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第1914話 いざ! 〈鉱石と貴金ダンジョン〉の37層へ!

ゲーム世界転生〈ダン活〉~ゲーマーは【ダンジョン就活のススメ】を 〈はじめから〉プレイする~ — kakuyomu.jp · All chapters

第1914話 いざ! 〈鉱石と貴金ダンジョン〉の37層へ!

〈鉱石と貴金ダンジョン〉、通称〈鉱ダン〉

名前の通り、鉱石や宝石類が多々採集できるダンジョンだ。

その種類、なんと全種。

ん? 聞き間違えたか? と思うだろう。だが事実。

この〈鉱ダン〉、他の全ての学園ダンジョンにある『発掘』ポイント、その全種類を備えているのである。

もちろん『発掘』ポイントだけだ。ボスドロップの鉱石は含まれないが、それでもとんでもないダンジョンというのが分かるだろう。さすがはエクストラダンジョンだ。

故に、〈鉱ダン〉には今まで用がなかったとも言える。

〈オリハルコン〉以外の採集物は普通のダンジョンでも普通に手に入るし。換金用素材である宝石類は、あまり金銭的に必要にならなかったからなぁ。ゲーム時代は金策用のダンジョンだったのだが、リアルだと金策必要無かったし。

そんな訳で今回、俺たちは〈オリハルコン〉を求めて初の〈鉱ダン〉入ダンへと乗り出したのだった。

「ぬおおおおおおおお!! 金属じゃ! 金属がいっぱいじゃああああああ!!」

「ソドガガがこんなに興奮しているところなんて初めて見たよ!?」

「『双スコップ穴掘り発掘無双』!」

「1層相手にいきなりユニークスキル!?」

「ソドガガ、落ち着きなよ! 落ち着きなって!」

テンションが振り切れた様子のソドガガが上級のユニークスキルまで使って『発掘』ポイントの1つを掘りまくってるぜ。モナとアンベルさんが止めに行ったが、止まるかなぁあのテンション。

「あ、戻ってきました」

「あれ!? ソドガガのテンション戻ってんじゃん! どうしたと言うんだモナ?」

「いや、ソドガガが言うには、鉱石がしょぼかったらしいです」

「そんで一気に冷静になったらしい。――な、ソドガガ」

「…………」

サティナさんの声に振り向けば。本当にソドガガが戻って来ていた。

だが、モナとアンベルさんの説明に納得。なにせ1層は――初級下位ダンジョンのドロップレベルだもん。そりゃしょぼいよ。

「改めて、〈鉱ダン〉の説明が必要なようだな。〈鉱ダン〉は未攻略ダンジョンで最終到達層は先日〈ハンター委員会〉が到達したという37層。そこには 上級上位 ( ジョウジョウ ) 級のモンスターと同じ等級の〈ヒヒイロカネ鉱石〉が採れたそうだ」

「はい。〈鉱ダン〉は階層が上がっていくほど飛躍的に難易度が上がっていくダンジョンとしても有名ですからね。1層は初心者ダンジョンと同レベルのモンスターしか出てこないと聞きます」

「そうだ。2層から4層までが 初級下位 ( ショッカー ) 級、5層から7層が 初級中位 ( ショッチュー ) 級、8層から10層が 初級上位 ( ショッコー ) 級と、3層ごとに等級が上がる。11層からは中級の難易度に突入し、5層ごとに等級が上がって26層からは上級の難易度に突入する」

1層毎に急激に難易度が上がっていくのが分かるだろう。

40層では 上級上位 ( ジョウジョウ ) 級最強、つまり推奨LV65のボスが登場する。

そして41層からは最上級ダンジョンレベルに突入し、最奥は50層という構成になっている!

さらにここでとんでもないお知らせ。じゃあこのダンジョンどこまで強くなるの?

実はな、この〈鉱ダン〉、なんと最奥のボスで上げられるレベルキャップは、100に設定されている! つまり、LV100まで育成が可能なダンジョンなのだ!!

そりゃ最上級ダンジョンのランク5、〈神界ダン〉で手に入る〈オリハルコン〉が『発掘』できるんだもん。そりゃレベルキャップは100だろうさ!

俺の目的のひとつに、ここでLVを100まで育てちゃえというのも当然入っている。

最強装備が作れる日は近い!!

ランク3の〈聖界ダン〉で〈オリハルコン〉が必要な装備レシピがたんまり手に入るし、「〈万界ダン〉を攻略する前に〈鉱ダン〉に行け」という開発陣からのメッセージだろうと考えられていたっけ。

〈鉱ダン〉で最終装備を調えるのだ。

ちなみに〈オリハルコン〉が採集できるのは46層から49層だ。

ソドガガの本気は、そこまでとっといてもらおう。

「…………」

うむ、ソドガガが何かを訴える目で俺を見ているな。

「分かってるってソドガガ、ここら辺じゃ全く足しにならないよな。さっさと〈イブキ〉で奥まで行こう! そこでなら、念願の鉱石も『発掘』できるだろうさ!」

「――!」

こうして〈イブキ〉に乗って出発。

とりあえず〈ハンター委員会〉が撤退したという37層までは〈イブキ〉で行くことにしたのだった。報告書も37層から作ればいいよね?

「10層まで 坑道 ( こうどう ) かと思ったら、今度は山登りなんですのね」

「鉱山地帯だからな。ちなみになぜかシルバー系が出やすいぞ」

「ここじゃレベルも上がらないし!」

「それに、レベル上げを目的にするのでしたら〈道場〉の方がおすすめですの!」

ノーアが興味深そうにキョロキョロとしているので教えると、後ろから良いツッコミが返ってきた。もちろんツッコミの正体はカグヤとサーシャだ。

俺は今2年生ズの〈イブキ〉にお邪魔中だ。運転者はアルテだな。

横を見れば他にも3台の〈イブキ〉が並んでいる。それぞれエステル号、アイギス号、ロゼッタ号だ。

〈イブキ〉4台。全て強化玉によって+8にし、乗車人数を16にした優れもので、55人のメンバー全員を運ぶことが可能だ。

ここに登場するのは大体がゴーレム系。

石 ( ストーン ) 、 青銅 ( ブロンズ ) 、 砂 ( サンド ) 、 鉄 ( アイアン ) 、 経験値 ( シルバー ) などと幅広い。全部〈イブキ〉に轢かれて光になっているな。

この調子でどんどんいこう!

「なんだかこの攻略の仕方、懐かしいね!」

「ですの!」

「ああ、あたいはあまり経験ないけど、目に浮かぶようだぜ」

「ゼルレカに同じでやがります。きっと今までもたくさん爆走していたんでやがりましょう」

なぜか2年生ズが懐かしんでいるな。

昔はちょっぱやで攻略するために〈イブキ〉によるダイナミック攻略を何度もしたからなぁ。なお、途中で入ってきたゼルレカやモニカは――なぜか目に浮かぶくらいその光景が分かったらしい。できるならもっと経験させてあげたかったぜ。

それからも爆走する〈イブキ〉は立ちはだかるゴーレムもぼーっと突っ立っているだけのゴーレムも蹴散らしながら、とうとう37層まで到達した。

「ゴーレムって硬そうなのに、誰も〈イブキ〉の侵攻を止められなかったんだよ!」

「ここから先は、絶対に行かせん! とばかりに立ち塞がった 巨人 ( ギガント ) ゴーレムも、エステル先輩の 攻撃 ( 槍砲 ) で光にされてたですの!」

「あっという間に37層かよ。ここって 上級上位 ( ジョウジョウ ) 級の強さがある階層って言ってなかったか?」

「突然行こうと誘われて 上級上位 ( ジョウジョウ ) 級に連れてこられる、これが〈エデン〉の常識なんでやがりますね」

どうしよう。〈エデン〉にとって普通のことなのに、2年生ズのツッコミが心地良いです! 俺こっちに乗って良かった!

「ここからは徒歩で行くわよ。ゼフィルス」

「おう! ――全員聞いてくれ! 今までの傾向から40層までは 上級上位 ( ジョウジョウ ) 級のモンスターが出ると予想される。そしてこの〈鉱ダン〉だが、おそらく40層よりももっと深い、41層からは最上級の産出物がドロップするんじゃないかと睨んでいる!」

シエラに振られ、俺が前に出てみんなに説明する。

ここは最高到達層37層、俺も含めて最終階層が何層なのかみんな知らないはずなので、その辺はボカして説明だ。

「ゼフィルスは、ここに例の〈オリハルコン〉があるんじゃないかと思っているのよね? その根拠はなんなの?」

「俺の『直感』さんがそう言ってる」

困ったときの、頼りになる『直感』さん。

本物の『直感』さんは静かなものだが、ここは『直感』さんの株を上げつつ誤魔化すぜ。

なぜかシエラからジトっとした目で見つめられているのが心地良いです。

「まあ、せっかくだから40層を突破しよう。突破すれば分かるさ」

「確かにそうね! この時間なら、今日中に41層にはたどり着けそうだもの!」

ラナの言葉に時間を見れば、まだお昼だ。

〈鉱ダン〉はかなり狭いエクストラダンジョンで、広大だった〈食ダン〉、大海原が広がる〈海ダン〉、雪景色の中に転々と秘湯が設置されていた〈秘境ダン〉と比べても、かなり小さい。

小さい、狭いということは探索時間をそれだけカットできるということだ。

まあ、その代わり坑道エリアとか超迷いやすい作りになっているけどな。

分かれ道はたくさんあるし、下ったり上ったり、螺旋階段のようなエリアもあったりと山の中を縦横無尽に坑道が掘られているのだ。

まあ、リーナの『フルマッピング』とカイリの『安全ルート探知』があれば丸裸なんだが。

「ゼフィルスさん、ソドガガが 上級上位 ( ジョウジョウ ) にも用は無い、目的は最上級のみだ、って言ってます。あと、『最上鉱石探知』で奥から〈オリハルコン〉のような気配がすると言ってますよ」

「そういえばソドガガは鉱石探知スキルを持ってたんだっけ?」

ほとんど使わないスキルだから完全に意識の外だった。

説明の時、これを例に出せば良かったな。ソドガガも言ってくれし。

「よし、それじゃあニーコにお宝を探してもらいつつ、最短で奥まで行くぞー! 目指すはダンジョン週間中の〈鉱ダン〉攻略だ!」

「「「「「おおー!」」」」」

「……また軽いノリで未踏破ダンジョンを攻略すると言ってやがりますが?」

「これが〈エデン〉のいつもだよモニカ。ゼフィルスが言いだしたら本当になっちゃうから。心の準備をしといた方がいいよ?」

「……肝に銘じるでやがります」

視界の端で、モニカとクイナダが「おおー」しないでコソコソっと喋っていたのだが、俺は気が付かずにそのまま先頭で歩き始めたのだ。