LNCrawler

第1874話 勇者猫現る!〈巨神猫・ブレイブ・ベヒモス〉

ゲーム世界転生〈ダン活〉~ゲーマーは【ダンジョン就活のススメ】を 〈はじめから〉プレイする~ — kakuyomu.jp · All chapters

第1874話 勇者猫現る!〈巨神猫・ブレイブ・ベヒモス〉

「こいつはおそらく、〈ベヒモス〉系統の最終進化系だ!」

「〈樹界ダン〉の最奥は〈バルフ〉の最終進化系だったように、〈猫界ダン〉の最奥では〈ベヒモス〉系統の最終進化系というわけね! 相手に取って不足はないわ!」

ラナはいつも俺の言ってほしいことを言ってくれる!

その通り、〈樹界ダン〉では〈バルフ〉の最終進化系が登場した。なら猫は?

これまで登場した猫系のモンスで、最終進化系が登場するとしたらどういうボスになるだろう? と聞かれたとき、答えはかなりの高確率で〈ベヒモス〉系統になるだろう。アルテが使っているくらい強いしな!

「ニャオオオオオオオ!!」

「これがクーニャの最終進化! クーニャもこうなるんですか!? すごくかっこいいです!」

アルテは〈ベヒモス〉の最終進化系〈 巨神猫 ( ゴッドキャット ) ・ブレイブ・ベヒモス〉に目をキラキラさせているな。

その通り、クーニャだって進化すればこの形態になるのだ。まあ、レイドボス補正がないから大きさは3分の1程度まで小さくなるだろうが。

―――〈 巨神猫 ( ゴッドキャット ) ・ブレイブ・ベヒモス〉。

大きさはレイドボス特有の40メートル超え。

しなやかに見えてかなりの強靱な肉体を持ち、ジャガーにも似たザ・狩る者という雰囲気を醸し出している。

頭部から背中まで赤色のトサカのような角に比類するものが生えており、身体全体には金色の毛が張り巡らされており、ボスが動く毎に淡く光っている。

頭は1つ、尻尾は2つ。4足歩行系ではあるものの、背中には当然のように翼が生えていた。天使っぽい白い翼である。

猫は進化の過程で空を飛べるようになるんだ。背中に翼が生えて。それが〈ダン活〉流の猫。

開発陣が猫に何を求めていたのか気になるところだ。

「ニャオオオオオオオ!!」

「来るわ!」

初手は〈ベヒモス〉からだった。その巨大で強靱な身体から放たれる強力な突撃。

シンプルにしてこれ以上ない質量攻撃だった。

「シエラ、ラクリッテ、いけるか!」

「もちろんよ――『アブソープション・ワン・フォートレス』!」

「ポン! 今こそ現れるは最強無敵の盾狸王――『 幻獣霊最強 ( げんじゅうれいさいきょう ) ・ 狸王様完全盾 ( たぬきおうさまかんぜんたて ) 』!」

だが、それでもシエラとラクリッテを抜くことはできない。

対抗するのは『アブソープション・ワン・フォートレスLV5』と『 幻獣霊最強 ( げんじゅうれいさいきょう ) ・ 狸王様完全盾 ( たぬきおうさまかんぜんたて ) LV10』。

LV10にすら至っていないシエラの防御スキルで大丈夫かって? 逆だ、シエラの防御スキルはほとんどLV5で止めていた。LV10まで育てる防御スキルはほんの一握り。

なぜか? だって、シエラのスキルはLV10まで育てる必要がないくらい強いからである。

「ニャガアアアアアアア!?」

ズドーーーンと凄まじい音を立ててシエラが作った城塞の盾とラクリッテが作り出したLV10の〈六ツリ〉狸王様に阻まれ激突する〈ベヒモス〉。

強力な、レイドボスの一撃が突き刺さったはずなのに、『アブソープション・ワン・フォートレスLV5』は全く壊れない。

LV10まで育てる必要がないくらい、シエラが硬いのだ。

これはシエラのユニークスキル『多くを守りし四聖の自在盾LV10』の効果によって4つの小盾の能力値の半分がシエラに加わるため、ブースト系と合わさって常時とんでもないバフ状態であるが故の防御力だな。装備が豊かになればそれだけシエラは硬くなる。よってLV5の防御スキルで十分防げる硬さになるのだ。

「攻撃開始!」

「歌っちゃうよ~♪ 『プリンセスアイドルライブ』! 『オールナイト・カルテット』! 『エールベストパフォーマンス』! 『コングラチュレーション』! 『音速リズム』!」

「【怠惰】デバフ行くぞー! 『モチベーション・ゼロ』! 『エンド・オブ・バイタリティ』!」

俺の攻撃開始の声と共に動いたのはノエルとゼルレカ。

ノエルの今唱えた〈六ツリ〉スキルはすでに『オールナイト・カルテット』を除いて『スキルLV10』だ。もうバフがほぼ完成の域に至りつつある。

ゼルレカの『モチベーション・ゼロ』と『エンド・オブ・バイタリティ』も当然のように『スキルLV10』だ。

おかげで凄まじい能力の 強化 ( バフ ) が付与され、ボスへの 弱化 ( デバフ ) が与えられた。

続いてギルドメンバーの攻撃が次々と入って行き、タンクの挑発スキルも次々と入っていく。

「ニャオオオオオオオ!!」

「こいつは〈バルフ〉の時ほどジッとしてないぞ! どちらかといえば〈ヨウネル〉のように動き回るボスと見た!」

「タンクの位置を設定しますわ!」

「ヴァンとシャロンは俺の言った位置に第二拠点と安全地帯の構築を頼む!」

「了解したであります!」

「まっかせてよ!」

「ここだ! この位置に構築してくれ!」

「はっ! 『第二拠点建造』!」

「『防壁召喚』!」

まずはレイドボス戦の基本、安全地帯の構築。

これがあるだけでレイドボスの攻略は全く難易度が異なるからな。

レイドボスは全体攻撃をよくぶっ放してくる。ヒーラーを守るための安全地帯は絶対必要なのだ。

「タンクは他に4箇所最低2人ずつ配置だ! 俺のところにはシエラとラクリッテ!」

「了解よ。ここを守れば良いのね」

「が、頑張ります!」

さすがレイドボスの経験を重ねた〈エデン〉のメンバーたち、俺が指示すればどう動くべきかをしっかり今までの経験から弾き出し、俺の理想的な動きをしてくれる。

「トモヨさんとフィナさんは空から! リカさんとモニカさんはバックアップ! ロゼッタさん、キキョウさん、ナキキさんはこちらに来てください!」

リーナも残りのタンク組をチーム分けしていくつかの場所に配置しているな。

このチーム分けが大事。

レイド戦では1人のスキルはみんなのスキルだ。

ほぼ〈六ツリ〉でしか受けきれないため、 交代 ( スイッチ ) は基本。

交代要員を入れたタンクの編成が大事になる。故のチームだ。

だが、最初に戦ったレイドボス〈フェアリークイーン〉の時は4人で防いでいたものが今では2人でも防げる。だいぶスキルLVが上がってきたのを実感するぜ。

「ニャオオオオオオオ!!」

「「きゃああああ!?」」

「相手は早いです! 予備動作が発生したと思ったら不発でも良いので防御スキルを発動してください」

「回復します! 『満点の星空の 小夜曲 ( さよきょく ) 』!」

〈ベヒモス〉の攻撃はかなり素早い。デバフをしているはずなのになお速い。

これは〈ヨウネル〉と同じく、スキルで身体を動かしているからだな。

そして、その攻撃方法は突進に始まり回転アタック、バックによる尻アタック、尻尾による薙ぎ払い。ここまでなら〈バルフ〉と同じだが、〈バルフ〉はここに多くの首からの多彩な攻撃があった。ならば〈ベヒモス〉は?

「ニャアアアア!」

「ちょ、今の、ゼフィルスの『 勇者の剣 ( ブレイブスラッシュ ) 』!?」

「とても似ていました。振るったのは前脚でしたが……! 受けたら防御力デバフが付きました!」

「ニャアアアア!」

「ってええ!? 今のは『シャインライトニング』じゃないの!?」

「分かったぞ! こいつは〈 巨神猫 ( ゴッドキャット ) ・ブレイブ・ベヒモス〉。ブレイブの名の通り、勇者のスキルを使ってくるんだ!」

「ゼフィルスさんが敵ってことですか!?」

「いや俺は味方だよ!?」

おかしい。味方が混乱している。

だが、それも仕方ないのかもしれない。

そう、コイツの名は〈 巨神猫 ( ゴッドキャット ) ・ブレイブ・ベヒモス〉。

そのブレイブの名の通り、勇者スキルを使ってくるのだ。俺がよく使ってるやつ。

「あ、今のってもしかして、『ソニックソード』!?」

「『テンペストセイバー』もやってきています! 道理で速いわけです!」

勇者スキルも使って動き回るものだからなかなか有効打が入らない。さらに、

「これで捕らえます! 『あなたは囚われの 籠 ( かご ) の鳥』!」

「ニャオオオオオオオ!!」

「え? うそ!? 今捕らえたはずですわ!?」

「すり抜け? いえ、もしかしたら結界をすり抜けるスキルがあるのかもしれないわ」

「僕の『残像回避』や、アルテ様の『ゴーストドライブ』などに似ていますね。すり抜け回避系のスキルと見ました」

「俺のスキルだけじゃないな。他にも様々なスキルを有していると見たぞ!」

勇者スキル以外のスキルまで使ってくる。さすがは〈猫界ダン〉最強のレイドボスだ。強い。

そう、この多彩なスキルこそ〈ベヒモス〉の強みである。

「ニャオオオオオ!!」

「あ、きゃあ!?」

「『ブレイブシールド・イグニッション』! カタリナ、大丈夫か!?」

「ゼフィルスさん! カタリナは怖かったですわ! あとで心も慰めてください」

「ちょ、あざとすぎるでしょ!?」

「今の偶然の幸運を全力で掴む気ですよ!?」

ユニークスキルを使ったからか反撃がカタリナに飛ぶが、俺が割り込んで防ぎきる。

カタリナが目をキラキラさせているな。ふ、かっこよく決まってしまったようだぜ。

なお、視界の端でフラーミナとロゼッタが戦慄しているように見えた、大丈夫だ。カタリナは無事だから安心してほしい。(違う)

「この〈ベヒモス〉、本当に攻撃が多彩なんだけど!? というか止まらない!? ウーちゃん、ルーちゃん、フーちゃんは〈バトルウルフ(最終形態)〉なんだけど!」

「「「「「ウォーーン!?」」」」」

さすがは強靱な肉体の持ち主。〈ベヒモス〉の移動を抑えるために飛び掛かったフラーミナの〈バトルウルフ(最終形態)〉3体、ボス個体よりも身体は3分の1程度まで縮んで10メートル級にはなっているものの、十分強力なモンスターが3体合わせて止められない。

それどころか弾かれてしまう。

「こりゃ、動きを阻害できないくらい強靱なスキルがあると見たぜ。ヴァンの城やシエラの盾みたいな強力な防御スキルじゃないとおそらく止められない、〈ヨウネル〉たちに使った抑え込む戦法は難しい可能性が高いぞ!」

「動きを阻害できない! カタリナさんの結界をすり抜けるスキルもあるようですし、確かにその可能性は大きいですわ!」

「みんな、動きを無理に止めようとしなくて良い! こうなったら攻撃が避けられることも込みでアタックだ!」

「! 了解よ! 『大聖光の無限宝剣』!」

「ニャオオオオオ!?」

「全弾命中よ!」

「ラナのそれ追尾付いているやつじゃね!?」

「まさにラナ殿下が見本を見せてくださいましたわ! 動いている相手でも、追尾付きのスキルならほぼ確実に当てられます! ランダムヒット攻撃なんかが有効かもしれませんわ!」

おっと、ラナの活躍で攻撃の仕方が見えたな。

そう、今までギルドメンバーは動きまくる〈ベヒモス〉を捕まえようと動いていた。動きを封じて、一斉攻撃。それが〈ヨウネル〉によく使っていた戦法だ。

だが、〈ベヒモス〉には結界抜けなどのスキルもあってどれも効果が薄いと分かり、ようやく攻略の方法が明らかになる。

止められないなら、動きの多彩な〈ベヒモス〉に避けられることも込みで攻撃を撃ち込む。加えて、もう1つ。

「『完全魅了盾』!」

「ニャオオオオオ!」

「それではさっき私の防御を上回れなかったでしょう――『アブソープション・ワン・フォートレス』!」

「手伝います! ポン! 今こそ現れるは最強無敵の盾狸王――『 幻獣霊最強 ( げんじゅうれいさいきょう ) ・ 狸王様完全盾 ( たぬきおうさまかんぜんたて ) 』!」

「ニャオ!?」

「シエラ、ラクリッテ、ナイス! 今だーー一斉攻撃!」

止められるものはある。防御スキルだ。

結界の場合、すり抜けられてしまうが、盾ならばすり抜けることはできない。

それは初手で防いだシエラとラクリッテの盾が証明している。

シエラは『完全魅了盾』でタゲを自分に固定し、先ほどの盾でパリィを狙った。

その試みは――成功。防御勝ちにより、〈ベヒモス〉が動かなくなる。

そこへ一斉攻撃が叩き込まれた。

やり方が分かればあとはこっちのもので、敢えて自由にさせて強力な突進を誘発し、タンクが受け止めて一斉攻撃するという戦法が確立するのに時間は掛からなかった。なにしろこれは、ボス戦の基本中の基本の戦法だからな。

レイドボスの攻撃をしっかり受け止めることさえできれば第一形態は楽勝だ。

こうして第一形態のHPバーがゼロになり、続いて第二形態に移行した。

だが、どのレイドボスもここからが本番だな。

なにせ勇者猫は第二形態は、眷属に〈猫津波〉を召喚するのだから。

勇者猫に仲間が加わったぞ!(大群)