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第1930話 〈金箱〉回!最上級と中級の温度差が凄まじい

ゲーム世界転生〈ダン活〉~ゲーマーは【ダンジョン就活のススメ】を 〈はじめから〉プレイする~ — kakuyomu.jp · All chapters

第1930話 〈金箱〉回!最上級と中級の温度差が凄まじい

「よ、弱かったですね」

「強くなりすぎたんだ」

「ははははは!」

茫然とエフェクトに沈むボスを見つめながらミツルが絞り出したような声で言うと、サンダダから洒落たツッコミが入った。思わず笑ったよ。

「短期間でここまで成長が可能。自分たちもこれほど強くなれると思うと身が入るというものです」

「いやびっくりした! ほとんどワンパンじゃなかったか!? これ、俺のバフも良い感じに入ってたよな! すっげぇ痺れたぜ!」

メーレイとロイはほぼワンパンしてくれたミツルの実力に感銘を受けているようだ。今のミツルの実力は彼らも通る道だ。どんどん強くなっていくぜ。

「そしてその到達点が」

「俺たちの 大 ( ・ ) ギルドマスター、ゼフィルス先輩、ということだな!」

さらには俺まで尊敬の視線で見られてしまったよ。ふははははは!

そう、ミツルの今の実力はまだまだ通過点。その頂点に届いたのが、俺たち〈エデン〉のメンバーだ。

2人にグッと力が入ったのが分かった。さらに。

「あの、ゼフィルス先輩。もしよろしければゼフィルス先輩の本気――でなくとも六段階目ツリーの技を見せてはいただけないでしょうか!」

「おいおいメーレイ!? 恐れ多くもゼフィルス先輩に力を見せてほしいと求めるとは――――正直言うと俺も見たいです! よろしくお願いします!」

なんと俺の力を見たいと頼んできたのだ。なんかやり取りが芝居がかっていて、ちょっと面白い。ならば、ここで乗るのがギルドマスターというものだ!

「ほほう。俺の〈六ツリ〉が見たいか?」

「「見たいです!」」

「よかろう! ならば見るがいい!」

「シャーーーク!!」

丁度タイミング良く〈レッグホージロシャーク〉が登場! ラッキー!

「刮目せよ!! これが俺の――勇者の一撃だーー!! 『 天光勇者聖剣 ( あまのひかりのゆうしゃせいけん ) 』!!」

「シャー…………」

チュドーン。

海から上がってきたばかりの〈レッグホージロシャーク〉は一瞬で勇者の聖剣にぶった切られて光の奔流と一緒になって消えていった。

「「おおおおおおおおおおお!!」」

メーレイとロイの2人は大盛り上がりだ。

真面目なメーレイも、ただのクールキャラというわけではない模様。

熱い男子の魂も持ち合わせているようだ。

「ふう。どうだった?」

「まさに最強の一撃。あの恐ろしい見た目の〈レッグホージロシャーク〉が、ああも一瞬で光にされるとは。素晴らしいものを見させていただきました!」

「凄い……最高だった!!」

「はーっははー! だろう?」

〈レッグホージロシャーク〉は別名:足つきホホジロザメだからね。ビジュアルヤバいよね。それをぶった切る聖なる剣。大変絵になっていたんだ。

「メルト先輩の『アポカリプス』に勝るとも劣らない、凄まじい迫力を見ました」

「わかる! あれも凄まじい攻撃だったけど、俺は『聖剣』の方が好きだ! 俺もやりたい――『 天光勇者聖剣 ( あまのひかりのゆうしゃせいけん ) 』って!」

そしてわいわい語りあう2人。

ふむふむ、メーレイとロイはもしかしたら、つえースキルマニアの 気 ( け ) があるのかもしれないな。メーレイも普段クールっぽいのに、つえースキルにとても興奮しているように見える。男の子だもんな! 強いスキルに憧れる気持ちは、とてもよく分かるぜ。

2人のことが、ちょっと分かった気がした。

「もっと見たいか?」

「「是非!!」」

「ゼフィルス様、〈金箱〉はよろしいのですか?」

「よろしくない!! 悪いなメーレイ、ロイ。ちょっと待ってくれ」

「「あ!」」

うっかり2人に最強スキルを見せて愉悦してたら、10層守護型ボスの〈金箱〉のことを忘れてたぜ。どうやら素材回収もミツルたちがやってくれたようで、後は宝箱を開けるだけだったようだ。

「失礼しましたミツル先輩」

「本当なら俺たちもやらなければいけないことだったのに」

「はは、気にしなくていいよ。2人はゼフィルス先輩と合同攻略は初めてだもんね。気持ちは分かることも多いから」

おお! ミツルがサブマスターしてる!

「ミツルが後輩に砕けた口調で。――ミツルミツル、俺にもそれくらい気安い感じで喋ってくれていいんだぞ? ソアを見習ってさ」

「いえ、ゼフィルス先輩は恐れ多いですので」

解せぬ。

どうやら、数少ない男子同士。もっと仲を深める必要がありそうだ。

「ううっ!? なんか悪寒が?」

「狙いを定められたか……」

なんだか俺が見つめる先でミツルが震え、背後からその様子を窺っていたメルトが目を瞑って唸っていた。なんだか気の毒そうな雰囲気を出しているのが、少し気になったんだぜ。

まずはミツルが1つ目の〈金箱〉を開けることに決まる。

「え、えっと。〈金箱〉の中身は――〈海と男と筋肉の海パン〉レシピ?」

「筋肉ーーー!! いきなりとんでもないものが当たりやがったな!?」

それ、【筋肉戦士】の専用装備だぞ!? 【筋肉戦士】が装備しても装備枠を消費せず、装備していることにならないという効果を持つとんでも装備だ!

【筋肉戦士】は装備すればするほど力が弱まってしまう。しかし、〈海ダン〉では水着を装備したいもの。

裸により近くなる環境で筋肉が弱体化するなんて、そんなおかしいことがあって良いはずがない! そんな要望を元に作られたのが、この装備だ、と言われている。

なんだ筋肉の海パンって!!

いや、【筋肉戦士】専用の海パンって意味だけどさ! なんで開発陣はこんなの作っちまったんだ!

ちなみに、これは〈海ダン〉以外でも使えるため、【筋肉戦士】で唯一装備できる装備品として非常に重宝され、どこのダンジョンでも使われていたんだ。アレは地獄の光景だったぜ。

なんならクエストによっては公式ギルドにも所属している海パン装備【筋肉戦士】キャラも出てくるほどだった。

俺は〈秩序風紀委員会〉にこんなの装備した男子が所属したらダメだと思うんだ。

「あ」

「こ、これは俺が預かっておく。気にしてはいけないぞ?」

俺はひょいっとミツルからレシピを取り上げた。悪い先輩だと思わないでくれ?

「〈筋肉は最強だ〉ギルドに売りに行きましょうか? 彼らなら高値で買い取ると思いますが」

「売らないぞ!? それにあそこももう半分が【悪魔】職だし、いらないだろ!?」

セレスタンがなんか提案してきたが、もちろん却下させてもらったんだ。

これは封印しなければならないレシピだろ。

次に行こう。

「次の〈金箱〉には良いのが入っていますように! サンダダ、開けてくれ」

「では」

〈神猫様〉のお力で〈金箱〉が2つで神ってる。

残りの〈金箱〉に願いを込めてサンダダに開けてもらったんだ。

すると――出てきたのは檻。ん?

「こりゃあ?」

「『解析』です。名前は――〈シャーク・シャーチ捕獲檻〉というそうです。入った〈シャーク〉〈シャーチ〉系統のモンスターを100%の確率でテイムできるアイテムですね」

「シャークもシャーチも要らないだろ!?」

ちょーーーっとどういうことだ!?

俺の脳裏に足が生えて陸を走れるようになったシャークとシャーチが追いかけっこしている姿が過ぎった。

あれをテイムしてどうするんだよーーー!!

いやさ、確かにサメって強いよ? 見た目は凶悪だし、おそらく人類が怖いと思っている動物の中でもトップクラスだろうさ。でもさ、それって水中ではなんだよ!

陸を走るシャークとかネタなんだよ!! シャーチも同様だ!

1つ目の〈金箱〉=海パン。

2つ目の〈金箱〉=足の生えたサメとシャチ。

ち、ちくしょう! ろくなものが当たらなかった! せっかくの〈金箱〉なのにこれはいったいどういうことだ!?

最近はレイドボスが登場する最上級ダンジョンの強力過ぎるドロップに慣れ親しみすぎて忘れかけてたけど、そういえば初級とか中級のエクストラダンジョンのドロップってこんなんだったわ! ネタが適度に混じってるんだよ!

なんだか、逆に新鮮だわ!

「檻も仕舞っちゃおうね」

「え? 結構良い感じですけど?」

「仕舞っちゃおうね?」

「あ、はい」

ミツルよ、すまん。

なんだかミツルと仲良くなるどころか、距離が開いた気がしたのは、きっと気のせいだと思いたいんだぜ。

「それじゃあ、この辺で手分けして素材を収集しようか」

「「「「おおー!」」」」

この調子で手分けして素材採集。

とりあえず、この日だけで95人分、むしろそれ以上の水着素材が揃ったのだった。