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第1587話 ハッピーニューバースデー!!!! 2年生版!

ゲーム世界転生〈ダン活〉~ゲーマーは【ダンジョン就活のススメ】を 〈はじめから〉プレイする~ — kakuyomu.jp · All chapters

第1587話 ハッピーニューバースデー!!!! 2年生版!

年も最後。

12月31日に俺たちが記念すべき上級上位ダンジョンを攻略して帰ってきた翌日。

年も明けて、今日は――1月1日だ!

今年のこの日はみんなで集まり、昨日の攻略記念も兼ねて打ち上げだ!

「みんな! 年載せおめでとうー! 今年も1年よろしくお願いします!」

「「「「「年載せおめでとうー! 今年も1年よろしくお願いします!」」」」」

「そして昨日は上級上位ダンジョンの初攻略おめでとう!! 今年も良い1年になることを願って、かんぱいだーーーーー!!!!」

「「「「「かんぱーい!!!!」」」」」

―――年載せ。

それは〈ダン活〉流の誕生日。

実際には誕生日ではなく、数え歳で年明けにみんな一斉に歳を取るので、 歳 ( とし ) を重ねる、転じて 年 ( とし ) を 載 ( の ) せるとなり、年載せとなったそうな。

つまり「年載せおめでとうー」とは「誕生日おめでとう」「ハッピーニューバースデー!」みたいな意味だな!

そして、今や学園中が 年載せ ( 誕生日 ) お祝いムードに包まれていた。

年明けでこれから1年、またよろしくという意味もあって、かなりおめでたい日である。

加えて上級上位ダンジョン攻略の打ち上げも兼ねているものだからみんなも大はしゃぎだ。俺もはしゃぐ! はしゃぎまくるぞ!

まずギルドメンバーで集まって、朝からいきなり乾杯だ!

「これで俺たちも18歳か~」

「ドキンッ!」

「ビクンッ!」

「どうしたのですエリサお姉ちゃん? フィナお姉ちゃん?」

「い、いいえ、何でもないのよおほほ?」

「そうですよルルちゃん。そういえばルルちゃんは8歳になったのでしたか?」

「にゅ!? ルルは8歳だったのです!? え、じゃあフィナお姉ちゃんたちは」

「10歳ですよ」

「にゅ!?」

「フィナちゃんが盛大にさば読んでる……!」

歳を重ねると良いことばかり、ではない?

なぜかエリサとフィナが冷や汗を流しているのが気になる。ルル、騙されないで!

でも本当に10歳に見える不思議。

あの子たち、本当に成長期って何時来るの? 噂では学園を卒業したら急激に成長するらしいが、いったいどんな 仕掛け ( DNA ) してんだろう?

「だが改めて考えると卒業式も間近だし、最高学年も見えてきたな~」

「……なんだかそう考えると少し寂しいかも。あと1年なんだなぁって考えちゃって。それにミーア先輩ももうすぐ卒業だし」

俺の呟きに横に居たハンナが少し寂しげに頷いた。

「確かにこの時期は寂しくもあるよな。だが、だからこそ明るく祝わなくちゃいけない。確かに寂しいが、だからといってそんな顔していたらミリアス先輩たちだって安心して卒業出来ないぜ?」

「うん。確かにそうかも」

「盛大に祝って送り出してやろうな!」

「うん!」

ハンナがちょっと憂いていたので元気づける。

去年のことを思い出してしまったのか、年載せは卒業まであと僅かということを意識させてしまったようだ。

確かに卒業は悲しい。だが、ハンナがいつまでも悲しんでいたらミリアス先輩も困るぞと言って、意識を明るい方向に切り替えさせる。

うむ。良い感じに切り替えられたようだ!

「あの、私が卒業するまでもうちょっとあるんだけど??」

「あ、ミーア先輩!」

「本人登場!?」

おっとここでミリアス先輩ご本人登場です!

〈生徒会〉の生産副隊長にして〈味とバフの深みを求めて〉のギルドマスターだ。

上級職の【マスターシェフ】に就いていて〈エデン〉の料理アイテムの作製を頼んでいる御方でもある。

「なぜここに!?」

「なぜって、こんなに目立ってればそりゃわかるわ!」

おっと良い返し、ならぬ良いツッコミ!

相変わらず素晴らしいツッコミ力を持っているんだぜ。

ちなみにここは〈戦闘4号館〉の校庭。

俺たち〈戦闘課2年1組〉が通う校舎の目の前だ。

そこはお祭りの雰囲気は出しつつも、出店が周りを囲み、中心は立食ができるように多くのテーブルが備え付けられていた。

その一角で、俺たち〈エデン〉は打ち上げをしていたのだ。

他のギルドメンバーも実は一緒に乾杯に加わっていたりする。

みんな一緒にはしゃぎたいのだ!

俺たちの上級上位ダンジョン攻略の報は昨日ニュースで出回っていたようだが、それでも乾杯の音頭をするとざわめきが広がりまくっているな。

「でもミーア先輩が〈戦闘課〉の学舎に来るのは珍しいですよね?」

「いやぁ、実は〈生徒会〉の生産隊長を借りに来たんだよね~」

「へ?」

「ということで、ハンナちゃんを借りてってもいいゼフィルス君?」

「ダメ!」

「そこをなんとか!」

バッと勢いよく腰を90度に曲げて頭の上で手を合わせるミリアス先輩。

ミリアス先輩曰く、〈生徒会〉生産隊長であるハンナは人気者。

是非ハンナから祝ってほしい。お言葉を頂戴したい。これで1年戦える!

そんな生産職の人からの要望の声が多数上がっているのだそうな。

「ハンナちゃんは今年も1年また生産隊長やるんだし、結束を深めたり何かあった時に協力を取り付けたりするとき、今日のことは絶対に役に立つはず! ほら、前回の学園祭なんてさ、ハンナちゃんが『露店を出す人は申請を忘れないでくださいね』って言って回ったおかげで未申請者ゼロだったんだよ!? ハンナちゃんの声にはそれだけの力があるの!」

「ほう」

ハンナ、いつの間にかそんな大物になっちまって。

確かに、今後のハンナのためと考えれば俺がダメとは言いづらい。もう言っちゃったけど。

「お願い! ほんの少し、一言彼らを労ってくれれば~!」

「わかりましたよミーア先輩。いきましょう」

「ハ、ハンナちゃん!」

「ということでゼフィルス君、ちょっとだけ抜けるね」

「おう、頑張ってな!」

「うん!」

いやぁ、ハンナ、かっこよくなったなぁ。

ハンナが動けばアルストリアさんもシレイアさんもサトルも動く。

校庭から堂々と歩いて去るハンナはいつの間にか〈生徒会〉メンバーを引き連れたリーダーの風格を醸し出していたのだった。

「ハンナは強くなったわね」

「シエラ!」

なんと、ハンナを見送ったと思ったら、いつの間にかシエラがすぐ側に居た。

いったいいつの間に!? ハンナに注目しすぎていて接近に気が付かなかったっぽい。

「ゼフィルス、改めて乾杯しましょ」

「おう。乾杯だ」

カンッとグラスを鳴らす。

今日は珍しくグラスなのだ。

シエラと鳴らすこの甘美な響きよ。なんか今年も良い1年になりそうな予感!

「ふう。なんだか、ここまであっという間だった気がするわ」

「なに言ってんだシエラ。まだまだ上級上位ダンジョンを1つ攻略しただけだぜ?」

「……そうだったわね。あなたはこの先もまだまだ攻略するのよね?」

「おう。ここだけの話、俺は最上級ダンジョンまで挑みたいと思っている!」

「…………全然ここだけの話じゃなかったわ。それはもうみんな知っているわよ」

「そうなの?」

あれ? 俺発表したっけ? どこかでしたような気がする。

なんかサブマスターにだけは知っておいてほしいんだ、的な雰囲気を出したのに見事に空ぶっちゃったじゃないか! もしかしたらテンションが上がりすぎたときにうっかりポロッと喋ってしまったのかもしれない。俺、テンションが吹き飛ぶと、意識と記憶も一緒に飛ぶことがあるし。

「んん。だから、他のことを教えて頂戴。私だけにしか言えないことは、他にはないの?」

シエラにしか言えないこと。

シエラにだけ先に知っていてほしいことか?

「実は最上級ダンジョンも全部攻略したいと思っている」

「…………それもなんとなくみんな察しているわ」

「マジで?」

そんな! みんなの前で発表して盛り上げる策が!?

「シエラ、そろそろ交代よ!」

「あら、もう時間なの?」

知りたくなかった新事実を知ってしまってガーンとなっていたらラナが来た。

するとシエラが俺に流し目を送って――。

「また後でね、ゼフィルス」

「お、お~。また後で~」

そう言って去って行くシエラを手を振って見送る。なんだか一気に体温が上がった気がするのは気のせいだろうか?

「わわわわわ。凄かったね今のシエラさんの流し目」

「うん。女の私でも、ちょっとドキッとしたよ」

「ゼフィルス先輩、ちょっと表情が緩んでいますね。これはアイギス姉さまには難しいかもしれません」

その光景を見ていたシヅキ、トモヨ、アルテが何かこそこそ話していたようだが、俺には聞こえなかったのだった。

「ぐぬぬぬ。やっぱりシエラは強敵だわ。はっ! ――ねぇゼフィルス! グラスが空じゃない! 私が注いであげるわ!」

「お? じゃあお願いするな」

ラナが何かを小さな声で呟くと、ハッとして振り返り、お酌を提案してくれる。

俺はありがたくいただいた。何しろラナが持っていたのは案の定〈芳醇な100%リンゴジュース〉だ。これを断るなんてことはできない。

「乾杯よ!」

「乾杯だ」

カンとここでも良い音が鳴る。

ジュースを飲んで見れば涙が溢れ出しそうな美味さだ。いや、男の子は涙なんか流さないんだぜ。

「美味しいわ!」

「美味しいな!」

もう完全に同意!

すると今度は、ラナが俺にピトッとくっついて来た。

ん?? なにごと??

「ちょ、ちょっと足が 縺 ( もつ ) れちゃったわ。ゼフィルス、少し寄りかからせて頂戴」

「縺れたの?」

「んんっ! なんか足が痺れてきたのかしら、上手く立てないのよ。ゼフィルス腕を回して支えて頂戴」

「ラナはいったい何を飲んだんだ!?」

明らかにいつものラナじゃないぞ?

はっ!? シズの視線が……あれ、しない?

見ればエステルとパメラがシズの目を隠しているところだった。

ナイス2人とも!

危うくお祝いの打ち上げに真っ赤な薔薇が咲くところだった。

しかし、長くは持たなさそう。俺は離脱に掛かる。

「ラ、ラナ。ここではなんだからちょっと場所を移動しようか」

「!! そ、そうね。2人きりがいいわ」

「いや〈回復課〉のところにいくぞ」

「なんでよ!」

いや、なんでと言われても。なんかヤバいもの飲んだんだろ?

一応『リカバリー』を掛けてみたが、効いていない様子。

「あ~。ゼフィルス君はあれだね、本当にラナ殿下を心配しているね」

「ゼフィルス君に心配してもらえるなんて、それはそれで羨ましい」

「飲んだものが変なものじゃないって教えて上げた方がいいんですかね」

なぜかこっちを見てこそこそと喋るシヅキ、トモヨ、アルテの方が気になる。

「こほん。ゼフィルス殿。ラナ様はこちらで預かります」

「ご心配かけたデース」

「エステル、パメラ?」

あれ? じゃあシズは?

「さあラナ様、こちらへ。作戦失敗です」

「ま、まだ分からないわ! ここから挽回のチャンスもあるはずよ!」

「ダメです」

「ダメ!? シ、シズ!?」

「ではいきますよ」

「そ、そんな~~~~」

ラナはシズに回収されてしまった。

なお、エステルとパメラによれば、ラナの心配はしなくて良いとのこと。

うむむ。後でお見舞いに行こうか。

と、そこでビッグイベントが到来。

「さー、お待たせいたしました! ここで去年大好評でしたハッピーニューバースデーケーキをご用意いたしましたー!」

そう、どこからともなく毎度お馴染みの司会者のお姉さんが現れたと思ったら、去年リーナと行ったお店のウェディングケーキもかくやという大きさのケーキが運ばれてきたのだ。しかも5つも。

これはビッグなイベントだな!

「ゼフィルスさん、凄いものが来ましたわね! 一緒に食べましょう?」

「おう! 去年も美味しかったからなぁ」

ここぞとばかりにリーナが来る。リーナは甘い物が大好きなのだ。

あーんも大好き。これはまたあーんもあり得るな。

「聞いてくださいまし、今回はなんと、ケーキ入刀の募集があるらしいのですわ! ゼフィルスさん、是非わたくしと」

「ちょっと待ってくださいリーナさん。それは許容出来ません。それでしたら私も」

「アイギスも??」

「あ、ここでアイギス姉さま参戦!」

「面白くなってきたね」

「私たちも行く? 行っちゃう?」

なんだかそこからはお祭り騒ぎ。

結局俺、リーナ、アイギスという3人でのケーキ入刀をやったり、アルテがアイギスをからかって口いっぱいにケーキを詰め込まれたりと賑やかになった。

ケーキは案の定リーナがあーんを敢行してきたのだが、シエラと元気なラナが戻ってきてあーだこーだとなり、そこへ一仕事終えたハンナも戻ってきて一件落着。とは当然ならずになにやらカオスになった。

「混沌!」

まあ、たまにこんな年明けもいいだろう。

さらにサテンサ先輩を始めとした〈獣王ガルタイガ〉の面々や、ホシ先輩やハクなどの〈百鬼夜行〉、リン先輩やセーダンやゴザル君たち〈千剣フラカル〉に、メガネをクイクイ上げるインサー先輩ら〈ギルバドヨッシャー〉の面々、そして筋肉をひけらかす〈筋肉は最強だ〉までお祝いに駆けつけ(?)。

なんか大規模な宴に発展していったのだった。

うん。今年の年明けも、とても楽しかったよ!