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第1879話 学園長に報告!もちろんタンマは受け付けない

ゲーム世界転生〈ダン活〉~ゲーマーは【ダンジョン就活のススメ】を 〈はじめから〉プレイする~ — kakuyomu.jp · All chapters

第1879話 学園長に報告!もちろんタンマは受け付けない

「学園長。〈エデン〉が最上級ダンジョンのランク2、〈猫界ダン〉を攻略したようです」

「……ひょ?」

悲報はいつだって唐突に舞い込んでくる。

ここはいつもの学園長室。仕事も一段落してホッとお茶を飲もうとコレットを呼んだタイミングで、お茶と一緒に悲報まで持ってきてしまったのだ。

学園長の口からまた変な声が出た。

「ほっほっほ、いやすまんのう。最近耳が遠くてな、聞こえなかったからもう一度聞かせてくれんかのう?」

「いや、学園長の耳は正常のはずだよ? 私が見る限り人よりよく聞こえているんじゃないかな? さすがは【学園長】だ。良い補正が入ってるよ」

「え?」

学園長の専属医 ( シトラス先生 ) がなんかお墨付きをしてきたぞ? 学園長の表情は固まった。

「ではもう一度申し上げますね。学園長。〈エデン〉が最上級ダンジョンのランク2、〈猫界ダン〉を攻略したようです」

「嘘じゃろ?」

「現実ですよ」

「…………カヒュン」

「ああ!? また学園長が!?(意識ふっとんだ! 学園長の意識が報告を聞いただけで吹っ飛んだ!!)」

「大丈夫です。お任せくださいカイエンさん。ここは私が」

「は、はい、頼みます?(なんで医者のシトラス先生よりコレット先輩の方が看病してるんだろう?)」

「熱っつぁ!?」

「学園長、無事戻りましたか!」

「大丈夫でしょうか学園長?(いや相変わらずどんな効能してるんだあのお茶? というかシトラス先生はなんでメモを取ってるんだろう?)学園長、こちら冷たい水です」

「ヒィヒィ、ゴクゴク――ぷはぁ。あ、ありがとうカイエン君。君には助けられてばかりじゃ」

「いえ(いや、本当にいえ、これくらいお礼には及ばないですよ?)」

「どうして意識を取り戻した私ではなくカイエンさんだけにお礼を言うのでしょう? 学園長?」

「うむ……」

「うむ、じゃありませんよ? いえ、それよりも先ほどの報告は覚えていますか? 〈エデン〉がまたも未踏のダンジョンを突破してました。そしてダンジョン門の前でたくさんの集まった方々に高らかに宣言していたんです。きっともう学園中に広まってますよ」

「…………」

「(学園長先生が意識を飛ばしたくなるのも分かる……うっ)」

「大丈夫かいカイエン君? いつものいるかい?」

「あ、シトラス先生、いただけますか? これ、だいぶ楽になるんですよ」

「そうだろうそうだろう。コレットの蘇生茶を分析し、私なりに改良を重ねた新薬だ。主に胃腸とストレスに良く効くよ」

「シトラス先生、わしにもくれんかのう」

「学園長先生は蘇生茶で復活していますから必要無いと思いますよ?」

「え? そうなの?」

最近の学園長室は、ちょっと賑やかである。

カイエンもだいぶ仕事に慣れてきた。

良く効くお薬とドクターもいる。まさに理想の職場なのかもしれない?

なお、〈エデン〉の偉業が割と頻繁に寄せられるので気は抜けないが。

「また、興味深い発言を多く発しているそうです。ランク2の 成長限界 ( レベルキャップ ) はやはりLV85で確定、このペースでいけばランク3はLV95、そして神話などで提唱されている人類の到達点、LV100にはランク4にでも届きそうだと。それを確かめてくるということも宣言されていました」

「え? それ広めちゃったの?」

「はい。ゼフィルスさんがそれはそれは大きな声でコメントしていたそうです」

「そうかぁ。その情報、下手をすれば世界がひっくり返りそうな情報なんじゃが、広めちゃったか……」

この世界では神話の勇者伝説で人類の頂点はLV100だと世界中に伝わっている。

神話とは創作ではなく、過去、この世界の古の時代に実際にあった出来事だ。故に勇者伝説に書かれていることは概ね本当のことだと信じられている。

とはいえLV100なんて誰も到達したことがないのだ。ギリギリ確定ではない。

もし最上級ダンジョンのレベルキャップが人類の頂きであるLV100だとすれば、またも歴史に載る大発見だ。教科書の何ページがゼフィルスで埋まるか分からない。

学園長が今後、問い合わせが殺到することが確定して遠い目をした。

〈猫界ダン〉攻略の報告と同時か~。仕事も倍になりそうな予感。

遠い目をしている場合ではない。

季節は6月。〈エデン〉が前に〈樹界ダン〉を攻略してからすでに3ヶ月が経とうとしていた。これだけでも驚くべき早さの攻略だが、実際はもっと短い。

カイエンは資料を出して学園長に報告する。

「学園長先生。〈エデン〉が〈猫界ダン〉に本格的な入ダンをし始めたのが5月のダンジョン週間から、実質20日程度で攻略しています。また、例の大型デパート、〈トップマリー〉がオープンしてから、頻繁にやり取りしているのも確認しています。(つまり、手が着けられないよって意味な!)」

「ふう。まだ〈救護委員会〉も〈ハンター委員会〉も〈攻略先生委員会〉も最上級ダンジョンにたどり着けていないというのに、〈エデン〉がどんどん先に行くんじゃが」

「はい。このペースで攻略した場合、最上級ダンジョンが全て攻略されることも夢では無いかと(うん。〈エデン〉が止まるなんて想像できないし。多分止まらないよね)」

カイエンの担当は〈エデン〉の動向。

もちろん他にも色々やるべきことはあるが、最も注目しなくちゃいけないのが〈エデン〉である。

しかし、その情報は多くは無い。〈エデン〉はああやってかなり目立つのにもかかわらず分かっていないことも多いのだ。まあ前人未踏のダンジョンを突破しちゃうのだから、分かってたら学園だって突破できていることだろう。

〈エデン〉なら、たとえ人類の最高の到達点と言われるLV100の到達や、最上級ダンジョンすべての攻略すらやり遂げてしまう可能性は大いにある。

普通ならばそんなギルドのトップ、学園長室に呼び出して色々聞き出したいところだが、聞いたが最後、学園のキャパシティがパンクする量の情報爆弾が大爆発を引き起こして大事になるので、学園長も慎重に慎重を重ねつつ動向を探っている。

故に滅多にゼフィルスを呼び出したりなんてしない。しないのだが……。

「しっつれいします! 学園長! 無事最上級ダンジョンのランク2、〈猫界ダン〉を突破してきました!」

なぜかゼフィルスの方が直接学園長室に来るのである。呼ばれてもないのに。

受け止める方は大変だ。

あと普通に顔パスで学園長室まで来られているゼフィルス。常連がすぎる。

「ゼフィルスさん。また未踏破のダンジョンを攻略したのかい?」

「あ、カイエン先輩! お久しぶりです! 見てください、これが〈猫界ダン〉の攻略者の証ですよ!」

「そ、そうか(ゼフィルスさん、もしかして自慢しに来たのかな?)」

「それで、次は〈聖界ダン〉に潜る予定なので、その連絡にも来ました!」

「そうか。連絡は大事だね……(学園長先生、後は任せました!)」

「カイエン君? 今何か妙なことを考えなかったかね?」

「そんなことはありません。――ゼフィルスさん、報告を遮ってしまって悪かった。学園長に用があったのだろう?(うん、ここからは学園長先生とゼフィルスさんの話だね!)」

「おっとそうでした! それじゃあ〈猫界ダン〉の報告から!」

「……お手柔らかに頼むぞい?」

新しいダンジョンが攻略されればその情報は即国中に共有される。

攻略した本人の情報は必要不可欠。こうしてゼフィルスが報告に来てくれるのは渡りに船――のはずなのだが。なぜか学園長室でドカーンと爆弾が爆発した音が聞こえたような気がしたのだった。(幻聴です)

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あとがき!

本日あと3話いきます!