第1918話 ドラゴンなの?ゴーレムなの?答えはスター!
第1918話 ドラゴンなの?ゴーレムなの?答えはスター!
〈鉱ダン〉50.5層。
扉を抜けると、そこもまた幻想的なクリスタルが大量に生えた、外のエリアだった。
「洞窟じゃない?」
「荒野に近いですが、この地形は?」
みんなもフィールドをキョロキョロと見渡す。
そこは外エリア。荒野にある岩場をファンタジー風にした幻想的な空間で、地面の至る所が結晶化、大きくアーチを描いた地形にまでなっている超巨大な結晶体もある。
「! ボスが来るよ! 上!」
「あれはドラゴン!?」
「いえ、ドラゴンゴーレムですか!」
「綺麗……」
『危険感知』スキルが反応したのか、カイリの警告の直後飛来する影が上空より現れる。
それはクリスタルでできた――ドラゴンの形をしていた。
「エステル!」
「はい! 『看破』です! アレは――レイドボス・大型〈クリスタルドラゴンゴーレム〉と言うそうです!」
「ドラゴンなの!? ゴーレムなの!?」
「それ結構重要な情報だよ!?」
ドラゴンは強い。それはそれは強い。〈竜の試練〉を何度も突破していても、ドラゴンが強いのはみんなの共通認識だ。
じゃあゴーレムは? まあ、ゴーレムの中にも強いのはいるんじゃない? そんな認識である。ここまでの道中楽勝だったのだ。
このボスがドラゴンなのか、ゴーレムなのか、その部分がとても重要だった。
と、ここでヒントが得られる。ボスが口を開けたのだ。
鳴き声を聞けばドラゴンなのかゴーレムなのか、良い判断材料になるだろう。
果たしてどっちなのか?
「スターーーーー!!」
「いやどっちだよ!!」
「クリスタルのスターかな!?」
鳴き声は「スター」だった。
ゼルレカとクイナダのツッコミが鋭い。ドラゴンなのかゴーレムなのか、一気に分からなくなった。
「まあ、戦ってれば分かる! 来るぞ! 相手はやはりレイドボスだ! タンクは前へ!」
「「「はい!」」」
「全体にバフ掛けるね! みんないっくよ~♪ 『プリンセスアイドルライブ』♪」
「スターーー!!」
料理バフに加えてノエルのバフ。
これにより超強力なステータスを得た俺たちに、ボスが突っ込んで来た。
なんと初手からメテオストライクである。
「シエラ、シャロン、ラクリッテ、ヴァン!」
「任せて――『アブソープション・ワン・フォートレス』!」
「はい――『ゴッドオリハルコンランパート』!」
「ポン! 素晴らしき盾よ、皆を守れ――『グロリアスブクリエ』!」
「いくであります――『オリハルコン城』!」
「スターーー!」
〈クリスタルドラゴンゴーレム〉の身体が真っ赤に燃え、初手から大質量の突撃がなされる。迫ってくれば迫ってくるほど大きくなる姿にややどよめくが、展開された盾たちを見てみんなが反撃の準備をしたのが分かった。
そう、これくらい、〈エデン〉ではいつものことなのだ。
「スター!!!!」
そしてズッッッッッッドンと衝撃。
レイドボス・大型の突撃が4つの盾に防がれる。
「「「きゃあ!?」」」
「すっごい衝撃!」
「初手からこんな攻撃、あたしたちじゃなかったら戦闘不能でやがりますよ!?」
モニカ、良いツッコミ!
そりゃ遠くから接近してきたかと思えばいきなりメテオストライクだもん。
これは一種の 篩 ( ふるい ) だな。防げないものは退場せよという。
「スター!」
「飛び退いた!?」
「改めて見ると、大きいですの!」
「これ、普通のレイドボス・大型よりもだいぶデカいんじゃないか?」
〈エデン〉のタンク陣が張った強力な盾に阻まれたボスは飛び退くと、立ち上がる。
その姿は、サーシャやゼルレカの言うようにかなり大きい。
今までレイドボス・大型は30から40メートル級が多かった。だがこのボスは50メートル級はある。さらに翼も広げれば100メートル級あっても不思議では無い。
「スター!」
「む! 翼による暴風です!」
「カタリナ、ミサト!」
「任せてくださいまし! ――『絶界』!」
「私!? それじゃあ『全反射』!」
ボスは広げれば100メートル級にもなる翼をはためかせた暴風を巻き起こした。
凄まじい、人なんて木っ端の如く吹き飛ばされかねない程の風が吹き荒れるが、カタリナと結界で防ぎ、さらにはミサトの反射も使って暴風を和らげた。
「これまた、とんでもない風ですわね。おそらく、ちょっと半回転しただけで猛烈な暴風を引き起こしますわ! アタッカーが吹き飛ばされかねないですわね!」
「なんだか 上級下位 ( ジョーカー ) の〈クジャ〉を思い出すな!」
「また〈クリスタルドラゴンゴーレム〉が飛んだわ! 突撃、来るわよ!」
「ボスの名前を〈ドラゴレム〉と呼称する! 防いだ直後を狙うぞ! 飛び退かせるなよ!」
「「「おおー!」」」
「スター!」
再びメテオストライクで突撃してくる〈ドラゴレム〉。え? スターもクリスタルの文字も無い?
気にするな!
ズッッッッッッドン! と再び衝撃。だが、その直後には〈エデン〉のメンバーが回り込み、その背に向けて大量の攻撃を放っていた。
「続けーー! 『ゴッドドラゴン・カンナカムイ』!」
「はい! 『レード・セーゼ・スラスト』!」
「ん――『神速』! からの――『512・ヘル』!」
「うむ! 行くぞ――『必殺の太刀・六閃華』!」
「精霊王様、お願いします――『天変地異・エレメントヘヴン』!」
「ルルも行くのです! 『ヒーロー・スターレイ』! からの――『ヒーロー・セイバー・モーメント』なのです!」
「顔面に当てるとどうなるかも検証しなければいけませんね――『雷拳』!」
「ドラゴン特効が効けば、ドラゴンです――『ドラゴンファング』! む? HPが膨大すぎてどっちか分かりませんね」
「『大忍法・超巨大手裏剣の術』! って、シズ!? 危うくずっ転けそうになったデース!?」
「叩き落とせるか? 『アーカーシャ・グラビティ』! 無理か。ならば――『グラビティ・メテオ・エクスボール』!」
「ゼニス、今です! 『神竜の業火・ファイナルエクシードブレス』!」
「クワァァァアアアアアア!!」
「オリヒメ、合わせてくれ」
「いつでも大丈夫ですわレグラム様」
「「『天海星・ウラヌスネプチューン・キャリバー』!」」
「エミちゃん、ユウカちゃん! 今回はそれぞれでお願いね! 『神宝剣・神の一太刀』!」
「サチっち、張り切ってる! 『神宝本・ダイイングユーゼロ』!」
「新しい武器が手に入るかの瀬戸際だからね――『神宝弓・アルテミス』!」
「ぼくは脚を狙ってみるよ! ――『エクスプロージョンガンショット』!」
「あ、動き出しちゃう! 『クロノス』!」
「ナイスだルキア! 『ゼルワン・カイザーバスター』!」
「脇からしか攻撃しちゃダメなんて、歯がゆいですわ――『レボリューションセンチュリー』!」
「あの巨体はさすがのお嬢様でも止められませんよ! 絶対前には出ないでくださいね!? 『インフィニティ・ジ・エンド』!」
「あわよくば倒しちゃえーなの! 『雷神竜・インフィニティ』!」
「アリスにとても同意ですの! 『エターナルフロスト』!」
「動きを、封じる、あわよくば、倒す――『ビッグクマン・ギガデストロイフィスト』!」
「あの翼が厄介なんだよ! 斬れないかな? 『 狼王剣 ( アルマーレイ・エスパーダ ) 』!」
「デバフ積むぞー! 『怠慢と堕落の剣』! 『惰性と堕弱の一撃』! 『脆弱と漫然の一閃』!」
「いっけ召喚! 『簡易召喚・大魔王の全身様』!」
「『アルティメットノヴァ』! 『ヴァーミリオンプロミネンス』! あ、大魔王が背中に組み付いた」
「スターーーー!?」
ほとんどのアタッカーからの総攻撃を受けた〈ドラゴレム〉。
先ほどのようにすぐに飛び退くことができず、盾に激突した位置に束縛されることになった。
みんなのそれぞれのスキルや魔法、ユニークスキルが強烈。
中でも目立つのは〈ドラゴレム〉の背中、翼の付け根の部分に取り付いたシヅキの大魔王様だろう。
ムキムキの筋肉の巨大魔王が突如上空から現れたかと思うと、フライングボディプレスで強襲。そのまま翼を抱え込むようにして捕まえてしまったのだ。まさか、大魔王様、それ乗りこなそうとしてない??
「スターーー! スターーーー!!」
「嫌がってる嫌がってる!」
「大暴れですの!?」
「はっ!? 翼が封じられている今のうちに攻撃を叩き込め――! 『 天光勇者聖剣 ( あまのひかりのゆうしゃせいけん ) 』!」
あまりの事態に俺ですら固まってしまったが、カグヤとサーシャのツッコミに無事我に返り指示を出す。やはりツッコミは正義!
おかげで強烈な攻撃が叩き込まれていった。
「ああ!? 大魔王様がやられた!」
「身長が20メートル級もあったのに、割と赤子の手を捻るかの如くだったな」
〈ドラゴレム〉の大きさは50メートル級。対して大魔王様は20メートル級だった。
大魔王様も結構大きいお身体をお持ちだったのに、最後は背中側に倒れられてぺちゃんこになってしまったんだ。まあ、潰されて光に返っただけだが。
「でも動きを封じられることは分かったよ! 行くよみんな! 『犬力の犬』! 新しく強くなった力を見せてねヴァイア!」
「リヴァアアアアア!!」
「おお! 〈海竜神リヴァイアサン〉じゃないか!!」
「実はこの前進化したんだよ!」
フラーミナが新たに召喚したのは、〈レヴィアタン〉から進化した〈海竜神リヴァイアサン〉。一旦悪魔方向の〈レヴィアタン〉へ闇落ちしたかと思いきや、また〈リヴァイアサン〉系統に戻ってきた。
正真正銘、最終進化系の〈海竜神リヴァイアサン〉だ。大きい、テイムモンスターなのに30メートル級はあるぞ!
さらには〈ヤマタノオロチ〉のヒーちゃん、〈最高位天精霊・フェアリエル〉のリーちゃん。
ウールーフートリオの〈バトルウルフ(最終形態)〉など、フラーミナのモンスターたちもほとんど最終形態に揃ってきた感じだな。
「みんな、動きを止めて! 『我が軍勢よ。蹂躙せよ』!」
「え、どっち!?」
飛び掛かるフラーミナのモンスターたちが動きを封じ、そこへ追撃するメンバー。
だが「こざかしいわ!」とばかりに吹き飛ばす50メートル級のクリスタルな〈ドラゴレム〉。
おおう。これじゃあどっちが大魔王か分からないんだぜ。
「だが、ダメージは入ってる。大型モンスターなら翼も良い感じに封じることができることが分かった。なら、後は倒すだけだ」
「ゼフィルスさん、何か策がありますの?」
「おう。シヅキとノエルに手伝ってもらう。ちょっと良い作戦を考えたんだ」