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第1920話 レイドボスは形態変化無し!さあ宝箱の時間だ

ゲーム世界転生〈ダン活〉~ゲーマーは【ダンジョン就活のススメ】を 〈はじめから〉プレイする~ — kakuyomu.jp · All chapters

第1920話 レイドボスは形態変化無し!さあ宝箱の時間だ

「今思い出したのだけど、そういえば〈秘境ダン〉の最奥ボス、〈イルカグマ〉もHPバーは1本だったわね」

「〈鉱ダン〉40層ボスの〈クマ型ゴーレム・メタルクリムゾンベアー〉なども、言われてみればHPバーは1本でしたわ」

〈クリスタルドラゴンゴーレム〉、通称〈ドラゴレム〉が形態変化せず、1本のHPバーが無くなったところで宝箱になった。

きっとレイドボスなんだから形態変化してくるに違いないと思っていたメンバーたちは盛大に肩すかしにあい、シエラやリーナが真剣にこれまでの記憶を辿っているな。

辿られているボスが両方クマボスなのは……やはり記憶に残りやすかったのだろう。

俺もその考察にうむと頷く。

その予想は大当たりだ。エクストラダンジョンは学園からのご褒美。

故にボスは、HPバーが1本なのだ。

上級のボスクラスでも、最上級のレイドボスでも、形態変化しないのである。

「エクストラダンジョンのボスって形態変化しないの!? それすごくいいじゃない!」

「いや、そうとも限らないぜ? さっきの〈ドラゴレム〉なんか攻撃手段は乏しかったものの、第三形態並の力強さがあった。しかもHPが3段ある普通のレイドボスと違いHPバーが1本で形態変化しないということは、こっちもMPポーションなどの補給がしにくいということでもある」

「確かにそうですわ。MP消費の激しい魔法使い系のメンバーは、MPが枯渇気味でしたもの。ギリギリ枯渇しなかったみたいですが」

「…………」

そういうことである。

ボスが形態変化を挟むことでこっちも回復と補給ができるので、形態変化もよしあしなんだ。〈ドラゴレム〉のHPは〈バトルウルフ(最終形態)〉よりも少ないくらいなので、レイドボスの中では一番HPが低い。これは形態変化が無いため、最初から強いがHPは低いという設定だな。

普通のレイドボスならもっと早く1本目のHPバーが無くなるのでMPの回復や補給ができる。故にもうちょっと余裕のある全力が出せるのだ。

なお、「(MPが)ギリギリ枯渇しなかった」とリーナが言ったところでシエラが俺を無言で見つめてきているね。どうしたんだろうね?

別に、これを見越してみんなのMPステータスをギリギリに育成させたわけでは――あるよ?

やはり俺の見立て通り、みんなの最大MPはこれくらいがちょうど良いと見たね。これ以上MPにSUPを振るのは勿体ない。うむ、確認したいものが確認できたよ!

「ねえゼフィルス! 振り返るのはその辺にして、〈金箱〉開けましょうよ!」

「おっとそうだったな! みんな、配置に付け! 今からクジ引きを敢行するぞ! みんな当たるように祈るんだーーーー!!」

「今まで真面目な話をしている風だったのに!」

「宝箱と聞いてゼフィルス先輩のテンションが一瞬で爆上がりしましたの!」

ふはははははは!

HPバーが1本だったとしてもレイドボスには変わりない!

〈幸猫様ファミリーズ〉のお力添えにより、〈金箱〉4つ確定!

〈パーフェクトビューティフォー〉だーーーーーーー!!

こんなの、テンションが上がらない方がおかしいだろ!

なお、クジ引きの結果。

「私が当たるなんて……」

「あ! 赤色が付いてます!」

「わ! 当たりだ! ゼフィルス君の目が当たりから離れないんだよ!」

「それじゃあ2本で試してみよっか! ゼフィルス君、当たりだよ!」

「がびん!?」

当たったのはシエラ、キキョウ、トモヨ、シヅキだったんだ。

トモヨとシヅキが左右から当たりクジを自慢してきて思わず膝を突いてしまったぜ。

くっ、ここは俺のところに当たりが来る流れだっただろう!?

「ゼフィルス君、共同作業しよっか?」

「良いのかトモヨ!?」

しかしトモヨからまさかのお誘い。俺は思わず食いついたんだ。

だがそこへ。

「あ! トモヨちゃんズルだよ!? それなら私が――ひゃ!?」

「あなたたち、私を差し置いて良い度胸ね?」

「「シエラさんだー!?」」

シヅキが参戦しようとして――後ろから肩ポンされてビビリ散らかしてた。

シエラは笑顔だ。でも、なぜか迫力のある笑顔だったんだ。

「私たちは平和に共同作業しましょう。良いですかアリス?」

「もちろんなの~」

なお、平和なロリ組が最初に開けることになり、キキョウとアリスが共同作業でお祈り。とっても尊かったので思わずパシャってしまったんだ。

「ゼフィル―――」

「シェリア、今大事なことを話しているから後にしてね?」

「――失礼しましたシエラさん」

え? 今なにが起きた?

なにやら背後から近づこうとしたっぽいシェリアがシエラにブロックされたのか?

やばい。シエラの側とか超安心なんだけど!

「ああ! ゼフィルス君がシエラさんの方へ!?」

「ふらふらと吸い寄せられていったんだよ!?」

ふう。シエラの側とか安心感が違うぜ。

「ゼフィルス、本当にいいのね?」

「ん?」

なんか安心する方へ思わず向かったら、いつの間にかシエラの隣に居て〈金箱〉を前にしていたんだ。このままシエラとしゃがめば共同作業ができるだろう。

いったいいつの間に俺はここに!? 完全に無意識で吸い寄せられてしまったんだぜ。

そんなことをしている間にキキョウとアリスのロリ組が〈金箱〉を開けていた。

「こ、これは!?」

「生産用アイテムなのです! かまどなの~!」

「なぬ! 生産アイテムだって!?」

なんと、キキョウとアリスが当てたのは、生産アイテム。

鍛冶に使う炉――火床だったのだ。アリス、それはかまどじゃないよ。

その名も〈 鍛冶炉 ( かじろ ) ・ 神炎 ( かみのほのお ) 〉。

もうね、名前からしてとんでもなさそうなものなのが分かるね。

「ルルが『解析』してあげるのです! 『解析』! これは――〈 鍛冶炉 ( かじろ ) ・ 神炎 ( かみのほのお ) 〉なのです! 鍛冶用の生産アイテムなのです! 性能もつよつよなのです!」

「イエッス!!」

ルルが早速鑑定してくれた名前と能力に思わずイエッスした。

これは凄まじい! アルルへの良いお土産ができたぜ!

俺は思わず握りこぶしを作ってキキョウたちロリ組にグーした。

「そう。それなら、一緒に開けましょう」

「お? おお?」

すると現在進行形で隣で少し顔を赤くしていたシエラがしゃがむよう促してきたんだ。

あれ? 今のイエッス、もしかしてさっきの話にイエッスしちゃった?

なんの話してたっけ? いや、シエラと一緒に開けるとか、是非も無いよ!

「そうだな! 一緒に開けよう! ああ〈幸猫様〉〈仔猫様〉〈愛猫様〉〈神猫様〉! 素晴らしい〈金箱〉4つ、ありがとうございます! どうか中身も良い物をお願いいたします!」

俺は細かいことを考えることを止めた。

シエラと共同作業。今はそれに集中するんだ!

「むむむ、シエラったら、ゼフィルスを〈金箱〉で釣るなんて!」

「ですがシエラ殿が動かなければトモヨさんかシヅキさんに釣られていましたね」

「もうゼフィルスったら! 〈金箱〉にフラフラ釣られすぎなのよ! あとで懲らしめてあげるわ!」

「おそらくラナ様が言っても効果は期待できないのではないでしょうか?」

なんだかラナが俺を懲らしめるとか言っている気がする。でも仕方ないんだよ、だって〈金箱〉だもの! 〈パーフェクトビューティフォー〉だもの! ラナならきっとわかってくれるはずだ! だってラナだもん。

それはともかく。

「いくぞシエラ、いざ」

「ええ。――――これは、レシピね」

パカッと開封。

ドキドキも最高潮で、出てきたのはレジェンド色のレシピ!

「これもルルが鑑定しちゃうのです! ――『解読』なのです!」

「サンキュールル!」

ドキドキ2回目!

この〈鉱ダン〉では〈オリハルコン〉が採れる。

すなわち、〈オリハルコン〉から作れる武具のレシピもドロップするということでもあるんだ。

「これは――〈 神晶盾 ( しんしょうたて ) ・ラーベ〉。小盾、大盾、両手盾のレシピよ」

「おお! おおおお! 凄い性能だ! 〈オリハルコン〉や〈クリスタル〉なんかを使う水晶にも似た美しい盾になるみたいだぞ!」

「さすがクリスタルのドラゴンドロップなのです!」

そう、これはあの〈クリスタルドラゴンゴーレム〉を構成していた〈オリハルコン〉と〈クリスタル〉の合金製の盾レシピ。クリスタルだから合金というより融合みたいな感じなのかもしれないが、細かいことはいい。

このレシピを見てからシエラの目が変わったのを感じた。じーっとレシピを見つめているんだ。相当気になるらしい。よーし、早速アルルに相談してみよう!

ちなみにルル、あれはクリスタルのゴーレムな。ドラゴンじゃないんだぞ?

また、トモヨとシヅキだが。

「わわ! 金床と金槌、あと鋏みたいなやつ!? これも鍛冶系の生産アイテムだよ!?」

「私は〈オリハル 効 ( こう ) ツルハシ〉!? え? これオリハルコン製じゃなくて、〈オリハルコン〉を掘りやすい特効効果付きのツルハシなの!?」

トモヨは〈オリハルコンの鍛冶3点セット〉だった。トモヨが鋏と言っているのは 火箸 ( ひばし ) な。熱した金属を掴むあれだ。

これらもアルルにプレゼントだな。

やべぇ、また凄まじく良い装備が完成しちゃう予感!

「ぬぅ!!!!」

「あ、ソドガガがそれをどうしても欲しいそうです!」

ちなみに〈オリハルコン〉の『発掘』に特化したツルハシは、ソドガガが大層気に入ったのでソドガガが使うことになった。もう絶対に離さないと言わんばかりに気に入っていたな。これでさらに〈オリハルコン〉が発掘できるだろう。

「「「「「あ!」」」」」

とここで右手に違和感。

みんなから「あ」の声が上がったんだ。つまりはアレだな。

「〈鉱ダン〉の攻略者の証だーー!」

「ということは、〈鉱ダン〉はこれで終わりでやがりますか!?」

「まーた初の攻略者になっちまったな!」

クイナダ、モニカの言うとおりだな! 〈鉱ダン〉は50層で、いや50.5層で最後なんだ! あとゼルレカ、反応が軽いぞ! もっとリアクションとツッコミプリーズ!

「よーし、あと2日で攻略すると言っておきながら1日足らずで攻略してしまったな! それじゃあ今日からここで周回するぞ! そして明日も〈オリハルコン〉を軒並み『発掘』するんだ! みんなで協力して良い装備作るぞ!」

「「「おおー!」」」

「やっぱりこの〈エデン〉のノリは、まだ付いていくのがやっとでやがりますね」

「大丈夫だってモニカ、そのうち――いやでも慣れるよ!」

「なんか今不吉なこと言いやがりませんでしたか?」

モニカとクイナダのやりとりにほっこりとし、俺たちは再びボス周回するべく、〈竜笛〉を構えたのだった。