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第1679話 来るかイベント!!〈エデン〉が挑む〈竜の試練〉

ゲーム世界転生〈ダン活〉~ゲーマーは【ダンジョン就活のススメ】を 〈はじめから〉プレイする~ — kakuyomu.jp · All chapters

第1679話 来るかイベント!!〈エデン〉が挑む〈竜の試練〉

ダンジョン週間が終わってから、俺はちょっとだけ忙しくて〈竜ダン〉で密かに撮りまくっていた〈竜〉の写真や、61層以降の素材群を学園長や研究所の方へ持ち込んだりした。

みんな、この世紀の大発見に大きく沸いていたよ。

なにせこの世界では野生の〈竜〉は未発見。

〈亜竜〉が見つかったのだし、実際のテイムされている〈竜〉も確認していたが、ダンジョンに登場するのを確認したのは俺たちが初めてだったのだ。

ミストン所長なんて「ははははは! 私は夜寝ないぞ!」とか言ってはしゃいでいた。うむうむ。夜寝ないワクワクする気持ち、よくわかるんだぜ。

逆に学園長は一瞬でスヤスヤしていたよ。きっと夜のためにエネルギーを溜めているに違いない。

結局その週の平日は上級上位装備の量産態勢を支援するなど、忙しく過ごしたことでダンジョンにはなかなか入れなかったよ。

ソドガガや他のみんなは結構61層に入っていたらしいけどな。おかげで素材だけ見ると相当な数が集まってた。〈採集無双〉頑張りすぎだぜ。

次の土曜日からは俺も加わり、丸1日使ってがっつり攻略を再開した。

「ギャアオオオオオオオ!!」

「とう! 『神世界インフィニティ』なのです!」

69層でもルルが〈竜〉のエリアボスにトドメを決めて勝利する。俺たちの快進撃はまだまだ止まらないんだぜ!

〈竜〉VSルルの最後の激突なんて手に汗握ったよ。あれがヒーロー。

ルルの勇姿を、しっかりスクショに収めてしまったぜ。パシャパシャ。

「ああ、ルルこそ正義です!」

「おおーいシェリアちゃーん、目を覚まして~」

「ダメですね。いつも通り、シェリアさんはルルちゃんにメロメロです」

こっちでは後方で魔法を撃ちまくっていたシェリアがうっとりしていた。

エリサが背伸びをして目の前で手を振るが反応無し。

フィナも肩をすくめていたよ。うむ。いつもの光景だな。

きっと後でこっそり背後に忍び寄って「ゼフィルス様」とか話しかけてくるに違いない。警戒しておかなければ。

「ルルもついに竜を討ち滅ぼすヒーローになったのです!」

「はい! これからルルはドラゴンスレイヤーですよ!」

「ドラゴンスレイヤー! とてもかっちょいい響きなのです!!」

うむ、ルルも興奮していらっしゃる。

シェリアからのべた褒め、を通り越してもはやデレ褒めを受けて目をキラキラにしていたよ。でも〈ドラゴンスレイヤールル〉。その名前かなり良い響き!

「はいはい。――ルル、楽しみはここからよ。宝箱を開けなくてもいいの?」

「あい! もちもちのもちっこなのです! シエラも一緒に来るのです!」

「あれ!? 私は!?」

「シェリアお姉ちゃんもくるのです!」

「喜んで参りましょう!」

シェリアが無駄にキリッとして宝箱に向かうのに付いて行く。

61層に突入してからというもの、宝箱は良いのが出っぱなしなのだ!

さすがは〈竜〉ボスの宝箱。エリアボスからでもかなりのものがドロップする。

そして今回ゲット出来たのは――〈竜の鍵〉というアイテム。

「鍵?」

「鍵というと、もしかしてあそこの、かしら?」

鍵と言えばすぐに思い当たるのは〈隠し扉の万能鍵(金)〉。

どんな扉も解錠することができる万能鍵だ。

しかし、実は道中、65層でこの万能鍵でも開けられない扉を発見していた。

みんなピンと来たみたいだな。

まあ、該当するものがそこしかないもんな!

「おそらくそうだろう! これは試さずには居られないな! リーナ!」

「もちろんですわゼフィルスさん。一度70層に向かい、65層に転移しましょう」

どうやらリーナも同じことを思っていたようですぐに方針が決定する。

「大賛成だ! ――みんな、聞いての通りだ! これから65層にあったあの扉にこの鍵を試したいと思う! 付いて行きたい人!」

「「「「「はーい!」」」」」

全員だった。さすがは〈エデン〉のメンバーたち。よく分かっている。

あの扉は、きっといつものアレなのだと。

「カイリ、ユニーク頼む!」

「オッケー! 『階層牽引インストラクター』!」

全員参加が決まったので即でカイリに指示を出した。

カイリのユニークスキルが鬼強い。

俺たちは階層門を潜らずに70層へ到着する。

「よし、カルア!」

「ん?」

そのままのノリでカルアの方を向けばカルアもノって――いや、ハテナマークを浮かべて振り返ってきたので指示を出す。

「急ぎ70層の守護型ボスを倒すぞ! ショートカット転移陣を起動し、65層へ向かうんだ!」

「! ラジャ! 『エージェント猫召喚』! 『ネコの探知はごまかせない』!」

「「「ニャー!」」」

ここでカルアの気も引き締まって猫ちゃんたち登場。

カルアの六段階目ツリー、『ネコの探知はごまかせない』でがっつり70層を調べ上げていく。

影にトプンと潜って消えた猫3体と、カルアが『ソニャー』と同じように耳の後ろに手を置いて耳を澄ませれば、大体の情報が入ってくる。

「ん。エリアボスみたいなのと階層門みたいなの見つけた」

「お、運が良いな!」

「はぁ~。そういうの見つけるの私の仕事なんだけどな~」

カルアの猫ちゃん超優秀。

影から顔だけ出した3体の猫ちゃんズは、なんとエリアボスと階層門を見つけてきてしまったのだ。

カイリの『エリアボス探知』とリーナの『階層門発見』のお役御免!?

まあ、安心して欲しい。カルアの探知は有効範囲が比較的狭い。

カイリとリーナはフィールド全体を効果範囲にできるが、カルアの探知はカルアを中心にした周囲のみ、猫の行動範囲までだ。故に運が良いとこういうことが起こるし、運が悪ければなんにも発見できないということもある。

とはいえ他にも徘徊型、通常モンスター、宝箱など、近くにあるものなら軒並み探知してしまうのがカルアの利点だ。

「守護型ボスはこれですわね!」

「みんな、ルートを提示するよ! 『安全ルート探知』!」

すぐに〈竜の箱庭〉で守護型ボスがどこに居るのかも調べ上げてカイリが安全ルートを提示し、一直線に向かう。

道中の大型〈竜〉モンスターも難なく撃破だ。〈竜〉は強いが、俺たちの方が強い! というかボスでも勝てないんだから通常の大型モンスターじゃ勝ち目無し!

「守護型ボス発見! 『看破』します!」

「『みなさんエリアボスが接近していますわ! 方向は西! 迎撃してくださいまし!』」

「おっとここで〈エリアボス参戦現象〉か! 了解だリーナ!」

時々守護型ボスに近づくとエリアボスまで仕掛けてくるようになったのだからなかなかにパナイ。

だけど想定内。指揮役のリーナの指示で階層門開放部隊を分け、エリアボスを迎え撃ち、守護型ボスも同時に撃破する。

「70層の守護型ボスは――あれは〈バハムート〉です!」

「ワダラン来ちゃった!?」

「ガアアア!」

なんと70層ボスはアルテのテイムモンスター、ワダランと同じ種の〈バハムート〉だった。ボス補正で守護型の方が大きくてワダランが珍しく対抗意識を表している。

ということで、守護型はアルテの居る4班に任せることになった。

「それじゃあそっちは頼むぞルル」

「あい! 〈ドラゴンスレイヤールル〉の力を見せちゃうのです!」

ちなみに4班はルル、シェリア、アルテ、キキョウ、アリスだ。見事なロリメンバー。アルテはギリギリロリじゃない気もするが、騎士爵の中では小さい方なのでまあ加えてもいいだろう。

ここでまさかの〈バハムート〉対決だ。

ちなみに参戦しようとしてきたエリアボスは〈雷竜〉。61層エリアボスだった〈火竜〉と同系列のボスだな。

「とう!」

「ガアアアアア!」

「おお! がんばれワダランー!」

ルル、シェリア、アリスの攻撃がガッツンガッツン守護型ボスに突き刺さるが、なぜかヒーラーアルテのワダランも攻撃に参戦中だ。負けられない戦いだな。

「とう! 『ヒーロー・スターレイ』!」

「ガアア!?」

「今なのです!」

「はい! ワダランいくよ! 『ブラストエンゲージストライク』!」

「ガアアアア!!」

そして最後はルルが大きなノックバックを取ったところにワダランに騎乗したアルテが騎乗突撃系の最強スキル、『ブラストエンゲージストライク』で突っ込み、HPをゼロにしたんだ。

「ガアアアア!!」

おお、ワダランが喜んでる喜んでる。

なんか普段〈竜〉系にビビってあんまり自己主張とかしない子だったけど、一皮むけたかもしれないな。

だが、本番はここからだ。70層の守護型ボスと――ついでにエリアボスを倒すとショートカット転移陣が現れたので、あとから〈イブキ〉で追ってきたリーナたちも含めて登録する。

この〈竜ダン〉では〈スターライト〉はデカすぎて使えなかったので小回りの利く〈イブキ〉で移動だ。

「それでは一度1層に戻り、そこから65層に転移しますわよ!」

「移動開始だ!」

「「「「おおー!」」」」

ただ65層の鍵を開けに行くだけで全員で向かう必要は無いのでは? そう思うかもしれないが、みんな分かっているのだ。

あの扉、何かあると。

故に全員が見に行きたいのである。

せっかくの先駆者だ。イベントを見ないなんて勿体ない。

〈万能鍵(金)〉で開けられなかった扉なんて、今まで1つも無かったのだ。

これは大きなイベントの予感がするだろう。

そして、それは当たり。

扉の先には、レアイベントボスが待ち受けているのである。

「着いたわ」

「この洞窟の大きさにしては、小さい扉よね!」

「はい。これでは〈竜〉は通れないでしょう」

65層にある扉。そこは重厚な門構えではあったが、明らかに〈竜〉が通れないような、小さい門だった。

それでも縦横2メートル以上あるのだが、どちらかというと人用である。

もっと言えば、人は入って良し、だが〈竜〉は出てはいかん。

そう言われているような門だったのだ。

「それではゼフィルスさん、お願いいたしますわ」

「おう。それじゃあ開けてみる。みんな、一応警戒を忘れずにな」

そう言って俺は門に鍵を差し込んだ。

後ろではタンク組が盾を構え、なにが出てもいいようにしている。

みんな、慣れたものだ。

俺だけタンクに守られていないのは、深く考えてはいけない。

ガチャンと鍵を回すと、予想通り鍵が開いた音が聞こえてきた。

レアイベントボスで今まで鍵が必要な場所なんて無かった。

つまりここは、普通ではない扉、ということだ。

瞬間、門から声が聞こえて来た。

「『 汝 ( なんじ ) 、資格を持ち、試練に挑む者よ』」

「「「「!」」」」

門の上にはいつの間にか竜の石像が現れており、その口から発せられている。

おお、なんだか心が震えてきそうなシチュエーション!

「『ここは〈竜の試練〉。ここから先は100の〈竜〉が試練を与える。全員で挑み、見事試練を超えてみせよ、資格ある者よ』」

そう短く宣言したと思えば、石像は何も言わなくなってしまった。

「竜の、試練?」

「どういうことかしら?」

「資格ありし者とは、〈竜の鍵〉を持っている者ってことでしょうか?」

「これは 上級下位 ( ジョーカー ) のレアイベントボスの時と同じような展開だな」

「そういえば居たわね。喋る門番が。ということはレアイベントなのかしら?」

俺の言葉に〈火口ダン〉のレアイベントを思い出したシエラ。

いきなり喋ってきてびっくりしたみたいだが、実は〈竜〉にかかわるイベントって、なんかみんな喋るんだよ。

あの時は入る者を拒むスタイルで、交渉する前に決裂して襲われてしまったが、今回は入るもの拒まずというスタイル。

門番のセリフからしても、これが人用である事が分かるだろう。

瞬間、ガチャリと音がして門扉が内側に開かれていく。

「全員で入れって言ってたな」

ここ重要。なので俺が今一度みんなに言っておく。

「中は、よく見えないわね」

「ん? んん? 階層門に似てる」

「カルアさんもそう思いますか? やはり、この先は別のフィールドに繋がっているみたいですわね」

「新しい階層門、というわけか」

シエラとカルアが真っ先に覗き込むが、門の先は光で見えない。

リーナとリカが呟くと、全員に緊張やワクワク、興味など様々な感情が走った。

「どうするのよゼフィルス」

そして、こういう時に頼りになるのはラナ。

ラナはこういう時、俺の欲しいセリフをくれるのだ。

俺はそれに自信に満ちあふれた笑顔で頷き、振り返る。

「決まってる。ここまで来たんだ! いっちょ潜ってみようじゃないか!」

そう俺が宣言すると、さっきまでの動揺が綺麗に収まり、気持ちが纏まったのを感じた。

「ゼフィルスが言うのなら、私は付いて行くわ」

「わたくしも同じく、ですわ。これほどの場所、きっと見た事も無い景色が広がっているのでしょう。何があるのか、この目で見て帰りますわ」

「私も同じ気持ちよ! ここまで来てスルーなんて許さないわ! みんなでその試練とやら、超えてやりましょうよ!」

全員の気持ちが、1つになる。

俺は全員を見渡して、宣言した。

「どんな試練だろうが〈エデン〉ならば乗り越えられる! みんな、俺を信じてついてこい! 行くぞ!」

「「「「おおー!!」」」」

挑むのは摩訶不思議、〈竜の試練〉。

だが、なにが待ち受けていようとも〈エデン〉ならば大丈夫。

そう強く信じる俺たち全員は、迷わず門を潜っていったのだった。

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あとがき失礼いたします!

昨日〈ダン活〉コミックス20話が更新されました!

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シエラの台詞「ゼフィルス 大好き」が目印です!