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第1929話 海でシャークが現れてメルトの魔法が暴走した

ゲーム世界転生〈ダン活〉~ゲーマーは【ダンジョン就活のススメ】を 〈はじめから〉プレイする~ — kakuyomu.jp · All chapters

第1929話 海でシャークが現れてメルトの魔法が暴走した

「それでは本日より、〈海ダン〉で素材回収を行なおうと思う! 今年は95人分だからな。手分けして集めようか!」

打ち上げした翌日。

今日は来たる〈海ダン〉エンジョイのために水着装備素材の採集に向かった。

もちろん、男子だけ連れてな! ここはすでに、〈エクダン〉だ。

「ミツルたち〈エースシャングリラ〉組は初めてだろうから、勝手の分かる〈エデン〉メンバーの誰かがいる班に組み込ませてもらうぞ」

「〈エデン〉の皆様と同じ班なんて、光栄です!」

今日来てもらったのは95人中20人の男子たち。

【錬金術師】の3人は別で活躍する予定なので今日は免除だ。

〈採集無双〉とサトルは参加だけどな。

「サトルは良かったのか? 別に休んでも良かったんだぞ?」

「女子に着てもらう水着の素材を確保する。そんなゼフィルスさんの志に深く感銘を受け参加を決めました!」

「なんかサトルが言うと、ちょっと違う意味に聞こえるぞ!?」

サトルが真面目なのはいつものことなのに、不思議!

サトルはぶっちゃけ事務要員なので戦闘も採集もからっきしだ。とはいえLVはそこそこ高いのでステータスだけは育ってる。そのため今日は武器スキルやアイテムを使って貢献してもらう予定。別にそこまでして参加しなくても、と思わなくも無いが、これはサトルの強い希望によるものだ。

純粋にギルドを手伝いたいという志であることを祈るんだぜ。

「それに〈生徒会〉は後輩が育ってきたので今はかなり落ち着きましたから。夏休み中は割と時間があるんですよ。夏休み後は1年生の勧誘でまた忙しくなりそうですけど」

「そうかぁ。まあ、ここで存分に羽を伸ばしていくといいさ」

「はい! たくさんモンスターを屠りますぜ!」

〈生徒会〉も夏休みは活動が縮小するらしいからな。帰省なんかもあるし、サトルも仕事から解放されてちょっとウキウキしている。

「それじゃあ班分けするぞ」

メンバーは俺、セレスタン、メルト、レグラム、ラウ、ヴァン、サトル、モナ、ソドガガ、タイチ、ミツル、騎士男子4人、賊職2人、サンダダ、メーレイ、ロイの計20人。

ぶっちゃけ俺からラウまでの5人は過剰戦力も良いところなので1人体制でもいいくらいだ。手分けするならなるべく多くばらけるのもあり。

結局俺がミツルとサンダダ、メーレイ、ロイを連れ、セレスタンが騎士男子4人と組むことになった。

メルトはヴァンに加えて賊職男子2名の4人パーティ。レグラムはモナとソドガガの3人パーティ、ラウはタイチとサトルの3人パーティを組んで5つの班を作った。

俺、セレスタン、メルト、レグラム、ラウをリーダーにしているため、〈海ダン〉で負ける可能性は皆無だな。最奥ボスだって1人で楽勝すると思われる。

「ゼフィルス様、受付が終わりました」

「ご苦労セレスタン! それじゃあ行くか! いざ、〈海ダン〉へ!」

「「「「おおー!」」」」

初の〈エデン〉〈アークアルカディア〉〈エースシャングリラ〉、3つのギルドの合同探索だ。

「お、おおお~! ここが、〈海ダン〉。というか海、広い!」

「こいつは壮観」

初めて海を見たのだろう、ミツルやサンダダが目を見開いてキラキラしていた。

ミツルなんて素が出ているな。

それぞれとても楽しんでいる様子だ。

早速海に駆けよってはしゃいでいる。だが、ここはすでにダンジョンなのだ。

「シャーク!」

「!! ゼフィルス、奴だ! 奴が出たぞ!!」

「え? あれってサメーーー!?!?」

「ミツル、サンダダ! 戻って来い!」

「そうか、サメなら――ってええええ!?」

「足がありますが!?」

「陸を駆けてくる!?」

出たな〈海ダン〉名物、〈レッグホージロシャーク〉別名:足つきホホジロザメ。

メルトがまたも過剰反応している、かと思いきや、ミツルやメーレイ、ロイもびっくり驚きを顕わにしているな。面白い。

「サメは海に帰れーー! 『アポカリプス』!」

「あ」

メルト、ユニークスキルで迎撃。

「シャーーーーー…………」

もちろん一瞬でHPを吹っ飛ばされた〈レッグホージロシャーク〉は光に還った。

海に帰らせるどころじゃない。

「メ、メルト先輩、かっこいいです!」

「見事だ」

「…………」

なお、後輩からは大変好意的な様子だ。ミツルとサンダダの目がキラキラしているぜ。

メルト本人は「やり過ぎたか?」みたいな顔してるけど。

そんな中、我らが頼れる執事がドロップした素材を採ってきてくれる。

「素材を回収してきました。初めて見る方もいるでしょう。あのサメ型モンスターは大変優秀で、大きな鮫皮をドロップします。これが水着の素材になりますね」

「なるほどです」

セレスタンのレクチャーに初めて組の10人が真剣な表情だ。

そう思っていると第2弾発生。

「シャーーー!」

「また出たーーー!?」

「ん? なんかさっきのサメと違うぞ!?」

「シャーーーチ!!」

「あ、あれはシャークじゃない! シャーチだ!!」

「シャーチ!?」

似てるけど違うニセシャーク。

今度出てきたのはシャチ型モンスター、〈レッグ 陸 ( りく ) シャーチ〉だったのだ。結構エンカウントの少ないレアなモンスターである。

さっきのシャークと同じく足が生え陸上でも活動できるようになったシャチだ。

「シャーチも海に帰れ! 『ジェネシス・ヘクサ・アポカリプス』!!」

メルト、今度は〈六ツリ〉の『アポカリプス』で迎撃。

「シャーーーー…………」

もちろん一瞬でHPを吹っ飛ばされた〈レッグ 陸 ( りく ) シャーチ〉は光に還っていったのだった。

「凄い……」

「一撃じゃないか」

「今のが〈六ツリ〉の攻撃魔法……」

あ、そういえば〈エースシャングリラ〉組に〈六ツリ〉の攻撃魔法って見せたこと無かった? モニカが居た頃に何回か見せているはずだが、攻撃系は初だったかもしれない。

意外な初お披露目になってしまった予感。

メルトはまたも尊敬を集めていたが、ちょっと勿体ない気分になったのはなぜだろう?

「ゼフィルス、それじゃあ俺たちは一足先に奥に行ってるぞ」

「お、おう。ラウたちも気をつけろよ」

素材回収も済んで、レグラムとラウの2チームは一足先に転移陣で20層に向かったな。2人の班は、全員上級生なので20層のショートカット転移陣に登録してあるんだ。そのまま30層の最奥ボスを目指す形だ。最奥ボス素材はあっちに任せる。

「ではゼフィルス様、僕たちは〈乗り物〉で向かいましょう」

「だな。この辺はまだ人が居るし、居ないところまで移動するぞ!」

「はっ!」

「我らにお任せください! 〈イブキ〉――召喚!」

俺が宣言すると、即行動に移す騎士男子たち。

その掛け声、まさかのエステル直伝だった。よく訓練されてらぁ。

召喚(?)されたのは1台の〈イブキ〉。

実はミツルたちは上級下位ダンジョンのランク1最奥ボス、〈クジャ〉をすでに倒しており、その素材を集めて作ったものだ!

先日、〈エースシャングリラ〉のメンバーが全力を出し、ついに〈嵐ダン〉を突破したんだ! 凄かろう? いや、本当に凄い。ちなみにこれ、〈エンテレ〉を使っていないのである。攻略本や救済アイテムありとはいえ、自力での攻略だ。

現在〈クジャ〉を周回しており、あと4台を作製依頼中である。

これが揃えば騎士男子たちと賊職男子の1人も、クラス対抗戦で大いに活躍ができるだろう。ふふふ、後輩が順調に育ってきてるんだぜ。

〈イブキ〉に乗って、出発だ。

一先ず10層まで行く。守護型ボスは――あ、今日はまだ残ってる。

「守護型ボスを狩るぞーー!! 大量の素材をゲットするんだ! 俺に続けーー!」

「は、はい!」

「堅いぞミツル! そこは〈おおー!〉って掛け声だ! もう一度いくぞ? 俺に続けーーー!!」

「おおー!」

ここは俺の班が請け負った。

「あれが、ゼフィルス先輩」

「ゼフィルス先輩、やはり凄いです」

「なんだか自然と付いていきたくなる掛け声だよな!」

「ゼフィルスは人を引っ張っていくのに慣れているからな。安心して行ってこい」

「「「おおー!」」」

サンダダ、メーレイ、ロイが俺に注目しているのを感じる。

メルトが送り出してくれるのにグーして、5人で守護型ボスへ挑んだ。

「アチョーーー!!」

「相手は道中にも居た〈アノマロカリュス〉のボス型――〈アーノルジョカリバー〉だ! 砂を巻き上げて攻撃してくるから〈盲目〉状態に気をつけろ! まあ、なったら俺がすぐに回復してやるさ!」

「は、はい!」

相手はアノマロカリス型のモンスター。なぜか二足歩行になって8本の大鎌を構えるかっちょいいボスだ。砂を巻き上げて攻撃してくるので後衛も要注意。

ここにはヒーラーが足りていないので、俺はヒーラーに回ることにした。

「ゆくぞ! 『ドドガッキン』!」

「アチョーーー!!」

まずは【金剛王】のサンダダが挑発スキル。大盾同士をぶつけてガッキンと大きな音でヘイトを稼ぐ。

サンダダの武具はトモヨと同じ二盾使いだ。しかも両手盾の二盾である。すっごく硬いぞ。

「奏でろ俺の歌ーー! 『演奏・祝』!」

続いて【彦スター】のロイが歌声で音楽を表現し、周囲にスキル威力上昇のバフを掛けたな。

叫び声が熱いぜ!

「アチョー!」

「自分の矢は、そんな砂嵐には負けません――『精霊の加護矢』!

そこに【精霊魔弓】のメーレイが矢を放つ。

強力な精霊の加護の灯った矢は輝く軌跡を残しながら〈アーノルジョカリバー〉が起こした砂嵐に突っ込み、そのまま突き抜けてズドンと強力な一撃を決めたのだ。

「アチョ!?」

「行きます! 『ヒーローの力』! はああ! 『インフィニティソード』!」

【プリンスヒーロー】は自己バフと火力のダメージディーラー。

『ヒーローの力』は次自分が出すスキルの威力を、最大2倍にする〈四ツリ〉だ。

そして同じくルルも使っている優秀な〈四ツリ〉スキル『インフィニティソード』でズドンした形だな。

しかし、それでもどうやらここのボスにとっては威力が強すぎたらしい。

「ア、アチョー…………」

「あれ?」

ミツルが素っ頓狂な声を出すと同時に、HPがゼロになってしまった〈アーノルジョカリバー〉はそのままエフェクトの海に沈んで消えてしまったのだった。

〈海ダン〉の10層っていったら、初級の難易度だからなぁ。

ここの推奨レベルって、確か下級職LV30だっけ?