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第1935話 まずは素材の昇華から。ハンナの奥義が炸裂!

ゲーム世界転生〈ダン活〉~ゲーマーは【ダンジョン就活のススメ】を 〈はじめから〉プレイする~ — kakuyomu.jp · All chapters

第1935話 まずは素材の昇華から。ハンナの奥義が炸裂!

きたぜきたぜ~!!

最強装備の流れが、ついに来たんだーーー!!

「アルル! レベルカンストおめでとう!!」

「「「「「おめでとうー!」」」」」

「えへへ、ありがとぉなぁ!」

ドッと沸くギルドメンバーたち。

それはそうだろう。アルルがLV100に至れば最強装備を作れるという話は、もうみんなには伝えていたからな。

そしてアルルがついに頂き、LV100ヘと至った。

〈オリハルコン〉もあるし、レジェンドレシピもあるし、ハンナもLV100だ。

最強装備作製のピースは、今、揃ったのだ。

「みんな、これからダンジョンに行こうって時に悪い、アルルに最強装備の作製工程を頼みたい!!」

俺はみんなに向けて宣言する。

〈海ダン〉まで1週間、さあダンジョンに行こうというときに悪いとは思う。

しかし、こればっかりは譲れないのだ!

「別にいいわよ? 最強装備を是非作ってもらいたいわ!」

「はい。それにまだダンジョンに行こうって話まではしていませんでしたし」

「あれ? そうだったっけ?」

「またゼフィルスの頭だけで突っ走ってるわね」

あっさり許可が下りる。

リーナの言葉にさっきの話の流れを思い返してみると、確かにダンジョンに行こうとはまだ言ってなかったな。少し気持ちが先へ行きすぎてしまったようだぜ。

あ、シエラのジト目ごちそうさまです!

「それでは私たちは〈エースシャングリラ〉の指導をするとしよう」

「リカ先輩、よろしくお願いしま~す!」

「そういうことならルルも頑張っちゃうのです! ミツルはルルがビシバシバリリと鍛えちゃうのですよ!」

「最後のバリリが気になるんですけど!?」

「バリリはアリスのお役目なの~!」

「え、ええ!?」

どうやら今日は〈エースシャングリラ〉との交流、そして一緒に特訓することに決めたようだ。

そういうことなら俺も遠慮しなくていいぜ。

あと、アリスのバリリはバリバリの間違いだと思うぞ? 痺れちゃうからね?

「サンキューみんな! ――よし、アルル、ハンナ、俺たちは装備の作製に入るぞ!」

「おっしゃ! ついにこの日が来たんやで! 待ちわびたわ! 漲 ( みなぎ ) るわ!」

「うん! 私もこの日のためにいっぱい素材作っておいたから、アルルちゃんがんばって!」

そう言ってここで俺は離脱。

アルルとハンナと共に工房へと向かった。

まずはハンナの錬金工房だ。

「あ、アルストリアさん、ハンナ様が来ました!」

「ハンナさん、こっちの準備はできていますわよ」

「ありがとうございますシレイアさん、アルストリアさん」

錬金工房にはシレイアさんとアルストリアさんが先に戻ってきて準備していた。

2人の中心には、俺たちがこの前〈聖界ダン〉で手に入れた〈最上竜王級・錬金釜〉と〈聖なる神の錬金棒〉が鎮座していた。

さらには〈オリハルコン〉がいくつも置いてあったんだ。というか山になってるな。

こうなってくれば、何を作るか分かるというものだ。

まずはハンナのターン。

「それじゃあ早速いくよ! ゼフィルス君、見ててね。――アルストリアさん、お願いね」

ハンナがアルストリアさんに指示を出す。とても珍しい光景。

しかし、錬金中は結構馴染みのある光景でもあるのだ。ハンナの指示出しの慣れからもそれが伺える。

「はい! ――〈天聖祝福のオリハルコンメタル〉のレシピ起動ですわ!」

瞬間、アルストリアさんが広げたレシピが空へ浮き、錬金釜と一緒に光りだす。

そう、これは〈聖界ダン〉の90.5層にいたレイドボス〈セラフィム〉からドロップした――〈オリハルコン〉を昇華する錬金術。

これによって〈オリハルコン〉は〈天聖祝福のオリハルコンメタル〉へと姿を変え、昇華するのだ。

もちろん装備のレジェンドレシピの多くが〈オリハルコン〉を要求しているが、それはあくまで並のレジェンド装備。最高級の最強装備を作りたければ〈天聖祝福のオリハルコンメタル〉が要求される。

そして〈オリハルコン〉素材を昇華させるのは、【錬金術師】の仕事だ。

「錬金起動。調合開始」

ハンナの言葉にシレイアさんが錬金釜へ〈オリハルコン〉をどんどん投入していく。錬金棒を握ったハンナがぐるぐるとかき混ぜていくのだ。

ちなみに「錬金起動。調合開始」のセリフはハンナのルーティン。

集中する錬金術を始める時によく口にする言葉だ。なんかかっこいいよね。

「ま~ぜ、ま~ぜ。ま~ぜ、ま~ぜ」

でも続くセリフに力が抜けるのもハンナクオリティだ。

これでもハンナはかなり集中しているんだけどな。

俺もアルルも一切言葉を発さず、ハンナの邪魔をしないように見守る。

「うん、良い感じ、これくらいかな――」

そう言ってハンナが錬金棒を錬金釜から取り出し、片手を錬金釜に翳す。そして――。

「変わってね――『アイテムレボリューション』!」

【アルケミーマイスター】のユニークスキル『アイテムレボリューション』を発動する!

それをハンナが発動すると、ユニークスキルのエフェクトが輝き、瞬間、錬金釜に入っていた〈オリハルコン〉の色がギュッと深まったのだ。

〈オリハルコン〉素材の数もやや減少し、見た感じ3分の2程度に減っているな。

「うん、成功だね! ふう」

「ハンナ、お疲れ様だ! はい、これ〈アルティメットエリクサー〉」

「ありがとうゼフィルス君」

一息吐くハンナに俺は近づき、MPを1000回復させる〈アルティメットエリクサー〉を渡す。ハンナ特製のこれは2100回復するので1本飲めばハンナの空っぽになったMPも全回復だ。

ハンナの最大MPは2000ジャストで止めてあるからな。

そう、あの『アイテムレボリューション』の消費MPは2000だ。1回で2000消費する。ハンナのスキルの中で、一番MPコストが重いスキルだな。故に、俺はハンナの最大MPを2000で止めている訳だ。後はRESとDEXに振るのが最善。

「おお、おおおおおお!! 完璧や! 完璧な〈天聖祝福のオリハルコンメタル〉ができてるで! しかもこれほどの数を、一度に……!! さすがはハンナはんや!」

「えへへ~」

錬金釜を覗き込んだアルルが目を輝かせてハンナをべた褒めする。

それもそのはずだ。そこにはこれ以上ない最高の素材がたっぷり完成していたのだから。

今日はアシスタント役のアルストリアさんとシレイアさんが性能を確かめながら取り出したのは、ブルーに輝きどこかメタリックな印象を受ける、ハンドボール並の大きさの金属。

「この純度。何度見ても、美しいですわ」

「さすがはハンナしゃま、でしゅ」

この圧倒的な美しさに圧倒される者が2名、いや、3名だな。アルルもしっかり混じっている。

しばしうっとりと3人でそれを見つめると、アルストリアさんが〈 空間収納鞄 ( アイテムバッグ ) 〉に入れてアルルに渡してくれる。

「はい。アルルさん、ハンナさんが丹精込めて作ってくださった素材です。取り扱いには十分ご注意を」

「もちろんや。これは大事に使わせてもらうで!」

「ハンナ様なら片手間にパパッと作っちゃいますけどね」

「それは言わぬが花ですわシレイアさん」

そう、もうお気づきかもしれないが、ハンナの『アイテムレボリューション』は錬金の最高峰の奥義。

なんとLV10の『アイテムレボリューション』を使う時、『最上級錬金LV10』『最上級調合LV10』『 魔釜 ( まか ) LV10』『 魔釜 ( まか ) 合成昇華LV10』が揃ってないと発動自体できないというとんでもない条件を持つが、それに見合うだけの大革命を遂げさせる凄まじい効果を持つのだ。

簡単に言えば『最上級錬金LV10』『最上級調合LV10』『 魔釜 ( まか ) LV10』『 魔釜 ( まか ) 合成昇華LV10』の効果をさらに一歩飛躍させパワーアップさせた効果を発動するスキル、と言えばいいか。

今の〈オリハルコン〉も〈天聖祝福のオリハルコンメタル〉にするためには『 魔釜 ( まか ) LV10』と『 魔釜 ( まか ) 合成昇華LV10』が最低必要なのだが、それでも成功率は結構ブレるのだ。 失敗 ( ファンブル ) することも多い。なにせ相手は最上の素材である。それをさらに合成昇華させるのだから品質だって一定にすることは難しい。

それを可能にするのが『アイテムレボリューション』だな。

ノーアの『ドロップ革命』の時もそうだったが、革命系はワンランク上のものに昇華させる。もちろん、それにはハンナの特化させたRESとDEXのステータスや、錬金釜などの作製道具、さらにリアル効果でハンナの腕も必要だけどな。

これにより最高級の〈天聖祝福のオリハルコンメタル〉が安定して作られたわけだ。

付け加えると、本来なら〈天聖祝福のオリハルコンメタル〉を作るには〈オリハルコン〉が3つ必要なのだが、ハンナは『素材消費半分LV10』の効果で半分で良くなっている。故に30個の〈オリハルコン〉で〈天聖祝福のオリハルコンメタル〉を作ると、本来10個しか完成しないものが――20個完成する。

故に、錬金釜の中身が少なくなっているように見えるが。あれでも倍に増えているんだから〈天聖祝福のオリハルコンメタル〉がどれだけ希少なのかが分かるというものだ。

これこそが【錬金術師】の真骨頂、昇華の奥義である。

前々から〈魔石〉同士を合成し、〈中魔石〉などを作っていたハンナ。【錬金術師】はそうやって素材同士を合わせて合成昇華して、より性能の高い素材を作り出してしまうのである。

今回は〈魔石〉とは違ってレシピが必要だったが、問題無く作製に成功していたな。さすがはハンナだ。なんか奥義が片手間とか聞こえた気がしたが、きっと聞き間違えだろう。

「それで、前々から貯めていた〈天聖祝福のオリハルコンメタル〉がこの中に入ってるから、アルルちゃんは持っていってね」

なお、追加で1000個以上の〈天聖祝福のオリハルコンメタル〉が入った〈 空間収納倉庫 ( アイテムボックス ) 〉が追加でドシンとアルルに渡されたが、希少素材で間違いないんだ。本当だぞ?

しかしハンナはすごいな。俺が指導しなくても、作り方が完璧だった。

もう俺から言うことは、なにもないな。

というわけで、次はいよいよ本命。

アルルの出番だ。

――最強装備、作製だ!