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第1289話 謎室の謎! 上級中位ダンジョンに初入ダン!

ゲーム世界転生〈ダン活〉~ゲーマーは【ダンジョン就活のススメ】を 〈はじめから〉プレイする~ — kakuyomu.jp · All chapters

第1289話 謎室の謎! 上級中位ダンジョンに初入ダン!

まず〈上中ダン〉に足を踏み入れたのは――〈救護委員会〉の面々。

シグマ大隊長たちが安全確認のためにくまなく確認する。

学園長の演説で場が盛り上がっているうちにチェックし、危険は無いと判断した様子で戻ってきた。

その辺りで学園長の演説も終わりを見せる。

息ぴったりだな! これが政務者たちの仕事ぶりというやつだろうか?

「ではこれより、勇気ある学園調査団が調査へと向かう! みな、拍手で見送ってほしい!」

「「「「「うおおおおおおおお!」」」」」

学園長の言葉に場は盛り上がり、拍手が木霊し始めた。

おお! なんかやる気が 漲 ( みなぎ ) ってくるー!

調査団は一度学園長の近くまで寄ってからクルリと〈上中ダン〉の方に向きなおり、進んで行く。

最初は今戻ってきた〈救護委員会〉、続いて〈エデン〉、〈ハンター委員会〉と続き、最後は〈攻略先生委員会〉とユミキ先輩だった。

「ゼフィルス殿、シズ、ラナ様をお願いいたしますよ!」

「いってらっしゃいデース!」

「ゼフィルス、土産話を期待しているぞ。上級中位ダンジョンがどんなところか、後で教えてくれ」

「たはは~みんな気をつけてね~!」

「ああ、ルルが、フィナさんが、エリサさんが心配です。なぜ私はあそこについていってはいけないのですか」

「もうシェリアちゃんは心配性だな~。ゼフィルス君がいるから大丈夫だよ! ラクリッテちゃんもいるしね!」

「うん。ゼフィルス君がいたら何事もなく……は無理かもしれないけど、無事には戻ってはくると思うよ」

「ハンナさんが言うと説得力が違いますわね。みなさん、ハンナさんが言ったとおり心配はご無用ですわ! もう一度大きな声で送り出しましょう! せーの」

「「「「「いってらっしゃーい!!」」」」」

ギルドメンバーのいってらっしゃいが新鮮!!

なぜか、心配の声が途中から消えてしまった気がするが、きっと気のせいだろう。

俺たちも集まってくれたギルドメンバーに手を振り、選抜メンバー10人で〈上中ダン〉の中に入った。

俺たちに続き、最後尾には新しい公式ギルドとして一度集まった多くの人たちに顔を向け手を振り、隊長のタバサ先生が「いってきますね」と言って締め、〈上中ダン〉へと向かう。

装備の姿も相まって、聖女にも見えた。

ちなみに本物の聖女は〈エデン〉にいます。なんなら俺の隣にいます。

こうして全員が式典の中、ひとまずの出発を終えたのだった。

「ふう。緊張したわ~」

「お疲れ様ですタバサ隊長!」

〈上中ダン〉の中へと入り、一仕事終えたタバサ先生たちにシグマ大隊長が激励する。

「ありがとうございますシグマ大隊長。ですが、隊長と呼ばれるのはまだ慣れませんね」

「はっはっは。タバサ隊長はまだお若いですからね。ですが、自然と慣れていくかと思いますよ」

「そういうものですか?」

そういえばタバサ先生って隊長になったんだよな。どちらで呼ぶか迷うところだ。

「でも、しばらくは先生と呼ばれる方に慣れたいですね。そちらもまだ慣れていなくて」

よっし分かった。今後もタバサ先生はタバサ先生と呼ばせてもらおう!

「タバサ先生、シグマ大隊長」

「あ、ゼフィルスさん」

「ゼフィルスさんもお疲れ様です。もう少々お待ちください、現在最終チェックを行なっているところですので」

「了解しました。大丈夫ですよ」

次の指示を仰ごうと近づけば、2人とも快く出迎えてくれる。

見ればサポート班だろう。ここ〈上中ダン〉に簡易的な陣地のようなものを形成、すぐに休めるような場所をいくつも作っていた。

そういえばここはほとんど手つかずだったから更衣室やロッカーなんかも無いんだったと思い至る。

それがある程度完成すると着替えに行く人が多数。

あ、式典用の装備と調査用の装備は別物なのね。なるほど~。これが裏側の様子。

しかしそれもすぐに終わってしっかりと整列する団員たち。

「シグマ大隊長、準備できました! 全員揃っています!」

「よし! ――みなさん、お待たせいたしました。出発いたしましょう。調査団は整列! これよりランク1〈謎室の 古跡 ( こせき ) ダンジョン〉へと向かう!」

「「応!」」

今回、この調査団の 団長 ( リーダー ) はシグマ大隊長が務めることになっている。

何しろ〈救護委員会〉以外はみんな若者の集まりで、20歳に届いていない者がほとんどなのだ。〈救護委員会〉以外のギルドの隊長やマスターは軒並みそうだ。

経験豊富ということも相まって満場一致で決まった形だな。

とはいえである。

「ゼフィルスさん。何か気が付いたことがあればどんな小さなことでもいいので言っていただけると助かります」

「もちろんですシグマ大隊長。〈エデン〉も参加するのですから協力は惜しみません」

「そう言ってもらえると助かります」

なぜか学生集団である〈エデン〉のギルドマスターにむっちゃ頼ってきている状況だ。不思議だね!

しかし任せてほしいシグマ大隊長。

ゲームで知識は万全だ。俺がダンジョンを丸裸にしてやんよ!

そんな決意を心の中でしたとき。

「ゼフィルス?」

「んお!? ど、どうしたんだシエラ?」

気が付けば背後にシエラがいた。いったいいつの間に!?

「……今何か妙なことを考えたりしなかった?」

「そ、そんなこと考えてないぞ? ちゃんと真面目にダンジョンを攻略してやるさ!」

「……するのは調査だからね? 間違ってるわよゼフィルス?」

シエラの目が俺を射貫く。超ジト目だ。

うっかりミス!

なぜか監視されているように思ってしまうのは気のせいだよな?

うん。これまで上手くやってきた俺である。今回も上手くやるさ!

大丈夫、今回は調査、俺間違えない。

テキパキ動き、上に「ランク1〈謎室の 古跡 ( こせき ) ダンジョン〉」と書かれた門の前に調査団が集合する。

全部で50人らしい。

全員が攻略者の証を揃えた者たち、精鋭中の精鋭だ。

「まずは第1層を隅々まで調査する。気を抜くな! 何が起こってもおかしくない環境だと思え。常に地図をチェックし、様々な環境を想定して動く! 報告を密にし、単独で動くなよ!」

最後の確認の気合いを入れるシグマ大隊長。

こういうのは大人がやると身が引き締まるぜ。

注意事項を言い終わるとクルリと身を翻し、シグマ大隊長が宣言する。

「では、入ダン!」

「「「「応!!」」」」

「いってらっしゃーい」

「気をつけて行ってきてください!」

一緒に〈上中ダン〉にやって来ていたサポート班のみなさんからも見送られ、それに手を振りながら〈謎ダン〉へと入ダンしたのだった。

「―――む、ここは?」

「建物の、中、なのか?」

「箱形? 通路の類いを探すのです!」

「はっ!」

「隠されているのかもしれない! 地図と地形把握、両方を使うのだ!」

中に入ると早速〈救護委員会〉がテキパキ動く。

〈攻略先生委員会〉や〈ハンター委員会〉もダンジョンの把握に余念はない様子だ。

俺はと言うと、周りを見渡し。ここが〈謎ダン〉であると完全に把握して。ちょっと懐かしい気持ちに浸っていた。

〈エデン〉のメンバーは周りをキョロキョロ見ている。

「何ここ? 大きな部屋の中なの? でも扉どころかなんにもないじゃない」

そう。ラナの言ったとおり、ここは大部屋。

大部屋というか大ホールというか、とにかく広く、マリー先輩の家電量販店並の広さのギルドハウスを軽く超えている巨大室内だった。

とにかく大きな部屋で、天井も壁も覆われ遠目では完全な密閉空間にしか見えない。

巨大室内に俺たちが入って来たダンジョン門だけがぽつんと立っている様子だ。

これにはみんな面食らったみたいで次第にオロオロし始める。

「索敵ですが、モンスター反応、ありません!」

「地図班ですが目視で見える範囲以上のデータが見えません!」

「地形観測班ですが、ここの壁は全て本物のようで、通り抜けられるような道は今の所見つかりません!」

「スキルに反応が無い? そんなことが――ユミキさん、そちらはどうですか?」

「そうね。今輪で確認しているのだけど、目視でもここはただの部屋に見えるわ。環境は快適。状態異常を与えてくるようなマイナス環境は見受けられない、わね」

そう。道が無い。モンスターもいない。というかなにも無い。

次々送られてくる報告にさすがにこれはおかしいと思ったのか、逆に冷静さを失っていく調査団たち。

ここはまさに謎室。

〈謎室の 古跡 ( こせき ) ダンジョン〉の名にふさわしい第1層だった。