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第1610話 冬休み最終日! 最奥ボス攻略打ち上げだー!

ゲーム世界転生〈ダン活〉~ゲーマーは【ダンジョン就活のススメ】を 〈はじめから〉プレイする~ — kakuyomu.jp · All chapters

第1610話 冬休み最終日! 最奥ボス攻略打ち上げだー!

とりあえず〈イルカグマ〉南無。

そして――〈金箱〉バンザイだーーー!

「呆気なかったわね!」

「はい。なんといいますか、少し悪いことをしてしまった感じがします」

「えと、えっと。これで未踏破ダンジョン攻略、ですか!?」

「あははは~。なんかこんな簡単でいいの? って感じだよね」

ラナは盛大にドヤ顔し、シズは少し眉尻を下げて銃を仕舞う。お気持ちお察しだぜシズ。

ラクリッテなんか未だにクリクリの丸いお目々をパチパチしていて、ようやく事態を飲み込んで悲鳴を上げてたよ。ノエルはラクリッテの肩に手を乗せて笑ってた。

「ふわ、こんな形のボス部屋ですか!」

「温泉に囲まれた雪の孤島みたい!」

「みたいじゃなくて、そのものじゃない!?」

「いったいこんな部屋にどんなボスがいたんだろ」

おっと、いつの間にか再出現していたボス部屋の出入り口からマシロ、トモヨ、シヅキ、エフィが先頭で入ってくると、続々とメンバーが扉から出てきた。

ちなみにエフィに「ここには〈イルカグマ〉が居たんだよ」って教えてあげたら「????」ってなってた。ちょっと楽しかった。

「イルカグマ? イルカなの? クマなの?」

「イルカのリュックを背負ったクマだった」

「どんなボスだったの!?」

「ちなみにリュックは破壊することが出来た」

「それもうただのクマじゃん!」

シヅキのツッコミもまた良い!

ナイスツッコミだぜ!

その間にもメンバーは増えていて、どうやら実に30人くらいがボス部屋の前で待っていてくれたみたいだ。

「わぁ! 〈金箱〉だぁ!」

「ハンナも来てたのか」

「うん! ミーア先輩もいるよ! きっと最奥も〈金箱〉ドロップするだろうからって、連れてきたんだよ!」

「いやいやいやハンナちゃん、落ち着いて? あのね、私が聞いたところによるとね、〈金箱〉ってそんなポンポン出ないはずなんだよ? なのになんで〈エデン〉はポンポン出ちゃっているのかな!?」

「はーっはっはっは! それは企業秘密だぜミリアス先輩! だが、〈エデン〉にはご神体が付いているんだ!」

「ご神体って!?」

「ゼフィルス君、言っちゃってる言っちゃってる!」

途中の守護型ボス戦では〈銀箱〉をドロップしたりもしてごまかせたかなと思っていたが、どうやらミリアス先輩は〈エデン〉のドロップの良さに気が付いてしまったらしかった。

ふっふっふ、俺たちにはご神体が付いているのだ!

ご神体のことについては秘密だと言いくるめ、俺は〈金箱〉へと向かう。

すると〈金箱〉の前には、ラナがすでにスタンバイしていた。

「あれ!? ラナ! 未踏破ダンジョンの〈金箱〉はギルドマスターのものだぞ!?」

「そんなことないわよ! ほ、ほら、ゼフィルス、ここにしゃがみなさい! 一緒に開けるんでしょ!?」

「あれ?」

まるで約束していたような口ぶり。

そうだったっけ? そうだったような気も……まあいっか!

「むむ、ラナ殿下、やるわね」

なんだかタバサ先生の方からそんな呟きが聞こえた気がした。

そうだ、後で久しぶりにタバサ先生ともパーティを組もう!

タバサ先生とのボス戦、すごく楽しみだ!

だが、それは置いといてまずは目の前の〈金箱〉だな!

「こほん。よし! 一緒に開けようかラナ!」

1年生たちがジッと見てる! ここでラナと〈金箱〉を取り合うのは得策ではない!

俺はすぐにラナの隣にしゃがみ込み、すぐにお祈りの姿勢になる。

そういえば、こうしてラナと〈金箱〉を開けるのは、かなり久しぶりな気がするな! 久々の共同作業だ!

「それじゃあ、祈るぞラナ!」

「ええ!」

「「〈幸猫様〉〈仔猫様〉〈愛猫様〉! いつも〈金箱〉をありがとうございます! どうか中のものも良いものをお願いします!」」

「…………〈幸猫様〉〈仔猫様〉〈愛猫様〉? それが、ご神体?」

「ゼフィルス君、すっごくバラしてるよ。秘密なことなんて一欠片も無かったよ!?」

お祈りの最中にミリアス先輩とハンナの声が聞こえた気がしたが、俺はお祈りに集中していたので気がつかず、そのままラナと一緒に〈金箱〉に手を添えて、同時にゆっくりと開いた。

そして中から出てきたのは。なんと加工台だった!

「なにこれ、キッチン!?」

「ああ、こいつは一体型のシステムキッチンっぽいな」

「今システムキッチンって言った!?」

ラナと俺の言葉にピコンと反応したミリアス先輩が駆け込んでくる。

〈金箱〉の中には、小さくミニチュアサイズながらも、確かに料理を作るためのシステムキッチンがあったのである。

「ふわ! ふわわわ!? なにこれ!?」

「ラナと同じことを言っているな。とりあえず、出してみようか。――みんな離れてくれ! どれだけの大きさか分からない」

本当は知っているけど、その手のことに詳しいはずの〈生徒会〉生産副隊長も知らないのなら、未発見なのだろう。

確か、30層以降のボスじゃないとドロップしなかったアイテムのはずだ。やはり、未だ30層以降は攻略されていない模様!

「よし、取り出すぞ!」

みんなに離れてもらい、〈金箱〉から取り出すと、まるで四次元ポケットから出てきたようにでっかくなって雪の上にドンと置かれる。

その大きさは5メートルくらい。なかなかに大きい。奥行きは1メートルくらいかな。

「アイランド型キッチンだ! おっきい!! ってちょっと待って、今高さ変わった!」

「キッチンに高さ調整機能がある、だと!? 料理を作る人にあわせて高さを自動調整してくれるっぽいな」

「『解析』出ました。これは――〈上級システムキッチン・アイランド型〉と言うようです。加工台の一種で、【調理師】系の上級職が主に使う、生産アイテムですね」

「これ欲しい!!」

エステルが〈幼若竜〉で調べた結果を述べると、秒でミリアス先輩は陥落した。

「エステル様、『ティー』系に何か付与効果などはございますか?」

「――いえ、『ティー』系の生産アイテムではないようです」

「そうですか。ありがとうございます。――ゼフィルス様」

「おう、了解だ」

セレスタンが瞬時にエステルに効果を聞いてくれた。その答えを持って〈エデン〉では不要なものだと判断した様子だ。

ならば、話は早い。

「そんなに欲しいなら、〈エデン〉はこの〈上級システムキッチン・アイランド型〉をミリアス先輩個人に貸与しよう」

「! ほんとに!?」

「おう。その代わり、うんっと美味しく、そして付与効果増し増しな料理アイテムを期待する」

「!! そんなことで良いなら任せてよ! もうね、私の 職業 ( ジョブ ) が叫んでるの、これならとんでもないものが作れるって! 期待しててよね!」

息巻いたミリアス先輩が腕まくりしようとして、水着姿でできず、ちょっと締まらない結果にはなったものの、これはミリアス先輩に貸与することに決まったのだった。

そして、ボス部屋から出て、40層の 救済場所 ( セーフティエリア ) に戻るとミリアス先輩が早速腕を振るうと言い出したのだ。

「こんな素晴らしい秘境と温泉に連れて来て感謝するんだよ〈エデン〉のみなさま方! ちょーっとだけ待っててね。お礼に私がとってもおいしいもの作っちゃうから!」

そう言って、運搬のために〈 空間収納鞄 ( アイテムバッグ ) 〉に仕舞っていた〈上級システムキッチン・アイランド型〉、通称〈上級キッチン〉を取り出すと、その場で調理開始。

その後ろで俺たちがボス周回をこっそりしていても気が付かないほどの集中力を発揮し、なんとたったの1時間ほどで満漢全席もかくやという、大量の料理を作り出したのだ。

「おお! この寒い環境でも全く冷めてない!?」

「保温効果付きだよ! 作ってからしばらくは、その料理が最も美味しく感じられる温度で保温されるんだって! この〈上級キッチン〉、本当に凄いよ!」

「そりゃすごいな!」

ちなみに熱すぎて飲めないとかそういうことも無いそうで、ちゃんとその人が味わえる温度まで調整してくれる効果まであるのだとか。なにそれ!? 超ファンタジーじゃん! ゲームにはもちろんそんな効果なかったぞ!

「さあ食べて食べて! 〈エデン〉のみなさまに、豪華なお返しをプレゼントだよ!」

「それじゃあありがたくいただこうか!! みんな席に着いてくれ! 『湯着』スキルの残り時間には注意してくれよ!」

雪景色が広がる 救済場所 ( セーフティエリア ) にドデカいテーブルがスタンバイされ、水着姿のメンバーたちがどんどん席についていく。

「いただきます!」

「「「「いただきまーす!」」」」

早速実食だ!

「うおお!? なんだこれ? めちゃくちゃ美味しいな!」

「ほんと、すっごく美味しいですミーア先輩!」

「今まで食べたどんな料理よりも美味しいと断言しますわ!」

「お、美味しくて、昇天しちゃいそう、でしゅ!」

「にゃ、にゃん」

料理がこれまたとても美味かった。というか美味すぎだ!

味、食感、のどごし、香りなどなど、全てにおいてパーフェクトであり、その料理の美味さを最高峰まで高めているんじゃないかと思わせる味わい。

あまりの美味しさにカルアが猫になるほどの衝撃を受けていたほどだ。

「こ、こんなの食べたら、もう前には戻れなくなりそうです!」

「ああ~ん美味しい~! ラクリッテちゃん、これなんか特にすっごいよ!」

「どれも美味しいわ! ミリアス先輩、とても素晴らしいわよ! 私の専属にしましょう!」

「宮廷料理人に内定!?」

「確かに、これほどの美味しさは宮廷でも。いえラナ様、毎日こんな料理を食べていたら絶対に舌がダメになります。やめてください」

「ええー??」

「あ、焦った」

〈上級キッチン〉を当てたメンバーも大満足。これは素晴らしいものが当たったんだぜ!

もちろん味だけじゃない。バフも最高だった。

「こ、これ短時間30分だけだけど、STRが50%上昇って何これ!?」

「効果が凄い! 効果が凄いんだよ! これも3時間効果継続でINTとRESを25%ずつ上昇だった!」

「こちらは命中率60%上昇に加えてDEXを35%上昇するみたい、ほんとどうなってるの!?」

サチ、エミ、ユウカの言う通り、もう料理バフが神域にまで達していたんだ。

これでまだ六段階目ツリーを残してるんだぜ? 震えるだろ?

「ゼフィルスさん、このクリームシチューとても美味しかったの、はい、食べてみて」

そうタバサ先生によってよそわれるクリームシチューはまるで黄金のようだ。

「ありがとうタバサ先生! ぬふお!? こ、これすごく美味いな! 何これ濃厚過ぎる!?」

「あ! え、えっとゼ、ゼフィルス君! これも食べてみて! ミーア先輩の力作だよ!」

「お、おう。いただこうか……!」

あれ? なんか今『直感』さんが反応したような?

き、気のせいだよね?

なお、シエラはちょっと遠くの席に居たためジト目でじーっと見つめてくるだけだった。

なんだか分からないがやったぜ!

タバサ先生とハンナに挟まれながらどんどん食べていく。

なお、タバサ先生があーんしようとしたところで『直感』さん発動! 同時にラナが発見、そのまま一悶着あったのだが、これは割愛させてもらおう。

「うふふ、喜んでもらえて良かった~。――みなさん! 私はこれからもたっくさん上級料理アイテムを作るよ! このいただいた〈上級キッチン〉で! 今回は〈秘境ダン〉に連れてきてくれてありがとう! 〈エデン〉の料理は、私が支えます! みなさんも、これからも攻略がんばってね!」

「「「わぁ~~~!!」」」

宴会発生!

多くが水着姿で、完全に雪一面の 救済場所 ( セーフティエリア ) で打ち上げだ!

乾杯乾杯!

こうして〈秘境ダン〉への慰安(?)は大成功に終わる!

冬休みも最終日だが、そんな憂いは欠片も無い。

みんな、最後まで〈秘境ダン〉と打ち上げを楽しんだのだった。

第三十五章 ―完―

――――――――――――――

あとがき失礼いたします。

読者の皆様、ここまで読んでいただき、誠にありがとうございます!

書籍化デビューして3周年を迎えました!

この場をお借りし、深く深く感謝を申し上げます!

デビュー3周年! やったー! すごーい!(ドンドンパフパフ!)

3周年でもうすぐ12巻発売。いやぁ、頑張りましたね。

実はネクストに投稿している〈プレモン〉も今日で1周年。

この1年、ダブル毎日投稿とか、よくできたなぁとしみじみ。

ですが、まだまだ頑張りますよ! この調子でこれからもガンガン発売・投稿し続けます!

でもデビュー3周年と〈プレモン〉1周年はすごく嬉しいので、作者、明日はちょっと旅行に行ってきますね!

1泊2日で久しぶりのお休みじゃー! 温泉入ってくるー!

ということで明日は感想返しできません!

でも投稿は予約はしておきますので御安心ください!

また、近況ノートに次章予告を貼り付けました!

次章がちょっと気になる方はどうぞ!

https://kakuyomu.jp/users/432301/news/16818622170969265046