第1629話 六段階目ツリー攻撃で〈東1巨城〉の争い決着
第1629話 六段階目ツリー攻撃で〈東1巨城〉の争い決着
―――『ゴッドドラゴン・カンナカムイ』。
【救世之勇者】が持っている六段階目ツリー。
最強の魔法攻撃だ。
初手、最強魔法。
ゼフィルスの剣が振られると、そこから竜の姿をした特大の雷が巨城を飲み込まんと放たれたのだ。
アリスの〈五ツリ〉最強技『雷竜アターック』よりも強大で強力なそれは、ビリビリビリビリと轟雷を纏いながらたった一発で巨城のHPをごっそり削って行く。
「な、なんだそりゃあああああ!?」
「デッカ!?」
「か、かっけぇ……」
これには〈天下一パイレーツ〉も思わず見とれる。後続がようやく追いついてきたらとんでもないものが〈東1巨城〉を削っていた件。
神々しい雷の竜はその強力な威力を発揮しきって消えていったのだった。
「巨城のダメージが、は、半端なく削れてるんだが!?」
「俺たちより5倍くらい削ってない!?」
「あかん!」
マジあかん。
たった二撃。
カルアとゼフィルスが2人だし。自分たちは5人+4人で合計9人だし、何とかなるだろうと思っていた〈天下一パイレーツ〉だったが。
たった二撃で自分たちが今まで与えたダメージを軽く超えるクラスを出されてしまったことで青ざめる。然もあらん。
ここに来て、とうとう〈天下一パイレーツ〉の一部が「あれ? 〈エデン〉って思ってた以上にやばくね?」と気が付いた。とても遅すぎる気付きだった。
「大体巨城耐久は分かった。このまま1割のところまで削るぞカルア! 例のスキルは温存しておけ!」
「ん! 『64フォース』! 『128スターフィニッシュ』!」
「『聖剣』! 『フィニッシュ・セイバー』! 『スターオブソード』!」
ここでゼフィルスとカルア、温存に入る。
ダメージこそ普通に高いが、さっきとは比べものにならないくらい落ち着いたせいで〈天下一パイレーツ〉も「な、なんだ。さっきのは特別なスキルだったんだ。ひょっとしてユニークスキルを使い切ったのでは?」とか思っていた。
何が何でも理由を付けて自分の都合の良いように安心材料を探してしまうのは、まあ仕方がない。
だが、ここでサターンたちが到着する。
「お前たち! 油断してるんじゃない!」
「ふふ、そうです! ゼフィルスにここまで侵入されている時点で大変なことだと思い知りなさい!」
「気を引き締めろや!」
「俺様だけじゃない。ゼフィルスも忘れてもらっては困るぞ!」
「「「「!!」」」」
ここでサターンたち合流で合計9人。
巨城を削るスピードが〈エデン〉の2人のダメージを上回る。いける。
安心材料を探している場合ではない。
本気の本気、気を引き締めまくって全力を出さなければ〈エデン〉には勝てないのだと思い出したのだ。
サターンたちの気迫は、まさにゼフィルスたちへの油断を忘れさせるものだった。
「喰らうがいい、これが我がパワーアップした魔法の力よ! ユニークスキル――『究極魔法・インフェルノバースト』!」
「ふふ! 僕たちは、強くなったのです! ユニークスキル――『究極奥義・ 破壊天剣 ( はかいてんけん ) 』!」
「上級職の力ってやつを見せつけろ! ユニークスキル――『太陽落とし・デストラクションティーラ』!」
「俺様の力を忘れてもらっちゃ困るぜ! ユニークスキル――『 英傑運命 ( えいけつうんめい ) ファインアップ』!」
ズガガーーーーンと、ここで超強力な威力が弾けまくる!
それはサターンたちの上級職。
モニカの奮闘により、サターンたちも上級職に、そしてLVも五段階目ツリーを開放するまでになっていたのである!
「おお、あれは!?」
ゼフィルスもチラッと見えて驚いた声を上げる。
そのユニークスキルから、該当する 職業 ( ジョブ ) を瞬時に思い浮かべたのだ。
「【魔に落ちた 暗黒魔道師 ( あんこくまどうし ) 】に【 破壊道 ( はかいどう ) を進む 剣壊 ( けんかい ) 】に【 撃滅斧破 ( げきめつおのやぶ ) り】に【 運命 ( さだめ ) の戦士】!? なんでキワモノばかりにいっちゃうかな!?」
ゼフィルスもおどろくそのラインナップ。
サターンたちは、なぜか揃いも揃って変な方向へ〈 上級転職 ( ランクアップ ) 〉していた。しかもみんな高位職なのだから凄まじい。
レア度に直すと――闇落ちでレア度が上がってSSR、といったところか。そんなラインナップだったのだ。
サターンの暗黒の業火が巨城を焼き、ジーロンのもはや斬撃かも怪しい破壊の衝撃が巨城を襲い、トマは太陽のような強力な火の球を斧の先に産みだして叩き付け、ヘルクは相当強力な自己バフを自分に付与して斬ったり盾で殴りかかっていた。
その威力はさすがのユニークスキル。
特にジーロンとトマの破壊系が巨城には特効を持ち、大きく巨城を削ったのだ。
「俺たちも続くぞ!」
「行けるぞ! スキルを叩き付けろ!」
「序盤だが、もうここで全力を出し切るんだ!」
盛り上がる〈天下一パイレーツ〉。
そしてついにその時が来る。
〈50人戦〉の膨大なHPの巨城が、後もう少し、1割というところまで減った。
そこでゼフィルスが小さく「――よし、ここだ」と呟く。
サターンたちはそれよりもかなり遅れてラストアタックの最後のスキルを発動せんとした。
もちろんゼフィルスたちの方が早い。
「カルア!」
「ん! 準備万端!」
「いくぞ、合わせてくれ! 『カリスマ』!」
2人ならば時間で合わせることなんてしなくても、〈ジャストタイムアタック〉は可能。それほどゼフィルスとカルアは長く連携を共にしてきたのだ。
短剣のカルアよりもゼフィルスの大技の方が時間が掛かるため、先にゼフィルスがスキルを発動し、それが着弾するところに合わせてカルアも叩き込む寸法。
実は先程から、巨城へゼフィルスたちはアタックしていなかった。
もちろん時を見計らっていたからだ。
2人の大技による〈ジャストタイムアタック〉で落とせるHPに減るまで、その時を待っていたのだ。
〈天下一パイレーツ〉は9人。その最強攻撃の〈ジャストタイムアタック〉を持ってすればゼフィルスたちが待っている残り1割までHPを減らすことなく、一瞬で削り取ることも可能だった。
つまり、ゼフィルスが待っているのは1割、残りHPが10%地点。〈天下一パイレーツ〉は一気に15%を削れるので、残りHPが15%の時点で〈ジャストタイムアタック〉を決行すれば〈東1巨城〉をものに出来たのだが、上級職になったばかりのサターンたちでは、〈ジャストタイムアタック〉は身に着けられていなかった。
あといきなりユニークスキルをぶっ放したので、今は15%削れないおまけ付き。
とはいえもしここでサターンたちがユニークスキルを温存し、15%のところで〈ジャストタイムアタック〉を決めに来た場合は、ゼフィルスとカルアで全力で対人戦に移行してかき乱し、後続を待つ算段だったのでむしろセーフ?
こうして巨城のHPはそのまま1割に届いた。ゼフィルスが計算して弾き出したダメージに届き、次の〈ジャストタイムアタック〉で一発で落とせるHPだ。
ゼフィルスがほくそ笑みながらスキルを発動する。
「『 天光勇者聖剣 ( あまのひかりのゆうしゃせいけん ) 』!」
「『512・ヘル』!」
それは強大な敵にトドメを刺すであろう、最後の必殺技にも通じる光の奔流。
―――『 天光勇者聖剣 ( あまのひかりのゆうしゃせいけん ) 』。
聖剣の光を最大化した巨剣は、凄まじい光を放ちながらも巨城へ吸い込まれるようにしてぶった斬る。
どんな大きさのレイドボスも関係無い。この一太刀でぶった斬る。そんな思いのこもったような一撃が巨城に直撃した。
その直後、否、直前にカルアも巨城を斬っていた。
それは六段階目ツリーで新たに発現した『256ジ・エンド』、さらにその先のスキルである。
256の時点で、最低1斬1ダメージと換算しても256ダメージ食らう超強力な斬撃が、さらに倍になって512になっちゃったのだ。
もし1斬5ダメージ入ると換算すれば2560ダメージ。
ゼフィルスでも耐えられないほどのとんでも攻撃である。まさにヘルモード。
カルアの最強攻撃スキルだった。
「今だ! 全員揃えろ! 業火に焼き尽くせ! ―――『ハザードプロミネンスアグ―――あ?」
「ふふふ―――は?」
「―――あ?」
「―――へ?」
巨大な剣が発生し、叩き込まれる様子はサターンたち〈天下一パイレーツ〉からもハッキリ見えていた。
そして当然だが、サターンたちが一斉攻撃を放つ前に放たれた『 天光勇者聖剣 ( あまのひかりのゆうしゃせいけん ) 』は、その直撃と同時に512の斬撃が叩き込まれ、〈東1巨城〉のHPをゼロにしてしまったのだった。
―――〈東1巨城〉、〈エデン〉獲得。
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あとがき失礼いたします!
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