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第1923話 テストが羽目を外してきた!全く問題ないな!

ゲーム世界転生〈ダン活〉~ゲーマーは【ダンジョン就活のススメ】を 〈はじめから〉プレイする~ — kakuyomu.jp · All chapters

第1923話 テストが羽目を外してきた!全く問題ないな!

みんなでテスト勉強をしていれば時間はあっという間に過ぎていき、テスト当日だ。

「大丈夫だ。みんな力を抜け。教えるべきところは、全て教えられたと思う。後は自分次第だ。気を引き締めて挑めば良い点が取れるはずだ!」

「「「「はい! 頑張ります!」」」」

この1週間、ずっと勉強を頑張っていた〈エースシャングリラ〉の1年生たちが良い声で返事をする。

みんな〈エデン〉の下部に連なるメンバーとして、不甲斐ない点は取れないと燃えているな。

ここはギルドハウス。

どうやら〈エースシャングリラ〉のメンバーは俺に活を入れてほしいらしくて朝から集合して激励していたところだ。

ふっ、おかげで今日の朝はハンナと一緒できなかったんだぜ。大丈夫かな俺? 力でなくて満点逃すとかないよね? 〈幸猫様〉たちに祈っておこう。

そう思っても表情には出さない。

まるで大事な戦いに臨むような気を引き締めた表情の〈エースシャングリラ〉のメンバーたちを見送り、俺はクルリと反転して〈幸猫様〉たちにお祈りを捧げたんだ。

神棚には〈幸猫様〉〈仔猫様〉〈愛猫様〉〈神猫様〉が揃っている。いつ見ても、神々しいお姿だ。今ならなんだって願いが叶う気がする。お供え物を供えておこう。これは決して賄賂ではないぞ?

そんな感じでテスト当日は始まった。

とはいえ俺たちにとっては慣れたもの。軽い軽い、軽すぎるわ!

座学は満点だな。間違いない。きっと〈幸猫様〉たちのご加護だ。ありがたや~。

そしてテスト後半。

問題は実技だ。先生たち、ついに羽目を外してきたんだ。

「では今年からは3年生の実技テストを上級ダンジョンで行ないます」

「俺たちが最上級生になったからって、いきなり難易度上がりすぎじゃない?」

2年前までこの時期に上級ダンジョンを攻略している学生なんて皆無だった。

故に絶対上級ダンジョンで実技なんかできなかったはずである。

去年は俺たちも上級ダンジョンを攻略していたが、俺たちが1個上の学年よりも強かったものだから、かなり温い難易度のダンジョンがメインだったしな。

当時2年生の俺たちのテストで上級ダンジョンへ挑ませたら、3年生のテストも上級ダンジョンでやらないとおかしい。故に手加減されていたわけだが、今年からはその手加減の枷が、どっか行ったらしい。出張かな?

「大丈夫です。みなさんならたとえ上級ダンジョンだろうと下位ならば難しくはないでしょう」

はい。俺たちはLV98です!

上級下位ダンジョンのランク1からランク3とか、浅層なら推奨LV10とかだもんね。

思えば、遠くにきたものである。今なら〈トラキ〉だって頭が吹っ飛ぶ前に光にしてしまえるだろう。

同じ〈1組〉のクラスメイト、アイシャやハクだってLV60以上あるから、まあ テスト ( 上級下位 ) くらい楽勝だろうな。

俺も楽勝だと思う。結果楽勝だった。〈1組〉はみんな100点じゃないか?

え? 〈トラキ〉? うん、頭吹っ飛ぶ前に光になってたよ。もう「頭吹っ飛んだーー!」とは言えなくなってしまったんだ! くぅ……!

「みんな優秀で、先生は誇らしくて仕方ありません」

「その割には達観したような表情になってますよフィリス先生?」

「先生より強い学生を見ていると、達観するしかないんですよ?」

なんかそんなことを諭されてしまった。

フィリス先生も苦労していらっしゃる様子だ。

そんなこんなでテストも終わる。

「ではみなさん、テストお疲れ様でした。テストの結果を楽しみにしていてくださいね! あと今日の放課後からダンジョンが解禁されますよ」

「よっしゃダンジョン解禁だーーーー!」

「ゼフィルス落ち着きなさい」

「うごすっ!?」

脇腹に心地よい衝撃! どうやらシエラがまた俺の脇腹を突ついたらしい。

おかげで俺のテンションがストップ状態だ!

シエラ、もしかして俺の脇腹にブレーキがあると勘違いしていないか?

「それと、テスト返却が終われば夏休みですからね。みなさん帰省もあるでしょうから、スケジュールなどは組んでおいた方がいいでしょう。最後の夏休みも楽しんでくださいね」

「…………」

帰省? 帰省ってなんだっけ?

テストで満点を取った俺の優秀な脳細胞が、なんだっけ判定を下していた。

おかしいな。俺に分からないことがあるだと? 俺に分からないものはない!

ぴこん♪

思い出した! なに!? 帰省だと!?

どうやら全く思いもよらない言葉に脳が理解を拒否していただけらしい。

俺の脳裏にギルドメンバーたちの姿が過ぎる。

すぐに確認しなければ!

「では、今日はこれで終わりです。みなさん、お疲れ様でした」

「「「「「ありがとうございました!」」」」」

テストが終わったのでギルドハウスへと向かう。

今日は久しぶりのダンジョン解禁なのでまずはメンバーの顔を見に全員集合なのだ。

「シエラ、リーナ、セレスタン、〈エデン〉〈アークアルカディア〉〈エースシャングリラ〉全てのギルドメンバーを集めてくれ! すぐそこまで迫ってる夏休みに対し、これよりブリーフィングを開始する!」

「分かったわ」

「ゼフィルスさんが燃えていますわ!」

「承知いたしました。部屋の席を用意しましょう」

こうして〈エデン〉50人、〈アークアルカディア〉19人、〈エースシャングリラ〉26人。計95人という超フルメンバーが集合した。

1つの部屋がなかなかに人口密度の高い空間になったな。まあ、まだまだ余裕だけどな! 〈エデン〉のギルドハウスは広いのだ!

ざわざわと集められたメンバーがざわめく中、俺とシエラが前に出る。

「みんな! よく集まってくれた! これより来たる夏休みに向けてブリーフィングを開始する! 具体的には、みんなのスケジュールを知りたい! 帰省などで長期間活動できない予定があれば報告してほしい!」

帰省。

それはギルドメンバーの一時離脱。

なんということだ。

最近帰省なんて誰もしていなかったからうっかり頭から抜け落ちていたよ。

今年は新しいメンバーが30人以上増えたんだからそりゃ帰省するメンバーだっているはずだ!

もう最後の年だからな。入念にスケジュールを組まなければ。

そして結果だが。

「ゼフィルス、今期〈エデン〉〈アークアルカディア〉〈エースシャングリラ〉から帰省する人は―― 皆無 ( かいむ ) だったわ」

「そうか、そんなに帰省するメンバーが――皆無?」

皆無。それはゼロという意味。

シエラからの報告で重く神妙に応えたのに、次の瞬間には「あれ?」ってなった。

「帰省するメンバー、いないのか?」

「ええ。むしろ帰ってくるなと連絡すらあったそうよ」

「当然ですわね。〈エデン〉〈アークアルカディア〉〈エースシャングリラ〉にせっかく在籍したんですもの。むしろこの長期休暇はステップアップのチャンス。これを棒に振るメンバーは、たとえ1年生にもいませんわ」

「そ、そうなのか……!」

1年生の心構えが、いつの間にか立派になっていた件。

95人も居て、帰省する人はゼロだったようだ。

「はい! 私、もっとお兄さんから色々学びたいです!」

「僕も! もっと鍛えてほしいです!」

「私も」

「リーナ先輩に色々ギルドバトルのなんたるかを教え込んだのはゼフィルス先輩だと聞いています。どうか私にもご教授を」

〈エースシャングリラ〉のソア、ミツル、シオン、ユナからも声が上がる。

5月からこっち、今まで〈エデン〉の方が忙しくてあまり伝授できなかったからな。そろそろ上級職にも慣れてきているはずなので、〈エースシャングリラ〉の育成に力を入れる時なのかもしれない。

嬉しいことだ。

「それを聞いて安心したぜ! それならば俺が〈エースシャングリラ〉をSランクギルドと戦えるよう鍛えてやるぜ!」

「ふぁ!? あのSランクギルドはLV60超えで……!」

「まずは上級上位ダンジョン攻略を目指す、ということですね! これは4月の高速レベル上げのときのようなすごいことになりそうです!」

「ご主人! 私も頑張る~」

俺の宣言にフェンラが素っ頓狂な声を上げ、クラがやる気を漲らせ、マルティが相変わらず癒し力を全開にしていた。

「…………ゼフィルス、あまりやり過ぎないようにね?」

「任せておけ!」

「ゼフィルスさんの任せておけ、は凄まじいのですが、凄まじすぎるんですのよね」

「ちょっとゼフィルス、〈万界ダン〉の攻略も忘れないでよ!」

夏休み計画、こりゃあまた、色々腕の振るい甲斐がありそうだ!

あとはそうだな――水着も用意しないとな!