第1877話 勝ち鬨を上げろ!勇者猫の報酬は、勇者装備だ!!
第1877話 勝ち鬨を上げろ!勇者猫の報酬は、勇者装備だ!!
「勝ったどーーー!!」
「勝利なのですーー!!」
「ルルお姉ちゃん、超かっこいいの!」
「ゼフィルス先輩もかっこよかったですよ!」
ふふふふん!
〈ベヒモス〉から飛び降りてルルと一緒にシャキンとポーズを決めれば、アリスやキキョウから盛大にキラキラした目をいただいたんだ。
とっても気持ちが良い。
エフェクトを盛大に発生させてキラキラしている背景が、俺たちの勝利を彩ってくれている気がする!
きっと絵になっていることだろう。スクショ頼むべきだったぜ。
「あ、〈金箱〉よ!」
「ん、4つ!」
「〈金箱〉が4つだとーーーー!?」
「とっても大変でグレイトなのです!」
だがポーズは長くは続かなかったんだ。
俺たちの背後に〈金箱〉が4つ出現したというラナとカルアの声によってな!
「マジでストレート勝ちしやがりました……! 噂で聞いてはいましたが、本当に〈エデン〉は誰1人欠けること無く初めての最奥ボス相手にも勝ってしまうんでやがりますね」
「ああ、分かる分かるぜモニカ」
「うん。私たちも通った道だよ。〈エデン〉は初ボスに負けたことはおろか、ダンジョンで戦闘不能者を出したこともないんだって」
「…………改めて、とんでもねぇところに来ちまったと実感してきたでやがります。前のギルドでは大抵サターンたちが――いや、なんでもねえです」
俺たちが〈金箱〉に夢中になる側で、なぜか顔を盛大に引きつらせたモニカと、それに真面目な表情でうんうん頷くゼルレカ、そして慰めるようにモニカの肩に手を置くクイナダの姿が視界の端に入った気がしたんだ。その後、なんかモニカがホロリしていたよ。
きっと〈金箱〉が4つ出たことに感動したからに違いないな!(←金箱脳)
「おーいモニカたちも早く来いよー! これからボス戦で一番大事で大事な――〈金箱〉タイムに入るぞーーー!!」
「大事って2回言いやがりました。しかもボスより〈金箱〉の方が重要みたいな言い回しでやがりますね」
「間違って無いんだモニカ。〈エデン〉ではボスなんかよりも〈金箱〉を開ける方がよほど重要なんだ」
「ゼフィルス、ボス戦の時よりも明らかに〈金箱〉の時の方が真剣だもんね……」
ようやく集まって来たメンバーズ。しかしどこか真剣味が欠けていたんだ。
これから〈金箱〉タイムだというのに、そんなことでは良いものがドロップしないぞ!?(そんなことはありません)
「ではこれより恒例のクジ引きタイムに移る! なお、今回は俺が1箱開ける! 絶対に開ける!」
「おお? ゼフィルスがいつになく真剣度が高いな。いったいどうしたというのだ?」
「ん、こういうときのゼフィルス、なんかすごいことする」
もう俺との付き合いも長いリカとカルアが俺の真剣度を見極めてくれた。
ありがたいことだ。俺は、この最奥ボスのドロップで絶対に引きたいものがあるんだ。今回は譲らない、いや、譲れない! あれが当たる確率が、ここが一番高いのだ!
「なんだか今日のゼフィルスは、一段と輝いてるわね……」
「え? ラナ今なんか言ったか?」
「! な、何でもないわよ! そ、それより、開けるのならこの〈金箱〉にしなさい。なんか凄まじく良い物な気がするわ! こんなに強く感じるのは初めてよ!」
「なんだって!」
ラナの勘が冴え渡る。
しかもこれまでに無いほどの反応? 俺絶対この〈金箱〉開ける!
「普段なんだかんだ〈金箱〉はクジ引きで公平に開ける人を決めていたゼフィルスが、ここまで開けたいというのも珍しいわね」
「それでは1つはギルドマスターであるゼフィルスさんに開けてもらいましょう」
「リーナ!」
「…………」
シエラが分析し、リーナが許可を出す。
俺はリーナの許可に感動した。なぜかシエラがジトッとした目になったので嬉しさ2倍だ! ひゃっほー!
「みんな気をつけるのよ。私の勘が言ってるわ。今回のゼフィルスはきっと暴走するって」
「まあ!」
「……………………」
おかしいな、シエラのジト目の力がさらに増した気がするぞ!? テンションが上がる! 上がっちゃうよーー!!
その後、クジにより〈金箱〉を開けるのはメルト、レグラムオリヒメさんペア、ラウに決まった。男子率が高い!
「俺は最後に開けさせてもらうぜ!」
「楽しみは最後に取っておく、か。なら俺から開けさせてもらおうか」
最初に開けるのはラウ。
しっかりお祈りをしてパカリと開けたんだ。
すると中から出てきたのは――1枚のレジェンド色に輝くレシピ。
「『解読』します。〈幼若竜〉、このレシピを読めるようにしてください――『解読』!」
最近のエステルは決めゼリフが多くなってきたな。
特にアイテムを使うときとか。
ふ、きっとテンションが上がってしまうのだろう。分かるぜ。
「これは、〈猫殺し・マタタビ砲〉? おそらく錬金術系のレシピだ」
「おお!?」
ラウが言ったセリフに思わず意識が持っていかれる。そ、それ、とんでもやべぇレシピ!
「内容は――なに? 〈猫〉系全般に対して動きを止める弾を撃つ? ボスでも少しの間止めることができるのか!」
「ええ!?」
「ちょっとそれ、私にも見せてラウ君!」
ラウの言葉にみんなでレシピを覗き込み、続いて驚愕の声が辺りに響いたんだ。
これはキラー系。つまりは〈猫特効〉の錬金砲のレシピだった。
効果は少しの時間、猫の動きを止める。
つまりルキアの『タイムストップ』を猫限定で発動することができる汎用アイテムのレシピだったんだ。マジやばい!
もちろん回数限定アイテムの上に最上級錬金砲なので凄まじくお金が掛かるし、加えて同じ個体に使っていると徐々に効き目が軽減されてはいくものの、これで〈猫〉系モンスターと戦う時のリスクを大幅に軽減できると言えばその凄まじい効力がわかるだろう。まさにとんでもないアイテムだ。
〈猫にコミットする黄金じゃらし〉と一緒に使えば〈猫津波〉だって難易度が激減するだろう。早速アルストリアさん辺りに作ってもらわないと!
「これがあれば、他のギルドもあの〈猫津波〉を突破できるかもしれないわね」
「分かるかシエラ! これは量産して〈猫界ダン〉に挑む人に売っていこう!」
「ええ」
さすがはレジェンドレシピ! 初っぱなから中々の当たりだ!
そう、もうお分かりかも知れないが、〈猫界ダン〉のレイドボスは倒せば弱体化アイテムがドロップするようになっているのだ。あまりにも強すぎて周回に向かないので、周回できるよう弱体化アイテムが複数用意されているのである。
これを上手く使えば、後続の学生や公式ギルドの方々も〈猫界ダン〉を突破できるに違いない。突破できるよね?
でも〈ベヒモス〉周回して弱体化系を全部当てといた方が良さそうな予感。
まあそれは置いといて、次に行こう!
「ではレグラム様、開けましょう」
「そうだな……。みんなはあまりジッと見ないように」
2番目はオリヒメさん&レグラム。もちろんクジを当てたのはレグラムで、オリヒメさんは共同作業に立候補した形だ。
レグラムが少し居心地悪そう。みんな仲睦まじい2人に注目してるからな。〈金箱〉に注目してあげて?
2人が心のこもったお祈りを〈幸猫様〉たちに届けると、いざ、オープン。
「あら?」
「これはメダル、いや勲章か?」
すると一瞬中がレジェンド色に輝き、1つの勲章っぽいアクセが残されていた。
お、おおお!? これはーーーーー!?
「〈幼若竜〉この勲章の名前と効果を示してください――『解析』!」
エステルが例のかっこいいセリフっぽいのを口にしながら『解析』する。
「これは、〈 勇者猫 ( ゆうしゃねこ ) の聖勲章〉!? 【勇者】系列のみ効果のある――勇者専用のアクセ装備です!」
「「「「え、ええ~~~!?!?」」」」
エステルが言ったセリフに多くの動揺した声が上がる。
それも無理はない。
そ、それ、俺用の装備じゃん!! さすがはブレイブな〈ベヒモス〉様!
お猫様はみんな俺の味方だ!
なんだか勇者同士の絆が深まった気がしたんだ。(気のせいです)
「能力値の上昇値もさることながら、効果も凄まじいものがあります。特に『状態異常無効』がついてますよ! 単品で!」
「ええ!?」
「さすがは勇者装備! ゼフィルスさんがパワーアップですわ!」
エステルの言葉にみんなで〈幼若竜〉の『解析』結果を覗き込み、続いて驚愕の声が辺りに響いたんだ。
勇者専用装備。そんなのが出てしまえばみんなも気になるのが当たりまえ。
なのにこの装備ったら、普通の装備よりも相当能力値が高かったのだからざわめきもなかなか収まらなかったよ。
「ゼフィルス、これは装備確定よ!」
「おう! もちろんだ! くっ、そろそろ〈 金猫 ( きんねこ ) の 小判 ( こばん ) 〉とはお別れか……!」
「能力値がほとんど上がらないのに、それまだ着けてたのね」
中級ダンジョンからもう2年近くも装備しっぱなしな〈 金猫 ( きんねこ ) の 小判 ( こばん ) 〉だったが、ついに交換の時が来てしまったようだ。
とはいえあれがここで当たればもう小判の効果に頼らなくてもよくなるので、どのみちここで換装する気だったんだけどな。ここで勇者の最終装備、〈勇者猫の聖勲章〉がゲットできるし。まさか初撃破でこれが当たるとは思わなかったぜ。これも〈幸猫様〉のお導きだろう。
早速〈小判〉を装備から外し、勲章を着けさせてもらう。
勲章は五芒星に加え中心のメダルには勇者猫の〈ベヒモス〉の姿に似た絵が彫られている。ううーん最高。
装着すれば能力値の大きな上昇に加え、『状態異常無効』が生えた。
これでまた強くなってしまったぜ。ふはははははははは!!
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あとがき! 今日も2話行きます!