LNCrawler

第1312話 〈エデン〉が行く、するとみんな道を空ける。

ゲーム世界転生〈ダン活〉~ゲーマーは【ダンジョン就活のススメ】を 〈はじめから〉プレイする~ — kakuyomu.jp · All chapters

第1312話 〈エデン〉が行く、するとみんな道を空ける。

「お、おい、あれを見ろよ」

「〈エデン〉だ! 〈エデン〉の団体だぞ!」

「ど、どこに行く気なんだろうか? まさか……」

「この道は間違いない! 上級中位ダンジョンへ向かっている!?」

「やっぱりだ! 〈エデン〉は上級中位ダンジョンを狩り場にするつもりなんだ!!」

「上級中位ダンジョンを狩り場!?」

「〈エデン〉の邁進がとどまるところを知らない!?」

「いやいや邁進しすぎだろ!? 上級中位ダンジョン解放の連絡があったその日に出発かよ!?」

「噂ではゼフィルスさんがずっと上級中位ダンジョンの解放運動をしていたらしいと聞くわね」

「あんなところ解放してどうするというのか」

「それはな? 攻略に行くんだよ」

「すでに〈謎ダン〉攻略しているしな!!」

「アレにはマジ度肝を抜かれたぞ! 何事かと思った!」

「そしたら、いつもの〈エデン〉だったとさ」

「混沌!」

「おい、今混沌って声がしなかったか!?」

「そんなことはどうでもいい! それよりも他のギルドの動きとかはどうなってんだ!?」

「掲示板情報ではみんな 上級下位 ( ジョーカー ) に向かっているとのことよ。まだ上級中位ダンジョンに入ダンできる条件を満たせていないのよ」

「なんで〈エデン〉は満たせてるの?」

「え? 勇者君よ?」

「いや、そうだけどさ!?」

「いつの間にかセルマが居やがる!? こいつ、いつの間に復活したんだ!?」

「待っててね勇者君、今度は完全体を完成させるから!」

「こいつ、何を作る気だ!?」

「きっと危ないものに違いない!」

「でも、セルマって上級職になったのよね……」

「世の中がどんどん動き、上級中位ダンジョンまで攻略される時代。乗り遅れそう、乗り遅れそう」

「怖いよー! 俺を、俺たちを置いていかないでくれー!」

「中級ダンジョンへ到達するのに1年使った俺はどうしたらいいですか?」

「乗り遅れた者たちがすでに溢れているっす!?」

「ああああああ! 〈エデン〉が今〈上中ダン〉に入ったーーーー!!」

「みんな入り口に群がってる(笑い)」

「みんな入り口に群がってる(震え)」

「他のギルドは何をやっているんだ! このままでは、〈エデン〉 一強 ( いっきょう ) になってしまうぞ!」

「安心してほしい。秘策がある」

「誰だあんたは!?」

「実は今どこのギルドも〈乗り物〉を手に入れつつあってな。さらに地図も配られたことにより攻略が活性化の兆しを見せているのだ」

「え? 俺のギルド、手に入れてないよ?」

「ゲフンゲフン! Aランク以上のギルドのことだな。Bランク以下のギルドはまだまだ時間が掛かるとのことだ」

「エ、〈エデン〉に追いつく日も近いってことか!!」

「上級中位ダンジョン入ダン者が、増える!? 中級下位 ( チュカ ) を攻略中の俺は!?」

「頑張りなさいよ?」

「うおおおおおおおお!!??」

「ってちょっと待てぇっ!? 今〈エデン〉、〈謎ダン〉じゃなく別のダンジョンに入っていったぞ!?」

「…………は?」

◇

「今回挑むのは~ 上級中位 ( ジョーチュー ) のランク2ダンジョン、その名も――〈 守衛 ( しゅえい ) の 氷宮 ( ひょうきゅう ) ダンジョン〉だー!」

「「「「「おおー!」」」」」

「…………」

〈上中ダン〉の受付前で俺はメンバーに大通達!

〈謎ダン〉を突破した今、次のダンジョンに行ってもいいよね?

ということで俺はランク2ダンジョンへ行くことを決めたのだった。

早速準備して向かう。

「いったいどんなダンジョンなのかしら? 〈謎ダン〉って結局よく分からなかったから楽しみなのよ!」

「名前からして氷のダンジョンでしょう。 上級下位 ( ジョーカー ) の〈氷ダン〉みたいなところ、でしょうか?」

「かもしれないが、これから行くのは上級中位ダンジョンだからな。 上級下位 ( ジョーカー ) より難易度は高いんじゃないか?」

「そうですね。気を引き締めていきます」

〈謎ダン〉の謎ギミックが未だによく分かっていないラナがウキウキと話せば、それに従者のエステルが反応する。

それに俺も相槌を打って気を引き締め直した。

道中はまるでモーゼだった。

〈エデン〉メンバー32人が通ると自然と道ができ、みんな足を止めて俺たちを見送るんだ。

注目されるのが苦手なシエラがスッと俺の背中に寄るのが可愛い。

ラナやエステルたち注目に慣れている組は堂々としたものだ。気にも止めてないぜ。

今回〈採集無双〉は置いてきた。〈エデン〉でもその多くが初めて行く上級中位ダンジョンだ。緊張でガードする余裕がないかもしれないからな。

〈集え・テイマーサモナー〉の方で色々と入り用で貸してほしいと言われたので、出張に行ってもらったよ。

テイムモンスターは維持費が掛かるが、テスト期間はダンジョンに潜れない。消費したものが多そうだなあそこは。

〈上中ダン〉は〈救護委員会〉のメンバー、というか団体が天幕のようなものを張って待機していた。いつでも救護に行けるよう、ここに陣地を作っちゃったらしい。すげぇよな。しかし、そんな光景も学生からすれば心強い。

俺は〈救護委員会〉に一礼して受付へと向かった。

「ケルばあさん」

「早速来たね? 待っていたよ」

「もちろんですケルばあさん! それと〈上中ダン〉の受付に就いてくれて、本当にありがとうございます!」

「良いってことさ。わたしゃここに座っている方がやはり落ち着くからねぇ。あんたたちは……ううん、相変わらず綺麗なもんさ、ひっひっひ」

ケルばあさんに挨拶。

受付にケルばあさんが座ってくれなかったら上級中位ダンジョンの解放がさらに遠くなっていた可能性すらあった。本当にマジ感謝だ。

ケルばあさんは死期を見通す目を持っている。それによると、俺たちは真っ白で生気に溢れているらしい。要は死なないということだな。

受付でパーティ登録をしてもらうと、どこに潜るのかを申告する。

「ほう、〈守衛の氷宮ダンジョン〉、通称〈 守氷 ( しゅひょう ) ダン〉へ向かうのかい? 〈謎ダン〉でレベルを上げた方が良いと聞くけどねぇ」

「それもいいんですが、めぼしい狩り場は先客がいるっぽいので」

「そうかい。あんたたちは輝いているからねぇ。問題ないだろうさ。でも気をつけて行ってきなよ」

「ありがとうございます!」

ケルばあさんにお礼を行ってみんなの下へと戻った。

ちなみにダンジョン名やランクについては、ダンジョンの入口門、その上に表札っぽく書かれていたりする。

「ランク2、〈守衛の氷宮ダンジョン〉」てな。

あと入ダン条件も。

「よーしみんな、このダンジョンは通称〈守氷ダン〉と呼ばれているとのことだ! やはり氷のダンジョンで寒いらしい。〈ホカホカドリンク〉を飲んでおこう! セレスタン、みんなに配ってくれ」

「畏まりました。みなさまこちらをどうぞ」

グイッと一杯。

俺たちがテスト勉強している間、〈救護委員会〉と〈ハンター委員会〉の面々がランク10ダンジョンまでを軽く調査したのだそうだ。

よって〈守氷ダン〉は氷のダンジョンだと判明している。

全員に〈ホカホカドリンク〉を飲んでもらったら準備は完了だ。

上級中位 ( ジョーチュー ) 、ここからが上級ダンジョンの本番とも言われている。

救済アイテムも無い高難度ダンジョンだ。

ようやくここまで来れたな。

グッと気を引き締め、俺たちは〈守氷ダン〉の門を潜った。