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第1871話 エリアボス戦ではニーコが食べられた金箱回!

ゲーム世界転生〈ダン活〉~ゲーマーは【ダンジョン就活のススメ】を 〈はじめから〉プレイする~ — kakuyomu.jp · All chapters

第1871話 エリアボス戦ではニーコが食べられた金箱回!

「おお! 徘徊型からは〈金箱〉が出たぞ! しかも2つも!」

「こっちも〈金箱〉よ!」

「やったのですアリスー!」

「ルルお姉ちゃーん!」

俺とラナでイエーイとハイタッチ。

ルルとアリスもハイタッチだ。

徘徊型とエリアボスの役割分担、完璧にこなしたことで一度合流。

お互いに無事と〈金箱〉を喜び合った。

「しかし、〈エリアボス参戦現象〉は少し肝が冷えましたわ」

「わ、分かる。私たち 10 ( サポート ) 班も徘徊型と戦ってたし、リーナさんもゼフィルス君も こっち ( 徘徊型 ) 側に居たからね」

「安心しろってカイリ、向こうには万が一に備えてラナやメルトの班を残しておいたんだ。結果はご覧の通り、全く問題無く勝利だな」

「さすがはゼフィルスさんですわ」

頼りになる仲間が多くてふはは!

リーナから尊敬の視線までもらってさらにふははだ!

「でも問題が、アイコンが合計で11以上になった時よ。徘徊型が6だから、もしエリアボスが5を超えてきたら10パーティしかいない私たちでは対処が回らなくなる可能性もあるわ」

「確かにそうですわね。考えさせられる事態でしたわ」

シエラの言葉に指揮官のリーナもことの重大さに悩ましげな声で呟く。

まあ、その心配は要らないんだけどな。ゲームでは、最大10パーティで挑むダンジョンだから11パーティを要求されることはないのだ。

エリアボスだって、最大アイコンで4までしか存在しない。

ここは80層で守護型ボスが出る階層ではあるが、徘徊型ボスは守護型ボスのパーソナルフィールドに入ると逃げていくため、3種のボスが交わることもないしな。

まあ、それは俺が知らないはずの設定なので言わないが。

「ま、襲われた場所が入り口の階層門の前なんだ。もしもの時は1つ前の階層に逃げ込めば良いさ。徘徊型が追いかけてくる前に〈転移水晶〉を使えば逃げられるしな」

「確かにそうですわね」

今俺が言ったのは、実際使われていた戦略的撤退戦法だ。

ただ、徘徊型はなぜか追いかけてこず、80層に留まっているのでどのみちエリアボスと徘徊型の参戦現象を突破しないと先に進めない仕様だったんだけどな。

逃げるというか、体勢を立て直すという意味で前の階層に避難するという感じだ。

「とはいえ、ラナたちはよくエリアボスを倒してくれたな!」

「割と楽勝だったわ! あの丸い猫、猫? とにかくあの巨体で転がり攻撃してきたりとちょっと驚いたけど、キキョウが禁止にしてたしね」

「おぅ~。そいつはまた難儀な」

10メートル級のまん丸な〈怠惰な暴食猫・クレイジーニャークロー〉は、すでに自力で歩けなくなっている〈デブ猫〉だ。さすがは〈デブニャン〉の最終進化系。

しかし、その大きくなった身体での転がる攻撃はかなりの威力の直線範囲攻撃で、転がる方向によっては徘徊型と戦っているメンバーにまで被害が出るなど、かなり厄介な攻撃だった。まあ、6班のキキョウが転がる禁止にしてしまったらしいが。

「また、息を吸い込む攻撃もあったな。俺たちを食べようとしていた。実際吸い込まれてしまったニーコが一時期食べられる事態も起こったほどだ。アレには焦った」

「い、いやぁ、貴重な体験だったよ。猫に食べられると、〈毒〉とか〈麻痺〉とか〈呪い〉とか〈魅了〉とか、とにかく大量に掛けられてしまうんだ」

「ニーコ食べられてたのか!?」

「一瞬だったわ。〈ス~~、ニァップン〉って吸い込んだときにはすでにニーコがベロンベロン舐められてたのよ」

メルトの報告に度肝を抜かれかけたが、でも食べられた本人は貴重な体験ができたと笑っている。

ボス戦をいやいやしていた割には、なんだか楽しそうだ。それ、俺も見たかったなぁ。

「状態異常なんかは私が即で回復したわ!」

「ああ、それに2度目の吸い込み攻撃からは俺の重力で対抗してな。口に吸い込まれるのも、重力で引き寄せる魔法でなんとか相殺できた。それからは被害無く倒せたな」

「メルトも大活躍だったんだな」

エリアボス組の撃破も祝った。

「それじゃあ、お楽しみの〈金箱〉タイムに移ろうか!」

「待ちくたびれたわ! 私は――こっちの〈金箱〉を開けても良いかしら?」

「良い訳ないだろ!? そっちは徘徊型の〈金箱〉じゃないか!」

ラナが倒したのはエリアボスである。

徘徊型はレジェンドがドロップするので開けたい気持ちは分からんでもないが、渡さない!

もちろん公平にクジ引きで誰がツモするか決めたよ。

すると徘徊型ボスの2つの〈金箱〉を開けられる当たりを引いたのは――なんとアイギスとアルテの〈竜騎姉妹〉だったんだ。

「わ、私たちですか? 凄い偶然ですね」

「相手がドラゴン? 猫? だったですから、きっと私たちに開けてもらいたかったんですよ!」

「どういう理屈ですかアルテ」

いや、案外アルテの理屈が的を射ているかもしれないぞ。

なにしろ〈幸猫様〉がお決めになられているのだ。きっと〈幸猫様〉も今回引くべき人物を分かっているのだ!

「な、なぁ~~!?」

「あ、当たってしまったでやがります。えっと? これはどうすればいいんでやがりますか?」

「ラナなら気にするなモニカ。普通に開ければいいさ」

「……了解でやがります」

ちなみにエリアボスの〈金箱〉1つは、なんとモニカが当たりを引いていた。

白のクジに愕然としているラナはいつものことなのでスルーしていい。

モニカが「本当にいいんでやがりますかこれ? 譲った方が?」みたいにこっそりクイナダとゼルレカに聞いているが、2人ともその辺もうすっかり〈エデン〉に染まっているため「それはモニカが開けて良いんだよ」「おう、良いの当ててやろうぜ!」という言葉を頂戴していたよ。

「これが、〈エデン〉のモチベーション、ってやつなのかもしれねぇでやがりますね」

「そうそう。モニカも分かってきたね!」

「最初はビックリするけどそのうち慣れっから。ま、気楽にいけばいいぜ」

「2人とも完全に〈エデン〉に染まってやがります!」

ふっふっふ、なんかモニカの反応が新鮮でとてもいい。

クイナダもこの間戻って来たばかりだというのに、〈エデン〉に染まったままだったからな。もうちょっとリフレッシュしてきてもいいんだよ? と思っていたんだ。

ここはモニカで色々摂取しておかなければ。

そんなことを考えながらモニカを見つめていると背後からジト目の気配が!

こ、これは間違い無くシエラのジト目の気配! 俺には振り向かなくても分かる! ひゃっほー!

「それじゃあ〈金箱〉を開けるぞ! まずはアイギスから!」

「はい! では、僭越ながら、私から開けさせていただきたいと思います」

そのままのテンションでアイギスに振れば、少し緊張の面持ちのアイギスが〈金箱〉の前に座った。お祈りタイム!

「〈幸猫様〉〈仔猫様〉〈愛猫様〉どうか良いものを。よろしくお願いいたします」

「これも〈エデン〉流の箱開けなんでやがりますよね。いつ見ても不思議な光景でやがります」

「でもね、これをすると本当にいいのが当たるんだよ」

「御利益あるんだ。うちの猫様たちは」

「あたしも〈エデン〉に最初加入したときゼフィルス先輩から真っ先に紹介されたでやがります。あの時は訳が分からなかったでやがりますが、真面目にとんでもねぇものでやがったんですね」

モニカとクイナダとゼルレカの会話に耳を傾ける。

うむうむ。その調子でモニカに〈エデン〉の常識を教えてやってくれ!

「では開けます――。これは腕輪?」

「お! エステル『解析』頼む!」

「はい! 〈幼若竜〉『解析』です! これは〈猫の祝福・ドラリング〉? と言うそうです。効果は、え? 防御スキル内包? あ! あの『上竜特性』を少しの間得る装備みたいです!」

「「「おおー!」」」

「え? あの〈四ツリ〉以下の攻撃がほとんどダメージにならない『上竜特性』を使うことができるの!?」

「はい。正確には、一定値に届かない攻撃の無効化ですね。当然ノックバックも無効。とても強力な腕輪のようですよ」

「凄いじゃないの!」

「え? それもしかして〈猫津波〉も耐えられる感じじゃ?」

「え? いえどうでしょう?」

アイギスが当てたのはなんと〈猫の祝福・ドラリング〉。

さすがはドラゴンなのか猫なのかよく分からない融合モンスターのドロップだ。

それは〈竜ダン〉で登場した上位の竜種が使っていた、『上竜特性』、いやあれは僅かながらダメージを受けていたが、これは完全に無効化する。つまり上位バージョンだ。

一定時間のみだが、これがとんでもない価値の装備だというのが分かるだろう。

だが、問題もある。

「でも、ボス戦ではあまり使えませんね。ボスの攻撃は強いですから」

そこである。これは要は弱い攻撃の無効化なので、ボス周回をしまくる俺たちにはちょっと微妙な品だったのだ。とはいえ〈猫津波〉なんかは一定時間ダメージを無効化してくれるので時と場合によるけどな。

〈猫津波〉にちょっと呑まれてみたい、という人向けのアクセと言い換えても良いかもしれない。

「ちょっと微妙でしたねアイギス姉さま。大丈夫です。私がもっと良いものを当てて挽回しますから!」

「言いますねアルテ。ではお手並み拝見です」

続いてアルテの番。

アルテも〈幸猫様〉たちに祈りを捧げ、いざオープン。

中に入っていたのはレジェンド色に輝くレシピ。

「では『解読』しますね。〈幼若竜〉、――『解読』です!」

キュピンとエステルに抱かれる〈幼若竜〉の目が光る。そして。

「読めるようになりました! えっと、〈 竜猫炎化大盾 ( ドラゴキャニジョンシールド ) 〉のレシピ! 大盾のレシピです! え!? それに凄いですよこれ! 単体で〈火属性ダメージ80%カット〉がついてます!」

「「「「おおー!」」」」

「それは、私の〈炎武・ 鳳凰盾 ( ほうおうたて ) 〉よりも数値が上ですね」

「シエラの『ファイヤガード』も合わされば100%カットもできるな!」

アルテが当てたのは、〈火属性ダメージ80%カット〉が着いている大盾だった。

しかもレシピである!

アイギスの〈炎武・ 鳳凰盾 ( ほうおうたて ) 〉は火属性ダメージを70%カットする非常に強力な大盾ではあるものの、レシピは存在せず1品物。

対して、こっちはレシピ。量産可能。

もう凄まじくとんでもないものだというのが分かるだろう。

これは間違い無く大当たりのレシピだった!

「うわ。相変わらず最上級でドロップするものはやべぇものばかりでやがりますね」

「最後はモニカだよ!」

「一発良いのを当ててやんな!」

「いや、これエリアボスの宝箱でやがりますからね? レジェンドは出ないんでやがりますよ?」

すでにレジェンドレアがドロップするのは徘徊型、レアボス、レイドボスのみとみんな分かっている。他の、例えばエリアボスからはどんなにがんばってもレジェンドは出ないのだ。残念ながら。

それでも流れで期待してしまうのが人の 性 ( さが ) である。

モニカも見よう見まねで〈幸猫様〉たちにお祈りし、オープンする。

そこにあったのは、【怠惰】の専用アクセ装備だった。

「〈怠惰な暴食猫・クレイジーニャークロー〉のドロップは、〈永久のゴロニャンリング〉。【怠惰】の専用アクセ装備ですね」

「って、あたいの専用装備か!?」

「さすがは怠惰な暴食猫……!」

「効果は、凄いですよHP+1500やデバフ攻撃の効果時間延長などがあります。その代わり1つしか装備できないアクセみたいですね」

「この前当たった〈お昼寝の癒し猫リング〉と合わせるとHPが2500増えんだけど!?」

「ん、とんでもない数値……!」

これもかなりの当たりだった。ゼルレカにとってはな!

というかHP2500アップって。そもそもHPが2500に届いているのはタンクでもほとんどいないんだけど?

これでゼルレカのHPは、なんか凄まじく伸びまくって1人だけ6000に迫るな。いや、マジやべぇ。

『 ライフバースト ( 自爆攻撃 ) 』系に使うHPの心配が無くなってしまう……!

「モニカよくやったな!」

「とりあえず、良いのが当たって良かったでやがりますよ。これはゼルレカに渡しておくでやがりますね」

「ありがとうモニカ! 早速使わせてもらうぜ!」

こうしてゼルレカがまたパワーアップしたな。

この調子でどんどん攻略して行くぞ!

〈猫界ダン〉の最奥は、もう少しだ!