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第1924話 ブリーフィングで判明する人類の初の到達者!

ゲーム世界転生〈ダン活〉~ゲーマーは【ダンジョン就活のススメ】を 〈はじめから〉プレイする~ — kakuyomu.jp · All chapters

第1924話 ブリーフィングで判明する人類の初の到達者!

「そうだ、それと毎年恒例の〈海ダン〉にも行こう!」

「いいわね! 今年も楽しみましょう!」

「はわわ! 今年はどんな水着にしようかな」

俺の言葉にラナがグッと拳を握りながら力強く同意し、ハンナがはわわしながらも早速前向きにアルストリアさんやシレイアさんたちに相談していた。

「水着ってなんですか?」

「私知ってます! 海とかに入るときに着る専用装備ですよ!」

「私はもふもふの尻尾が濡れるのイヤー」

おっと1年生組には水着はよく分からないらしいな。マルティは尻尾が濡れるのを嫌がってるが、そこはマリー先輩がなんとかしてくれるに違いない。

あれ? 今や世界でもトップクラスになったマリー先輩の店に水着を注文してもいいのだろうか?

……いいよな別に! むしろマリー先輩もまた誘おう!

「というわけだメルト」

「ああ。〈海ダン〉で素材集めもしないとな。〈エースシャングリラ〉のメンツも誘おう。下準備は男子の仕事だ」

「〈海ダン〉で素材採集ですか」

「それなら俺たちも手伝いますよ! 浜辺に歌を轟かせ、素材になるモンスターを集めてみせましょう!」

俺が振れば早速メルトが新メンバーのメーレイとロイを捕まえて手伝いを頼んでいたな。

そう、夏の海を満喫する前の水着素材集めは、男子の仕事なのだ。

昨年はマリー先輩が運良く仕入れてくれていたが、今年は高級デパートがオープンしたし、〈トップマリー〉に中級の水着素材を売りに来る人なんて皆無だろう。なにせ〈トップマリー〉に水着を注文する人がいるかも怪しい。水着素材の在庫は無いと思っていいだろう。

自分たちで素材を集めておく必要があると見たね。

「それと、そろそろ最終装備の作製にも取りかかりたい」

「最終装備?」

「ああ、溜めに溜めまくったあの〈強化玉〉を使うに相応しい、最強装備の作製だ」

ごくり。

そんな音が部屋に響いた気がした。

これだけの人が居て音が響く、いつの間にか緊張と静寂が部屋を包んでいたんだ。

この夏休みの目標の1つ、それが最終にして最強の装備の完成である。

「最終装備、今一度詳しく言えば、自分だけの最強装備だ。今までダンジョンを攻略し、ダンジョンの難易度が上がれば装備を更新する、という作業を繰り返してきたが、その最終到達点。これ以上の装備の更新は必要ないという最後にたどり着く装備のことだ」

「確かに、最上級ダンジョンも残すところあと2つ。最強の装備を考えてもいいのかもしれないわ」

「最強装備……なによそれ、すごくかっこいいじゃないの!」

「だろ? だが、これの作製には当然生産職の力が要るんだ」

そこで全員の視線があるメンバーに向いた。もちろん、アルルだ。

この〈アークアルカディア〉所属で唯一の装備作製者である。

「俺はアルルからこう頼まれていた。最強装備は自分がLV100になるまで待ってほしい、とな」

「LV100で作った装備こそ、最強装備に相応しい。非常に納得いく答えですわ」

「その通りだ。装備は生産職の実力が大きく反映される。俺たち戦闘メンバーがLV100になるだけじゃダメだ。それをサポートする生産メンバーもLV100になり、最強の装備が作製できて初めて俺たちは最強になれる!」

「「「おおー!」」」

みんなも生産職の凄さ、必要性がしっかりと十全に伝わったのだろう。

アルルが凄まじく尊敬する目で見つめられているな。

「アルル。いいか?」

「任せときゼフィルス兄さん! みんながこれ以上ないと思うような最っ高の装備を作ってあげるかんな!」

「「「「「おおー!!」」」」」

頼もしい! アルルが頼もしい!

「うちのLVは96になったとこや。テスト期間中にも気晴らしに打ってたからそこそこのレベルにはなっとる。そして確信したんや。この〈オリハルコン〉や〈鉱ダン〉最奥のボス素材を使えば、うちもLV100になれるちゅうことにな!」

「そうだ! 俺たち戦闘メンバーもみんなLV98だ! LV100になるときは近い。そしてLV100になってからがある意味本番だ! 真の最強になるためにな!」

最強。これ重要。

今まで俺が指導してきた育成の方針を覚えているだろうか?

そう、 最強 ( ・・ ) 育成論だ。

最強の育成。それは俺、ひいては〈エデン〉が掲げる目標の1つ。

LV100になることは確かに到達点だが、それだけではまだ足りない。

俺たちの目標は最強なのだから。

装備も揃って初めて最強になれるのだ。

装備作製、ある意味本番はここからだと言える。なにせ、最強装備のレジェンドレシピは、みんなドロップだからな。

全員分のドロップを集め、生産職を揃え、さらに最上級の生産アイテムも揃えてLV100の生産職たちの手で作製する。

さらには〈強化玉〉で強化し、初めて最強に至れるのだ。

ここからが真の本番、真の最強に至るためのエンドコンテンツである。

――のはずなのだが。

ゲームとは違い、リアルだとレジェンドレシピを確定ドロップするレイドボスをかなり効率的に周回できるので、割とレシピは出揃ってきていたりする。リアル様様だよ!

故にだ。後はアルルたち生産職がLV100になれば最強装備が作れる、というところまで来ているのである。

「ちなみにハンナ、今のLVは?」

「ひゃ!?」

ハンナに振ると、なぜか悲鳴が上がった。

「? ハンナも装備の生産に必要なの?」

「そうだぞ? むしろ必須だ。レジェンドレシピから作製する装備は、たいてい〈オリハルコン〉が必要だ。しかし、ただの〈オリハルコン〉から作った装備はまだ最強装備では無い」

「せや。うち1人じゃ最強装備を作製するに足らんのや。最強装備を作製するためには、〈オリハルコン〉を【錬金術師】が加工昇華した、〈 天聖祝福 ( てんせいしゅくふく ) のオリハルコンメタル〉が必要やねん!」

「あ! そのレシピ覚えてるわ! 〈聖界ダン〉でドロップしたやつよ!」

「その通りだ。〈聖界ダン〉の最奥のレイドボス〈セラフィム〉のドロップでゲットしたレシピだな。これで作った〈天聖祝福のオリハルコンメタル〉を使うと、最強装備の性能をさらに高めてくれる」

「つけ加えると、生産工房も重要や、錬金と鍛冶、どちらの生産アイテムセットも全てが最上級なのが望ましいで」

「生産アイテムも!?」

そう、最強装備を作る上で重要なのは――【錬金術師】なのだ。

【錬金術師】が作りあげた〈天聖祝福のオリハルコンメタル〉がなければ、最強装備は作れない。ハンナがキーパーソン!

まあ、だからこそ〈聖界ダン〉は【錬金術師】系に関連するドロップが多かったりしたんだ。

ランク2の〈猫界ダン〉で〈神猫様〉を当て、続くランク3の〈聖界ダン〉レイドボスから【錬金術師】系に関連するドロップを搾り取れ。というのがゲームでの流れだった。これが上手くいけば最強装備への道が開けるというわけだな。

ハンナもLVは育ってきているはずだが、今なんレベなんだろう?

「えっと、100」

「ん?」

「え? ハンナ? 今なんて?」

「えっと、私もテスト期間の合間にちょ~~っとだけ錬金しててね。少し前にLV100になった……よ?」

「「「「……ええーーーーーーーーーーーーーーーーー!!??」」」」

ちょっと? 絶対ちょっとじゃない。ちょっとくらいでLV100になれるか!

ハンナもそれが分かっているからだろう。恐る恐るという感じで申告してきたんだ。

もうびっくりだよ!!

「ハンナが、最初の人類の頂きの到達者」

「ふえ!? い、いえシエラさん、そんな大層なことじゃ!?」

「クラリス、これはお爺様に早速報告案件でしょうか!?」

「え? えっと。そうですね。どうしましょう?」

「い、いえいえいえ、報告しなくて大丈夫ですよ!? 私もちょっと、そう、たまたま先にLV100になっちゃっただけで、本当ならゼフィルス君たちが最初だったはずですし!」

「ハンナ様、さしゅがハンナ様!」

「ハンナさん、またこっそり錬金してたんですのね」

「え、えっと。新しい生産アイテムにテンション上がっちゃって……」

どうやら俺たちが〈聖界ダン〉でゲットしまくった生産アイテムが影響している様子だ。

つい新しい物を使いたくなってしまう。それは分かるけど……!

そういえばアルルにはテスト勉強を優先するようにと約束しておいたが、ハンナには言うの忘れてた。おかげでハンナは、こっそりテスト中も錬金していたようだ。

まさかハンナが最初のLV100とは!

「これは負けられないわね! ――ゼフィルス! 私たちも早速〈鉱ダン〉にいきましょ!」

「だな! ハンナにだけLV100にさせておけないぜ! 俺たちも今日明日で〈鉱ダン〉の最奥レイドボスを周回し、LV100を目指すぞ! みんなもいいか!?」

「「「「おおー!!」」」」

ラナの言葉で一気に流れが変わる。

さすがはラナだ。ラナはこういう時本当に頼りになるぜ!

「俺も盛大に学園に声明を出すぞ! 今からLV100になりに行きます、ってな!」

「あ、学園がとんでもないことになりそうですの!?」

「また特大のパレードとか開かれちゃうやつだ!?」

ハンナだけじゃない、〈エデン〉の上位勢がみんなLV100だ。

安心しろハンナ、俺たちは仲間、LV100になるときは、みんな一緒だよ!

「あ、ありがとうゼフィルス君」

「良いってことよ! さあ、残りの議題を終わらせたら、早速〈鉱ダン〉に潜るぞ! ―――セレスタン!」

「はい。エクストラダンジョン入ダンの申請をしておきます」

それからも少しだけブリーフィングを続け、〈エデン〉は〈鉱ダン〉も攻略したし、〈万界ダン〉の攻略はしばらく休憩。

みんなLV100になった後は、アルルたち生産職が装備を作製するまでの間、〈エースシャングリラ〉の育成に力を入れようということになり、〈万界ダン〉の攻略は真の最強装備がある程度完成したら行くことに決定した。

これにてブリーフィングは一先ず終了したのだった。

方針は決定!

まずは、〈鉱ダン〉で俺たちもLV100だ!