職になったばかりだからしっかり練習してくれ」

「「「はい!」」」

「一応、万が一に備えて俺もパーティに加わりたいからノーアかクラリス、どちらかは留守番を頼む」

「……では私が」

「大丈夫かクラリス?」

「はい。これまでの経験でお嬢様がここのボスに後れを取ることなどないと分かっております。それにゼフィルス様が一緒なら心配はいりませんから」

それはまた、ずいぶん信用されたな。クラリスならお嬢様の護衛から絶対に離れませんとでも言うかと思ったのに。

良いだろう、そこまで信用されたら応えないわけにはいかない! ノーアも無事守ってみせるぜ!!

……お嬢様の面倒を俺に投げたわけじゃないよなクラリス?

そんなことが頭を過ぎった気がしたが、きっと気のせいだろう。

「新しい上級職の力、試すのが楽しみですわ! おーっほっほっほ!」

「おう! 俺が理想の立ち回りを教えてやるぜ!」

チラッとクラリスを見る。なぜかいつもの「じー」が無かった。どこを向いているのかね?

今回は新しく上級職になった4人の試運転も兼ねている。

試運転でいきなり 中級上位 ( チュウジョウ ) に行くのは難易度が高いだろうからな。

慣れた場所で周回しながら上級職に慣れるのが一番だとの判断だ。ついでにアリスたちのレベル上げと〈イブキ〉の引き継ぎも兼ねた一石三鳥の取り組み。

さあ、ボス戦開始だ。